いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

北朝鮮の水爆実験・・・韓国は、慰安婦問題にオールインしている間に、いまここに危機が。目を覚ませるか?

2016年01月07日 01時05分03秒 | 日記

 新年おめでとうございます。
 2016年も、「いまジャーナリストとして」を、よろしくお願いします。
 
 今年のお正月はまことに暖かく、とても1月とは思えない陽気でした。
 しかし、政治も経済も国際も、冷え冷えとしたニュースで始まってしまい
ました。

 6日の朝には、北朝鮮が「水素爆弾の実験に成功した」と発表しました。
 夜になると、本当に水爆だったのか疑わしいという見方が、あちこちから
出てきました。
しかし、水爆ではなかったとしても、核爆発だったことは間違いありませ
ん。
 日本も韓国も、事前にはまったく予知できず、寝耳に水の事態だったよ
うです。
 そして、なによりも中国ですが、北朝鮮から事前の通告がなかったと、
外務省の華春蛍・報道官が会見で明らかにしました。

 どの国にとっても、まったくのサプライズだったようです。

 北朝鮮の核は、いろんな問題点を書くことができます。
 今回、当ブログは、韓国は目を覚ますか? という点から書いておきたい
と思います。

 今回の核実験、いちばん驚いたのは、韓国だったのではないでしょう
か。
 なにしろ、すぐお隣りの国です。
 首都ソウルなど、北朝鮮との国境まで、50キロ程度しかありません。
マラソンランナーなら、走っていける距離です。
 すぐ隣りに、原爆と、もしかすると、水爆を持った国があるわけです。
 1950年には、朝鮮戦争が起き、北朝鮮と中国が、韓国に攻め込んで
います。

 韓国は、将来、北朝鮮と統一することを考えています。
 いずれそうなる日が来るとしても、いま現在は、韓国にとって、核を持つ
北朝鮮は、脅威以外のなにものでもありません。
 
 韓国にとって核武装した北朝鮮は、
 「いま、そこにある危機」
 です。
 
 ところが、朴槿恵大統領は、就任以来ずっと、日本に対し、慰安婦問題で謝罪
するよう求めてきました。日本が慰安婦問題で謝罪しない限り、日
本とは首脳会談もしないとの態度を取ってきました。
 ポーカーで、「オールイン」という言葉があります。持っているすべての
チップを、ひとつ残らず、自分の手札にかけてしまうことを意味します。
 朴槿恵大統領は、すべてを慰安婦問題に賭け、国の政策を、慰安婦
問題にオールインしてしまいました。

 朴槿恵大統領は、アメリカを訪問しても、ドイツに行っても、イギリスを訪
ねても、どこへ行っても、慰安婦問題を取り上げて、日本を非難してきま
した。いわゆる告げ口外交です。
 朴槿恵大統領にとって、外交は、すべてが慰安婦、すべてが日本にた
いする批判にあるようなものでした。
その意味では、日本に対してだけではなく、すべての国に対し、あるい
は、韓国の外交そのものを、オールインしてしまったわけです。

慰安婦というのは、太平洋戦争中の話です。
太平洋戦争は終わってから70年たちます。
 朴槿恵大統領は、70年以上も前の話にオールインしてしまったので
す。

 そんなことをやっている間に、北朝鮮が、水爆の実験をやってしまいま
した。
 北朝鮮の水爆は、70年も前の話ではなく、現在の話、いま進行中の話
です。まさしく、いまここにある危機なのです。
 それなのに、水爆実験をすることを予想さえできなかった。

 こんな馬鹿な話が、どこにあるでしょう。
 70年以上前の慰安婦の話に国のすべてをオールインしていたら、いま
目の前に、北朝鮮の水爆実験というとんでもない状況が出現したので
す。

 韓国は、いったい、何をやっているのでしょう。

 朴槿恵大統領は、ポピュリズム的な傾向の政治家です。
 ポピュリズムというのは、大衆迎合的な政治ということです。
 自分がやりたい政策より、大衆に受けそうな政策を重視する。
 
