滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【0705/35:信楽鉄道事故】事故から16年、「JRの体質変わらず」と遺族が「考動館」の展示に抗議

2007-05-16 00:49:49 | Weblog

JR西日本が今年4月に設置した社員教育施設「鉄道安全考動館」(大阪府吹田市)の展示をめぐり、信楽町(現・甲賀市)で1991年5月に起きた信楽高原鉄道(SKR)事故の遺族が5月14日、事故から16年の追悼法要でJR側に抗議書を手渡しました。42人が死亡した惨事の責任について、記述が不十分と、遺族はJRに激しく反発し、「体質は変わっていない」と怒りをあらわにしました。

約90人の遺族らが参列した法要の後、遺族らでつくる市民団体「鉄道安全推進会議」(TASK)の吉崎俊三会長(73)が、鉄道安全考動館の展示内容についてJR西日本の山崎正夫社長に詰め寄りました。

山崎社長は「耳の痛い話」と述べるにとどまりました。しかし直後の報道陣の取材に対しては、「認識のずれがあるのは事実だが、展示は判決に沿って作ったつもりだ。今の時点で変えるつもりはない」と言い切りました。


発端は、信楽高原鉄道事故についての記述でした。同館は2005年4月に107人が亡くなったJR宝塚線(福知山線)の脱線事故を受け、鉄道の安全確保を教育する目的で設置されました。一般には非公開ですが、関係者によると、JRは信楽事故の過失について、「信号トラブルで手続きが不十分なことを知っていたにもかかわらず、上司に報告しなかったことが問題と指摘された」と記述しました。

しかしJR側が信楽高原鉄道に無断で、自社の乗り入れ列車を優先的に進めるようにするため設置した「方向優先てこ」の存在は明記しませんでした。この装置は刑事、民事いずれの訴訟でも事故と因果関係があると認定されており、SKR側はJRに抗議しています。

遺族側はこうしたJRの姿勢を「責任逃れ」と批判しており、吉崎会長は「考動館を見に行くのも断られた。一般公開もせず、何が社員教育だ」と述べ、抗議書で展示内容の改善を求めています。

法要に参列した後藤泰子さん(64)=大阪府茨木市=は、夫の正利さん(当時51)を亡くしました。JRの姿勢について、「自分たちが直に悲しみを感じていないから、変わらないのではないか」と語りました。

抗議書について、JR西日本広報部は、「内容を読んで検討したい」としています。

■信楽高原鉄道事故の経緯■

1991年5月 信楽高原鉄道(SKR)とJR西日本の列車が正面衝突。42人が死亡、600人以上が負傷

92年12月 県警がSKRの元運転主任ら3人を業務上過失致死傷容疑で逮捕。JRの元運転士らを同容疑で書類送検。JR側は全員不起訴処分に

93年8月 「鉄道安全推進会議」(TASK)設立

10月 遺族の一部が損害賠償求めJRとSKRを大阪地裁に提訴

99年3月 大阪地裁が両社の過失を認め、計約5億円の支払いを命じる。JRは控訴

2000年3月 大津地裁がSKRの元運転士ら3被告に禁固2年6カ月~2年の有罪判決を言い渡す

02年12月 大阪高裁が民事訴訟でJRの控訴棄却。JRは上告せず

04年4月 JRがSKRや信楽町などに対し遺族への補償金など計約32億円の負担割合を決める民事調停を大津簡裁に申し立て

05年4月 JR宝塚線(福知山線)で脱線事故。107人死亡、562人が負傷

06年12月 大津簡裁で民事調停が不成立

07年4月 JRが過去の鉄道事故の資料を展示する社員教育施設「鉄道安全考動館」開設。SKRが展示内容について抗議

信楽高原鉄道事故 信楽高原鉄道(SKR)の列車とJR西日本の列車が1991年5月14日、正面衝突しました。JRは信楽町(現・甲賀市)で開催されていた「世界陶芸祭」のため、単線のSKRに乗り入れていました。県警などの調べでは、SKRの列車が赤信号のまま出発し、JRの列車と衝突したとされています。後に、JR側が自社の乗り入れ列車を優先させる装置を無断で設置していたことが判明し、事故の一因と指摘されました。

(5月15日付け朝日、毎日などが報道)

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000000705150003 など

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          ■イラク戦争による民間人死者数■
           
           (2007年5月15日現在)

     最小:6万3610人 (5月1日より850人増)
     最大:6万9658人 (5月1日より872人像)

           イラク・ボディ・カウントより

http://www.iraqbodycount.net/

《イラク・ボディ・カウント》は英米の市民による調査機関であり、中東や欧米の複数のメディアで確認されたものを死者としてカウントしており、その精度は高いものと考えられます。しかし、これらの報道により確認されていない死者を入れると、実際の死者数は上記の数値の数倍に達しているものと思われます。



