シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

佐々部清「ゾウを撫でる」(2017年、94分)

2024-04-07 11:04:54 | 日本・2010年~
戸惑いました。
 
普通の映画作品にはストーリー、起承転結があります。リジッドな構成をとっているものもあれば、ゆるいものもありますが、いずれにしてもストーリー展開があります。
 
その感覚(観念)で本作品を観ていたところ、次々にあらわれるシーンがストーリー展開として、つながりません(混乱!)。
 
しばらくしてようやく、わかりました。本作品は「ある事柄」があって、そのことが波紋のようにひろがっていく流れになっていて、通常の「起承転結」的な構成をとっていません。
 
その「ある事柄」とは?
 
映画監督の神林(小市慢太郎)が15年振りに新作映画「約束の日」を撮ることになった、という設定です。
 
ここからスタートして、脚本家が「脚本」を書き、俳優が「本」をもらってセリフを自分のなかに入れ、メイクの手配をします。
 
本作品では脚本は若手の鏑木(高橋一生)が書き下ろします。台本印刷会社にまわってきた原稿を見た従業員の栃原(伊嵜充則)は、それが鏑木の書いたものだと気付きます。シナリオ教室で同期だった鏑木が、映画の脚本を手掛けていることに驚く栃原。
 
やがて完成した「約束の日」の台本は出演者、子役出身の俳優(金井勇太)、嫌われ
ている主演女優(羽田美智子)、人気若手俳優(中尾明慶)に渡ります。
 
それだけでなく、フィルムコミッションの担当者(菅原大吉)とその娘(三宅ひとみ)の関係にも波紋がひろがります。
 
さらに、運転手(金児憲史)が大道具を運ぶことになり、彼は途中でヒッチハイクの青年、森川(山田裕貴)を乗せ・・・。
 
神林監督の映画作品製作の条件は整っていきますが、土壇場でわがまな主演女優が失踪し・・・・。
コメント
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