マーケティング研究 他社事例 419 「企業の成功は成長の妨げ!?」 ~その解決方法は?~
20世紀初めに、東京大学の大河内正敏教授が理化学研究所所長となり、研究所の成果を工業化して発展させて、リコーが生まれました。
日本にも優れた起業の歴史があったのです。
優れた起業はイノベーションと表裏一体です。
では、なぜ日本から起業家精神が失われてしまったのでしょうか?
クスマノ教授はこう答えています。
「私は、大企業が大成功しすぎたからと考える。大卒者が皆大企業に就職したがる。実際、大企業が日本経済を仕切っているから、気持ちは分かる。サプライチェーンも強固だ。大企業が川下まですきなく囲い込んでいるので、イノベーション力を秘めた新興企業が多数起業する機会が減り、産業全体としてもイノベーションが起きにくい。」
イノベーション力を秘めた新興企業が多数起業する機会は確かに減っているのでしょう。
大量リストラ等で、世に解き放たれた異能者たちが、新たなビジネスを始めている事は喜ばしい事だと思いますが・・・。
しかし、リストラによってと言うのは、皮肉としかいいようがありません。
クスマノ教授の考える解決策はどのようなものでしょうか?
「大企業に優秀な人材が集まるのはある意味避けられない。だとすれば、日本を代表する大企業に集まる人材の意識を刷新するしかない。私たち研究チームは、日本の将来にとって重要なことの一部は、大企業に勤める人や社内エンジニアに、起業家精神を植え付けることだと信じるようになった。」
「起業家精神が備われば、新卒で大企業に就職した人材も創造的に新規事業開発に取り組めるようになる。日本で大卒者を起業家にしたり、新興企業に就職させたりするのは、文化的・社会的プレッシャーが強すぎる。」
「私は日本で大企業がより創造的に起業家になれるように、様々なプロジェクトに一貫して携わった。東京理科大学でMOT(技術経営)の社会人向け専門職課程の刷新に取り組んだのが一つ。新規事業開発や起業家精神に着目した科学技術系の講座をつくり、技術系の人に経済学、財務会計、戦略論、リーダーシップ、組織論を教えた。」
このようにクスマノ教授は東京理科大学にて様々な取り組みを行って来たのでした。
日本では、エンジニア教育や科学教育で扱う領域が狭いと言われています。
起業的発想を養うには、ビジネス研修も必要となるのです。
しかし、起業家精神の植え付けは言うは易しです。
実際の実行はかなり難しいと言えるのではないでしょうか?
さらに、仮に起業家精神を持つ人材が育ったからと言って、直ちにイノベーションが起きるわけではありません。
それは、大企業ならではの制約があるからです。
大企業では財務部門が投資をコントロールしています。
失敗しそうな投資は合意が得られにくく、積み上げ型の無難な投資にしかゴーサインが出ません。
例えば、誕生前のiPodなら投資は認めないが、緑や赤のウォークマン、ボタンを足したウォークマンに投資するのはOKになってしまいます。
失敗しなさそうな積み上げ型イノベーションと言えるのでしょう。
クスマノ教授はIBMの事例を挙げて説明しています。
「大企業では意欲的な社員がアイデアを試そうとしても、社内で潰されがちなことが分かっている。1980年代、パーソナルコンピューターを開発したIBMも、独自の基盤技術が作れずにダメになった。初期にさほどもうからず、投資に足踏みするうちに、オペレーティングシステムでウィンドウズを出して来たマイクロソフト、さらにマイクロプロセッサを委託していたインテルにパソコン基盤の主導権を奪われた。2社は今それぞれ、世界で最も価値ある企業の一つ。一方IBMは約30年苦戦した末にサービス企業として出直すことになった。」
クスマノ教授は、こうした才能潰し・イノベーション潰しに有効な手立てとして、採用についてふれています。
「鍵を握るのは中途採用だ。新卒で入社した社員に起業家精神を注入するのと同時に、既に起業的マインドを持つ者の中途採用を強化する。重要なのは、生え抜き社員との別のキャリアトラックを設ける事。日本ではどんなに優秀でも、中途入社は好待遇を得にくい。」
と説明しています。
私は、クスマノ教授の案に賛成ではありません。
何が賛成ではないかと言いますと、企業の体質を変える事、つまり方針や理念を見直さずして、イノベーティブにはなれないと考えるからです。
すでに社員に対して、創造性や革新性を求めるのであれば、そういった社内風土を先に作る事を私はおすすめします。
さらに、クスマノ教授はセーフティネットを提案されています。
