映画らしい気の利いたストーリー展開、張り巡らされた伏線で映画史上に残る犯罪サスペンスドラマです。
犯罪心理学専門の初老の主人公、リチャード・ウォンリー教授(エドワード・G・ロビンソン)がクラブで杯を重ね、酩酊しつつ街角のショーウインドウに飾ってある女性の肖像画を眺めています。気がつくとそのモデルであるアリス(ジョーン・ベネット)が教授の横にたっていました。ふたりは二次会に。教授は誘われるままに女性の自宅を訪れます。
そこで事件が起こります。女性に恋心を抱く男が突然、乱入してきて、嫉妬心から教授を襲います。女性が手渡してくれたハサミで教授は・・・。明らかに正当防衛でした。しかし、状況はふたりに不利だったので、警察に連絡することなく、教授は車で遺体を運び雑木林に遺棄します。
霧にかすむ深夜の街角、タバコの火をもとめる運命の女性、雨のなかの雑木林での死体遺棄、凄腕の刑事、追い詰められる教授の心理。そして、どんでんがえし。旧い作品ですが映画ファンを唸らせます。