数社でボツになった漫画シナリオ

超美少年の愛(性同一性障害)は修一に恋していたが、ある切っ掛けを機に超美少女に変身して修一と・・・。

愛がイク (66)   女子バレーボール

2016-09-26 21:02:00 | 漫画のシナリオ
(66) 女子バレーボール

四百字詰原稿用紙換算10枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。

    登場人物
香山京子(16)165㎝。キリッとした美人。

桜田優子(25) 170㎝。上品かつ妖艶で超グラマーな美人。

北条愛(17) 170㎝。2年生。

北倉エミ(17) 165㎝。ショートヘアーのキリッとした美人。

里香(17) 165㎝。清楚な美人でアニメ声。

真菜(18) 180㎝。スタイル抜群の美女。

香山房江(40) 170㎝。グラマーでむせかえるような色気を放つ美女。

石川加代子(25) 190㎝。冷たそうな美人。Vリーグ、ニチボー磯塚のキャプテンで俗に言うスソガである。

他、バレー部メンバー

本田、前出のテレビプロデューサー

N=ナレーション


   体育館の外観(表に修一のスクーターが停めてある)。

   校門からベンツB180が入ってくる。

   体育館の横に停めた車からバムッとドアを閉めて降りた前出のプロデューサー本田。

   腰に手を当て感慨深げに体育館を見上げ、
本田(・・・テレビ史上初の視聴率百%を達成してスポーツ部の部長になれたのも・・・)

   体育館の部分的な絵に呟き、
  (何もかもこの体育館と岩城君のお蔭だけど、もう二度とあんな奇跡は起きないだろうな・・・)

   玄関前に立った本田、館内から聞こえてくる「バシーン」「はいーっ」という音に気付く。


   同、体育館内

注、バレーコートが四つあり、修一と京子(ブラとハイレグブルマー姿)以外誰もいない。

   修一にレシーブを軽く返しながら、
京子「なんでバレーをするのにブラジャーでせなアカンのん?」と言ってるのを見て驚き、
本田(おお!岩城君と、チアで踊ってた美人生徒じゃないか・・・)

修一「(少し焦り)それがバレーをする時の基本的な格好なんでちゅ」

京子「そんな苦しい言い訳せんでも、うちの裸を見たいって正直にゆうたら素っ裸ででもやったげるのにー」

   欲情の目で驚き、
本田(岩城君、言えっ!言うんだっ!裸になれって・・・)

   そこに入ってきた優子、エミ、愛、里香(全員ハイレグブルマー)が驚き、
優子「修一くん・・・一体何してるの?・・・」

本田(おお、なんと美女軍団が全員集結かー?!)

修一「(平然と)みんなこそ、そんな恰好で何事なんだ?」

   全員一斉に京子の胸を見つめて同じ事を呟く、
  (ブラジャーで修ちゃんの気を引こうたってそうはいかないわよ・・・)

エミ「この間のクラスマッチでコテンパンに負けて悔しかったから・・・」

愛 「次は勝てるように秘密特訓しにきたの・・・」

   意地悪な目で京子の胸を見て、
優子「・・・あなた、暑がり屋さんだからそんな恰好してるの?」

   体育座りで眺め、
本田(おおおー、なんか面白くなってきたぞ・・・)

京子「(赤面し)あ・・・いえ別に・・・」

修一「レシーブした時にTシャツの腋が破れて、見苦しいから脱ぐようにって俺が言ったんだ」

   おたおたする京子を疑わしげに見つめ、
優子「ふーん、そうだったんだ・・・」

優子「じゃ、一緒に練習しようか?」

修一「おー、いいな」

本田(ほほー、バチバチ火花が飛んでこりゃ見ものだ・・・)

優子「ふー、暑い暑い」と四人が一斉にTシャツを脱ぎだす。
  
   本田、それを見てギョッとする。

   本田、慌ててポケットからスマホを取り出す。

   上半身ブラだけになった優子達が、
優子「(すまして)さあ、始めましょうか」と言ったので修一と京子があっ気にとられる。

   その修一に、道着で通りかかった真菜が笑顔で手を振り、
真菜「修ちゃん、バレーの練習してんの?」

修一「やあ、自主練か?」

真菜「そうなの、もっと強くなりたいから」

注、コートの一方に修一、京子、エミ、そして反対側に優子、愛、里香。

   天井の絵に優子の声、
  「さあいくわよー、しっかりレシーブしてーっ」

   優子、ジャンプサーブを「バシーン」と打つ。

   着地した優子の乳房がプルンと揺れる。

   スマホの画面に乳房が揺れたアップに「カシャ」という音。

   本田、ゴクッとツバを飲み血走った目で画面を確認する。

京子「うぷっ」と上手にレシーブする。

   優子、それを見て驚く。

修一「そーれっ」とトスを挙げる。

   エミ、バシッと打つ。

   愛、飛んできたボールを「きゃん」と叫んで回転レシーブして上げる。

   それを見て感心し、
修一(へー、きゃんきゃん逃げ回ってるわりに確実にレシーブを上げてるじゃないか・・・)

里香「愛さん、ナイスレシーブ!」と言ってトスを挙げる。

   優子、「バコーン」とバックアタック。

   着地と同時にブラから乳房がはみ出てユサッと揺れる絵に「カシャ」と音。

   その瞬間の乳房を撮ったスマホの画面を見て、
本田(す・・・すんげえ・・・)

   里香のブラから乳房がはみ出た絵に、
N『みんなは大事な事を忘れていた。スポーツブラではなく普通のブラで練習していた事を・・・』

   京子のブラから乳房がはみ出た絵に、
N『だがバレーに熱中するあまり、誰もそんな事を気にする者はいなかった・・・』

   優子の強烈なバックアタックを「バコッ」と、もろ顔面に受けた修一が「ぐえっ!」と叫んで倒れる。

優子「(真っ青になり)きゃっ、修ちゃん!」

   みんなが心配そうに修一を取り囲み、
優子「修ちゃん、大丈夫?ほんとに御免ね」

愛 「修ちゃん・・・」

   顔を摩りながら立ち上がり、
修一「ぐすん、だ、大丈夫でちゅー・・・」(俺って団体競技が苦手なんのよね・・・)

   天井の絵に声とN、
  「修ちゃん、ぼっとしないっ!」「愛さん!ボールに食らい付いて!」「バシッ」
N『その後もみんな乳房がむき出しになっている事にも気づかず夢中で練習を続けるのであったーー』

   石川(190㎝)を先頭に10人ほど入ってきたのを見て驚き、
本田(えっ!Vリーグの石川達がなぜここに?・・・)

   見事なスタイルの石川の胸から股間までのアップに本田の呟き、
  (あ・・・そうか、午後から近くの体育館で試合があるから、その練習できたんだ・・・)

   石川達、乳房をむき出しで練習する優子達を怒りの籠った目で見る。

石川(なんて無様な恰好・・・バレーを愚弄するにも程があるわ・・・)

   その石川を眺め、
本田(それにしても実際そばで見るとでっけえな、たしか190㎝だったか・・・)

   本田、目の前をブルマーで通り過ぎる房江に気付き、
  (おっ、あの人もチアで踊ってた人だ・・・)

   ストレッチする房江を撮影しながら本田の呟き、
  (絶妙な脂の乗り具合・・・なんとも欲情をかきたてるグラマーな身体してんなー・・・)