「新卒社員とは全く別のキャリアトラックにして、中途入社社員にとってもキャリア形成上魅力的な会社にすれば、より良い人材が集まる。あるいは、中途社員を受け入れるため新部署や子会社を立ち上げる手もある。」
「私はソフトウエア技術のベンチャー、フィックスターズの経営に数年関わった事がある。初期は即戦力が必要だったが、そのままでは安定起業で活躍する人材を引き受けることは難しい。そこで、資金提供者だった大手三社が、万が一経営が傾いても雇用の場を提供すると保証した。すると優秀な人が集まり、新しいビジネスを始められた。大企業から不安定なベンチャーに転職するのは、普通はハードルが高いが、安心してもらえた。」
雇用保障はとても優れた制度であると感じた一方、企業文化、企業風土の改善に手を入れるべきである事も、私見ですが付け加えて置きたいと思います。
「リーダーシップ研修」、「未来を創るワークショップ研修」等、各企業の課題に合わせた研修をご提案差し上げます。
経営の根幹は「人」です。働く人次第で成果が変わります。自分事で働く社員を増やし、価値観を同じくし働く事で働きがいも増します。
彩りプロジェクトでは、製造メーカー、商社、小売業者、社会福祉法人、NPO法人等での研修実績があります。
研修と一言と言っても、こちらの考え方を一方的に押し付ける事はしません。実感いただき、改善課題を各自が見つけられる様な研修をカスタマイズしご提案しているのが、彩りプロジェクトの特徴です。
保育園・幼稚園へご提供している研修【私の保育園】【私の幼稚園】は大変ご好評をいただいています。
また、貴社に伺って行う研修を40,000円(1h)からご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
メール info@irodori-pro.jp
HP https://www.fuudokaikaku.com/
お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
現在、経済産業省では「経営改善計画策定支援事業」を行っており、金融支援を必要とする企業の経営改善計画書を策定する際の費用の2/3補助があり、上限は200万円です。
また、「早期経営改善計画策定支援事業」は、同様に策定する際の費用の2/3補助があり、上限は20万円です。
こちらの「早期経営改善計画策定支援制度」は金融支援を要しないものですので、容易に取得しやすいのが特徴です。
メリットとして、金融機関との信頼関係を構築する為の制度としては有用です。
なぜなら、経営内容を開示する事、計画進捗のモニタリングを金融機関に報告する事は、金融機関が企業を評価する際に「事業性の評価」をしやすくなります。
金融機関は担保に頼らずに融資するには、「事業性の評価」が不可欠です。
「事業性の評価」とは、金融機関がその企業の事業を理解する事です。
「事業性の評価」に積極的な金融機関とそうではない金融機関がありますが、これからの金融機関とのお付き合いの仕方として、有用な制度となりますので是非ご利用下さい。
※このような方(会社)におすすめです。(中小企業庁資料より)
・ここのところ、資金繰りが不安定だ
・よくわからないが売上げが減少している
・自社の状況を客観的に把握したい
・専門家等から経営に関するアドバイスが欲しい
・経営改善の進捗についてフォローアップをお願いしたい
この補助金を利用するには、経営革新等認定支援機関の支援が必要です。
彩りプロジェクトは認定支援機関です(関財金1第492号)
経営革新等支援機関とは、「経営改善、事業計画を策定したい」「自社の財務内容や経営状況の分析を行いたい」「取引先、販路を増やしたい」「返済猶予、銀行交渉のことを知りたい」
「事業承継に関して、代表者の個人補償をどうにかしたいんだけど・・・」
というお悩みを始め、中小企業経営者を支援するために国が認定した公的な支援機関の事です。
お気軽にご相談下さい。
当、彩りプロジェクトでは30分無料相談を実施しています。
どのような支援が受けられるのかだけでも、一度お聞きになって下さい。
→ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
HPの申込フォームから(こちらから)どうぞ。
20世紀初めに、東京大学の大河内正敏教授が理化学研究所所長となり、研究所の成果を工業化して発展させて、リコーが生まれました。
日本にも優れた起業の歴史があったのです。
優れた起業はイノベーションと表裏一体です。
では、なぜ日本から起業家精神が失われてしまったのでしょうか?
