野散 NOSAN 散種 野の鍵 贈与のカオスモス ラジオ・ヴォルテール

野散 のさん  野を開く鍵 贈与のカオスモス 散種 混沌ー宇宙 想像的・歴史的なもののジャンルなき収蔵庫をめざして 

エイミーグッドマン 『アメリカ帝国のワークショップ』の著者に聞く

2012年10月27日 | 現代遊記デモクラシー・スノーデン・ネグリ
一時は、続々とアメリカ追随脱却を掲げる大統領が南アメリカ諸国に誕生し、コロンビアなどのほかは反米一色の旗印の国々になった観のあった時代があった。 2009年のホンジュラスのセラヤ大統領追放の政変後、必死になった南米右翼・保守勢力やアメリカの支援の動きが現れたのか、2012年になって、今度はパラグアイの大統領が追放される事態になっている。議会により失職させられた。ルゴ大統領は、今年6月、日本にきたばかりである。また南米にきな臭い政府転覆の火薬のにおいがたちこめてきたのだろうか。 デモクラシーナウのエイミー・グッドマンが、ニューヨーク大学の中南米史の専門家グランディン教授にルゴ大統領失職の真相を聞く。 . . . 本文を読む

チェ・ゲバラ 『モーターサイクル南米旅行日記』  2004 現代企画室

2012年10月26日 | 中南米・カリブ海・キューバ革命・ゲバラ
チェ・ゲバラ 『モーターサイクル南米旅行日記』  2004 現代企画室 はゲバラが23歳のとき、ハンセン病を専攻していた医師のアルベルト・グラナードとともに彼らの愛車ボデローサⅡ号にまたがり、南米を縦断した旅行日記だ。のちの、偶像化された革命家ゲバラ像とはまったく違った、みずみずしい23歳の青年ゲバラがいる。 旅の途中、立ち寄って世話になった病院の人々が24歳のかれの誕生日を祝ってくれた。 貧乏旅行中のかれが感謝でのべたことばとは? ロバート・レッドフォード製作総指揮、ウォルター・サレス監督、ガエル・ガルシア・ベルナル主演作品「モーターサイクル・ダイアリーズ」の映画を見ていたのだが、原作は本屋で拾い読みしただけで読んでいなかった。映画は評判通り、佳作のロードムービーだった。 その映画の一シーン 彼らが旅の途中、チュキカマタのチリ銅山近くの村で出会った貧しい夫婦の描写がなぜか心に残っていた。 今年8月のデモクラシー・ナウで、ゲバラの死の真相を究明する番組があったが、これは、この8月15日のブログで紹介した通りである。 ゲバラはどんなことばで、その夫婦のことを書き記していたのだろう。 ゲバラの23歳ー24歳のことばに耳をかたむけてみたいと思うようになった。 . . . 本文を読む

『邪馬台国の考古学』 その2 難升米の黄幢

2012年10月20日 | 初期国家・古代遊記
三国志 魏書東夷伝中に倭人名は多く記されていながら、卑弥呼の墓の記述があるほかは、魏から官爵を与えられた倭人が、卑弥呼の墓とともに、(初期)古墳に埋葬されているという発想はなかなか、直接的に結びついてきたわけではなかった。その点、東潮は『邪馬台国の考古学』で大胆かつ魅力的な世界を描きだしたように思える。 考古学の成果を語るのに安易に文献に寄りかかってはいけないということ。また一方文献的な探求は、自説に有利な部分の補強のためだけに考古学の成果を使用してはならないということを理解した上で、歴史叙述する可能性を探るのは、意味のないことではあり得ない。 その点、東潮は中国・朝鮮考古学・古代文献史にも、日本考古学にも通じている。 「難升米は黒塚古墳の被葬者であった」のではないかと、この著で披露している。これが考古学的・文献史的な共通理解として研究者間に納得得られれれば3世紀後半の一定点として、古墳時代の開始問題や、初期国家像のフォーカスが合ってくるはずである。 まずは、魏から難升米が受け取った黄幢は、どのように考えればよいのだろうか。 . . . 本文を読む

『邪馬台国の考古学』 東 潮 著 角川選書503 角川学芸出版 2012を読む1

2012年10月19日 | 初期国家・古代遊記
東潮 の『邪馬台国の考古学』角川選書503角川学芸出版 (2012年)が出版された。 国立歴史民俗博物館刊行の研究報告第151集(2009年発行)共同研究『三国志』魏書東夷伝の国際環境 が版元売り切れのため今年(2012)に入ってようやく古書店から入手した。巻頭論文である東潮の「三国志東夷伝の文化環境」を読んでいたところ、報告書の43頁に倭国王と邪馬台国系列という表が掲載されている。 この表には、倭国王系列の王墓として、卑弥呼(箸墓)ー壹與(西殿塚)ー行燈山ー渋谷向山 古墳系列と、邪馬台王系列 の墳墓として、勝山ーホケノ山ー石塚ー天神山ー桜井茶臼山ーメスリ山 を掲げている。そして、天神山古墳の同列(同時代という意味か)には黒塚が掲載されている。そしてその脇には 難升米 の文字がゴチックで添え書きしてあるではないか! その論拠は何か?「国立民俗博物館」2009年の報告書では三国志がメインテーマであり、黒塚のことは東潮のこの論文に詳しく説明されていない。 果たして「黒塚」は難升米の墓なのか。『邪馬台国の考古学』ではそれをあきらかにしているだろうか。  . . . 本文を読む