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グレン・グリーンウォルド 『暴露 スノーデンが私に託したファイル』 その2

2014年05月30日 | 帝国・帝国主義・軍産官報複合

      ▲ グレン・グリーンウォルド 『暴露 スノーデンが私に託したファイル』 新潮社 2014年 中表紙

 

グレン・グリーンウォルド 『暴露 スノーデンが私に託したファイル』 その2

 

その1があります ここ

 グレン・グリーンウォルド 『暴露 スノーデンが私に託したファイル』 その1

 

その2 

スノーデンは、「国が常軌を逸した情報収集をやっていて、これは権力の濫用ではないか」と疑い、そのことを上司に報告するも取り合ってくれない。CIAの仕事からの離脱を決意するが、民主党のオバマ政権が誕生したこともあり、権力の濫用は少しは改善されるのではないかと様子を見る。

しかし改善どころか、「多くのケースにおいて、さらにひどい濫用を行っていることが、次第に明らかになって」きたこと

「この問題を解決してくれる指導者を待っているわけにはいかない。」 と スノーデンは決意する。

 

以下は2章にある、グレン・グリーンウォルドによる長時間のインタビューからの一部と、スノーデンの応答

 

▲ グレン・グリーンウォルド 『暴露 スノーデンが私に託したファイル』   第二章 72ー73頁

 

 ▲ グレン・グリーンウォルド 『暴露 スノーデンが私に託したファイル』 第二章 73頁

グレン・グリーンウォルドのインタビューによれば、スノーデンは日本の三沢基地にNSAの情報技術者として、滞在して働いていた時があり、ここに掲げている通り、彼はアメリカの権力の濫用に対して、懐疑し、覚醒を促されていく。

 「そこで監視していたものについては心底悩むようになりました。無人機(ドローン)によって殺される運命にある人々の監視映像をリアルタイムでみたこともあります。村全体や人々の様子が、手に取るように見えたんです。さらにNSAは、インターネット上に打ち込まれる文字をリアルタイム監視しています。そうしたことから、アメリカの監視能力がどれだけの人々の権利を侵害し、強大になっているかということに気づきました。このシステムがどれだけ広範囲に蔓延しているかということに。そしてほとんど誰もそれに気づいていないということに」 『暴露 スノーデンが私に託したファイル』 第二章 73頁

「日本のNSAで多くの時間を過ごすほど、こうしたすべてを自分の中だけに留めておくことができないと感じるようになっていきました。すべてを公の眼から隠すことを事実上手助けしていることに苛まれるようになったんです」          『暴露 スノーデンが私に託したファイル』 第二章 73頁

 

マニング上等兵や、アサンジらと同じように、

スノーデンは見てきたものを伝えざるを得ない、激しい葛藤の果てに、CIA・NSAからの脱出を決断していったことが、このインタビュー記録でわかる。

それにしても、スノーデンが、アメリカによる、公の眼の隠蔽と、権力の濫用に自分が深く関わっていることを自覚し、そのことに苛まれ、アメリカからの離脱を決意させる大きな要因の一つが、日本の三沢基地でもあったことに注目せざるを得ない。驚愕する情報だ。三沢基地には、無人機も配備予定であるはずだ、今まで何をし、これから何をしようとしているのだろうか。

三沢基地には、スノーデンのような、情報収集専門の技術者がどのくらいいるのか。三沢基地には、エシュロンを含む厖大な情報収集装置が存在していることは、すでに知られていたのだが。アフガニスタンやパキスタン等々の村々の無人機の襲撃をスノーデンは見ていたのだろう。

アメリカにとって、消滅すべき村や人々に対し、ミサイルが撃ち込まれ、爆発・炎上し、やがて、人々が微動もしなくなっていくのを、スノーデンは、三沢基地で見ていたのだろうか。

スノーデンは、コンピューターを通して、生きるスキルを見いだし、また、その生きた哲学もインターネットで学ぶことができる全く新しいタイプの知識人なのかもしれない。

スノーデンは、21世紀グローバル・ファシズム帝国にタイム・スリップしたキンキナトゥスなのか。

この本を読んだ最大の収穫、それは、いつの時代にも、ほんのちょっとだけいるのかも知れないが、いかなる劣悪な環境においても、だれでも理解できる簡素なことばを使って、素朴な勇気をもった人物が生まれること、わかっていることを勇気を出して言える人物が生まれるということである。