クスマノ教授はこう答えています。
「私は、大企業が大成功しすぎたからと考える。大卒者が皆大企業に就職したがる。実際、大企業が日本経済を仕切っているから、気持ちは分かる。サプライチェーンも強固だ。大企業が川下まですきなく囲い込んでいるので、イノベーション力を秘めた新興企業が多数起業する機会が減り、産業全体としてもイノベーションが起きにくい。」
イノベーション力を秘めた新興企業が多数起業する機会は確かに減っているのでしょう。
大量リストラ等で、世に解き放たれた異能者たちが、新たなビジネスを始めている事は喜ばしい事だと思いますが・・・。
しかし、リストラによってと言うのは、皮肉としかいいようがありません。
クスマノ教授の考える解決策はどのようなものでしょうか?
「大企業に優秀な人材が集まるのはある意味避けられない。だとすれば、日本を代表する大企業に集まる人材の意識を刷新するしかない。私たち研究チームは、日本の将来にとって重要なことの一部は、大企業に勤める人や社内エンジニアに、起業家精神を植え付けることだと信じるようになった。」
「起業家精神が備われば、新卒で大企業に就職した人材も創造的に新規事業開発に取り組めるようになる。日本で大卒者を起業家にしたり、新興企業に就職させたりするのは、文化的・社会的プレッシャーが強すぎる。」
「私は日本で大企業がより創造的に起業家になれるように、様々なプロジェクトに一貫して携わった。東京理科大学でMOT(技術経営)の社会人向け専門職課程の刷新に取り組んだのが一つ。新規事業開発や起業家精神に着目した科学技術系の講座をつくり、技術系の人に経済学、財務会計、戦略論、リーダーシップ、組織論を教えた。」
このようにクスマノ教授は東京理科大学にて様々な取り組みを行って来たのでした。
日本では、エンジニア教育や科学教育で扱う領域が狭いと言われています。
起業的発想を養うには、ビジネス研修も必要となるのです。
しかし、起業家精神の植え付けは言うは易しです。
実際の実行はかなり難しいと言えるのではないでしょうか?
さらに、仮に起業家精神を持つ人材が育ったからと言って、直ちにイノベーションが起きるわけではありません。
それは、大企業ならではの制約があるからです。
大企業では財務部門が投資をコントロールしています。
失敗しそうな投資は合意が得られにくく、積み上げ型の無難な投資にしかゴーサインが出ません。
例えば、誕生前のiPodなら投資は認めないが、緑や赤のウォークマン、ボタンを足したウォークマンに投資するのはOKになってしまいます。
失敗しなさそうな積み上げ型イノベーションと言えるのでしょう。
クスマノ教授はIBMの事例を挙げて説明しています。
「大企業では意欲的な社員がアイデアを試そうとしても、社内で潰されがちなことが分かっている。1980年代、パーソナルコンピューターを開発したIBMも、独自の基盤技術が作れずにダメになった。初期にさほどもうからず、投資に足踏みするうちに、オペレーティングシステムでウィンドウズを出して来たマイクロソフト、さらにマイクロプロセッサを委託していたインテルにパソコン基盤の主導権を奪われた。2社は今それぞれ、世界で最も価値ある企業の一つ。一方IBMは約30年苦戦した末にサービス企業として出直すことになった。」
クスマノ教授は、こうした才能潰し・イノベーション潰しに有効な手立てとして、採用についてふれています。
「鍵を握るのは中途採用だ。新卒で入社した社員に起業家精神を注入するのと同時に、既に起業的マインドを持つ者の中途採用を強化する。重要なのは、生え抜き社員との別のキャリアトラックを設ける事。日本ではどんなに優秀でも、中途入社は好待遇を得にくい。」
と説明しています。
私は、クスマノ教授の案に賛成ではありません。
何が賛成ではないかと言いますと、企業の体質を変える事、つまり方針や理念を見直さずして、イノベーティブにはなれないと考えるからです。
すでに社員に対して、創造性や革新性を求めるのであれば、そういった社内風土を先に作る事を私はおすすめします。
さらに、クスマノ教授はセーフティネットを提案されています。
「新卒社員とは全く別のキャリアトラックにして、中途入社社員にとってもキャリア形成上魅力的な会社にすれば、より良い人材が集まる。あるいは、中途社員を受け入れるため新部署や子会社を立ち上げる手もある。」
