いまジャーナリストとして

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本当に政権を取りたいなら一気に取るしかありません・・・これまで新党が何度も挫折してきました。小池百合子氏が立つなら今です。

2017年10月04日 19時39分39秒 | 日記

 希望の党が本当に政権を取りたいのなら、今回の選挙で、一気に取り
にいく必要があります。
 希望の党の若狭氏は、小池代表が立候補するのかどうかを聞かれた
際、政権を取りに行くのは次でいい、今回は、勢力がためで、というよう
なことを答えていました。
 それではだめです。
 これまでに、何度も、新党がブームになりました。新党は総選挙でそれ
なりの議席を取りながら、選挙後、半年、1年たつと、党が分裂し始め、
結局は、空中分解してしまいました。
 希望の党も、総選挙で躍進したとしても、その次の選挙までもつかどう
か、本当にわかりません。
 やるなら、今回です。
 本当に政権を取るつもりなら、小池代表は、どんなに批判を浴びても、
今回の衆議院選挙で、立候補するべきでしょう。
 立つなら、いましかありません。
 立て。小池百合子。

 これまでの新党を振り返ってみましょう。
 ほかならぬ小池百合子氏は、細川護熙氏と一緒に、日本新党を立ち
上げました。1990年代のことです。
 キャスターをしていた小池氏が、細川護熙氏と一緒にテレビの政権放
送に出ました。二人がマイクの前で仲良く並び、キャスターの小池氏が、
細川氏にインタビューするというスタイルの政権放送で、実に鮮やかなも
のでした。
 日本新党は、圧倒的な人気を集め、初めての総選挙で一気に50議席
を取りました。
 日本新党の成功は、政界に新しい党を作ろうというブームを生み、実
にたくさんのミニ政党が生まれました。
 細川氏は、このミニ政党をとりまとめる形で、というより、ミニ政党が連合
体となって、細川内閣が誕生しました。
 政権を取ったといえば取ったのですが、しかし、日本新党が議員を増
やして政権を取ったのではなく、ミニ政党、ミニ新党の寄せ集めで、内閣
を作ったというのが実態でした。
 細川首相は、細川内閣が誕生してしばらくして、何をどう考えたのか、
深夜に突然、記者会見をし、唐突に、消費税率を引き上げると発表した
のです。
 この会見は、本当に唐突でした。そもそも、会見をした時刻が、午前1
時前というどんでもない時刻でした。突発的な事件があったわけでもなし、
昼間に会見すれば済む話でした。
 この会見は、激しい批判、というより、日本中が首を傾げたといったほう
がいいようなもので、これで、細川氏は、信用や信頼をいっぺんになくし
てしまいました。やがて、細川氏は、自ら首相を辞任します。
 
 日本新党の前には、河野洋平氏、西岡武夫氏らが立ち上げた新自由
クラブがありました。新自由クラブは、1976年、自民党にいた中堅議員
が清新な政治倫理を掲げて結党し、最初の選挙で、17人が当選しました。 
 新自由クラブは、さわやかなイメージで支持を集め、都市型の政党とし
て活動しました。
 しかし、やがて、路線の違いなどで党に亀裂が入り、10年後には、河野
洋平氏らが自民党に復帰しました。河野氏は、のちに、自民党総裁を務
めています。

 新しいところでは、橋下徹氏の大阪維新の会があります。
 2010年、当時は大阪府知事だった橋下徹氏が立ち上げた大阪の地
域政党で、橋下氏の強烈なリーダーシップと弁舌により、2011年、2012
年と、勢力を拡大しました。しかし、あるときから石原慎太郎氏を共同代
表に招き、これで、地盤である大阪の有権者が維新離れを起こしました。
大阪の有権者は、石原慎太郎氏のようなキャラクターを受け入れることは、
まず、できないのです。大阪の風土と、石原慎太郎氏は、水と油です。
 そんなことぐらい、分かっているはずの橋下徹氏が、なぜ、ということで
すが、橋下氏は、大阪の地域政党である大阪維新を、全国区にしたかっ
たのだと思います。全国区にする手段として、東京の石原氏を引き込ん
だのでしょう。それが失敗でした。
 なによりも失敗だったのは、橋下氏が、大阪府知事、大阪市長にとどま
ったことです。このときも、橋下氏の国政進出が取りざたされましたが、橋
下氏は、衆院選への立候補を見送りました。
 もし、橋下氏が衆議院議員になっていれば、東京の石原氏を大阪に呼
び込んだりせず、橋下氏が自ら東京に乗り込めば話はすんだのです。
 橋下氏は、このとき、衆議院選挙に立候補せず、千載一遇の好機を、
みすみす、見逃してしまったと思います。

 同じように、小池百合子氏も、もし今回、衆議院への立候補を見送ると、
橋下氏の二の舞を演じてしまうのではないかと思えてなりません。
 大阪維新の会は、国会議員の数が増え、国政での活動を始めたので
すが、なにしろ、その場に、党の代表である橋下氏がいません。
 維新の国会議員は、国会での維新議員団を作り、活動します。なにしろ、
代表抜きですから、おかしな話です。それに、もともと、橋下徹という強烈
な個性、強烈なリーダーシップで生まれた党ですから、そのリーダーなし
では、うまくいくはずもありません。
 やがて、維新は内紛から分裂しました。
 希望の党は、維新と橋下氏の栄光と挫折をよく研究するべきでしょう。
このままでは、希望の党も、今回、どんなに議席を取っても、次回の選
挙まで維持できるかどうか、疑問符がつきます。なにしろ、国会議員が
集まって国政に携わろうというとき、小池代表が都知事で、国会にいな
いというのでは、どうにも、話になりません。いずれ、都知事の小池氏と、
議員団の間に、ギャップが生まれるのは、目に見えてます。それは、内
紛につながります。

希望の党が、本当に政権を取りたいのなら、この選挙しかありません。
「次でもいい」と言っているようでは、話になりません。
そして、小池百合子氏も、立つしかないでしょう。
立つならいまだ。







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