数社でボツになった漫画シナリオ

超美少年の愛(性同一性障害)は修一に恋していたが、ある切っ掛けを機に超美少女に変身して修一と・・・。

愛がイク(271)  綾乃の危機

2024-04-22 11:58:25 | 漫画のシナリオ
(271)綾乃の危機

四百字詰原稿用紙換算10枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ちあがるように書いてあり季節は常に真夏である。

登場人物
リン・正雄(70)
170㎝。日台のハーフ。全白髪に近い、まだら白髪で口髭をたくわえた紳士然とした男前。

梅花(メイファ。50)
165㎝。リンの妻。髪をひっつめて後ろでお団子にした清楚な美人で二十五歳位に見える。

詠晴(ヨンチン。20)
175㎝。ひっつめ髪を後ろでお団子にした清楚な美女。リンの娘。

立原綾乃(35)
170㎝。寿司幸の女将だったが離婚。楚々とした美人で170話から登場。修一の会社「台湾公司」の一人だけの社員でネットで作業している。

綾乃の元夫(50)寿司職人で171話に登場。

N=ナレーション&呟き

   元夫にのしかかられ、綾乃が「やめてっ」と叫んだ時に元夫の身体がふわりと浮き上がった。

   鬼の形相で元夫のベルトと髪の毛を掴んで持ち上げてる修一を見て驚愕し、
綾乃「ち、ちがうのよ、まだ一ミリも入れられてないから信じて」と必死に言い訳する。

   元夫をドサッと落とし、
修一「わかっちょる。綾乃の悲鳴が聞こえたけんのう」と言ったので綾乃がほっと安堵する。

修一「玄関ですれ違った時にどうも怪しいとおもって戻って来たら案の定じゃ」

   元夫の顔面をグリグリ踏みつけ、
修一「こいつは誰じゃ?」

   上体を起こして髪をかきあげながら、
綾乃「(平然と)元夫よ」

修一「(ぽかんとし)へ・・・?」

綾乃「修ちゃんだと思ってうっかりドアを開けたら押し入られたの」

   あ然と修一を見上げて綾乃に、
元夫「・・・ほんとにこの少年がうちに嫌がらせしてたヤクザを始末したのか?」

綾乃「現にあいつら来なくなったでしょ?」

   恐々修一を眺め、
元夫(マジかよ・・・)

   綾乃の手を取って立たせながら、
修一「押し倒されたときに怪我せんかったか綾乃」

   上体を起こして尻をついたまま憎々し気に修一を睨み上げ、
元夫「気安く綾乃って呼び捨てにするな。別れたとはいえ不愉快だ」

修一「(恐縮し)すんません・・・」

   怒りを露わにし、
綾乃「こんな男に修ちゃんが謝らなくていい!」「もっといっぱい呼び捨てにして!」

修一「(戸惑い)いいんかね?」

綾乃「(きっぱりと)いい!私は修ちゃんの女だから!」

   おどけ顔で、
修一「綾乃、綾乃、綾乃、綾乃、綾乃、綾乃、一発させろ」

   おどけて、しなをつくり、
綾乃「一発じゃだめ、脚がつるほどいいのを一杯イカせてくんなきゃいや~」というやり取りを元夫が唖然と見てる絵にN『親子ほど年が離れた少年にべた惚れしてる元妻をみてすっかり毒気を抜かれてしまったーー』