上空から赤外線照射された対象物が、明らかに熱を出していること・つまり生きている人間であること、そして、やがて、息絶え、熱を失い、もの となっていく光景をリアルタイムで見ていたのかもしれない。

スノーデンが三沢で見た光景は、彼の上司や、国防長官・ましてやバラク・オバマには見えないのだろう。

大手メディアは、スノーデンのことを「高校も中退した」「人間の落伍者像・犯罪者像」を必死になって作りだそうとしているが、スノーデンが三沢で見た光景・心の葛藤は伝えようとしない。 

第四章は 監視の害毒

これまで、政府や、アメリカの政治に関心もなく、日本の政治にも多分満足という人にも、あるいはそんなことを考えている閑もないとつぶやく人にも、耳よりな話・そして心配な話

あなたのスマホの電源がある日、切っていたはずの電源が立ち上がり、その位置情報を送信したり、盗聴器になっていたらどうする?

スノーデンは、キーボードに打ち込む文字列をリアルタイムで見ることができると言っている。今のあなたのことではないかもしれないが、あなたのメール仲間であるかも知れない。

近未来のどこか遠くの、「オーウェルの小説」ではなく、我が身にすでに降りかかっていることを教えてくれる。

監視の恐怖は、従順な子羊を生み、従順はファシズムの環境を育てる栄養となり・・・・それが牙をむく日・・・・・・が・・・・

なにげない、ノイズとしか思えない細かい情報も、メタ・データの中で、解析にかければ、あなたがどんな趣味で、どんな友人とつきあい、どんな嗜好や、行動パターンをとり、朝何時に家を出て、何時に家に帰宅し、食事の後、机の前で、パソコンを起動し、ウェブに繋げ、明日の天気予報を見、おもむろにキーボードで、世界のどこに繋げて、情報収集しているのか、明確に把握できる。としたら?

もちろん、あなたの、行動パターンや思考スタイルが、情報筋にとって有用な識別票の何かにかかり、良好な情報が得られるインデックスに登録されれば、の話だが。

そうなれば、スノーデンが「キーボードに打ち込む文字列をリアルタイムで見ることができる」と言っているのだから・・・・・・

 

第五章は 第四権力の堕落

これは、この本の中でも明らかにしているように、今度のグレン・グリーンウォルドらによる、ガーディアン取材チームのいきさつや、イギリス当局の圧力の前に屈したガーディアン紙の、スノーデン取材で使用していたコンピューターの自己破壊でもわかる。ガーディアン紙でさえ、権力の直接的恫喝で屈服させられている。

その他の大手メディアの政府寄りの大合唱を、グレン・グリーンウォルドは怒りを持って、記述している。

しかし、過去に、マニング上等兵ヘの攻撃や、アサンジ・ウィキリークスの扱い、遡れば、2001年の911事件の報道。愛国バッチを掲げた米国大本営 アフガニスタン・イラク戦争大賛美放送には、もうとうの昔に、権力監視としての第四権力の死が刻印されていた。のだが。

スノーデン報道の攻撃が、こともあろうにアメリカ政府だけでなく、大手テレビネットワークやニューヨークタイムズなどが同調したため、よほど腹にすえかねたのか、グレン・グリーンウォルドは怒りが全く収まらないので

最後に彼が引用していた第四権力の堕落ぶりをいくつか掲げておく。

 ▲ グレン・グリーンウォルド 『暴露 スノーデンが私に託したファイル』 第五章 328頁

 

▲ グレン・グリーンウォルド 『暴露 スノーデンが私に託したファイル』 第五章 第四権力の堕落 335頁 

 

 大手メディアはスノーデンを犯罪者扱いのオンパレード。取材記事を書いたグレン・グリーンウォルドは、CNN報道番組では議論の間中「グレン・グリーンウォルドは逮捕されるべきか?」とテロップが流れていたと言う。

ワシントンポスト、ニューヨークタイムズ、 権力の監視はどうした!?かつて、「ベトナム秘密報告」の時は、政府と闘ったではないか!

