熊本日独協会/熊本・ハイデルベルク友の会

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美味いビールには上手い注ぎ手が

2020-10-21 17:36:44 | 雑記
熊本市中央区銀座通りに面したビアレストラン「オーデン」。入ると左手のカウンターに沿ってビールサーバーが並ぶ。
ここでビールを注ぐのが「タップスター」の三川華奈(みかわ はるな)さん。
昨年8月21日、地元の熊本日日新聞で〝 うまいビールの「注ぎ手」に チェコの醸造所 県内から初認定 〟(丸山伸太郎記者)と紹介された。
同記事によれば、「三川さんは、アルバイト時代を含め、オーデンで働き始めて9年目。チェコ・ピルゼンの醸造所「ピルスナーウルケル」を日本国内で扱うアサヒビールが「タップスター」候補を募集しているのを知り、ビールの醸造方法や注ぎ方を学びたくて応募。現地で5日間研修した後。醸造法や注ぎ方などの試験に合格した。」
去る9月24日、「ドイツ語カフェ」の後、八戸会長、川田事務局長と3人でオーデンに立ち寄った際、レザーの前掛けを付けた三川さんにいつも通り「よー、タップスター!」と軽口をたたくと、茶色の胸当てを指しながら、「首だけでつるしているので結構疲れるんです」と打ち明けてくれた。
そこで、タップスターの〈重み〉を詳しく知りたくなり、後日、夕方の早い時間に訪れて話を聞くことができた。

ー 現地で研修して一番思ったことは?
ー 作り手と話して誇りと情熱に触れ、どこまで向こうの味を出せるか、これを大切にして追求したい
ー 「タップスター」になって何が変わった?
ー 上手く注ぐだけでなく、ビールの歴史や味の魅力を自分の言葉で伝えられるよう心掛けている

チェコ・ピルゼンがピルスナータイプのビールの発祥地ということは知っていた。しかし、三川さんとの話を通じて1842年に誕生した「ピルスナーウルケル」こそがその元祖であることを再認識した。さらに、「酵母はドイツからもたらされた、ピルゼンの地下水がたまたま軟水だったので黄金色のビールが生まれ、その美味さが評判となり、ドイツにも広まった」と話は続いた。

気になっていた「下げていると首が疲れるというレザーの胸当ての重さ」を量りをもってきてもらって二人で確かめた。平皿からはみ出したが、ざっと800グラほど。手で持つとずっしりと重い。なるほどこれを長時間かけていたら大変だろう。でも「タップスター」の誇りでもある。三川さんの胸当てには「237」の刻印。世界で237人目の印。認定の正確な日付を尋ねたら2019年6月20日。この時、一緒に2人の日本人が「タップスター」を取得。前年の一人目と合わせて日本では4人となった。
「チェコでは10月5日「ピルスナーウルケル」の誕生を大々的に祝う。オクトーバーフェストのようなものだと言える。今年は、コロナ禍で開かれなったが、4人はオンラインで祝った」こんな話もしてくれた。

他の「タップスター」とも切磋琢磨しながら三川華奈さんはここ熊本でさらに美味しいビールを飲ませてくれるだろう。

         

チェコ・ピルゼンでの研修の様子をご本人から提供いただいた。

        

ビアレストラン「オーデン」以外の「タップスター」のいる店
〇 野々村光太郎さんが勤める千代田区有楽町の「ニュートーキョービヤホール数寄屋橋本店ブラウハウス」
〇 小松大輔さんが勤める大阪府吹田市の「SARU BACON 江坂本店」
〇 日本人第1号の佐藤裕介さんがオーナーを務める東京の「BULVAR TOKYO」、「PILSEN ALLEY」、「Brasserie Beer Blvd」

(M.S.)
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