野散 NOSAN 散種 野の鍵 贈与のカオスモス ラジオ・ヴォルテール

野散 のさん  野を開く鍵 贈与のカオスモス 散種 混沌ー宇宙 想像的・歴史的なもののジャンルなき収蔵庫をめざして 

今日の古書到着便 武田幸男編著 『朝鮮の歴史と文化』 1996年 日本放送出版協会 

2013年01月21日 | 旧刊書遊記
先週古書店に注文していた本が夕刻届く。九州からの便だったので大雪で遅れていたようだ。本は武田幸男編著の『朝鮮の歴史と文化』1996年 日本放送出版協会  . . . 本文を読む

モーリス・メルロ=ポンティの『見えるものと見えないもの』、桑原ほか編集の雑誌『ディオゲネス』の事

2013年01月19日 | 旧刊書遊記
3.11の地震の後、本棚の整理をしていると、学生の頃、買い求めていた、ポンティの著書や、桑原武夫らが編集していた『ディオゲネス』という雑誌が出てきた。最近はブログで謀略や、政略のような事を記事にしているが、この種の本ばかりよんでいると、山歩きの途中で、ふと見つけた湧き水のように、清冽な水の音を聞きたく、またその水を味わいたくなる。そして、『イメージとシンボルの』エリアーデや、『水と夢』のバシュラールのような森羅万象や宇宙樹、身体と世界との関係を生き生きと表現してきた著書にも触れたくなってくる。若い頃会津駒ヶ岳から中門岳にかけて池塘周辺に乱れ咲く高山植物、そして山頂のゆるやかな散歩道を不思議な喜びに満ちあふれながら歩いた少年時代の頃を思い出す。あのとき山と一緒になって味わった身体を貫く快感はなんだったのだろう!そこは私の思考の幸福が生まれる瞬間を覚醒させ湧きだした源泉なのだが。 . . . 本文を読む

読書工具箱 『日本古代人名辞典』 1958ー1977 吉川弘文館

2013年01月17日 | 旧刊書遊記
勤務先に事典など基本図書があるのは、なんの不思議もなく無意識だったが、いざ定年退職してみると、手元に調べたい分野の細かい事典類が少ないのに気がつく。真冬に二三の調べ物で図書館に出向くのも億劫になる。ネットの「日本の古本屋」でさがして、ようやく、『日本古代人名辞典』を入手した。刊行のことばや、あとがきの辞など、読まずに使っていたが、今回あらためて入手して、読んだのだが、大変驚いたことがあった。 . . . 本文を読む

大島渚 映画メモ 1

2013年01月16日 | 映画遊記
毎回、古書の 栞 付箋箇所の 要約を続けるのも能がない。と、思案 というところへ、大島渚の訃報。去年は若松孝二監督が事故死、今年はブログで映画に関わる記事を充実させようと思っていた矢先だった。2008年~2009年に大島渚の著作集が現代思潮社から刊行され、その著作集の中に現在の大島渚の言葉がないことに気づき、病がただならぬ状態なのだということがわかっていたが、まだまだ、戦後日本への怒りが収まらず、それを映画製作のエネルギーに変えていた大島渚。若い時期に松竹を離れ、映画の製作本数は多作といえなかったが、そのいずれもが問題作。また、著書も多く、毒を含んだその切り口は、昭和・平成の安穏をゆるがした。 . . . 本文を読む

『陰謀 (クリントン)大統領を葬れ』 大森実 1999 徳間書店 その3

2013年01月15日 | ジャーナリズム 大森実 ・孫崎
前回のブログ 『謀略 (クリントン)大統領を葬れ』 大森実 1999 徳間書店 その2で 事件の主役のモニカと、その母親、告発助演者リンダ自身、そして、リンダに盗聴のための録音機を渡し、使用法を教え、スキャンダル本や、ウルトラ・ライト・ウィングの企画本を担当、元ニクソン政権の再選委員会のスパイ役をしていたルシアンヌ・ゴールドバーグがクリントン抹殺のための暴露本出版で、リンダに指南していたことも判明。なんとも下劣な大統領弾劾の顛末だったのだ。あからさまな陰謀もここまでわかってくると、共和党の良識ある上院議員も民主党側へ回って、下院で通った弾劾賛成も、上院で否決。裏の証拠もとらない下ネタでホワイトハウスにミサイル攻撃した報道メディアに大森実は カツ!をいれる。また独立検察官ケン・スターの素性も洗い出す。往年の事件記者を彷彿とさせる。老骨に鞭打ち、大森は調べまくる。 . . . 本文を読む

『陰謀 (クリントン)大統領を葬れ』 大森実 1999 徳間書店 その2

2013年01月14日 | ジャーナリズム 大森実 ・孫崎
前回は大森の『陰謀 大統領を葬れ』のプロローグで、ホワイトハウスのクリントン追い落としの陰謀に 西瓜男 ! がからんでいるということ ヒラリーとオリバー・ストーン監督の対談で語られていることを紹介した。大森実は、「一つぐらいはまともな論評をする新聞もある。やっぱり、地元紙だけは、クリントンの味方だな」と思ったと書き記す。この記事が、大森を、老骨に鞭打たせ、本書を書こうと発奮させるだけの強い衝動に駆り立たせた最初の誘因だった。今回は、大森の事件の解読を進めよう。 . . . 本文を読む

