趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
鉄道省 東京駅発行 万世橋・御茶ノ水間ゆき片道乗車券 ~その1
昭和5年2月に鉄道省時代の東京駅で発行された、万(萬)世橋・御茶ノ水間ゆきの片道乗車券です。
桃色てつだうしやう地紋のB型矢印式大人・小児用券です。
発行駅である「東京」の横にあります「〇B」の符号は、窓口番号と思われます。
着駅である万世橋駅は、戦時中の昭和18年より休止されたままになっている中央本線神田駅~御茶ノ水駅間にあった駅で、戦後、駅舎の一部が交通博物館として使用され、博物館閉鎖後は解体されたのち、平成25年にはJR神田万世橋ビルが建設され、現在では跡地は旧万世橋駅遺構を整備した「mAAch ecute(マーチエキュート) 神田万世橋」という商業施設になっています。
券に使用されている活字には旧字体が使用され、万世橋の「萬」、下車前途無効の「效」、5銭の「錢」などの字が確認できます。
JR東海 (中)金山駅発行 鶴舞ゆき片道乗車券
国鉄民営化間もない昭和62年10月にJR東海金山駅で発行された、鶴舞駅ゆきの片道乗車券です。
桃色こくてつ暫定地紋のA型一般式大人・小児用券で、名古屋印刷場で調製されたものです。
JR東海となってからの頃の発行ですので当時は当然ながら券売機が設備されていたわけですが、国鉄時代末期からの「縁起きっぷブーム」の名残りで発行されていたものと思われます。当時、入場券を購入した際、窓口に発売告知の紙が貼られていたために購入した次第です。
どうやら、発駅の金山と着駅の鶴舞の「金」と「鶴」が縁起の良い文字だということで強引に作成された「縁起きっぷ」のようです。「金蔓(かねづる)」じゃありません。
当時の金山駅は現在のJR東海の中央本線と東海道本線、名鉄の名古屋本線、名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄)の名城線および名港線の合計3社局5路線が乗り入れている「金山総合駅」とは違い、昭和37年に中央西線の名古屋駅と千種駅の間に開業した駅で、東海道本線の駅は存在しませんでした。
東海道本線が停車するようになったのは、国鉄民営化後の平成元年以降という経緯があります。そのため、同駅は今でも所属路線は中央本線(中央西線)で「(中)金山駅」と表記されています。
線名符号を冠しているのは、根室本線にも金山駅が存在するからです。ちなみに、根室本線の方は「(根)金山駅」と表記されます。
錦川鉄道 錦町から柳瀬ゆき 片道乗車券
もう一つ錦川鉄道ネタを。
昭和63年9月に、錦川鉄道錦町駅で発行された、柳瀬(やなぜ)駅ゆきの片道乗車券です。
桃色錦川鉄道自社地紋のB型一般式大人・小児用券で、前回エントリーの広島ゆき連絡乗車券と同じ印刷場で調製されたものと思われます。
開業当初の若桜鉄道の乗車券と似ていますので、同じ印刷場のものであったかもしれません。
地紋の色が少々濃すぎて、記載された内容が若干読みづらいのが難点です。
現在、同駅では岩国ゆき以外の硬券乗車券の設備はありませんが、開業当初は社線完結の乗車券の設備もありました。自社完結券については桃色地紋のB型券となっており、連絡乗車券とは別様式となっていました。
記憶がありませんが、当時は自動券売機自体が無かったかもしれません。
柳瀬駅は錦町駅から一つ目の駅で、「やなせ」ではなく「やなぜ」と読みます。
錦川鉄道 錦町から広島ゆき 片道連絡乗車券
昭和63年9月に、錦川鉄道錦町駅で発行された、JR西日本広島駅ゆきの片道連絡乗車券です。
灰色錦川鉄道自社地紋のA型一般式大人・小児用券で、印刷場は不明ですが、印判印刷と見受けられます。
前回エントリーの中で申し上げましたが、現在では同駅には岩国ゆきの券しか硬券乗車券は存在しておらず、この券は同線開業時の昭和62年7月に設備されたと思われる過去券となります。
当時初めて乗車した際に、広島駅まで実際に乗車しています。
同線は昭和62年7月に、山陽本線岩国と山口線日原を結ぶ予定であったJR西日本岩日線の開業区間を第三セクターに移管した経緯のある路線で、同社車両を使用した列車がすべて岩徳線を経由して岩国駅まで乗り入れ運転をすることから、あまり連絡運輸というイメージが無く、乗車券も連絡乗車券らしさがありません。
(前回エントリー分)
画像を再掲致しますが、前回エントリーの岩国ゆきの現行券同様、連絡乗車券でありながら接続駅となる経由表記の無い券で、一見すると社線完結券のような感じです。
印刷場が変わっていますのでイメージが異なりますが、様式としては基本的に変化は無いようです。
錦川鉄道 錦町から岩国ゆき 片道連絡乗車券
平成18年9月15日の第1回目からほぼ隔日で更新をさせていただいております拙ブログですが、今回をもちまして1,800回目の更新となりました。当初は「すぐに話題が尽きてしまうだろうから1年位やってみようかな」的なノリで始めてみましたが、なんだかんだで約11年間更新を続けてしまったことになります。当初は御訪問者数が1日あたり3名程度でしたが、今では800名位の方に御訪問いただけるまでになりました。ありがとうございます。今後とも拙ブログをよろしくお願いいたします。
平成29年8月に錦川鉄道錦町駅で発行された、川西駅接続のJR西日本岩国ゆきの片道連絡乗車券です。
灰色錦川鉄道自社地紋のA型一般式大人・小児用券で、関東交通印刷で調製されたものと思われます。
経由表記が無いために一見すると自社完結券のように見えますが、途中川西駅からはJR岩徳線に乗り入れていますので、連絡乗車券になります。
開業当時の同駅には多数の硬券乗車券が設備されていましたが、現在では普通入場券の他、硬券は岩国ゆき1口座のみとなっています。
同線の連絡運輸は社線各駅から西条駅・広島駅~徳山駅間・防府駅・新山口駅・呉駅・可部線および岩徳線各駅までとなっており、岩国ゆきの片道および往復以外については、自動券売機もしくは補充券での対応となっているようです。
他に岩国ゆきの往復乗車券も常備券で設備されていますが、こちらは軟券式の大型券となっています。一旦はこちらも購入を考えましたが、軟券に2,300円の投資は躊躇したため、今回は見送りました。
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