「私はソフトウエア技術のベンチャー、フィックスターズの経営に数年関わった事がある。初期は即戦力が必要だったが、そのままでは安定起業で活躍する人材を引き受けることは難しい。そこで、資金提供者だった大手三社が、万が一経営が傾いても雇用の場を提供すると保証した。すると優秀な人が集まり、新しいビジネスを始められた。大企業から不安定なベンチャーに転職するのは、普通はハードルが高いが、安心してもらえた。」
雇用保障はとても優れた制度であると感じた一方、企業文化、企業風土の改善に手を入れるべきである事も、私見ですが付け加えて置きたいと思います。
「リーダーシップ研修」、「未来を創るワークショップ研修」等、各企業の課題に合わせた研修をご提案差し上げます。
経営の根幹は「人」です。働く人次第で成果が変わります。自分事で働く社員を増やし、価値観を同じくし働く事で働きがいも増します。
彩りプロジェクトでは、製造メーカー、商社、小売業者、社会福祉法人、NPO法人等での研修実績があります。
研修と一言と言っても、こちらの考え方を一方的に押し付ける事はしません。実感いただき、改善課題を各自が見つけられる様な研修をカスタマイズしご提案しているのが、彩りプロジェクトの特徴です。
保育園・幼稚園へご提供している研修【私の保育園】【私の幼稚園】は大変ご好評をいただいています。
また、貴社に伺って行う研修を40,000円(1h)からご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
メール info@irodori-pro.jp
HP https://www.fuudokaikaku.com/
お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
現在、経済産業省では「経営改善計画策定支援事業」を行っており、金融支援を必要とする企業の経営改善計画書を策定する際の費用の2/3補助があり、上限は200万円です。
また、「早期経営改善計画策定支援事業」は、同様に策定する際の費用の2/3補助があり、上限は20万円です。
こちらの「早期経営改善計画策定支援制度」は金融支援を要しないものですので、容易に取得しやすいのが特徴です。
メリットとして、金融機関との信頼関係を構築する為の制度としては有用です。
なぜなら、経営内容を開示する事、計画進捗のモニタリングを金融機関に報告する事は、金融機関が企業を評価する際に「事業性の評価」をしやすくなります。
金融機関は担保に頼らずに融資するには、「事業性の評価」が不可欠です。
「事業性の評価」とは、金融機関がその企業の事業を理解する事です。
「事業性の評価」に積極的な金融機関とそうではない金融機関がありますが、これからの金融機関とのお付き合いの仕方として、有用な制度となりますので是非ご利用下さい。
※このような方(会社)におすすめです。(中小企業庁資料より)
・ここのところ、資金繰りが不安定だ
・よくわからないが売上げが減少している
・自社の状況を客観的に把握したい
・専門家等から経営に関するアドバイスが欲しい
・経営改善の進捗についてフォローアップをお願いしたい
この補助金を利用するには、経営革新等認定支援機関の支援が必要です。
彩りプロジェクトは認定支援機関です(関財金1第492号)
経営革新等支援機関とは、「経営改善、事業計画を策定したい」「自社の財務内容や経営状況の分析を行いたい」「取引先、販路を増やしたい」「返済猶予、銀行交渉のことを知りたい」
「事業承継に関して、代表者の個人補償をどうにかしたいんだけど・・・」
というお悩みを始め、中小企業経営者を支援するために国が認定した公的な支援機関の事です。
お気軽にご相談下さい。
当、彩りプロジェクトでは30分無料相談を実施しています。
どのような支援が受けられるのかだけでも、一度お聞きになって下さい。
→ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
HPの申込フォームから(こちらから)どうぞ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます