いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

スーパーチューズデーとドナルド・トランプ氏・・・「不動産王」は職業ではありません。

2016年03月02日 16時37分49秒 | 日記

 アメリカの大統領選挙は、3月2日の火曜日にスーパーチュー
ズデーがあり、民主党、共和党、それぞれで、候補者選びの投票
が行われました。
  
 スーパーチューズデーというのは、候補者を選ぶCHOOSE
(チューズ、選ぶ)と、火曜日のTUESDAY(チューズデー)
をひっかけたものです。
 民主党、共和党とも、州ごとに自党の候補者を決める選挙をし
ます。あくまでも、それぞれの党の候補者を選んでいるに過ぎな
いのですが、アメリカでは、まるで大統領を選んでいるかのよう
に熱が入ります。
 両党とも、三月の第一火曜日に、10前後の州で一斉に選挙を
し、この投票が党の候補者選びに大きく影響します。スーパーな
火曜日だというわけで、スーパーチューズデーと呼びます。

今回のスーパーチューズデーは、民主党はヒラリー・クリントン
氏、共和党はドナルド・トランプ氏が、ほぼ勝利し、大統領候補
の指名争いで、有利になったようです。
 ――と、実は、きょう、書こうとしているのは、そのことでは
ありません。

 きょうは、トランプ氏の肩書きです。

 
 日本の新聞は、ヒラリー・クリントン氏は、前国務長官ヒラリ
ー・クリントン氏などと書きます。
 ところが、トランプ氏のことは、不動産王ドナルド・トランプ
氏と書きます。手元の新聞を確認すると、読売新聞と日経新聞が
不動産王と書いています。朝日新聞は実業家としてます。
 実業家とするのは、どちらかといえば少数派で、不動産王ドナ
ルド・トランプ氏という表記が、一般的になっています。
 テレビでも、不動産王、といったりしています。

 しかし、こんなおかしな話はないでしょう。
 というのも、不動産王というのは、職業ではないからです。
 書くなら、不動産会社社長とか、会社社長、せいぜい、朝日の
ように実業家と書くべきでしょう。

 だれかに「あなたは仕事、何なさっていますか?」と尋ねられ
たとしましょう。
 そこで、「はい、私は、不動産王です」と答えたら、あほかと思
われますよ。

 「おい。そこの記者。オレの仕事は不動産王じゃないぞ」
 
 日本のメディアがトランプ氏を不動産王と書いたり呼んだりす
るのは、大統領選挙に彼が出てきてから、ずっと気になっていま
した。
 でも、トランプ氏は、一時のあだ花で、いずれは消えていくだ
ろうと、みな、思っていたのでしょう。私もそう思っていたので、
まあ気にするまでもないかと考えていました。
 ところが、トランプ氏は、消えるどころか、この様子だと、間
違いなく、共和党の大統領候補になります。

 このままだと、次のアメリカ大統領選挙は、民主党ヒラリー・
クリントン氏と共和党ドナルド・トランプ氏の争いになります。
 そのとき、選挙の記事で、

 前国務長官(民主) ヒラリー・クリントン
 不動産王 (共和) ドナルド・トランプ

 と書いたりしたら、おかしいでしょう。

 もう、いい加減、「不動産王」は、やめたらどうでしょう。
 まあ、そのぐらい、トランプ氏の進撃が、予想を超えていたと
いうことでもあるのですが、それにしてもねえ。
 記者やアナウンサーのみなさん、おかしいと思いませんか? 




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