【0705/34:医師不足問題】彦根市が産科医療を支援、新たな開業に補助金、建設費や機器購入費

2007-05-16 00:27:39 | Weblog

彦根市立病院産婦人科が三月下旬から分娩(ぶんべん)の取り扱いを休止している問題で、同市は5月14日、分娩可能な民間診療所の新たな開業に対し、一定の補助金を交付すると発表しました。市立病院の新たな医師確保が難しい中、民間診療所の誘致で市内の出産環境を改善するのが狙いです。県内の市町での、こうした補助金制度は初めてとのことです(関連ニュース番号0703/27、3月14日など)。

同日開かれた湖東地域医療対策協議会の中で報告されました。補助の対象は、市内に新たに開業する分娩可能な診療所の建設事業です。開業後十年間、産科医療を継続する場合に限られます。

補助は診療所の本体工事費について、一平方メートル当たり7万4600円(実施単価の半額が限度)を交付します。10万円以上の医療機器や備品の購入についても、1000万円を限度に半額を補助します。

協議会のメンバーで、市内で唯一、分娩を取り扱っている診療所「神野レディスクリニック」の神野佳樹院長は「開業資金に加え、小児科のバックアップ態勢が整えば、市内での開業に意欲的な医師もいる」と指摘しました。

同協議会は、市や犬上郡、愛荘町の行政、医療関係者ら二十一人で構成されています。二月から三回の会合を開いてきましたが、市立病院の医師確保という主目的は達成できないまま、ひとまず終了することになりました。今後も医師派遣の要望活動は続けていくとのことです。

(5月15日付け中日など各紙が報道)

http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20070515/CK2007051502016105.html など

【0705/33:ダム問題】宇治の2ダムで貯留する考え示す、瀬田川洗堰の全閉解消へ国交省

2007-05-16 00:15:58 | Weblog

琵琶湖からの放流量を調節する瀬田川洗堰(大津市)の「全閉操作」解消に向け、国土交通省は5月14日の淀川水系河川整備基本方針検討小委員会で、豪雨時に洗堰から流した流量を下流の天ケ瀬ダムや喜撰山ダム(ともに京都府宇治市)で貯留し、宇治川に影響を与えない形で対応する考え方を示しました。宇治川の最大流量は、国が「当面実施しない」としている大戸川ダム(大津市)建設も視野に、現行計画と同じ毎秒1500トンと見込みました。

洗堰を全閉しない場合の考え方として、国は下流への影響を抑えるため、天ケ瀬ダムの土砂の堆積(たいせき)を減らしたり、水力発電用の喜撰山ダムを活用して貯留する方法を提案しました。

また、計画規模以上の洪水が発生した場合の対応として、保津峡(亀岡市)など流れの狭い場所に、流量調整ができるゲート付きのバイパスを設置する案も示しました。

淀川の枚方市地点の最大流量は現行計画と同じ毎秒1万2000トンに設定。文化遺産が点在する宇治川も大幅な河床掘削ができないと判断し、現行同様に毎秒1500トンとしました。豪雨時の洗堰からの具体的な放流量は示されませんでした。

委員会で、京都府の森田悦三土木建築部長は「保津峡の開削は従来通りにやってほしい」と訴えました。滋賀県の嘉田由紀子知事は「洗堰の全閉操作は保津峡に堰を設けて止めているようなもの」と述べ、全閉解消に向けて理解を求めました。

(5月15日付け京都新聞が報道)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007051500059&genre=C4&area=S00

【0705/32:指定管理者制度】滋賀の文化ホールを考える、指定管理者制度導入で関係者が提言

2007-05-16 00:04:27 | Weblog

指定管理者制度の導入などを受け、「滋賀の文化ホールを考える懇談会」(滋賀自治体問題研究所主催)が5月14日、大津市内で開かれ、青木清治・野洲市文化スポーツ振興事業団常務理事や「劇団.自立の会」の谷田昌蔵代表が提言しました。

谷田さんは「会社帰りの人に劇を見てもらいたい」と話し、夜遅くまでホールを利用できるよう運営改善を要望し、ホールの使いやすさはスタッフの姿勢に大きく左右されると指摘しました。

一方、青木さんは「利用時間を広げる一方で、誰かが費用負担しないといけない」と指摘し、「今あるホールは、目的が見えにくいものが多い。場合によっては、倉庫や葬儀場に使うなど、ホール以外の使い方も考えていけばいい」と、従来の枠にとらわれない運営を提言しました。

(5月15日付け毎日新聞が報道)

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shiga/news/20070515ddlk25040503000c.html