ラテンアメリカ日本文献 その2
▲ 『ラテンアメリカを知る事典』 平凡社 第1版 1987
▲ 右端は 国本伊代 『概説ラテンアメリカ史』 新評論 第1版 1992
現在は第2版が出版されている。中の本はラテン・アメリカ協会編『ラテンアメリカの歴史』 1964 中央公論社。私が買ったラテンアメリカ史概説の最初の本。左端はグレック・グランディン 『アメリカ帝国のワークショップ』 明石書店 2008
大井邦明・加茂雄三 『ラテンアメリカ』 朝日新聞社 1992
▲ 大井邦明・加茂雄三 『ラテンアメリカ』 朝日新聞社 1992
1冊で、それも小型本、252頁に ラテンアメリカ史を圧縮。133点の参考日本語文献・年表・事項・人物索引もあり便利。
国本伊代・中川文雄編著 『ラテンアメリカ研究への招待』 新評論 第1版 1997
▲ 国本伊代・中川文雄編著 『ラテンアメリカ研究への招待』 新評論 第1版 1997
10名のそれぞれの専門分野の執筆による共著
現在は改訂増補版が出版されているが、こちらは未見。新自由主義下のラテンアメリカ、や、軍政から民政移行後の、米国からの自立の流れが展望されていることだろう。参考文献・索引も詳細で、手元においておくと便利、私が1970年初頭の学生時代にこんな本があったらなぁとしきりに残念におもう。大学の教養科目にもラテンアメリカ史や文化の講座がなかった。ようやくぼちぼち文化人類学の講座が大学に導入される頃だった。
高橋均・網野徹哉 『ラテンアメリカ文明の興亡』 中央公論社 中公文庫版 2009
▲高橋均・網野徹哉 『ラテンアメリカ文明の興亡』 中央公論社 中公文庫版 2009
以上の5冊で紹介している参考文献より、雑誌論文・や年報の類を省いた比較的入手しやすく、今後私も入手して読む計画のある書籍を選択して下に掲載。地域別の文献は ラテンアメリカ日本文献 3として追加したいが。
1964年にラテンアメリカ協会の編集で発刊された『ラテン・アメリカの歴史』 中央公論社 では日本語で読める参考文献は巻末にあったのだが、そこには僅か16ほどしかなかった。アメリカ一辺倒の時代だったんだねえ。
1970年代、ラテンアメリカの手頃な日本語の概説書は『ラテン・アメリカの歴史』と、山川出版社の世界現代史のラテンアメリカ編くらいしかなかったのではないだろうか。
詩の雑誌『ユリイカ』や、中央公論社で出していた文芸誌『海』でラテンアメリカの特集がたびたびあり、アルゼンチンの作家ボルヘスを知り、ファンになったのはその頃なのだが・・・・その後長い休眠状態のラテンアメリカの無関心を覚ましたのは、1973年9月11日のチリ・クーデターや、ウォーター・ゲート事件が発覚した後の一連のアメリカ上院の調査報告「CIA秘密報告] が出版された頃である。アメリカを知るにはラテンアメリカを、ラテンアメリカを知るにはアメリカを知ることが不可欠。「見えない政府」を見るのも大切だと思うのだが。
概説・地誌・政治・社会
L.ヒューバーマン/P.Mスウィージー 『キューバ 一つの革命の解剖』 岩波書店 1960
▲ L.ヒューバーマン/P.Mスウィージー 『キューバ 一つの革命の解剖』 岩波書店1960
ライト・ミルズ 鶴見俊輔訳 『キューバの声』 みすず書房 1963
▲ライト・ミルズ 鶴見俊輔訳 『キューバの声』 みすず書房 1963
カストロはライト・ミルズの『パワー・エリート』を読んで、改革の心情を大いに養ったはず。旧植民地の大農地所有の残るキューバで、差別社会から平等への希求は、自由と同じくらい大切なもの。アメリカの戦後のレッドパージは、収まったかのように見えるが、深層は別なのが分かる。アメリカの政治・経済のパワーエリートたちは、キューバの旧来の植民地経営者と資本提携・経済思想・価値観を同じくするものが多く、平等はもってのほかなのである。未だにキューバでは、米国の経済封鎖・制裁がつづく。キューバ革命直後の米国知識人の声が聞こえてくる。
増田義郎 『メキシコ革命 近代化の戦い』 中央公論社 1968
▲増田義郎 『メキシコ革命 近代化の戦い』 中央公論社 1968
O・パス 吉田秀太郎訳 『孤独の迷路 素顔のメキシコ人』 新世界社 1976
E・ウィリアムズ 川北稔訳 『コロンブスからカストロまで カリブ海域史』 岩波書店 1978
