前日のブログでマーク・レーンが弁護人を引き受けたハント対リバィ・ロビー社の二審における結果 ハント敗訴の評決は、全員一致をみて決まったことを紹介したが、これはハント側のアリバイ証明が薄弱だっただけで評決が下されたわけではなく、ハントが戦後一貫してCIAの対外工作に従事し、この裁判の過程で、カリブ海周辺諸国での活動を述べざるを得ない状況となり、正式なCIA職員として、カリブ海近隣諸国など、アメリカにとって好ましからざる政府の転覆工作に関わる仕事をしていたことを宣誓証言することとなったのである。もちろん秘密工作のすべてを宣誓証言するはずはない。しかしマリータ・ローレンツの捨て身の証言があり、陪審員・陪審員長を深く揺り動かしたことは確かである。そのマリータ・ロレンツの重大な証言とは何だったのか。 . . . 本文を読む
マーク・レーン の 『おおがかりな嘘』は、すでに邦訳のある、『ケネディ暗殺の謎ーオズワルド弁護人の反証ー』中野国雄訳 1967年 徳間書店 に続く、日本語訳のあるものでは2番目の著書である。共著ではドナルド・フリードとの『ダラスの熱い日』井上一夫訳 1974年 立風書房 がある。前著『ケネディ暗殺の謎ーオズワルド弁護人の反証ー』が、アメリカ政府刊行の『ウォーレン報告書』に対する徹底的な反論であったのに対し、この『おおがかりな嘘』は、ウォータゲイト事件、の後を受け、アメリカの高まる政府批判や公式報告書不信の中で「アメリカ下院暗殺調査委員会」の結果報告後の状況が展望できる点にある。事件当日、ウォータゲイト事件の実行犯の一人、ハワード・ハントが、ダラスにいたのか、をめぐっておこされた裁判にも関わった弁護士、マーク・レーンの 事件追及の目は鋭い。 ウォーレン報告書以後の経過の情報の蓄積の乏しい日本では、オズワルド単独犯行 以外の可能性、つまり陰謀の可能性をアメリカ議会が指摘していたことなどを的確に知る機会が少ない。ジム・ギャリソンとともに、ケネディ暗殺事件を生涯をかけて探求しているマーク・レーンのことばに耳を傾けたい。 . . . 本文を読む
5月22日のブログで、太田博之「埼玉中の山古墳出土の有孔平底壺系円筒形土器」『考古学雑誌』90-2 2006年 のことをメモしていたのだが、朴天秀の論考や、彼の著『加耶と倭』を再読しようと、あれこれ探していたところ、偶然「韓半島南部に倭人が造った前方後円墳」の論考をネット上で見つけた。九州国際大学 国際関係学論集 第5 巻 第1・2 合併号(2010)に掲載されたものだ。倭人が造った前方後円墳をより具体的な事象と関連させて論じていて、とても興味をそそられたのだ。 . . . 本文を読む