ピエール・カルダン(1922―2020)の波乱万丈な人生に迫ったドキュメンタリー。
わたしは彼のことを服装デザイナーとだけ知っていましたが、この作品を観ると大実業家であり、さまざまな分野でデザインの可能性を切り開いた芸術家、ということがわかりました。
ピエール・カルダンの仕事のエッセンスが要領よくまとめられています。
モードを民主化した天才ファッションデザイナー、ピエール・カルダン。業界で初めて大衆向けプレタポルテに本格的に参入し、未来的なコスモコール・ルックで若者たちを熱狂させました。先鋭的すぎるためにファッション界から敬遠された苦悩と反撃、ビートルズの衣装を担当、女優ジャンヌ・モローとの運命的な恋、劇場運営や高級レストラン「マキシム・ド・パリ」の買収など、その人生は波乱含みです。
この作品が製作された当時、ピエール・カルダンは97歳。人生の記憶を、カルダン自らが語っています。
さらにジャン=ポール・ゴルチエ、シャロン・ストーン、森英恵ら豪華ゲストたちの証言や秘蔵映像を通し、カルダンの輝かしい業績とチャーミングな素顔が印象的でした。