ロランド・メジャフェ 『ラテンアメリカと奴隷制』 岩波書店 1979
O・パス 高山智博・熊谷明子訳 『孤独の迷宮 メキシコの文化と歴史』法政大出版局 1982
国本伊代・乗浩子 『ラテンアメリカ 社会と女性』 新評論 1985
細野昭雄・恒川恵一 『ラテンアメリカ 危機の構図』 有斐閣 1986
G・グティエレス/A・マタイス編 『解放の神学』 上智大学社会正義研究所 明石書店 1986
▲G・グティエレス/A・マタイス編 『解放の神学』上智大学社会正義研究所 明石書店1986
エドアルド・ガレアーノ 『ラテンアメリカ五百年 収奪された大地』 新評論 1986
▲エドアルド・ガレアーノ 『ラテンアメリカ五百年 収奪された大地』 新評論 1986
松下洋 『ペロニズム・権威主義と従属』 有信堂 1987
染田秀藤 編 『ラテンアメリカ史 植民地時代の実像』 世界思想社 1989
アルフレッド・ステパン 『ポスト権威主義』 同文館 1989
▲ フィリップ・ベリマン 後藤政子 『解放の神学とラテンアメリカ』 同文館 1989
298頁 定価2800円
フィリップ・ベリマン 『解放の神学とラテンアメリカ』 同文館 1989
石塚道子編 『カリブ海世界』 世界思想社 1991
大井邦明・加茂雄三 『ラテンアメリカ』 「地域からの世界史」 16 朝日新聞社 1992
国本伊代 『概説ラテンアメリカ史』 新評論 1992
三田千代子・奥山恭子編 『ラテンアメリカ 家族と社会』 新評論 1992
染田秀藤 編 『ラテンアメリカ 自立への道』 世界思想社 1993
後藤政子 『新 現代のラテンアメリカ』 時事通信社 1993
赤澤威 他編 『アメリカ大陸の自然誌』 全3巻 岩波書店 1993
松下洋・乗浩子編 『ラテンアメリカ 政治と社会』 新評論 1993
細野昭雄・畑惠子 『ラテンアメリカの国際関係』 新評論 1993
松下 冽 『現代ラテンアメリカの政治と社会』 日本経済評論社 1993
遅野井茂雄編 『冷戦後ラテンアメリカの再編成』 アジア経済研究所 1993
大串和雄 『軍と革命 ペルー軍事政権の研究』 東京大学出版会 1993
中川文雄・三田千代子 『ラテンアメリカ 人と社会』 新評論 1995
大串和雄 『ラテンアメリカの新しい風』 同文館 1995
小林到広編 『メソアメリカ社会』 世界思想社 1995
加茂雄三 『ラテンアメリカ』 自由国民社 1999
小池洋一他編著 『図説ラテンアメリカ』 日本評論社 1999
清水徹編著 『ラテンアメリカ』 大月書店 1999
西川長夫・原毅彦編 『ラテンアメリカからの問いかけ』 人文書院 2000
歴史的記憶の回復プロジェクト編 『グアテマラ虐殺の記憶』 岩波書店 2000
神代 修 『シモン・ボリーバル ラテンアメリカ独立の父』 行路社 2001
▲ 神代 修 『シモン・ボリーバル ラテンアメリカ独立の父』 行路社 2001
今福龍太 『クレオール主義』 筑摩書房 2003
▲ 今福龍太 『クレオール主義』 筑摩書房 2003
▲グレック・グランディン 松下冽 訳 『アメリカ帝国のワークショップ 米国のラテンアメリカ・中東政策と新自由主義の深層』 明石書店 2008
南米の軍事独裁・新自由主義の嵐のあと、反米から米国抜きの中南米ネットワークが進みつつある時代の鳥瞰が得られる。一方メディア総動員体制・プロパガンダ作戦の詳細なやりかたの分析には、寡頭政治の力が、ここまで及んでいるのかと・・・・。最近読んだ南米に関する、一押しの本だ。
グレック・グランディンは、いつだったか、デモクラシー・ナウにゲストとして招かれ、パラグアイのルゴ大統領の危機についてレポートをしていた。2012年10月27日に私のブログ記事あります。
http://blog.goo.ne.jp/jfk1122zzzya/e/4c93f6c6ef723467e5658ce0d7d26c0b
松下 冽 『現代メキシコの国家と政治』 御茶の水書房 2010
事典・便覧など
加茂雄三 『ラテンアメリカハンドブック』 講談社 1985
外務省中南米局編 『中南米諸国便覧』 ときどき改訂版出しているようだ
『ラテン・アメリカ事典』 ラテンアメリカ協会 これは10年ごとくらいに改訂?
