今年の「ほおづき」は不作だった・・・夏の雨が多かったので、腐ってしまったのだと思う。
数十年前の一人旅、木曽・馬篭で、一日待ちで作って貰った「藁の馬」
「御嶽山」が噴火し、多数の登山者に被害が出ている。
最近、地震による津波警報は、度々、目にし、気にしていたが、こんな大被害を及ぼす噴火が起きる事には、気が至らなかった。
悲しい哉、これが日本の置かれている現状だと、改めて、認識させられた。
一刻も早い救出を祈り、被害を蒙られた方々に、心から哀悼の意を申し上げます。
「御嶽山」には行ったことが無いが、その周辺、特に「木曽路」の風景には、落ち着くところがあって、よく、ふらりと、一人旅や友人との旅をした。
ある時、出たとこ勝負(つまり、行先も宿も未定)の一人旅で「馬篭」に着き、坂下の宿に一泊した。
次の日、のんびりと坂を上がって行くと、丁度、真ん中辺りの民家の軒下で、「藁細工」をしているご老人に出合った。
しばし、傍らにしゃがみ込んで、その工程を眺めさせてもらっていた。
徐々に、彼の指先から現れる「馬」の姿は、確かに藁人形であるのに、生命を生み出しているように見えた。
どうしても、その馬が欲しくなって、聞いてみると、出来上がったものは、既に、予約売却済だというので、次に制作するものに、予約を入れた。
延々と待つ事、数時間、夕暮れ時になって、漸く、手にした「藁馬」を持ち、その日の泊まりは、坂の上の宿だった。
「御嶽山噴火」と聞いて、不心得者と承知ながらも、こんな木曽での一日が、思い起こされた。
御嶽山麓の周辺は、日本人の心の故郷のような気がする。
この惨事が、自然現象といえども、強烈に、我が心を揺さぶるのは、そんな理由なのかも・・・と感じている。