   尚も房江のくびれた腰と尻のアップに、
  (夜が充実してんだろうな・・・性の名残が匂いたってくるような女性だ・・・)

   バレーをする人で一杯になった館内の絵。

   房江の百八十度開脚した股間から陰毛が一本はみ出してる絵のアップ。

   房江、それに気付く。

   毛をブルマーの中に押し込みながら憂いを帯びた表情で、
房江(・・・修ちゃん・・・)と呟く。

   ブルマーの中に指を入れたまま、
房江(貴男が私の中に残した物がトロっと太腿に伝い流れたとき、愛しさがこみあげてきて子宮が熱くなるの・・・)

   ふっと向こうでバレーをしてる修一に気付き、ぽっと頬を染め、
房江(きゃっ、修ちゃんも来てたんだ・・・)(あ~ん、姿を見ただけで子宮が疼いちゃう~)

修一「おりゃーっ」「バゴッ」とサーブを打つ。

   バシッと受けた強烈なサーブを弾き、
優子「あっ」と声を漏らす。

   その弾いたボールが隣のコートで練習する石川の顔面を「バチン!」と直撃したので同僚のメンバー達が凍りつく。

   石川、手で顔を押さえたまま凍りついている。

優子「(申し訳なさそうに)ごめんなさい」

   石川、顔を押さえたまま笑顔でもう一方の手を上げる。

優子(ほっ、よかった・・・)

優子「(修一に)はい、次のサーブを打ってー」

   次の瞬間、横から優子の頬に「バチーン!」とボールが直撃する。

   両手で顔を押さえる優子に笑顔で手を上げ、
石川「すみませーん」

エミ「(京子に)今のはわざとよ・・・」

京子「うちもそう思う・・・」

      つづく


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愛がイク(65)   MI6

2016-09-19 20:16:00 | 漫画のシナリオ
(65) MI6

四百字詰原稿用紙換算12枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。

登場人物

香山京子(16)165㎝。キリッとした美人。

香山組の組長(50)京子の父

同、若頭(50)温厚そうな顔

同、靖男(25)

高畑(50)優しそうだが崩れた雰囲気を漂わせている。

沙希(32)170㎝。妖艶な美女。29話に登場。

N=ナレーション



   空の絵に、
N『日曜日――』

   香山組事務所の外観(修一のバイクが外に停まっている。組の看板は外されており、以後、京子宅とする)。

   更に別の角度から描いた京子宅の外観に京子と靖男の声、
  「あ、修ちゃん、いらっしゃい」

  「若、ようこそ」

注、事務所内、ソファに組長改め社長と若頭改めMと高畑が掛け、テーブルを挟んだ対面のソファーに修一と京子が掛ける。全員の前に飲み物有り。

   ソファから立ち上がって修一を迎え、
京子「修ちゃん、ここに掛けて」

   社長の後ろに立っている靖男が、
靖男「若、麦茶とアイスコーヒー、どっちがよろしいですか?」

修一「お、ボンド君、気がきくね」

靖男「(とまどい)え・・・ボンドて・・・?」

   冷蔵庫を開けながら楽しそうに振り返って、
京子「靖男がスパイになったから、からこうてはるねん」

靖男「(嬉しそうに照れ)ボ、ボンド・・・か」

修一「(若頭に)いっそ組の看板を外した跡にMI6って看板をつけたらどうな?のうM君」

   微笑む高畑の横で照れ、
若頭「え・・・Mってわしの事だっか?」

修一「決まっちょろうが、ボンド君の上司じゃけんのー」

若頭「(照れ)・・・さ、早速今日にも看板屋に注文してつけさせます。なんかユーモアがあっておもろいですなあ・・・」

若頭「わしショーンコネリーが出てた初期の007の大ファンやったんですわ」

   楽しそうに修一の前にアイスコーヒーを置き、
京子「はい修ちゃん」と言った京子を修一がしみじみ見つめる。

京子「(頬を染めて照れ)・・・え?」

修一「角が取れたちゅうか、表情が柔らこうなって一段と美人になったのう・・・」

京子「(赤面し)あ・・・え、ほんまに・・・?」

社長「やっぱり若は観察眼が鋭いわ、わしも最近、おんなじ事思うててん・・・」

京子「(赤面し)いややわー、二人でうちをからこうてからに・・・」

   アイスコーヒーを「ズズ―」と飲み、
修一「からこうちゃおるかいや」

修一「京子は年を重ねるごとに美しさに磨きがかかる女なんじゃ・・・」

   京子、頬を染めてあ然。

修一「俺は今日それを発見したぞ。じつに貴重な発見じゃ・・・」

   目尻を拭い、
京子(修ちゃんにそないゆうてもろたら女冥利につきるわ、常にうちを観察してくれてなかったら出てこん言葉やもん・・・)

修一「やくざの娘ちゅう足枷が取れて晴れ晴れした気持ちが内面から滲み出てくるんやろうのお・・・」

社長「(頭を下げ)ほんまに何もかも若のお蔭や、おおきに・・・」

   天井の絵に社長と高畑の声、
  「ところで高畑さん、会社の方はどんな具合かのう?」

  「それがですね社長、MI6がいい仕事をしてくれてましてね・・・」

   Mとボンドが照れる横で鞄から資料を出す高畑に、
京子「さっそくMI6やて、高畑さんって意外とノリがええんやね」

   頬を染めて照れ、
高畑「えー、機密情報を他社に漏洩していた社員とパワハラで頻繁に問題を起こしていた部長をMI6が電光石火の早業で処分してくれたお蔭で・・・」

   出した資料を見ながら、
高畑「みんな恐れをなしたのか反抗的な者がいなくなり、社内の空気が良くなって業績も順調に伸びています」

   機嫌よく頷き、
社長「うんうん、そりゃ結構なことや」

   真剣な顔で身を乗りだし、
修一「MI6の諸君!」と言うとMとボンドも顔を引き締めて身を乗り出す。

修一「もう諸君はかなりの情報を収集してると思うが、今後も常に分析を怠らず職務を全うしてもらいたい」

M 「はっ」

   ボンドが「はっ」とやっているのを両手で口を押えて笑いを堪え、
京子(くっ、ほんまにどこまでマジか冗談か分からん人なんやから~)

修一「京子、ブルマー履いてこい。学校の体育館でちょっと汗流すぞ」

京子「えーっ?MI6の話がなんで突然ブルマーになるん?」

   内緒話をするように京子の耳元に手を当て、
修一「パンツを脱いでブルマーを直に履くように。これは指令じゃ」

   赤面してバッと敬礼し、
京子「はっ、京子は修ちゃんの命令に従うであります!」



   空の絵に「プルプルプル」とバイクの音。

注、二人はアドレスで住宅街を走っている

   バイクの後ろに乗った京子のスカートが翻ってブルマーが丸見えになってる絵に、
京子「あれ?どこ行くのん?」

修一「ちょっと寄り道・・・」

   コンビニから離れた所で「キッ」と停まり、入り口付近に座ってたむろしてるヤンキー五人を見て、
修一「おっ、前方にウジを発見!」

   「カチャ」とサイドスタンドを立てる絵のアップ。

注、ここから二人ともバイクから降りている。

   修一、シートを開けるとマントとサングラスと太陽の絵のマークを貼ったターバンが入っている(要するに月光仮面のマスク無しのバージョン)。

   背を向け、背中に日光仮面とヘタな字で書いたヨレヨレのマントを首に巻く修一を京子があっ気にとられて見ている。

   月光仮面同様白縁のサングラスをして振り向いた修一にあ然として、
京子「・・・そ、そんな恰好して何すんのん?・・・」

修一「日光仮面の使命を果たしてくるけん、ちょっとまっててね」

   月光仮面を頭に思い浮かべ、
京子(に、日光仮面って、ひょっとしたら月光仮面をパロッたつもり・・・?)