『ラテンアメリカを知る事典』 平凡社 1987 その後改訂増補叛もでた
ラテンアメリカ 古代史・スペインの征服まで
▲ 泉靖一 『インカ帝国』 岩波書店 岩波新書 1959
▲ 増田義郎 『古代アステカ王国 征服された黄金の国』 中央公論社 中公新書 1963
増田義郎 『コロンブス』 岩波書店 岩波新書 黄版93 1979
▲ 増田義郎 『コロンブス』 岩波書店 1979
及川博一 『コロンブスは何を「発見」したか』 講談社 1992年
▲ 及川博一 『コロンブスは何を「発見」したか』 講談社 1992年
▲マリアンヌ・マン=ロ 染田秀藤訳 『イスパノアメリカの征服』 白水社 文庫クセジュ 1984
▲関雄二 『古代アンデス 権力の考古学』 シリーズ諸文明の起源12 京都大学学術振興会 2006
▲ カルメン・ベルナン 大貫良夫訳 『インカ帝国 太陽と黄金の民族』 創元社 1991
▲ クロード・ボーデ/シドニー・ピカソ 落合一泰監修 阪田由美子訳 『マヤ文明』 創元社 1991
▲ セルジュ・グリュジンスキ 落合一泰監修 斉藤晃訳 『アステカ王国』 創元社 1992
▲ ラス・カサス 石原保徳訳 『インディアス破壊を弾劾する簡略なる陳述』 現代企画室 1987
経済分野 参考文献
A・G・フランク 西川潤訳 『世界資本主義とラテンアメリカ』 岩波書店 1978
A・G・フランク 大崎正治他訳 『世界資本主義と低開発』 柘植書房 1979
▲ A・G・フランク 大崎正治他訳 『世界資本主義と低開発』 柘植書房 1979
西向嘉昭 『ラテンアメリカ経済統合論』 有斐閣 1981
細野昭雄 『ラテンアメリカの経済』 東京大学出版会 1983
チェルトン・デーヴィス 関西ラテンアメリカ研究会訳 『奇跡の犠牲者たち』 現代企画室 1985
▲チェルトン・デーヴィス 関西ラテンアメリカ研究会訳 『奇跡の犠牲者たち』 現代企画室 1985
小池洋一・西島章次編 『ラテンアメリカの経済』 新評論 1993
ラテンアメリカの文化 文学・美術・音楽など
C・ワーグレイ 佐野泰彦訳 『ラテンアメリカの伝統』 新世界社 1971
J・ジョゼ 高見英一・鼓直訳 『ラテンアメリカ文学史』 白水社 1975
『事典ラテンアメリカ音楽』 冬樹社 1984
野谷文昭・旦敬介編著 『ラテンアメリカ文学案内』 冬樹社 1984
▲ 野谷文昭・旦敬介編著 『ラテンアメリカ文学案内』 冬樹社 1984
田村さと子編訳 『ラテンアメリカ詩集』 土曜美術社 1984
『ラテンアメリカの文学』 全18巻 集英社 1983-1984
ウンベルト・エーコ/V.V.イワーノフ/モニカ・レクトール 池上・唐須訳『カーニバル』 岩波書店 1987
▲ ウンベルト・エーコ/ V.V.イワーノフ他 『カーニバル』 岩波書店 1987
黒田悦子 『フィエスタ 中米の祭りと芸能』 平凡社 1988
▲ 黒田悦子 『フィエスタ 中米の祭りと芸能』 平凡社 1988
野谷文昭 『越境するラテンアメリカ』 パルコ出版 1989
石塚道子 編 『カリブ海世界』 世界思想社 1991
中島広允 『陶酔する文化 中南米の宗教と社会』 平凡社 1992
P・マニュエル 中村とうよう訳 『非西欧世界のポピュラー音楽』 ミュージックマガジン 1992
『ラテンアメリカ文学選集』 全15巻 現代企画室 1990ー1996
平井雅・永嶺修共編 『カリブ海の音楽』 富山房 1995
雑誌特集 など
▲ 『現代思想』 16-10 青土社 「特集ラテンアメリカ 増殖するモニュメント」 1988年8月号
▲ 『現代思想』 36-16 青土社 「臨時増刊 総特集 カストロ」 2008年5月臨時増刊
ルポルタージュ
G.ガルシア=マルケス 後藤政子訳 『戒厳令チリ潜入記』 岩波書店 1986
▲G.ガルシア=マルケス 後藤政子訳 『戒厳令チリ潜入記』 岩波書店 1986
伊藤千尋 『燃える中南米 特派員報告』 岩波書店 1988
▲伊藤千尋 『燃える中南米 特派員報告』 岩波書店 1988
長倉洋海 『フォト・ジャーナリストの眼』 岩波書店 1992