   あ然と綾乃を見上げて、
元夫「お前がこんな色狂いになるとは・・・」

   諦観したように立ち上がり、
元夫「気が抜けたから帰るわ・・・」

  ドアから出てゆく元夫の背に冷ややかに、
綾乃「色狂いは人間のエネルギーの源!!もう二度とこないで!」

   「カチャ」と鍵を閉める綾乃の背をぽかんと見て、
修一「綾乃って案外キツイとこがあるんじゃね」

   振り向いて真顔で、
綾乃「それほど傷つけられたってことよ」

   修一にキスしながら、
綾乃「ここで後ろから入れる?それともベッドに行く?」

   キスしながら綾乃を後ろから抱きしめてズボンのファスナーを降ろし、
修一「ベッドにいくまで待てんわい、間一髪でやられてたかと思ったら超興奮して・・・」

   綾乃が玄関の壁に両手をつきバックで挿入されて揺れてる二人の膝から下の絵に彼女の悶え声、
   「うふん、その気持ちわかるわ・・・」

   突かれて揺れながら快感に眉尻を歪め、
綾乃「うう、もう私の最盛期は終わったと思ってたけど・・・」

   綾乃の内腿に愛液がツッと垂れ流れた絵のアップに彼女の声、
   「修ちゃんと出会ってまだいけるって自信をもてるようになったの・・・」

   尚も快感に悶え、
綾乃「修ちゃんと別れたら、ただのおばさんになっちゃうから捨てちゃいやよ・・・」

   二人の揺れてる膝から下の絵に会話、
  「綾乃は永遠に最盛期じゃし俺の宝じゃ」

  「うれしい・・・」



   工場や倉庫群がある工業団地の絵。

   平屋の大きく綺麗な倉庫の横開きの大きな扉が開いてる横にリンのトライクとアパッチが停めてある絵。

注、倉庫内はお茶の袋が入った段ボール箱が奥から扉の手前までびっしり積み上げてある。リンはアロハに短パン。梅花は横に深くスリットが入ったチャイナドレス着用。

   同、倉庫内

   リン夫妻と共に段ボール箱の山を見て驚嘆し、
修一「これ全部うちが注文を受けたやつ?・・・」

   段ボール箱の山を見て鼻高々に、
リン「そうです。これでも注文の二割にも満たず、お茶を満載した次のコンテナ船が高雄港から日本に向かってます」

   腕組みをして遠くを見るような目で山積みの箱を眺め、
修一「へー、コンテナ船がはるばる台湾の香りを運んでくるのか・・・」

修一「なんか頭の中に『雨夜花』や『阿里山の姑娘』の歌が流れてきたわ・・・」

   夫妻、驚きに目を見張って修一を見る。

リン「(意外そうに)台湾のそんな古い歌をなぜ岩城さんが知ってるんですか?・・・」

修一「おれは台湾が好きじゃけん色々と興味があるんよ。『雨夜花』なんか聴いたら泣きそうになるわ・・・」と言って山積みの箱を眺める修一の後頭部を夫妻が呆然として見てる。

梅花「(切迫した様にリンに)あなた、台湾に味方してくれる岩城さんから絶対離れたらだめよ。国連より岩城さんの方が頼りになるから」

   感激で目を潤ませて、
リン「う、うん。岩城さんが台湾が好きだったとは・・・」

   箱から取り出したお茶を一つ手に持って眺め、
修一「このお茶のパッケージのことで一つ提案があるんじゃがね」

リン「(少し驚き)なんでしょう?何でもおっしゃって下さい」

   高山茶のパッケージに丸くカットした梅花の顔が大きく印刷してある絵に修一の声、
   「ほかの台湾産のお茶と間違われんように奥さんの顔を商標にして裏にも『リン茶畑謹製』と大きく書いたらどうかね」

   恥ずかしそうに照れ、
梅花「ええ~私の顔をですか~?」

リン「(感嘆し)それは素晴らしいアイデアです!」

リン「お茶のパッケージはどこも似かよってるから妻の顔を商標にしたら他社のと間違われるのを防げます」

修一「それに奥さんの商標を見ただけで老化予防に効く気がして購買欲をそそるじゃろ」

梅花「(頬を染め)大勢の人に顔を知られるのは恥ずかしいわ~」

   すました顔で、
修一「もうとっくに知られちょります」

   梅花のドレスのスリットが割れて艶めかしい太腿と下着が少し見えてる絵に修一の声、
   「いま日本中で奥さんの若さと美貌が話題になってて、なかよしクラブの新メンバーだと思われちょります」

   赤面して羞恥に身をよじり、
梅花「えーっ、あんな若く美しい方達と一緒にしたら皆さんが迷惑なさるわ~」

   つくづく感心し、
リン「本当にいいアドバイスをいただきました。さっそくカメラマンを呼んで妻の写真を撮ってもらいます」

   ポケットから携帯を出しながら、
修一「その必要はござらぬ」

   携帯の画面を夫妻に見せ、
修一「このあいだ撮った動画からいい表情のカットを抜き取ったからこれを使ったらどう?」

リン「(オーバーに驚き)おおー、すごい美人。なんという名前の女優さんですか?」

   ポっと頬を染めて照れ、
梅花「あなた~、岩城さんの前で恥ずかしいわ」

修一「(微笑まし気に笑み)むふ、夫婦仲が良いのは、ええ光景じゃね」

   スマホを持って修一に、
リン「その写真を私のスマホに送信していただけますか。台湾の本社に送ってすぐにパッケージに印刷させますから」

   携帯を操作しながら、
修一「了解。即断即決、善は急げじゃけんね」

   つくづく感心し、
リン「この間の動画といい此度の商標の事といい、本当に岩城さんは商才がありますね」(娘と一緒になってくれたらうちも安泰なんだが・・・)と呟いた時、後ろから「パパ」と声がした。

   リンと修一が振り向くと、み目麗しいスタイル抜群の詠晴(ヨンチン)が魅惑的な笑みをたたえて立っていた。

注、詠晴(ヨンチン)はノースリーブに白い下着がチラ見えする超ミニスカートに踵の低いパンプス姿である。

           つづく
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【番外編】林森北路

2024-04-13 15:05:11 | 【番外編】林森北路
【番外編】林森北路(1)
林森北路(リンセンペイルー)=台北にある日本人御用達の夜の街

四百字詰原稿用紙換算12枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ちあがるように書いてあります。

登場人物
神屋修三(50)170㎝。白髪混じりで紳士然としてるが、ときに崩れた雰囲気も垣間見せる。

優子の40才当時の遺影(神谷の前妻で清楚な美人)

課長(40) 170㎝。眼鏡をかけた屈託のないエリート風。

令子(35) 170㎝。神屋の元愛人。蠱惑的な美人。

神屋の部下のA(30)誠実そうだがドジな男。

台湾人のタクシー運転手(60)

台湾のホテルのボーイ(25)人がよさそう。


N=ナレーション&呟き

   夏の夕方。都会のビジネスビル群の外観に神屋のN『部下がやらかした大チョンボが原因で早期退職に追いやられ』

   ある中堅商社のビルの外観にN『今日が商社マン最後の日となったーー』

   同、社内

   皆が退社した後の広いフロアーの向こうに神屋修三(50)、新任の課長(40)、男性社員2名と令子(35)の計五人が集まって話してるのをロングで描いた絵。

注、男達の服装は半袖カッターにノーネクタイ。令子はノースリーブに膝丈のフレアースカートである。

   和やかな表情で、
課長「神屋さん、長らくお疲れさまでした。たまにはまた顔をのぞかせてください」

   笑顔で頷き、
神屋「ありがとう」(だれが来るか!このとっちゃん坊やめ)

   チョンボをやらかした社員A(30)が半泣きで頭を下げ、
A「私のせいでこんなことになってしまって本当に申し訳ありません・・・」N『彼は今回の件以外にも色々やらかしてて、部下の管理不行き届きで私が責任をとらされたのだ』

   優しくAの肩をポンポンと叩き、
神屋「もういいんだ。気にするな」N『神屋修三。50歳。170㎝』

   意味ありげな目で花束を手渡し、
令子「神屋課長、至らない部下でしたがお世話になりました。どうかお元気で」N『令子。35歳。170㎝』

神屋「ありがとう。君たちも元気で」

   ぎこちない笑顔で取り繕う令子の顔のアップに、
N『妻を亡くした五年前からこの女と親密な関係をつづけてきた』

   シーム入りの薄い黒のストッキングを履いた令子の形良いふくらはぎの絵に、
N『だが首が決まったとたんに電光石火の如く新任の課長に乗り換えられてしまった』

課長「(にこやかに)どうです、よかったらこれから送別会にくりだしませんか」

令子「(当惑して)課長ぉ、神屋さんだって色々と予定がおありですよ~」

   にこやかに会釈し、
神屋「お気持ちだけ。彼女のいうとおり、これからちょっと約束があるので」

   ホテルのベッドで令子が神屋の腰に両足を巻き付けて喘いでいる絵に、
N『私が調教した女だとも知らず、めでたいやつだ』

   神屋、にこやかに他の社員と話してる課長の顔を見て、
N『いや、この男は人畜無害を装ってるが案外なにもかも心得てるのかも・・・』

   課長と笑顔で話してる玲子の絵に、
N『そしてこの女も上司が変わる度に社内妻として引き継がれてゆくのだろう』

   令子が課長の腕にそっと手を添えるのを見て、
N『35歳の独身女が生きぬいてゆくための処世術。あざやかだと誉めてやる』

   玲子が課長に媚を売るように話しかけてる絵に(無音)、
N『ベッドでの技巧にたけ、蠱惑的な女だから、どんな男でも掌の上で転がされるだろう』
◎蠱惑的(こわくてき)=人の心を引きつけ惑わす