   あっ気にとられる京子を残し、修一がバイクでプルプルと去る。

   客達がヤンキーを恐々横目で見ながらコンビニに出入りする。

   店内から従業員達が迷惑そうにヤンキーを見ている。

   ヤンキー達、「ブオーン、ブオーン」という音に気づき振り向く。

   眼前にウィリーしたバイクが突進してきたので驚愕し、
  「ひーっ」と叫ぶ。

   一人は背中から轢かれて「ぎえーっ」と叫び、他の者は「な、なんじゃこいつは!」と叫び必死に逃げ惑う。

   バイクの左側を逃げる男の横っ面を「ゴヅッ」と殴る。

   もう一人は後ろから「ドガッ」と蹴り倒す。

   停まって倒れ伏した五人を見て、
修一「太陽の使者、日光仮面が天に代わってウジを成敗いたす!」

   それを見てあっ気にとられて赤面し、
京子「・・・し、しゅうちゃん・・・」

   店内から従業員達が狂喜し、
  「おー、日光仮面だ!」

  「日光仮面、待ってたぞー!」

修一「バキューン、バキューン」と口で言いながら指鉄砲を撃ち、立ち乗りしてヤンキー達をゴトッ、ゴトッと轢く。

   「キキーッ」とターンして倒れ伏したヤンキー達を見て、
修一「日光仮面はヤンキーとやくざには容赦しないのだ!」

   「プルプルプル」と去る修一を従業員達が外でパチパチ手を叩きながら見送り、
  「よっ、日光仮面。ありがとーーっ」

  「またたのむぞーーっ」



   空の絵に「プルプルプル」「キッ」とブレーキ音。

   京子、バイクから降りる修一をあっ気にとられて見ながら力なく手をパチパチ叩く。

   修一がマントを外すのをあ然とした顔で手伝い、
京子「・・・し、使命、ご苦労様でした・・・」

   すました顔でサングラスを外し、
修一「うむ」

   字が歪んだマントを広げて見て、
京子「このマント・・・修ちゃんが作ったん?・・・」

修一「うん、夜なべして作った」

   目を潤ませて畳んだマントをギュウと抱きしめ、
京子「・・・」

   プルプルプルと走りながら修一の背にしがみつき、
京子「・・・いつから日光仮面は正義のために働いてるん?」

修一「一週間前からでござる」

京子(ほんまにどこまでマジなんか知らんけど修ちゃんが必死にマントを縫うてる姿想像したら・・・)

   涙を拭い、
京子(・・・うち、泣きそうになる・・・)

        つづく



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愛がイク(64)   蛇の道は蛇

2016-09-16 20:30:09 | 漫画のシナリオ
(64) 蛇の道は蛇

四百字詰原稿用紙換算12枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。

登場人物

香山京子(16)165㎝。キリッとした美人。

香山組の組長(50)京子の父

同、若頭(50)温厚そうな顔

同、靖男(25)

高畑(50)優しそうだが崩れた雰囲気を漂わせている(29話に登場)

沙希(32)170㎝。妖艶な美女。29話に登場。

N=ナレーション


   京子をぎゅうと抱きしめ、
修一「もう叩かんといてくれ、胸も心も痛いわいや・・・」

京子「わーん、修ちゃんが死ぬほど好きやー」

修一「わかっちょる」

修一「けど、京子にもっと好きになってもらいたいけん、他にも色々考えたんじゃ」

   幼児のように涙を拭い、
京子「ぐすん、どんな事なん?・・・」

修一「今日で組は解散して京子は社長令嬢になるんじゃ」

   組長達、あ然。

   涙を拭い不思議そうに修一を見て、
京子「・・・ぐすん、うちが社長令嬢になるのん?・・・」

修一「そうじゃ、親父は買収した会社の社長になるが、会社に顔出したらみんなビビりよるけん形式だけの社長じゃがの」

   鼻汁をこすって泣き笑いし(このコマの京子の表情はとても重要)、
京子「ぐすん、みんなお父ちゃん見たら怖がるもんね・・・」

   修一、その京子の仕草を見て「ズキーン」と感極まり両目から涙を溢れさせる。

   京子、鼻汁をたらしたまま驚く。

京子(・・・修ちゃんが涙流した・・・うちのために・・・)

   修一、突然京子の両頬を両手で挟む。

   そして彼女の鼻汁をじゅるじゅるすすり、
修一「お前はなんちゅう可愛い女なんじゃ!」

京子「きゃっ、あかんて修ちゃん・・鼻汁汚い・・・」

   組長達それを見てあっ気にとられる。

   京子の涙を舐め、
修一「なにが汚いんじゃ、お前の心も、お前の身体から出る汗も生理の血も鼻汁も何もかもが愛しゅうて俺はお前を食べてしまいたいわいやっ」

   組長達三人、床に正坐して涙を拭いながら「うぐぐうぅぅ若――っ・・・」と泣く。

   修一に両頬を挟まれたまま涙を流してぼう然とする京子の顔のアップ。


   同、京子の薄暗い寝室。

   高畑、ふっと目を覚ます。

   隣で背を向けて寝てる沙希を見て「はっ」と身を引く。

   部屋の壁に背をもたせて尻をつき沙希の寝顔を見つめる絵に、
N『・・・何もかも仕事を探せなかった私がこんな事態を招いたにせよ・・・』

   前出の、「はぁ、はぁ、沙希、もっと締めんかい、だいぶ緩んできたでぇ」

  「あ、あ・・・もっと動いて、もっとぉ」と交接してる絵の再現に、
N『・・・果たして今後も結婚生活を続けてゆく事ができるだろうか・・・』

   沙希の寝顔の絵に、
N『覚醒剤のせいだとしてもヤツにしがみついて自分から腰を振る沙希に何度も本気で殺意を感じた・・・』

   前出の首のない田中にしがみついて「あぁ、もっと動いて、お願いだからー」と腰を突き上げている凄惨な絵の再現に、
N『・・・どんなに時間がたってもあのおぞましい光景がフラッシュバックして一生頭から離れないだろう・・・』

   高畑、よろっと立ち上がる。

   高畑、沙希に近づいて顔を見下す。

   股間を見つめる。

   沙希のパジャマのズボンを降ろす。

   下半身裸にして両膝を立たせ、恐々性器を見つめる。

   尚も見つめる。

  「うぷっ・・・」とえずき口を押える。

   天井の絵にえずく声、
  「うげーーっ」「はぁ、はぁ、はぁ・・・」「げーーっ・・・」



   同、事務所内

   涙を拭い不安げに、
若頭「若、組を解散したらわしと靖男はどないしたらええんですか?・・・」

修一「お前らはスパイになるんじゃ」

若頭「へ・・・スパイ・・・?」という横で靖男もキョトン。

修一「そうじゃ、どんな小さい会社でも謀反を企むヤツはおるもんじゃ」

修一「お前らは買収した会社にそんなヤツがおらんか常に社員の身辺と取引先の素性を調査するんじゃ」

   若頭、靖男、あ然。

修一「そして京子が大学を卒業したらすんなり社長に就任できるように邪魔者を排除しとくのがお前らの任務じゃ」

京子「え、うち社長になるのん?・・・」

修一「そうじゃ、その一歩が今この瞬間から始まったぞ」

組長「(涙を拭い)・・・そ、そこまで京子の事を考えてくれとったとは・・・」

組長「(土下座し)若――っ!・・・」

修一「京子が堅気の世界で幸せに暮らせるためのレールを敷いたるんが今日からのお前らの役目じゃ」

修一「どおない?やりがいのある仕事じゃろうが?」

若頭「(涙を拭い)へいっ、もうこれ以上やりがいのある仕事はありません。死ぬ気でやらせてもらいます」

修一「お、忘れとった。靖男」

靖男「(涙を拭い)へい、若!」

修一「金と一緒に取ってきた借金の借用書、あれみんなにもう返さんでもええぞっちゅうて連絡したれ」

靖男「へい、承知!」

修一「どおない?正義の仕事じゃ、気持ちよかろうが?」

靖男「(目尻を濡らし)へい!ごっつう誇らしいです・・・」

修一「よし、お前ら今日から堅気になるんじゃけんさっそく敬語の練習じゃ」

組長「(あっ気にとられ)え・・・?」

修一「えじゃあるかいや。俺について言えよ」

修一「いらっしゃいませー」

   組長達、赤面して焦る。

修一「二回言わすなよ。いらっしゃいませー」

   組長達、赤面し、
  「い、いらっしゃいませー・・・」

修一「有難うございましたー」

   組長達、赤面し、
  「あ・・・有難うございましたー・・・」

   修一、京子、赤面して笑いを堪え、
修一「冗談じゃ。ちょっとおちょくっただけじゃ」

   赤面してあ然とする組長達。

京子「修ちゃん、お父ちゃんをいちびらんといたってえなー、可哀そうやんかー」

   よろっと部屋に入ってきて、
高畑「・・・なんかえらく楽しそうですね・・・」

   立ち上がり、
京子「あ、起きたん?ここに座って。すぐにコーヒー入れるわね」

   修一の横に掛けた高畑に、
修一「あんたにゃ役員になってもろて新会社に出向してもらうけんね」

   嬉しそうに流しから振り返り、
京子「そやっ!高畑さんがおってくれたらうちも心強いわ」

   側に来て修一の頬に「チュッ」とキスし、
京子「有難う。うち高畑さんが大好きやねん」

   ギョッとし、
組長(馬鹿が、余計な事ゆうて若がブチ切れるぞ・・・)

修一「わかっちょる。京子は人の内面を見れる人間じゃけん、京子が好きな人は俺も好きじゃ」

   ほっとし、
組長(なんと度量の広い・・・わしゃ逆立ちしても若には適わんわ・・・)

高畑「(うろたえ)い、一体役員とか何の話なんですか?・・・」

   組事務所の外観の絵に高畑の声、
  「・・・なるほど・・・」

   天井の絵に高畑と組長の声、
  「・・・微力ですが京子ちゃんのために精一杯働きますので是非やらせて下さい」

  「わしからも頭を下げます。どうか京子のために高畑さんの力を貸したって下さい」

組長「さて、京子とわしらの新しい門出を祝して乾杯せにゃの。おい靖男、とっておきの酒を出せ」

靖男「へい!」と上気して立ち上がる。

   靖男、後ろに振り向いた瞬間驚愕する。

   全員が何事かと振り向くと素っ裸の沙希が両手で性器を広げてゆらめいて立っており、
沙希「だれでもいいから入れて・・・」

   焦点の定まらぬ目で修一の前に来て、
沙希「ねえ~入れて・・・」

   突然修一の片方の膝に「バッ」と跨って腰を激しく擦り付け、
沙希「あぁぁ、お願いだから突いてー」

   コーヒーカップを乗せたお盆をガシャーンと落とし悲しく切ない顔で、
京子「嫌やーーっ、修ちゃんに触らんといてーー!」と絶叫する。

   修一の膝が愛液でずぶ濡れになっている絵のアップ。

   ものすごい形相で沙希の髪を両手でガっと引っ掴み、
京子「修ちゃんに触るなーーっ!」

   床に倒れた沙希の顔面をドコッドコッと蹴り、
京子「修ちゃんに触ったら沙希さんでも殺すでーーっ!」と叫ぶ光景を全員が何とも切なげな表情でぼう然と見ている。

   はぁ、はぁと涙を流して喘ぐ京子を抱きしめ、
修一「これは沙希さんやのうて沙希さんの形をした物体なんじゃ。もう堪忍したれ・・・」

組長、その光景を涙を流しおろおろして切なげに見ている。


   空の絵に、
N『沙希は薬物療養施設に入院した・・・』

   尚も空の絵に、
N『そして・・・蛇の道は蛇と言うがさすがおやじ達は元本職だーー』

   買収した京子の会社、五階建て商業ビルの外観に、
N『すぐに社員三十人ほどの小さなIT企業を探し出してきてあっと言う間に買収してしまった』

   その社内。半袖カッターにネクタイを締めた高畑が社員達と真剣な顔で打ち合わせしている絵に、
N『高畑さんも徐々に元気を取り戻して京子の道筋を作るために懸命に働き始めたし・・・』

   自室で机の上にIT関連の本を山積みにして懸命に勉強する京子の絵に、
N『目標が定まった京子も、ものすごい集中力を発揮してIT関連の勉強を始めだした・・・』


   空の絵。

   大きな精神病院の外観にN『長尾療養施設――』

   屋上に小さな人影が現れる遠景。

   屋上の縁の上に立って素っ裸で足を大きく、がに股に開き、両手で性器を開いた沙希の後ろ姿(不安定で揺れている)。

   その恰好を正面から描いた絵に、
沙希「(笑みを含んだ清らかな表情で)私のオ○○コはみんなのものよーー」

    沙希、清らかな表情で下を見る。

   「ゆらり」という擬音と、空と遠くの風景が五十度に傾いた絵。
    
      つづく







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愛がイク (63)  香山組解散

2016-09-12 18:08:23 | 漫画のシナリオ
(63)香山組解散

四百字詰原稿用紙換算12枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。

登場人物

香山京子(16)165㎝。キリッとした美人。

香山組の組長(50)京子の父

同、若頭(50)温厚そうな顔

同、靖男(25)

田中組長(40)全身に龍の入れ墨。

高畑(50)優しそうだが崩れた雰囲気を漂わせている(29話に登場)

沙希(32)170㎝。妖艶な美女。29話に登場。
N=ナレーション



   組長達に、
修一「お前らはなんか袋探してこの金を詰め込め」

靖男「へいっ」

修一「京子は監視カメラの映像を探して処分せい」

京子「はい、修ちゃん」

   修一、奥にドアがある事に気付く。

   修一がドアに近づくのを全員が動きを止めて注視する。

組長「・・・ひょっとしたら組長が隠れとるんか?」

   若頭の死体を見て、
修一「こいつが組長かとおもっとったぞ」

若頭「そいつは若頭で組で一番タチが悪かったヤツですわ」

   ドアノブを握る修一の横で京子が刀を構える。

   防音の分厚いドアを開けながら、
修一「なんじゃこりゃ、防音ドアか・・・?」

   奥の方から「あ、あ、あぁぁ・・・」と喘ぎ声が聞こえ、組長達顔を見合す。

   短い廊下を進むと喘ぎ声が一層大きくなる。

注、廊下の奥は十畳の部屋。殺風景な部屋にはWのマットレスのみ。低いテーブルの上に注射器多数、覚せい剤、酒瓶、コップが放置。マットレスで沙希と田中組長が裸で交接しており、その側で口と手足をガムテープで縛られた高畑(服は着ている)が倒れているが、この部屋の様子はまだ描かない。

   無表情の修一の横で驚愕し、
京子(・・・高畑さん・・・)

   意思のないうつろな目で宙を見ている高畑の姿。

   次に全員の眼前で無残にやつれて目が飛んだ沙希と田中組長が正常位で交接しており、田中の腰を両足で締め上げ性欲の虜となったかのようにしがみつき、
沙希「あ、あぁ、もっと、もっとぉ・・・」

   その光景をあ然と見て、
組長(・・・沙希・・・な、なんちゅう・・・)という絵にN『麻薬の甘い匂いと汗と精液のスえた匂いが充満し魔窟を思わせる凄惨な光景であった・・・』

   修一、無表情でテーブルの上の覚せい剤等を見る。

   次に高畑の前で二人が交接している部屋全体を描く。

   うつろな目をした高畑の顔のアップ。

   京子、涙ぐみ、悲しく切ない表情でいやいやをするように首を振る。

田中「はぁ、はぁ、沙希、もっと締めんかい、だいぶ緩できたでぇ」

沙希「あ、あ・・・もっと動いて、もっとぉ」

   天井の絵に「きええーーっ」という絶叫と「ガヅッ」という音。

   刀を振り切った京子の足もとに田中の首が転がっており、沙希は首のない田中にしがみついて「あぁ、もっと動いて、お願いだからー」と腰を突き上げている凄惨な絵。

   組長達(修一含まず)、京子を見て驚愕し、
組長(・・・とうとうやってしまいよった・・・)

   ガムテープを外してやりながら、
京子「高畑さん、しっかりして・・・」

   組長達が呆けたように見ている前で相変わらず腰を突き上げ、
沙希「ねえ、どうして動いてくれないの、ねえーっ?」

   田中を「ドガッ」と蹴り飛ばし、
修一「いつまでやっとんじゃ猿がっ!」

沙希「いやーーっ、抜かないでーっ!」と田中にしがみつく。

   修一、がっと沙希の髪をひっつかむ。

   顔面を平手で「バチーン」と殴ると失神してドサッと倒れる。

   全身のガムテープを外し尻をついたまま虚ろな目をした高畑に、
京子「高畑さんっ、しっかりしてっ、絶対うちが助けたるからなっ!」

修一「靖男っ、とにかく監視カメラの映像をはよ探せ!」

靖男「はいっ」

   組長達に、
修一「お前らははよ金を袋に詰めるんじゃ!」

修一「それと借金の証書もまとめて持って帰れよ」

組長「わ、分かった」

   天井の絵。

   修一にDVDを一枚手渡し、
靖男「若、これです」

修一「よし」

   修一、部屋の隅にある電子レンジの扉をガチャと開ける。

   中にDVDを入れる。

   タイマーを十分に合わせる。
   刀で「チっ」とガス湯沸かし器のホースを切り、
修一「よし、撤収じゃ!」


   空の絵に「バタン」「バタン」と車のドアが閉まる音と修一の声、
  「よし、京子は俺のバイクに乗れ、みんな急いでこっから離れるんじゃ」
   
   前出の切ったガスホースからガスが「シュー」と漏れている絵。

   レンジの中でDVDがメラメラ燃えてる絵。

   「ドガーーン」と事務所が大爆発する絵。


   香山組事務所の外観にNと京子と組長の声、
N『香山組事務所――』「今、うちの部屋を覗いたら二人とも死んだように眠ってたわ・・・」

  「ここへ来るまでの間に高畑から大まかな話は聞いたんじゃが・・・」

   同、京子の部屋

   薄暗い部屋で高畑と沙希(2人同じベッドでパジャマ着用)が死んだように眠っている絵に組長の声、
  「なかなか仕事が見つからず食い詰めた挙句、田中がやっとる闇金に手を出してしまいよって・・・」

   同、事務所内

   テーブルの上に札束がはみ出した紙袋多数、各々の飲み物が乗っており、テーブルの前のソファーに組長、若頭、靖男。対面のソファーに修一と京子が座り、
若頭「借りたのはええが無職で返済出来る訳もなく一ヶ月前に2人そろうて拉致されたちゅうお決まりのコースですわ」

組長「沙希はシャブ漬けにされてぶっ通しで犯され続けて、もう田中無しではおれん身体にされてしもうたそうや・・・」

若頭「沙希も可哀そうやが高畑の方がもっと悲惨でっせ・・・」

   沙希と田中が交接してるのをガムテープで巻かれた高畑が涙を流して見ている絵に若頭の声、
  「目の前で女房が犯されるのを一ヶ月も見せられ続けたら誰でも神経やられまっせ。ほんまえげつない事しょるわ・・・」

組長「沙希は当分入院させてシャブを抜かなあかんなあ・・・」

京子「入院したら治るん?」

組長「本人次第やが・・・まあ無理やろうのー・・・」

京子「えー、ほんなら二人は別れてしまうのん?あんなに苦労して一緒になったのに・・・」

修一「それより先にこの金の話じゃ。靖男、全部でなんぼあった?」

靖男「ざっと数えただけですが三億とちょっとありました」

修一「(組長に)この金でこじんまり手堅い商売やっとる会社を探して買収せい」

組長「えー?!」

修一「(呆れ)ほんまに、えー?が多いやっちゃのう」

組長「せやかて若、会社なんか買収してどないするねん?」

修一「京子のために決まっちょろうが」といわれ京子驚く。

修一「京子と知りおうてからずっと考えとったんじゃが・・・」

修一「もうそろそろ京子をヤクザの娘ちゅう境遇から解放してやってくれんかのう」

   京子、驚愕。

   組長達、驚愕。

修一「(組長に頭を下げ)頼むわ・・・」

   京子、目尻を濡らしてあ然。

   組長達あ然。

修一「こいつはいっつもあっけらかんとして、そんなん気にもとめてないように見えるが・・・」

   あ然と修一を見る京子の顔のアップに修一の声、
  「年頃の娘が気にせん筈がなかろうが・・・」

修一「(組長に)小さい時からみんなから距離を置かれて友達もおらんかったんやぞ、お前、そんなん考えた事あるか?」

   京子、俯いて肩を小さく震わせており、組長がそんな娘を申し訳なさそうに見る。

   京子の震える肩の絵に修一の声、
  「おまけに生理の事を教えてくれる母親もおらんかったんやぞ」「初潮の時にどんなにとまどったやろか・・・」

   組長、若頭、涙を流して肩をプルプル震わせる。

   髪をおしゃれに編んでもらった子が母と手を繋いで幼稚園に登園してきた母娘二組を、ざんばら髪の幼い京子が羨ましげに見ている絵に修一の声、
  「幼稚園や小学校のとき毎朝母親に髪をおしゃれに編んでもろた女の子達を見て京子はどんな気持ちがしたやろか・・・」

