文部科学省が11月15日に発表した06年度の公立学校でのいじめや暴力行為についての調査結果で、県内では暴力行為の発生件数は04年度から続いていた減少傾向から一転、前年度比65件増の493件でした。とりわけ中学校での教師に対する暴力と器物損壊が目立ちます。いじめの認知件数は、いじめの定義が変わったことにより、464件と前年度より347件増えました(関連ニュース番号0711/94、11月16日など)。(橋本新之介)
私立を含む、県内小中高校の児童・生徒1千人あたりの暴力発生件数は3・3件(全国平均3・1件)。公立学校では、小学校が26件(前年度比9件減)、中学校366件(同72件増)、高校101件(同2件増)でした。中学校の暴力行為の増加は、教師に対する暴力(122件)と器物損壊(119件)が押し上げた形です。
具体例では、授業中に教師から携帯電話を取り上げられたことに腹を立て、暴言を吐いて暴力をふるった(中学校)▽友人が冗談で軽く背中をたたいたことに腹を立て、振り向きざまに握りこぶしで顔面を強打した(高校)▽友達とのけんかでむしゃくしゃし、廊下の壁をけって穴を開けた(小学校)--などがありました。
同様に県内の小中高校と特別支援学校の児童・生徒1千人あたりのいじめの認知件数は2・9件で、全国平均(8・7件)を大きく下回わりました。公立学校の認知件数では、小学校211件(前年度比156件増)、中学校176件(同124件増)、高校64件(同56件増)、特別支援学校13件(同11件増)でした。
また、公立の小中高校のほぼ半数で、いじめが認知されていることも分かりました。いじめの内容では、全体的に「冷やかし、からかい、言葉の脅し」が多く、高校では深刻化する「パソコンや携帯電話での誹謗中傷」の割合も高いものでした。
いじめの定義はこれまで、1、自分より弱い者に対して一方的に 2、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え 3、相手が深刻な苦痛を感じている、だった。県教委によると今回の調査では、いじめられた側の痛みに焦点を当てた内容に変わった、とされています。
県教委はいじめ対策を強化しています。
昨年12月には、子どものいじめや悩みに24時間応じる電話相談窓口「子どもナイトだいやる」を開設。同11月には学校関係者や児童・生徒も加わった「いじめ対策チーム」をつくりました。
また、いじめに対して教員、児童・生徒、保護者、地域、県教委が対処すべき行動をまとめた「ストップいじめアクションプラン」も作成。携帯電話による「ネットいじめ」への対応も盛り込まれており、県内の学校や全市町教委などに配布する予定とのことです。
(11月16日付け朝日など各紙が報道)
http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000000711160003