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野散 のさん  野を開く鍵 贈与のカオスモス 散種 混沌ー宇宙 想像的・歴史的なもののジャンルなき収蔵庫をめざして 

ケネディ暗殺 I am a patsy!I am a patsy!(私は身代わりですよ!はめられたんです!

2012年06月11日 | JFK ケネディをめぐる本・新聞記事
ダラス署でオズワルドが記者団に向かって、哀願するような顔つきで、言ったことばである。「私は身代わりですよ! はめられたんですよ!」 このことばは、テレビでも放映され、ケネディ暗殺事件を扱うドキュメンタリー放送には、このシーンがよく使われていた。日本で放送された特集番組でも収録されていたが、ほんの短い時間であったので、細かい内容の記憶が薄れていたのだ。仲晃『ケネディはなぜ殺されたのか』1995年 NHKブックス 日本放送出版協会刊 では、このオズワルドのこのことばをエピローグで紹介していた。 あの報道陣に向かって哀願するようにいったことばは、『ウォーレン報告』で結論するような、「自分のための歴史上の地位 ー彼の時代の先駆者として認められるような偉大な人物(マルクス主義者・共産主義者)としてとしての役割ー」に執着していた人間のことばであるとは断じてあり得ない。 オズワルドは、自分が罠に嵌められているのにようやく気がつき、報道陣に向かってあのことばを放ったのではなかったのか。 オズワルドは法に基づいて弁護士をつけてくれと何度も要求もしていた。居合わせた記者団・報道陣はそのことばを何度も聴いていたはず。しかし弁護士もつけられず、警察の調書も何一つ記録に残されないまま(オズワルドは、私は政府のための情報連絡の仕事をしている、逮捕などありえない、なんなら、連絡先に電話をしたらすぐわかるなんて言ったかもしれない。署員がオズワルドが何かの下級情報員をしているとあらかじめ知っていれば、調書・聴取は作れるはずがない)彼は警察署地下室に紛れ込んでいたジャック・ルビーの銃弾で消えた。 著者 仲晃は この著『ケネディはなぜ殺されたのか』で大統領暗殺事件の背景にある大きな力をあぶりだす。それは一体なにか? . . . 本文を読む

ケネディ暗殺事件 1964年6月発行のトーマス・ブキャナンの本『誰がケネディを殺したか』

2012年06月09日 | JFK ケネディをめぐる本・新聞記事
1963年11月22日ケネディがダラスで凶弾に倒れた。翌年(1964)9月に政府の公認の調査報告書『ウォーレン報告』が正式に発刊された。このブキャナンの著書『誰がケネディを殺したか』文藝春秋社 1964年 は アメリカ政府報告書刊行前に発刊されたものである。  フランスの週刊紙『レクスプレス』の1964年2月20日から6回にわたり連載されたものを元にフランスで最初に発刊された本の翻訳(内山敏訳)である。  著者ブキャナンは1919年生まれのアメリカ南部ボルチモア出身。戦後はパリ移住。アメリカ現地取材の後、アメリカで出版を試みるが、(当然ながら)断られたという本。ブキャナンが移り住んだフランスでもドゴール大統領が機関銃の一斉射撃を受けていた時代である。出版から五十年ちかくになる今、この本を読むとブキャナンの同時代を見る目は鋭かったことがわかる。旧保守・植民地主義は戦後世界で清算されていたわけではなく、旧来の過激な保守主義は陰に表に世界で猛威をふるっていた時代である。この本は冷戦の対立に隠れて、見ようともしなかったアメリカの草の根保守主義の伝統や、腐敗にも触れている。  また、1962年秋に起きたイタリア・シチリア島でのイタリア国有石油産業総裁のマッテイの専用機爆発とその死についても、ケネディを排除した勢力である「ミスターX」との関連を示唆している。この「ミスターX」とはどんな勢力なのか。 . . . 本文を読む