マイケル・メイヤー監督「かもめ(The Seagull)」（アメリカ、2018年、99分）☆☆☆

チェホフによる戯曲の映画化です。

帝政ロシアの時代。

若き劇作家・コーチャ（ビリー・パウル）は退屈で惰性的なこの時代のすべてに我慢できず、その不満の発露を新しい劇の形態に求めていました。しかし、彼の母であり有名な女優でもあるイリーナ（アネット・ベニング）と彼女の愛人である著名な作家・ボリス（コリー・ストール）は、彼が上演した野外演劇を理解しようとしません。コーチャの焦りは高まるばかり。

その頃、美しい娘ニーナ（シアーシャ・ローナン）は女優を夢みて、演劇活動を続けていました。彼女は演劇仲間であるコーチャが自分に抱く愛を知りながらも、女優として成長するには別の生き方をしなければならないと考えていました。

そして、その気持を受けとめたのはボリスでした。ニーナは彼のもとへ走ります。一度はニーナとの愛を受け止めたボリスでしたが、その生活は長く続きません。

ボリスが欲し必要としているのは、イリーナでした。

数年後。昔の家に戻ってきたニーナ。女優となった彼女を支えていたのは、試練に耐えてやっとつかみとった自己の才能を信ずる志で、わたしは「カモメ」と言うのです・・・。