○夜、住宅街

   住宅街の絵に神屋のN『新任の課長がきたと同時に、潮が引くように部下たちが私から離れていった』

   脱いだ上着を腕にかけ、もう一方の手に花束を下に向けて持って帰宅する神屋のN『呆気にとられるほどの手のひら返しに心穏やかではいられぬが、ま、そんなものだろう』

   足を止めて無表情で夜空に目をやり、
N『約束があると送別会を辞退したがそんなものあるはずもない』

   神屋宅の外観(2LDKの中級マンション)。

   同、リビング

注、キッチンがある10畳のリビングには二人用のテーブルとテレビの前に三人掛けのソファーがあるのみで他に物は一切なく彼の几帳面な性格が伺える。

   流しに水を入れたバケツが置かれ、送別にもらった花束が入れてある。

   同、居間

注、六畳の居間には小さな仏壇があるのみ。

   仏前の妻の遺影(無表情)に花が活けられ線香の煙がたゆたっている。

   座布団に正座し、膝に手を置いて遺影を見つめる神屋の呟き、
N『優子、とうとうリストラされてしまったよ』

   整然と片付いた室内の絵に、
N『年金が支給されるまであと15年』『子供もいないし、再就職して一人寂しく生きたってなんになろうーー』

   遺影を手に持って見つめ、
N『君のアソコの匂いを思い出すたびに狂おしくて頭がおかしくなりそうになる・・・』

   遺影の写真のアップに、
N『再び君ほど相性の会う相手と出会えるとは思えないが』

   天井の絵に、
N『ただ胸の隙間をうめてくれる女がほしいといったら君は怒るかい?』

   遺影を手に持ってキスし、
N『手は合わせないぞ。優子は神ではなく、私の女だからな』

   同、リビング

注、テーブルの上に閉じたPCとアンカーの超小型スピーカー、サゥンドコアセレクト2とシャネルのアリュール・オムが置いてある。

   小型スピーカーから小さな音で音楽が流れてる絵に、
N『帰宅後はいつもボリュームを落として音楽を流している』『思考の邪魔にならないヨーヨー・マや昔のムード音楽だが、今はマントヴァーニの曲をよく聴いている』

   冷蔵庫を開けてポットから冷茶をグラスに次ぎながら、
N『商社マンの看板がなくなったいま、もはや出会いなど絶対ありえないだろう』

   テーブルに掛けてコンビニ弁当を食べながら(横に冷茶を入れたグラスあり)、
N『女のいない人生なんて恐怖で想像しただけでゾッとする』

   食後、グラスの冷茶を飲み、
N『ならばどうするかーー』

   グラスをトンと置き、
N『台湾にいって発散するしかない』『フィリピンも考えたが胃に自信がないので却下した』

   空のグラスに箸を入れて流しに置き、
N『退職金を余分にもらったし蓄えもそこそこある。毎日女をとっかえひっかえしてれば』

   蛇口を捻ってグラスに水を張りながら、
N『もしかしたら心が通じあえる女と出会えるかもしれない』

   テーブルに座ってパソコンを見つつ香水を手首に「シュッ」とスプレーする。

   手首の匂いを嗅ぐ絵に、
N『実はリストラが決まった直後から、ネットで台湾の情報を収集していたーー』

   アリュール・オムのアップに、
N『なぜ台湾かというと、二十年前に短期駐在したことがあり様子がわかってるし』

   超小型スピーカーから小さな音で音楽が流れてる絵に、
N『なにより目の覚めるような美人をかなりの頻度で見かけた事があるからだ』

   ウイスキーグラスを持ってパソコンを見ながら、
N『日本人御用達の林森北路にはスナックやクラブがたくさんある』『クラブはお餅(女の持ち帰り)可だがスナックは不可』

   夜の林森北路の通りの絵に、
N『ショートだけならカラオケや按摩。それにサウナや散髪屋がある』

   尚も夜の林森北路の通りの絵に、
N『捕らぬ狸の皮算用だが・・・』

   微かにほくそ笑んでウイスキーを飲み、
神屋(もしいい女がみつかったら日本に遊びにこさせてもいいな・・・)