大手マスメディアによる権力の監視?そんなことできないわけを、グレン・グリーンウォルドはこんな実例を掲げている。「政府とメディアの行ったり来たり」

 

 ▲ グレン・グリーンウォルド 『暴露 スノーデンが私に託したファイル』 第五章 第四権力の堕落 352-353頁 

 

最後になったが、

アメリカの御用メディアが言うように 「スノーデンは、NSAの情報を暴露して人生を棒に振った臆病者」なのかどうか、自分の目と身体でこの本 『暴露 スノーデンが私に託したファイル』 を読み、確かめていただきたいと願う。

こうしている間にも、彼が日本の三沢基地でリアルタイムで見たという

「そこで監視していたものについては心底悩むようになりました。無人機(ドローン)によって殺される運命にある人々の監視映像をリアルタイムでみたこともあります。村全体や人々の様子が、手に取るように見えたんです。」 

トラウマのようにこのことばが想起させられる。

今ではスノーデンに代わり、誰かがまた、彼が座っていた椅子に腰を下ろし、無人機(ドローン)によって殺される運命にある人々の監視映像をリアルタイムで監視しているのだろう。

三沢基地は何をしている?

ホワイトハウスでは、無人機の飛行計画について、オバマ大統領を囲む安全保障会議のおりに、ゴーサインされているという。数千人を越える攻撃対象リストがあるのではないかと、モクラシー・ナウではかつて報じていた。かねてより、無人機攻撃を主張していた、保守系のヘーゲルが国防長官に任用され、それまで以上に、犯罪者である明白な証拠もなく、他国の小さな村や、人々が忽然と消滅している。

オバマ大統領は合法であると言明しているが、パキスタン政府は、依頼してもいないし 許可なく飛行もしてほしくないと米国政府に訴えている。・・・・・

 

最後の最後 下図は NSAの顧客リスト である。農務省・財務省・商務省が囲まれている。この訳は?

NSAの途方もない情報収集の鍵がこの簡素な表の中に意図が潜んでいると思われる。国家安全保障だけのために、全世界規模の厖大な予算を伴う情報など必要はない。戦争地域を除けば、政治テロリズム・暴力による死者は、毎年浴槽で起きている事故と同程度だというのであるから。

これは 世界の一切を所有したいと願う 世界帝国・グローバル・ファシズムの作動ボタンが押された兆候ではないだろうか。

 

さらに、まだまだ、世界を震撼させる情報がもたらされることになるかも知れない。

 

      ▲ 文書43 NSAの顧客リスト

     グレン・グリーンウォルド 『暴露 スノーデンが私に託したファイル』 第三章 207頁

 

 関連動画

デモクラシー・ナウ・日本版で紹介された ガーディアン紙 スノーデンへのインタビュー番組はここ

 
 

また、上記のデモクラシー・ナウ・日本版の放送の紹介記事が2013年7月19日当ブログにあります。ここ

エドワード・スノーデン  自分には 何が大切か 決断すべき時もある

 

新着の デモクラシー・ナウ 英語版  新著 『暴露』 発売に合わせた 作者グレン・グリーンウォルドのインタビューはここ

http://www.democracynow.org/2014/5/13/collect_it_all_glenn_greenwald_on

 

「私が見たものは本当に私を動揺させ始めた」:米国無人機戦争がスノーデンにNSA文書を漏えいさせた過程 はここ

 http://www.democracynow.org/2014/5/13/the_stuff_i_saw_really_began

 

 「ジャーナリストのグレン・グリーンウォルドは、自らの新刊『暴露 スノーデンが私に託したファイル』の中で、エドワード・スノーデンの個人的な話と、スノーデンが米国の監視体制を暴露した動機についての新たな詳細を明らかにしています。「私が見たものは本当に私を動揺させ始めました。私は、無人機が殺害の標的としているだろう人間を監視しているそのさまを、リアルタイムで見ることができたのです。」と、スノーデンは国家安全保障局(NSA)の契約社員だった当時のことについて、グリーンウォルドに語りました。「村々の全体を見渡し、そこで誰が何をしているのかも見ることができました。また、私は、NSAが誰かがキーボードを打っているのと同時にその人のインターネット活動を追跡しているのも見ました。そして、米国の監視能力がいかに侵略的なものになったのかに気付くようになりました。この体制の本当の底深さを実感しました。そしてそのことに気づいている人はほとんどいなかったのです。」

