趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
帝都高速度交通営団 乗客専務発行 車内補充券
購入した時期を失念しましたが、恐らく1990(平成2)年の年末に発行された、帝都高速度交通営団(営団地下鉄、現・東京メトロ)の乗客専務発行の車内補充券です。
若草色JPRてつどう地紋の穿孔式図補で、山口証券印刷系列の帝都交通印刷で調製されたものと思われます。
営団地下鉄では、東西線の中野~西船橋間全通の際、中野駅では国鉄中央線緩行線と、西船橋駅では国鉄総武緩行線との相互乗り入れを開始しておりますが、両駅とも国鉄ラッチ内での乗り継ぎができたことから、国鉄からの乗越し客や通しの無賃乗車対策のため、旅客案内や車内改札を行う乗客専務が乗務することがありました。
とは言え、乗客専務が乗車する列車は特に指定されておらず、2名体制で回ってくることから、その目的は明らかに旅客案内ではなく、車内改札による無賃乗車の摘発でした。
これは、東京メトロが公開しております「メトロアーカイブアルバム」というサイトにあった東西線車内に於ける乗客専務の車内改札風景です。撮影されたのは1969(昭和44)年とのことで、車両はまだリコ式吊手時代の5000系電車です。
国鉄さながらの「乗客専務 CONDUCTOR」と刺繍された赤い腕章を着け、営団のマークである「S」の刻印の検札鋏と車内補充券および概算鋏を持って、西船橋駅で発車間際に乗り込んできます。
管理人は当時東西線の定期を持っておりましたが、南千住まで行く用事があったため、乗継駅である茅場町から南千住までの区間の乗越精算を申し出て購入しております。
事由欄が「片道」と「別途」の中間付近に穿孔されていますが、原券が有効である定期券であったことと、発券した係員氏は比較的左寄りに穿孔される傾向があることから、別途片道である「別途」が発行事由であるかと思われます。
裏面です。ご案内文は営団地下鉄独自のものとなっており、このまま東京メトロに引き継がれています。