 韓国で、大衆に受ける政策というのは、まずなによりも、反日です。
 戦後、韓国は政策的に反日を続けてきました。
 慰安婦問題も、反日のひとつです。
 
 日本は、韓国の反日に対し、戦後ずっと、決して強い態度は取ってこな
かったのです。
 韓国に対して、どことなく、申し訳ないという気持ちがあるものだから、韓
国の反日が筋違いで理不尽なものであっても、日本政府は、抗議もせず、
黙って見過ごしてきた、というのが、正直なところでしょう。

 慰安婦問題についても、歴代の首相が、何度も繰り返し、「おわび」や
「反省の気持ち」を表明しています。河野談話は、その代表です。

 昨年12月には、安倍首相がおわびを表明し、日本と韓国の両政府が、
もうこれで最後という「最終的な合意」を表明しました。
 この合意は、国際社会に向かっても発信され、アメリカ政府が、歓迎す
る談話を発表しました。

 ところが、日韓の合意の後、韓国では、合意に反対する動きが次々に
出ています。
 ソウルでは、市民団体が抗議集会をし、大学生たちが日本大使館に押
しかけて警察に逮捕されたりしています。
 韓国の主要新聞は、合意の無効を論じています。
 韓国の政界では、野党が、国会の承認を得ていないから合意は無効だ
と主張したり、野党の大統領候補が、自分が大統領になったら、合意を
取り消すと発言したりしています。
 アメリカでは、韓国系の団体が抗議活動を強めています。

 これが、ポピュリズムの行き着く先ということでしょう。
 どういうことかというと、「反日」というポピュリズムを続けてきて、しかし、
あるとき、慰安婦問題で合意した。せっかく合意したのだから、国民に、
それを分かってもらわないといけない。ところが、これまで、あまりに「反日」
を続けてきたので、国民がもうすっかり反日になってしまっている。いまこ
こで、慰安婦で合意したからちょっと反日をやめてください、といっても、
国民はいまさら、はい分かりました、などとは言ってくれない。
 簡単にいえば、反日というポピュリズムを続け過ぎた結果、その「反日」
が、政府にも、コントロール不能になってしまったのです。

 北朝鮮の核実験という現実が目の前で起きる前は、「反日」が暴走して
いても、放っておけたでしょう。
 しかし、こうやって、北朝鮮による問題が目の前に登場してみると、70
年以上前の問題に、いつまでも執着することが、いかに無意味か、よく分
かります。

 慰安婦問題で、日本政府は、これまでに、何度も謝罪してきました。
 ところが、韓国政府は、それを、国民に知らせずにきました。
 今回の日韓合意のあと、朴槿恵大統領を支持するデモがひとつだけあ
りました。そのデモが、日韓合意を評価した理由がふるってます。
 それは、日本が初めて謝罪したからそれを評価する、というのです。
 日韓合意を支持する人たちでさえ、これまでに、日本が何度か謝罪し
ていることを知らないのです。
 そんなことになっている理由は、簡単なことです。
 韓国政府が、日本側が謝罪したことを、国民に知らせてこなかったから
です。
 国民に知らせると、もう、慰安婦問題を、日本を責める材料として使いに
くくなるからです。
 そうやって、韓国政府が、みずから、反日を育ててきました。

 その意味では、今回の日韓合意で、「もうこれで最終決着」とうたったの
は、画期的なことでした。
 もし、合意していなけば、韓国は、一方では北朝鮮の核という目の前の
脅威を抱え、一方では慰安婦問題といういつ終わるともしれない問題を
抱え、身動きが取れなくなるところでした。

 幸か不幸か、慰安婦問題は、もうこれで終わり、という合意を日韓で結
びました。
 だからこそ、北朝鮮の核という脅威に、しっかり取り組めます。
 もちろん、韓国内にはまだ、合意に反対という運動が続いています。そ
れは、しかし、韓国政府が、自ら育ててしまったものとして、沈静化を図る
よう対応するしかありません。自らまいたタネです。

 韓国は、これで目が覚めるか。
 正直な感想をいえば、これでも、目は覚めないと思います。
 でも、覚ましてほしいですね。









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