いまジャーナリストとして

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オリンピックの身代金・・・平昌五輪まであと半年となりました。北朝鮮が何をするか少々心配です。

2017年09月04日 16時44分49秒 | 日記

 ウインタースポーツの平昌五輪が来年2月、韓国で開かれます。
 もうあと半年ですが、そういう時期に、北朝鮮がミサイルを飛ばし、さらに
は、核実験までやってしまい、東アジアの緊張が高まっています。
 韓国の文在寅大統領は、就任当初、「韓国と北朝鮮で統一チームを作
って参加したい」と話し、IOCも乗り気になっていたようですが、もう、ここ
までくると、無理でしょう。
 
 それより、むしろ、気になることがあります。
 平昌五輪の最中、北朝鮮は、いったい、どうしているのだろうということ
です。
 なにしろ、すぐお隣りの国に、世界各国から人々が集まってくるわけで
す。なにかデモンストレーションをするには、絶好の機会です。
 静かにしているとは、思いにくいのです。

 10年ほど前、日本でヒットした小説に、奥田英朗さんが書いた「オリンピ
ックの身代金」があります。その後、テレビドラマにもなっています。
 前の東京五輪のとき、社会の仕組みが不公平だと不満を抱いた青年が、
日本社会への復讐を考えます。そして、東京五輪の開会式の会場に爆
弾をしかけ、政府からおカネを取ろうとします。
 五輪を人質にした身代金、というわけです。

 北朝鮮の金正恩氏が、同じようなことを考えはしないでしょうか。
 平昌五輪を人質にした身代金、というわけです。

 平昌は、雪の降る場所エリアということで、韓国でも北のほうにあります。
北のほう、ということは、北朝鮮に近いということです。まあ、もともと、ソウ
ル自体が、北朝鮮との軍事境界線から50キロという場所にあるので、い
まさら、平昌五輪の会場が北朝鮮に近いといっても意味のないことかもし
れませんが、平昌五輪を人質に取るには、近いほうが仕事はラクでしょう。
 何をするか。
考えられるのは、例えば、五輪期間中にミサイルを飛ばす。あるいは、
過激派を名乗る組織が、小説と同じように、開会式場に爆弾をしかけ
たと発表する。
あるいは、むしろ、正反対に、北朝鮮の美女軍団を送り込んできて、北
朝鮮は平和を願っていますとアピールするということも考えられるかもし
れません。

 文在寅大統領は、北朝鮮にシンパシー、親近感を持った大統領です。
就任直後は、本気で「南北統一チーム」を考えていました。北朝鮮とは、
ずっと、対話、対話といってきて、北朝鮮がミサイルを飛ばしてもなお、対
話を呼びかけてきました。しかし、北朝鮮は、対話をあざ笑うかのように挑
発を続け、とうとう核実験までやってしまいました。
 北朝鮮が、ここまで対話を拒否し、これほどまでの強硬路線を取るとは、
文大統領にとっては、大きな誤算だったでしょう。
こうなると、さすがに、文大統領も、対話とは言わなくなりました。
 
 文大統領の誤算は、ほかにもあります。
 文大統領は、いわゆる慰安婦像について、黙認してきました。それどこ
ろか、今度は、市民団体が徴用工の像を作り始め、それもまた、黙認して
きました。黙認という名の支持といっていいでしょう。
 一方では、安倍首相との電話会談では、「未来志向の日韓関係」をしき
りに強調していました。
 慰安婦像、徴用工像を黙認しておいて、未来志向もないものです。
 韓国の置かれた経済状況、国際状況を見ると、日本を敵に回すわけに
はいかない。だから、日本向けには、未来志向という言葉を使う。しかし、
国内向けのポーズとしては、反日を示しておかなければ支持を得られな
いので、慰安婦像、徴用工像を黙認する。
 そういう構図でしょう。
 ただ、文大統領自身としては、反日の人です。
 もっといえば、反日・親北の人です。
 反日の一方で、北朝鮮に親しいのです。

 では、誤算とは何かというと、北朝鮮が挑発行動をあまりにエスカレート
するものだから、文大統領も、「対話」とは、言えなくなってきた。
 さらにまた、北朝鮮が、いまそこにある危機として存在していることが、だ
れの目にも明らかになってきた。そんなときに、70年以上も前の慰安婦
像や徴用工像に大統領が関わっていていいのかという空気が出てきた。
 ひとことでいえば、韓国にとっての「いまそこにある危機」は、慰安婦像
や徴用工像ではなく、北朝鮮だということが、はっきりしてきたのです。
 これは、反日・親北の文大統領にとっては、予想もしなかった大誤算で
しょう。
 北朝鮮が核実験をして、中国まで怒りの談話を出しているときに、大統
領が「徴用工だ」「慰安婦だ」といえば、さすがに、国際的に、相手にされ
なくなってしまいます。
 誤算、といえば、これは、もしかすると、北朝鮮の金正恩氏にとっても、
誤算であったかもしれません。
 親北の文大統領をたきつけて反日をやろうとしたところまではよかった
のですが、ミサイル、核実験と少々調子に乗りすぎ、国際的に、いま危な
いのは北朝鮮だと、認識されてしまいました。
 どこかに、しまった、やりすぎたと思っている人がいるかもしれません。

 そういう中で、あと半年で、国境に近い街・平昌で冬季五輪が開かれま
す。
 平昌五輪を舞台にした「五輪の身代金」ということにならなければいい
のですが、少々、心配ではあります。




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