 「グリーンウォルドから、NSAの漏えいの内幕であるスノーデンの内部事情について話を聞きます。「何の権力もない、この一個人が、政治的主張のために自らの人生のすべてを承知の上で危険にさらし、結果的に正に世界を変えたことは、すべての人々にとって注目に値する教訓だと思います」と、グリーンウォルドは言います。「私は確実に刺激を受けましたし、物事をいかに考えるかについて方向付けてくれました。おそらく、私の残りの人生も方向付けてくれるでしょう」

 

「まるでスパイ映画のようだった」: グレン・グリーンウォルドが語るエドワード・スノーデンとの最初の密会 はここ

http://www.democracynow.org/2014/5/14/right_out_of_a_spy_movie

「グレン・グリーンウォルドとの長時間インタビューの第2部をお届けします。まず、彼がNSA内部告発者エドワード・スノーデンとの最初に会った時のことを語ります。グリーンウォルドと映画監督ローラ・ポイトラスは2013年6月、香港に滞在していたスノーデンと最初に会い、米国家安全保障局(NSA)の巨大な監視体制を、世界に暴露する一連の記事を発表したジャーナリストです。グリーンウォルドは新刊『暴露 スノーデンが私に託したファイル』を出版したばかりです。彼はスノーデンに最初に会った時のことを次のように語ります。「問題は、君をどうやって見分けるかということだ、と私は言いました。我々は君について何も知らない。年齢も、外見も、人種も、性別ですらわからない。するとスノーデンは、『左手にリュービックキューブを持ってますから、分かりますよ』と言いました。実際彼は、リュービックキューブを持って我々のほうに歩み寄り、自己紹介をしました。これが我々が彼に最初に会ったときのシーンです」

 

グレン・グリーンウォルド: 米国のメディアは「去勢され、不能で、退化している」 はここ

http://www.democracynow.org/2014/5/14/glenn_greenwald_us_corporate_media_is

「グレン・グリーンウォルドへの長時間インタビューの締めくくりとして、ピューリッツァー賞受賞について、また彼が報道したエドワード・スノーデンのNSA漏えい文書に対して、敵対的な態度をとったジャーナリスムと企業メディアの反応について振り返ってもらいます。「一つや二つだけでなく、何十もの記事を発表し始めると、政府だけでなく、同僚のジャーナリストたちまでもが、次第に我々に敵対的な態度と取り始め、『これはもはやジャーナリズムではない』と言いました。なぜなら、彼らのジャーナリスムとはこういう報道をしないことだからです、とグリーンウォルドはいいます。「つまり我々の報道は、政府を保護するという暗黙の規則に従がっていないのです」

 

おまけ

これまで、闘うジャーナリストの紹介をさせてもらったのだが、ようやく、以前に読んで感服したことのある、ユーモアあふれるジャーナリストの言葉を思い出した。ウェブで調べると容易にみつかるが、再掲させてもらう。

邪悪な戦争をどうしたら止めさせられるか。絶妙の珍案があるのです。

時間のあるかた、声をだして読んでみてください。ほんとうはバラク・オバマさんや安倍首相にお薦めなんですがね 

私は アメリカ大統領や、わが日本の安倍首相になりきったつもりでこの戦争絶滅受合法案を読んでみました。久しぶりに大笑いして、笑いが止まりませんでした。

ユーモアのセンス抜群のジャーナリスト 長谷川如是閑 の(珍)提案を賞味あれ!