クリントン・モニカスキャンダルを演出した助演者・裏方たち 大森実の『陰謀ー大統領を葬れ』その1

2013年01月13日 | ジャーナリズム 大森実 ・孫崎
本年1月7日のブログで、大森実の『石に書く』を紹介したが、その中で、『陰謀ー大統領を葬れ』をほんの少しだけ触れた。再読したがやはり面白く、今回はこの本について紹介したい。日本でもクリントンとモニカ・ルインスキーのスキャンダルは、大きく報じられ、連日テレビ・新聞・雑誌がすべて、三流ゴシップ雑誌に変わったかのように狂乱報道していたのを思い出す。その頃、元毎日新聞外信部長だった大森実は、日本を離れ(脱出!)、カリフォルニアで暮らしていてこの事件のアメリカメディア・チェックをしていた。大森が、「アメリカのメディア狂乱」を座視することができず、そのまま日本に伝染していくのにも耐えられずに、またまた記者魂を発揮して、原稿を日本に持ち込んで出版したのがこの本。「アメリカのメディア狂乱」報道を 彼のペンが捕らえるとどうなるか!堪能させてもらうことしよう。 . . . 本文を読む

『「ゾルゲ・尾崎」事典』 古賀牧人編著 アピアランス工房刊 2003

2013年01月10日 | 文献 ゾルゲ事件周辺をめぐる本
日露歴史研究センター で発刊されていた、『ゾルゲ事件翻訳資料』の発刊案内の記事が、2002年頃だったか、『図書新聞』の情報欄に掲載され、申し込んだ。しばらくの間、ゾルゲ事件関係の入手しやすい単行本を読んだ時期があった、アグネス・スメドレーと日本人の友人石垣綾子の交流なども、興味深く読んだ。『「ゾルゲ・尾崎」事典』もその頃、新聞の文化欄の片隅に短い紹介があり購入リストに加えていたのだったが。・・・今日古書店から送られてきたこの本の奥付を見ると2003年9月10日発行となっている。なんと10年近く前にメモした、購入したいリスト本なのだった。これでは「邯鄲の夢」ならぬ、朝の食事の準備もしないうち、生の黄昏を迎えることになってしまう。というわけで、わが読書スピードのピッチを上げねば!著者は1929年生まれの元朝日新聞社会部記者の古賀牧人。多忙な中、長年にわたり、こつこつと、資料収集と調査を進めてきた手作りの面白さがにじみ出た本である。価値観の全く違う複数の国家の狭間に生きたゾルゲ事件の関係者たち、彼らの評価について。「問いかける自分の、世界歴史への参加の仕方ー 問いと回答」 となっていることをこの本を読んで気がつかされる。 . . . 本文を読む

『石に書く ライシャワー事件の真相』 大森 実 著 1971年 潮出版社 

2013年01月07日 | ジャーナリズム 大森実 ・孫崎
ベトナム戦争の報道に生命を賭けた元毎日新聞ニューヨーク・ワシントン支局長・外信部長だった大森実が明かす、1965年北爆後の日本のベトナム報道の真実。アメリカの北ベトナム空爆後に中国経由で現地に入り、西側記者で、いち早く北爆の現実を伝えていた大森実が、取材完了まもなく至急帰れと電報が。戻った日本で起きていた、恐るべき日本のジャーナリズムの軟弱さを曝く。大森は、この本で、「紙とエンピツをもぎ取られた私は石に爪で書きつける思いで、この五年間の経緯を書いた。」と表紙に遺した。1965年のライシャワー米国大使の記者会見とは何だったのか。大森実に起きたこととは?独立国家?日本を疑わせる、1965年日本ジャーナリズムの現実の断面を見る。 . . . 本文を読む

ケネディ暗殺事件を描いた映画 『JFK』 1993年 キネマ旬報社 をめぐって

2013年01月03日 | JFK ケネディをめぐる本・新聞記事
2012年の年末にNHKBSで、オリバー・ストーン監督の映画『JFK』の再放映があった。久しぶりに3時間を超える映画を見た。日本での『JFK』の公開に合わせ、シナリオも収録されたこの本が刊行されたのは、1993年だった。年末の本棚の整理でようやく見つけだした。900頁を超える本で、ソファーで、寝転んで読むには、重たすぎる。しかたなく、机の上で、読むことになったのだったが。再読して、改めて、『JFK』の映画がもたらしたアメリカの報道メディアの狂乱ぶりを再確認したのだった。前月の12月10日に私のブログで、1993年頃のテレビ三大放送網の会社役員構成からみて、もうまともな報道はありえないだろうことは納得していたのだったが、湾岸戦争の報道もひどかったが、ストーン監督の映画『JFK』攻撃のすさまじさは、多くの貴重な資料となって残された。すでにアメリカの大本営報道はここまでになっていたのだ。今年2013年11月22日は、ケネディが凶弾に倒れてから節目の50年である。アメリカは果たしてこの間民主主義の自浄能力、メディアは批判能力を発揮してきただろうか。『JFK』をめぐる1991から1992年頃の映画公開前後の言説を振り返る。 . . . 本文を読む