修一「そんなんを想像したら・・・」

   京子が揃えた膝を両の手でぎゅうと握る絵に修一の声、
  「俺は、俺と出会う前の京子の何を想像しても泣きそうになるんじゃわい・・・」

   京子が膝の上で揃えた両の拳をぎゅうと握る絵に修一の声、
  「そやのに親父に文句一つ言わんと、ほんま辛抱強い子やで、惚れ惚れするほどええ子じゃ・・・」

   京子の両の拳がプルプル震える絵に、
  「俺はこの子の強さが逆に悲しいわいや・・・」

    京子、涙と鼻水を流してプルプル震えている。

    突然修一の胸をドンドン叩いて泣きじゃくり、
京子「わーん、修ちゃんは何でそんなにうちの気持ちが分かるんやーっ、うちはそんなこと一言もゆうてへんのにーっ」

修一「俺がどんなけ膨大な時間をお前の事を考えるのに費やしたと思うとるんじゃ?」

   京子、目に涙を溜め、あっ気にとられて修一を見る。

修一「お前の身になって色んな事を突き詰めて考えたらそのぐらい想像つくわいや」

京子「ぐすん、お父ちゃんでもそんなに心配してくれへんのに、修ちゃんはずっと親みたいにうちのこと考えてくれてたん?・・・」

   わんわん泣きじゃくりながら修一の胸をドンドン叩いて、
京子「不思議やーっ、不思議やーっ、この地球に修ちゃんほどうちのこと愛してくれる人がおるんが、うちは不思議やーっ!」

   組長、若頭、靖男、鼻水を垂らして泣きじゃくりプルプル震えている。

   天井の絵に京子が泣きじゃくる声、
  「えーん、不思議やーっ、不思議やーっ、えーん」

        つづく
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愛がイク (62)   殴り込み

2016-09-06 15:35:02 | 漫画のシナリオ
(62) 殴り込み

四百字詰原稿用紙換算12枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ちあがるように書いてあります。季節は常に真夏である。

登場人物

香山京子(16)165㎝。キリッとした美人。

香山組の組長(50)京子の父

同、若頭(50)温厚そうな顔

同、靖男(25)

田中組長(40)全身に龍の入れ墨。

若頭(40) 全身に龍の入れ墨。

子分A(25) 全身に龍の入れ墨。

子分B(25) 全身に龍の入れ墨。

N=ナレーション



   修一、走りながら左手を後ろに回す。

   京子のパンツの上から性器を触り、
修一「おー、盛大に濡れちょるのー」

   頬を染め、
京子「そのまま指を押し込んどいて・・・」

修一「むふ、片手運転は違反でござる」

   空の絵に「キッ」とブレーキ音と修一の声、
  「ここか?調子のっとる組ちゅうのは・・・」

   こじんまりした三階建てビルの前でスクーターに跨ったまま2人がビルを見上げている絵。

注、車庫はシャッターが閉まり、階段横に田中興行の看板あり。

   同、組事務所内。ビルを見上げる2人が映ったモニター画面に声、
  「是这个东西们谁(なんじゃこいつら・・・?)」


   バイクから降りて後ろを振り向くと車がかなり後方で止まっており呆れて、
修一「あいつらヤル気あるんか?よおあんなんでヤクザをやってこれたのう」

修一「もおええ、二人でやろ。京子、刀を取ってこい」

京子「(嬉しそうに)はいっ」

   空の絵に会話、
  「き、京子、若は本気でやる気か?!」

  「当たり前やんか、うちの殴り込みデビューの足手まといにならんとってや」

組長「(あ然)・・・こんなんデビューゆうんか?・・・」

   組ビルの外壁に取り付けられた監視カメラのアップ。

   片膝をつき両手でうやうやしく捧げた刀を手渡し、
京子「殿、伝家の宝刀でござる」

修一「うむ」と受け取るのを組長達あっ気にとられて見ている。

   三階への階段を上がりながら、
京子「修ちゃん、うち首斬りたいからうまいこと段取りつけてね」

修一「よしよし、見上げた心意気じゃ」

修一「親父に京子の爪の垢を煎じて飲ましたれ、ほんまビッたれが話にならん奴等じゃわい」

   後ろからついてくる組長と若頭がぞっとして顔を見合わせる。

   修一が「ドガッ」とドアを蹴り開ける。

注、 室内前面に青竜刀をダラリと持った上半身裸の中国人A、Bの2人が無表情で立っており、その後ろのテーブルに札束が無造作に三億円山積みされ、その後ろの大きなソファーに若頭がふんどし一丁で胡坐をかいて不敵な顔でこちらを見ている。

   無表情で立つ中国人と対峙する修一と京子の後ろで組長達が戦いている。

   おどけた顔で、
若頭「香山の~アポなしで突然来られたらガサ入れか思うてビビるがな~」

修一「おどれらの口上はもう聞き飽きとるんじゃ。一言もしゃべるな!」

若頭「(不敵な顔で)ほおー、えらい威勢のええ兄ちゃんじゃのう」

修一「なに貫録かましとんじゃボケが」

修一「なんじゃその紋々は?竜の落とし子か?」

   組長達があ然とする横でくっと吹き、
京子「竜の落とし子・・・」

   若頭、怒りを露わにし目でAに合図する。

   組長達に振り向き、
修一「お前らは下がっちょれ」

   チャッと青竜刀を構え、
A 「是来死的吗?(死にに来たのか?)」

   刀をベルトに差しながら、おちょくるように耳に手を当て、
修一「あー?なんちゅーたー?」

   血相を変え、
A 「舐也有程度(なめるにも程がある)」

   腰をくっと落として構え、
修一「この不法滞在者がーっ!」

   目にも止まらぬ速さで刀を一閃し、Aの顔を「ガっ」と横殴りに斬り抜き、
修一「なにぬかしとんじゃー!」

   Aの顔の上半分がツっと斜めにずれる。

   ドサッと倒れ、胴体から顔が離れる。

   組長達、驚愕して「ひっ」と後ずさる。

   田中組若頭、驚愕。

   京子のパンツがじゅわ~と濡れるのをスカートの下から煽って描いた絵。

京子「ひゃー、腰にずんっときて一瞬でずぶずぶや~」

組長(な、なんぼ居合の達人でも頭を真っ二つには斬れんぞ。なんちゅう腕や・・・)

   焦って青竜刀を構えたBと対峙し、
修一「京子、こいつの首切ってみるか?」

   嬉しそうに、
京子「うん!こいつ見た瞬間から生理的に気に入らんかってん」

組長「げーーっ・・・」

   刀を鞘に「チン」と納め、
修一「ちょっと待ってね、こいつの青竜刀が邪魔やけん」

   修一、腰をくっと落として構える。

   B、脂汗を流して右手で青竜刀を構える。

京子(こいつ修ちゃんが構えただけで硬直しとる。確かにこの構えを見たらチビるわな・・・)

修一「むんっ」と目にも止まらぬ速さで刀を一閃する。

   修一、刀を鞘に「チン」と納める。

京子(ひゃっ!テンポ早すぎー。漫画やったらごちゃごちゃしゃべって、もっと引き延ばすのにー・・・)

