シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

森義隆監督「聖の青春」(配給・KADOKAWA、2016年、124分)☆☆☆★

2021-02-14 23:38:03 | 日本・2000年~


1998年に29歳の若さで亡くなった棋士、村山聖(むらやまさとし)の生涯を描いた作品です。村山聖を演じたのは松山ケンイチ、羽生善治を演じたのは東出昌大です。右下の画像は、在りし日の村山九段です。

大崎善生著「聖の青春」の映画化です。わたしはこの原作を読みました。原作も参考にしながら、この映画を紹介します。

聖は5歳の時、原因不明で発熱。ネフローゼと診断されます。幼くして病床での生活が始まります。父が息子にすすめた将棋に開眼。

13歳で家族の反対を押し切り、森信雄7段(当時4段)に弟子入り、紆余曲折があって奨励会入りします。

奨励会在籍2年11ヶ月で4段、17歳。彗星のごとく現れた「怪童」、大型新人として、同僚の棋士と競いました。平成7年、B1級で田丸戦をねじふせて勝利、そしてA級入り、25歳。

しかし、聖は膀胱癌に侵され、手術後肝臓に転移、ついに29歳の若さで、A級在籍のまま他界しました。病床での最期のウワ言は、「2七銀」。
日本将棋連盟は、彼の功績を讃え、9段位を追贈しました。

通算成績は356勝201敗(うち12局が不戦敗)、勝率・653(不戦敗を除く)。羽生善治とは6勝6敗。
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神代辰巳監督「離婚しない女」(配給・松竹、1986年、104分)☆☆☆

2021-02-14 23:34:46 | 日本・1990年~


連城三紀彦による同名小説の映画化です。

舞台は北海道の根室と釧路。倍賞千惠子、美津子の姉妹が共演することで注目されました。一人の男性をめぐって二人が激しく争います。そして二人のキャラクタを逆転させた配役(千惠子が激しい女、美津子がおとなしめの女)が見どころです。

釧路ウェザーリポート根室支社に勤める私設予報官、岩谷啓一(萩原健一)は、町の実力者、山川正作(夏八木勲)にトローリングに誘われました。

啓一は時化の大徴候を予見し漁船を救います。以来、啓一は正作に気に入られます。帰途、泥酔の山川を自宅に送った啓一は、山川の後妻、美代子(倍賞千惠子)と顔を合わせます。彼はそこで山川と美代子の夫婦仲が冷却していると、直感します。

翌日、出張で根室から釧路へ向かう列車の中で、啓一は美代子とよく似た女性、高井由子(倍賞美津子)と出会います。由子は人妻で「冬凪亭」というライブハウスのオーナーでした。啓一は同時に二人の女性に魅かれていきます。

啓一をめぐって美代子と由子の三角関係が、道東の冬の景観を背景に、異様な展開をしていきます。
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