いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

企業の愛国心・・・円高で海外に出て行く企業には、愛国心というものはないのでしょうか。

2011年08月26日 03時17分45秒 | 日記


 新聞の投書欄に、痛快な投書が載っていました。
 「企業には愛国心はないのか?」
 というものです。

 その通りですね。

 円高と電力不足で、日本企業が、生産拠点をどんどん海
外に移そうとしている。
 その結果、日本経済は空洞化し、日本は将来の展望も描
けなくなる。
 企業、そして、企業経営者には、愛国心はないのか。
 というわけです。

 その通りです。

 自民党と文部省は、学校に、「愛国心教育」というもの
を導入しようとしてきました。
 東京都知事は、愛国心を盛んにあおります。
 各界の著名人も、愛国心を口にします。
 財界人もそうです。

 君が代、日の丸も、愛国心と同じ土俵にあります。

 この場合、「愛国心」を求められているのは、私たちひ
とり一人の日本人です。
 
 そして、私たちひとり一人の日本人は、そう簡単には、
日本を離れるわけにはいかないのです。留学する人はいま
す。でも、留学が終われば日本に帰ってきます。海外の駐
在員で出る人も、やはり、任期が終われば帰ってきます。

 私たち個人個人は、この生まれ育った日本という国から、
離れるわけにはいかないのです。

 「愛国心」は、そしてまた「君が代」「日の丸」は、日
本から離れることの出来ないひとり一人の日本人に対して
要求されるのです。

 ところが、日本企業は、そんなことはおかまいなしに、
どんどん日本から海外に脱出していきます。
 この円高と電力不足では、もう日本にいられないという
わけです。

 経済学的には、それで間違っていません。
 しかし、今回は、あえて、「愛国心」を問います。

 企業には、企業経営者には、「愛国心」はないのでしょ
うか。

 円高と電力不足で困っているのは、なにも、企業だけで
はありません。
 ひとり一人の日本人だって、円高と電力不足で困ってい
るのです。
 しかし、ひとり一人の日本人は、だからといって、海外
に脱出できるわけではありません。日本で暮らすしかない
のです。
 そのひとり一人の日本人を残し、企業は勝手に海外に出
て行ってしまう。
 
企業には、愛国心はないのか。
 本当にそう思います。

 そうやって日本から脱出した企業の経営者が、
 「愛国心は大事です」
 というとすれば、それは大笑いでしょう。

 日本企業がどんどん海外に出て行ってしまうのは、政府
の無策のせいでもあります。中国に、これだけ生産拠点を
移してしまって、なにかあったらどうするのでしょう。
 中国に新幹線の技術を供与するとき、政府は、何をして
いたのでしょう。

 そうやって、企業が海外に出て行くのを、政府は何もせ
ずに見ていた。
 その政府が、「愛国心教育」をするというのは、これも
また大笑いです。

 日本から出て行けず、日本に残っているひとり一人の日
本人に、「愛国心」を教育しようとする。
 無節操に日本から出て行く企業と企業経営者には、何も
いわない。
 日本に残るひとり一人の日本人と、無節操に海外に出て
行く企業と経営者、それを引き留めようとしない政府と、
いったい、どちらに愛国心があるのでしょう。
 
企業は、経済原則とか、企業経営とか、そんなことばか
り考えず、少しは、愛国心を持ったらどうでしょう。
 政府は、企業と企業経営者に対して、ちょっとは愛国心
教育をしたらどうでしょう。
 東京に本社を持つ企業はたくさんあるのですから、東京
都教育委員会は、東京にいる企業に愛国心を教えたらどう
ですか。だいたい、東京にいる企業で、君が代を歌ってい
る企業なんて、聞いたことがないですよ。それを学校だけ
に強制するというのはちょっと変でしょう。

 企業と政府は、大きな顔をしてはいけません。
 東京都教育委員会もね。



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