FPの家で暮らす

ストレスフリーなFPの家で ひとり暮らし満喫

辻村深月「スロウハイツの神様」

2016-01-31 16:34:20 | 本・映画・音楽の感想

久しぶりに本を読んでいて泣いてしまった。
厳密に言えばシェアハウスとはちょっと違うけれど、
それに似た感じで一軒の家に住む若者たちの話だ。
住人には、小説家、脚本家、画家の卵、漫画家の卵、監督の卵、
といったクリエイターが多く、作中、トキワ荘になぞらえられたりする。

各人にいろいろな出来事が起きはするが、どちらかと言えば
淡々とした日々がつづられていて、わりと軽い気持ちで読み進んだ。
最後までこの調子でいくんだろうな、と思っていた。
それが、終盤になって一変する。

スロウハイツのオーナーである赤羽環は、かなり不幸な生い立ちで、
それは現在の話の合間に、少しずつ明かされてくるのだが、
そんな暗い高校時代、何度か彼女が幸せを感じる瞬間があった。
一見、まったく関連性のないそれらのできごとが
別の人物の視点から語られたとき、たちまち頭がカーッとなって
涙があふれてきてしまったのだった。そして、その次にはおかしくて
笑い出してしまい、涙をぬぐいながら、笑っているという……
まさにカタルシス!


去年読んだ同じ作者の「ハケンアニメ!」についても
こちらにアップしてみた。



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初積雪

2016-01-20 09:34:49 | 日常のスケッチ

今年は暖冬で、お正月前からずっと晴天が続いていたが、
1月も下旬になって、ようやく寒波が来て雪が降った。
朝、日の出前なのに外が明るいなと思って庭を見てみたら、
雪で真っ白! 測ってみたら12センチも積もっていた。

以前住んでいた古い借家では、雪の積もった朝などは、
室内の寒さからして違っていたので、布団の中にいるうちから
わかったものだけど、FPの家は心地よい暖かさなので
外を見るまで気づかないのだ。

デッキはふかふかの白いカーペットを敷き詰めたリビングに。
デッキチェアも厚いクッションを乗せたソファーになっていた。


ガーデンライトのソフトクリーム。




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佐伯さんの時代小説のこと

2016-01-05 15:43:55 | 本・映画・音楽の感想

「ツナグ」を読み終えたので、昨日書いたように、居眠り磐音の49巻を読み始めた。
でも、正直なところを書くと、以前のようにこのシリーズがおもしろいと
思えないわたしだ。どのあたりからか、と思い返してみると、江戸を出て、
子どもが生まれたあたり、という気がする。話から自由奔放さが、磐音と
おこんから若々しさがなくなってしまった。49巻の今では、磐音はすっかり
佐々木玲圓のごとく悟りきり落ち着きはらってしまっている。

鎌倉河岸捕物控も主人公が結婚する前の方がだんぜんおもしろかった。
吉原裏同心が最新巻の今もおもしろいのはふたりに子どもがいないせいだろう。
酔いどれ小藤次は子連れだけど、養子であって、自分の子ではないし。
交代寄合伊那衆異聞にしても、藤之助と玲奈に子どもが生まれたら、
きっと玲奈は今のように奔放じゃなくなってしまい、つまらないって思うはず。

長いシリーズで主人公が成長していくのは当然のことながら、
安定してしまうと物足りないんだから、読者って勝手だよね。



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宇江佐真理さんが!?

2016-01-04 15:13:49 | 本・映画・音楽の感想

新聞の本の広告で、宇江佐真理さんのところに「追悼」と書いてあって、
「えっ?」と思った。そんな亡くなるような高齢でもないのに……
慌ててネットで調べたら、去年の11月、死因は乳がんとのこと。
まだ66歳だった。

エクセルで作成してある読書メモで、宇江佐真理を抽出してみたら、
ずらりと出てきた。読んだ冊数ではベスト5に入っていることは確実だ。
宇江佐さんの作品で最初に読んだのが「雷桜」だった。次が「泣きの銀次}。

それまでのわたしは時代小説を読まなかった。きらいだと思っていた。
時代小説=侍というイメージがあったからだ。
でも、江戸の市井を舞台にした江戸庶民が主人公の宇江佐さんの小説を読んで、
時代小説が大好きになった。江戸という町も、そこに生きる庶民も、
思っていた以上に自由で生き生きとしていて魅力的だった。
その後、他の作者のも読んでみたが、宇江佐真理と佐伯泰英が
とりわけわたし好みだ。

そういえば、同じ並びの広告には「居眠り磐音江戸双紙」の
50巻と51巻が発売とあり、この51巻でシリーズは完結したと
出ていた。作者は少し前に50巻で終わりにすると話していたが、
話が延びたようだ。楽しみが増えるのはもちろん歓迎だけど。
ちなみに、今手元には、年末に図書館で借りてきた49巻がある。
これから読むところ。



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