   じゅわと濡れたパンツの絵に尚も京子の呟き、
  (格闘物やったら今のシーンで軽く3ページは引っ張ってるで・・・)

   あ然と青竜刀を構えたBの右手首が一㎝「つっ」と下にずれる。

   刀を握ったままの手首が「ぼとっ」と落ち、
B 「ぎえーーっ!」と絶叫する。

   田中組若頭、ぼう然として「じょー」と失禁。

   それを見てあ然としてる香山組若頭に、
組長「あいつ失禁しょったで、馬鹿たれが大きなツラしおって、うちには若がおるんぞ!」

   修一、札束を口に詰め込まれて「むぎうぅぅ」と呻くBの頭を引っ掴んでソファーに曳きづってゆく。

   怖気たつ若頭の上にBをドサッと投げ捨て、
修一「こいつの首が真っ直ぐなるように捕まえとけ」

   Bの髪をひっつかんで首を伸ばし、
若頭「わ、わしはどないなるんですか・・・?」

修一「知らん。姫次第じゃ」

若頭「(あ然と京子を見て)・・・姫・・・?」

   照れて焦り、
京子「あ・・・え?・・・」

   京子の前で片膝をついて刀を捧げ、
修一「姫、御存分に」

   赤面して刀を受け取り、
京子「うむ・・・」

京子「(赤面して焦り)でええの・・・?」

京子「(照れ)うち時代劇みいひんからどない返事したらええんか分からへん~」

修一「京子、ユーチューブで『琴姫七変化』を観てもっと勉強せないけんぞ」

京子「琴姫七変化?・・・」

   ごほんと咳払いし、
修一「(汗)そらまあええとして、さっさと片付けてしまえ」

修一「魂が無事中国に帰れるように再見 (さょうなら)ゆうて切っちゃるんぞ」

京子「はい」

京子「(上段に構え)再見・・・」

   スマホで京子をカシャと写し若頭に、
組長「みてみいあの凛々しい構え」

組長「ほんま琴姫七変化の松山容子を彷彿とさせるよのー」

京子「いやーーっ!」と袈裟切りに振り下ろした刀が「ガっ」とBの首に一㎝めり込み、
B、「ぎややーっ」と叫ぶ。

京子「あれ?なんで修ちゃんみたいに一発で斬れんのやろ・・・?」

   京子、焦って「ガっ、ガっ」と何度も斬る。

   上段に構え、
京子「はぁ、はぁ、今度こそ一発で・・・」

京子「いぎゃああーっ」と振りおろした瞬間、Bの髪を持ち上げてた若頭の腕を「ガヅ」と斬り落とし、
若頭「ぐぎゃあああー」と絶叫。

   のた打ち回る若頭を見下し、
修一「な、姫次第じゃろ?絶対お前も斬られるおもたわ」

京子「はぁ、はぁ、人を斬るのがこんなに難しいとは思わんかった。改めて修ちゃんの凄さが分かったわ・・・」

   ぼう然とカシャカシャとシャッターを切ってる組長に、
若頭「お、おやっさん、斬ってるとこは万が一ちゅう事もあるから削除した方がよろしおまっせ・・・」

修一「ま、剣道の心得も無いし、最初はそんなもんよ。気にせんとガツガツ斬りまくったれ」

京子「はいっ」

   天井の絵に「いやあーーっ」「ガっ、ガっ!ガっ、ガっ」という声と音。

   「はぁ、はぁ、はぁ」と胸を喘がせ刀をだらりと持ってズタズタになった二人の死体を見下す京子(彼女の後ろで組長達が腰を抜かして放心している)に、
修一「姫は人斬りになるのは諦めて樵(きこり)になった方がようござるな」

京子「(残念そうに)えー?やっぱりうち才能ないのん?・・・」

修一「今のは冗談。人を斬るのは技量より度胸じゃ」

修一「お前は度胸はあるけん、あとは慣れだけじゃ」

京子「(回りを見回し)どっかにもっと人がおらんやろか・・・?」

組長「(怯え)き、京子、今日はもうそのぐらいでええんちゃうかの・・・?」

        つづく

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愛がイク (61) チャイニーズドラゴン

2016-09-02 18:32:12 | 漫画のシナリオ
(61) チャイニーズドラゴン

四百字詰原稿用紙換算12枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ちあがるように書いてあります。季節は常に真夏である。

登場人物
ヤンキーA(25)
ヤンキーB(25)
アベック男(25)大人しい顔
アベック女(25)普通顔
香山京子(16)165㎝。キリッとした美人。
香山組の組長(50)京子の父
同、若頭(50)温厚そうな顔
同、靖男(25) 

N=ナレーション



   空の絵に修一のセリフ、
  「ああーたいくつじゃー・・・」
    
   回りを見回しながらアドレス110スクーターできっちり両足を揃え背筋を伸ばして裏通りをトロトロ走り、
修一「どっかにヤンキーかやくざはおらんかのー」

   空の絵に「キキ――っ」と大きなブレーキ音と「きゃーーっ」という悲鳴。

○人通りの多い街中

   ヤンキー車(運転手A、助手席B)がまだ人が横断中の横断歩道に車体を突っ込み、Bが窓から首を伸ばしてアベックの彼女が倒れてるのを見る。

B  「どりゃー、はよ起きてダッシュで走らんかいやー」

   ヤンキー車の後ろに停まってた高級車(運転、靖男。助手席若頭。後席京子と組長)のフロントガラスから前方を見て、
京子「またタチの悪いチンピラが素人に因縁つけとるんか・・・」