 

戦争絶滅受合法案


 世界戦争が終つてまだ十年経つか経たぬに、再び世界は戦争の危険に脅かされ、やれ軍縮条約の不戦条約のと、嘘の皮で張つた太鼓を叩き廻つても、既に前触れ小競り合ひは大国、小国の間に盛に行はれてゐる有様で、世界広しと雖も、この危険から超然たる国は何処にある? やゝその火の手の風上にあるのはデンマーク位なものだらうといふことである。
 そのデンマークでは、だから常備軍などゝいふ、廃刀令以前の日本武士の尻見たやうなものは全く不必要だといふので、常備軍廃止案が時々議会に提出されるが、常備軍のない国家は、大小を忘れた武士のやうに間のぬけた恰好だとでもいふのか、まだ丸腰になりきらない。
 然るに気の早いデンマークの江戸ツ子であるところの、フリツツ・ホルムといふコペンハーゲン在住の陸軍大将は、軍人ではあるがデンマーク人なので、この頃「戦争を絶滅させること受合ひの法律案」といふものを起草して、これを各国に配布した。何処の国でもこの法律を採用してこれを励行したら、何うしたつて戦争は起らないことを、 牡丹餅(ぼたもち) 判印で保証すると大将は力んでゐるから、どんな法律かと思へば、次ぎのやうな条文である。

「戦争行為の開始後又は宣戦布告の効力の生じたる後、十時間以内に次の処置をとるべきこと。
 即ち左の各項に該当する者を最下級の兵卒として召集し、出来るだけ早くこれを最前線に送り、敵の砲火の下に実戦に従はしむべし。


一、国家の××(元首)。但し△△(君主)たると大統領たるとを問はず。尤も男子たること。
二、国家の××(元首)の男性の親族にして十六歳に達せる者。
三、総理大臣、及び各国務大臣、并に次官。
四、国民によつて選出されたる立法部の男性の代議士。但し戦争に反対の投票を為したる者は之を除く。
五、キリスト教又は他の寺院の僧正、管長、其他の高僧にして公然戦争に反対せざりし者。


上記の有資格者は、戦争継続中、兵卒として召集さるべきものにして、本人の年齢、健康状態等を斟酌すべからず。但し健康状態に就ては召集後軍医官の検査を受けしむべし。


上記の有資格者の妻、娘、姉妹等は、戦争継続中、看護婦又は使役婦として召集し、最も砲火に接近したる野戦病院に勤務せしむべし。」

 これは確かに名案だが、各国をして此の法律案を採用せしめるためには、も一つホルム大将に、「戦争を絶滅させること受合の法律を採用させること受合の法律案」を起草して貰はねばならぬ。

(一九二九、一、一)

 底本:『長谷川如是閑集 第二巻』岩波書店 1989年(平成元年)11月20日 発行
 初出:『我等』十一巻一号 巻頭言 1929年(昭和4年)年1月1日

 

どうでしょう。日本には今から100年ちかく前に、ずばり、ユーモアの力で、戦争の嘘を喝破し、表現していた人がいたのですね。

この提案を書いたデンマークの軍人さんの翻訳を紹介しながら、長谷川如是閑は下のようなことばを添えています。

「戦争を絶滅させること受合の法律を採用させること受合の法律案」を起草して貰わねばならぬ」

ほんとにいいところ、思考の過ち・死角 に対して、長谷川如是閑は、ずばり、切り込んでいますね。

実にたちどころに、世界から戦争がなくなること 「請け合い 」 の法案です。ね

世界の政治家・国会議員、その妻・子供たち、宗教家の皆様 

他国に正当なる理由で侵略・戦争できるとお考えの皆様、予防戦争・平和のための人道的武力介入・人道的帝国主義を唱える皆様 集団的自衛権の容認を認める皆様

「戦争絶滅受合法案」 および 「戦争を絶滅させること受合の法律を採用させること受合の法律案」

の 各国版をただちに検討されては如何?

 

グレック・グランディン著 『アメリカ帝国のワークショップ』 明石書店 2008 に、イラク戦争で最初に死んだ海兵隊員のことが書いてあった。

「ホセ・グエティエレス」 のこと

「グアテマラでの36年間の対ゲリラ戦争で、両親を失ったグエティエレスはグアテマラの路上で孤児としての生活、メキシコを経て合衆国への2000マイルの旅、そしてロサンゼルスの少年裁判制度を生き延び、ただイラク戦争での最初のアメリカ人死者の一人 ー 全員がメキシコ市民でもあった三人の海兵隊の仲間とともに ー となったにすぎなかった」

グレック・グランディン著 『アメリカ帝国のワークショップ』 明石書店 2008 265頁

帝国の戦争で誰が死ぬのか? もうこれでおわかりでしょう。

 

 

 

 

 



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