   通行人が遠巻きに見守る中、アベックの男が彼女を支え起こしながら、
男 「(怯え) 歩行者用信号はまだ青なのに君たちどこをみて運転してんだ」

   ガチャとドアを開けかけ、
B 「ほー、わしらに因縁つけるんか?」

女 「(怯えて男の腕を引き)いいからもういきましょ。たいした怪我じゃないし・・・」

    車外に出て男の髪を引っ掴み、
B 「そうはいくかやー、われ、わしらを誰じゃ思うとるんな?」

B 「あー?」と男の顔面を車体にガヅッと打ちつけたので、女が「きゃーっ」と叫ぶ。

京子「あのアベック可哀そうに、靖男、ちょっといって助けたり」

   ガチャとロックに手をかけ、
靖男「へい」

   空の絵に「ブオーン」とエンジン音。

   「ドゴッ」と修一がBを跳ね飛ばす。

京子「(驚き)し、修ちゃん!・・・」

組長「(驚き)おお、若っ!」

   車外に出た靖男に、
京子「靖男、車に戻り!」

靖男「へ、へい」

京子「うっかり修ちゃんの楽しみを邪魔したらあとでうちが怒られるさかいな」

   あぜんと京子を見て、
組長「たのしみ・・・?」

   修一、「ブオーン」と大きく尻を振ってターンする。

   倒れて呻くBを見ながら「ブオーンブオーン」とアクセルを吹かす。

   突進してくるバイクに戦き、
B 「ひっ!・・・」

   「ドゴッ」と頭から尻まで轢く。

   A、車内であ然と戦く。

   「カチャ」とスクーターのスタンドを立てる絵のアップ。

修一「(アベックに)すぐにこの場から立ち去りたかろうが、まあ見ときんさい」

修一「あんたらに不快な思いさせたヤツがどがいなるかを・・・」といわれアベック怯える。

   修一、車内で怯えるAの頭をガっと鷲掴みする。

   そのまま窓から車外へ引きづり出され、
A 「ひーっ」

組長「(戦き)も、ものすごい握力じゃのう・・・」

   頭を掴んだまま怯えるアベックの前に立たせ、
修一「この2人に謝っとけ」

A 「す、すみませんでした・・・」

   頭が潰れそうなほど「ミシミシ」アイアンクローで握られ、
修一「ぜんぜん気持ちがこもっちょらんわいや、もっと気持ちこめな頭蓋骨つぶすぞ」

A 「うぎぎうぅ、こ、心から、すみまぜんでじだー・・・」

修一「ほんまはそんなんどうでもええんじゃ」

A 「え・・・?」

   A、横っ面を「ゴンッ」と殴られた瞬間、地べたにめり込みそうな勢いで倒れる。

   組長達、あ然と戦く。

B 「うぅぅ・・・」と意識が戻る。

   修一、Bの頭をガっと鷲掴みする。

   Bを鷲掴みしたままAの側までズルズルひきづってくる。

   BをAの横にドサッと置き、
修一「並んで仰向けになれ」

   バイクに跨り、仰向けに並んだ二人に、
修一「今から轢くけん逃げたら一撃で殴り殺すぞ」

   アベック怖気たつ。

   アクセルを「ブオーン」と吹かす。

   縦に並んだのを横から「ドゴッ」と前輪で二人の顔を轢いたとき、
A 「むぎゃっ!」

B 「ぎいいーっ」と悲鳴をあげる。

修一「やかましいわい!悲鳴をあげるんはこれからじゃ」

   ゆっくり「ミシミシ」顔面の骨をきしませながら二人の顔の上で後輪が止まる。

   空の絵に「ブオーンブオーン」凄まじい排気音。

   高回転する後輪が顔面の皮膚を「ビチビチビチ」と弾き飛ばしAB悲鳴。

   京子のパンツが「じゅわ~」と濡れる絵のアップ。

   肉片が京子の車のフロントガラスにビチビチビチと飛び散ってくる車内から修一をうっとり見て、
京子(いつみても凄まじい手際にうっとりするわ~)その横で組長達戦慄。

   空の絵に「ブオーンブオーン」凄まじい排気音。

   アベックの女、陶酔したように眺め、
女 「・・・皮膚がめくれて頭蓋骨が見えてきた・・・」

   修一、二人の顔から降りる。

   カチャとサイドスタンドを立てる。

修一「バイクから降りて女に)どお?スカッとした?」

女 「はい、お蔭さまで・・・」

女 「でもこういう人達はまた同じ事を繰り返すからいっそ死んだ方が世のためだと思うんですが・・・」という女の横顔を男があ然と見る。

修一「うん、その通りなんよ。あんたはこいつらの本性をようわかっとるわ」

修一「んじゃちょっと下がっててね」といわれ訳がわからぬまま女が下がる。

   修一、ヤンキー車の横で気絶してる二人の反対側に屈んで車体を持ち上げようとする。

   車内からそれを見て驚き、
組長「な、なんぼ若かてあれを持ち上げるのは無理やろー・・・」

京子「お父ちゃんはまだ修ちゃんの底力がわかってへんなー。せやから他所の組に縄張りを奪われるんやで」と言われ組長シュンとする。

   片側前後輪が「ふわ」と持ち上がる。

見物人達「(驚愕)おおおーーっ・・・」

   四十五度まで持ち上がる。

修一「うりゃあー」と気合もろともひっくり返し、屋根が二人をグシャッと押し潰す。

若頭「(驚愕)ま、マジ?・・・」

組長「(怯んで汗)・・・い、いっそあそこまでやったら清々しいよのう・・・」

若頭「ま、まったくですわ・・・」

   女の前で両手のホコリを払い、
修一「こんなものでいかがでござるか?」

   嬉しそうに手を叩き、
女 「ナイス!グッドジョブでしたー」という女の横顔を男があ然と見る。

   その時、車から顔を出して嬉しそうに手を振り、
京子「修ちゃ~ん」

組長「(焦り)げっ、な、なにも呼ばんでも・・・」

修一「(後方を見て)おっ、京子」

   側に来て車内を覗き、
修一「親子そろおて殴り込みか?」

京子「ぷっ」と吹く横で組長あぜん。

修一「どこを襲撃するんか知らんが俺も混ぜてもらうぞ」

組長「(驚愕)げーーっ!」

修一「げーじゃあるかいや。自分らだけ楽しもう思うとったんじゃろうがそうはいくか」

修一「どおせなら一番でかい組を潰したろやないか。どこな?」

京子「そおゆうたらお父ちゃん、前から田中なんちゃらゆうのが勘にさわるゆうてたな?」

   焦って若頭に、
組長「た、田中興行が最近目に余るっちゃ余るよのう・・・」(京子のやついらん事を言いおってからに・・・)

若頭「へ、へえ。チャイニーズドラゴンを破門された中国人を何人か組員にしてうちのシマを我が物顔でのし歩いとるようで・・・」

   無表情で若頭を睨み、
修一「あ?・・・」

若頭「(怯え)と、渡世上の貫目(かんめ)は向こうの方が上やし・・・」という絵にN『貫目=威厳、貫録』

   車内に上半身を突っ込んで若頭の頭をバシンと殴り、
修一「なにを他人事みたいにゆうちょるんじゃ!」

修一「そんなもんソッコーで皆殺しにしたったらえかろうが。のう京子」

京子「そやろー?うちも前からそない思うててん」

修一「よっしゃ、今からそいつら潰しにいくぞ」

   顎が外れそうなほど驚愕し、
組長「え、えーーっ?」

修一「えーじゃあるかや。刀かピストル積んどろうのう?大勢を手で殴り殺すのはめんどくさいけんのー」

組長「・・・か、刀やったら一振り積んじゃあおるが・・・」

修一「それで充分じゃ。京子、今日は人間を斬らしたるけんの」

京子「(嬉しそうに)やったー」という娘を組長がぞっとしたように見る。

修一「(靖男に)おい」

靖男「(怯え)は、はい」

修一「各々方、出陣です!ってゆうてくれんかの」

   若頭、組長あ然。

靖男「(とまどい)あ、え・・・」

京子「(焦り)靖男、早よいい!修ちゃんを怒らさんといてや」

   後席から靖男の頭をパシッと叩き、
組長「はよ言わんかいや、若を怒らせたらわしらにとばっちりがこようが」

靖男「(照れて赤面)お、各々方、出陣です・・・」

修一「よっしゃー、討ち入りじゃー!」

   ガチャとドアを開け、
京子「うち修ちゃんとバイクで行くわ」

   後席から赤面する靖男の肩を叩き、
組長「恥ずかしいのによおゆうた。えらい!」

   二人が乗ったバイクの後ろを組長の車がついて走っている。

   車内から前を走るバイクをあっ気にとられて見ながら、
組長「・・・ホームセンターへ行くつもりやったんがなんで殴り込みになるんじゃ・・・?」

若頭「(愕然とし)おやっさん、もう観念して若について行くしかしょうがおまへんで・・・」

         つづく
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