   神屋宅のドアの外でチャイムを押しかける指(少し震えて)の絵。

   ドアの前に立つ令子、ためらって押すのを思いとどまる絵にN『神屋さんとの関係を続けたいけど・・・』

   ドアに背中からもたれかかりN『社内で今のポジションを守るためには課長と寝なきゃなんないの・・・』

   切なげな表情で廊下の天井をぼーと見あげて小指で目尻を拭いN『貴男が二股をかけるのを許すはずないわね・・・』

   玲子、心もとない足取りで廊下の向うにカツカツとヒールの音を残し去ってゆく。


○台湾

桃園国際空港の絵にN『台湾 桃園国際空港』

   空港のタクシー乗り場の前で懐かしげに周りを見渡し、
N『とうとう来たぞ、麗しの台湾』『昔の空港と比べるとずいぶん洗練されたな』

注、神屋の服装はポロシャツ、短パンにスニーカー。小さめのキャリーバッグをもっている。

   決意のこもった顔で、
N『所持金は百万円。いい女が見つかるまでぜったい帰らないぞ』

〇タクシー車内

   三啓飯店と書いたメモを見せ、
神屋「三啓飯店までお願いします」と言うと運転手(60)が頷く。

   走り出した車内で神屋が決意に満ちた表情でN『空港から台北市内まで40分。下半身が戦闘態勢に入ってむずむずして
きたぞ~』


○台北(タイペイ)市内

   繁華街の外れの景色。

   三啓飯店の前で停まった車内で運転手に金を渡す。

   ホテルの前に立って懐かしそうに回りを見回し、
N『見るものすべてが懐かしく感じられ、昭和の日本にタイムスリップしたようだ』

   三啓飯店の外観(小さな安ホテル)。

   同、ホテル内

   ボーイ(25)がキャリーを持って部屋のドアを開ける後ろで、神屋がポケットから札を一枚出す。

   室内でチップを渡し、
神屋「謝謝(シェシェ)」

   にこやかに、
ボーイ「お客さん、美人の女の子いりますか?」N『安ホテルのボーイがポン引きをやるのは知ってたが』『私が外で女を確保する前に売り込みたいのだろう』

神屋「今日は用事があるから、またこんどお願いするよ」

ボーイ「(にこやかに)美人の子がほしいとき、いつでもいってください」と出て行く。

   ホテルの前の通りの絵。

   ホテルの玄関から出てきて、
N『あえて安ホテルを選んだのは女を連れこんでも気がねしないですむからだった』

   意欲がみなぎった顔で空を見上げ、
N『さあて、短時間で効率的に女と出会うために、まずは按摩屋に突撃だ』
   
     つづく


【番外編】林森北路(2)
四百字詰原稿用紙換算16枚

登場人物
神屋修三(50) 170㎝。白髪混じりで紳士然としてるが、ときに崩れた雰囲気も垣間見せる。

謎の老人(70)165㎝。肩まで届きそうな白髪の髪を後ろで束ねた仙人のような風貌。

自転車に乗ったおばさん(40)と幼児。

裕福そうな綺麗な婦人(40)

ポン引きの老人(70)屈託のなさそうな顔。

梅花(30) 170㎝。マッサージ店のオーナー。天真爛漫で天然風味の明るく人がよさそうなグラマーな美人。

同、マッサージ店受付嬢(25)

同、マッサージ店超ブスのおばさん(40)

散髪屋の女(20)

クラブの女(20)

クラブのママ(30)



   道の両側にスナックや按摩屋がある通りを目を凝らして歩く神屋のN『ここはかりそめの恋の街、林森北路』『ここだけは二十年前とかわってないな・・・』

神屋(先入観のせいか昼間でもなんか怪しい雰囲気が漂よってる気がする・・・)

   神屋の前を粗末な風体のお爺さん(70)が歩いており、その向こうから自転車の後ろに子供(5)を乗せた気のよさそうなおばさん(40)がやってくる。

注、老人(70)は肩まで届きそうな白髪を後ろで束ねた仙人を思わせる風貌。肌着の上に半袖シャツをはだけて着て、短パンにビーチサンダルを履き、みすぼらしい恰好である。

   おばさんが吸い寄せられるように老人の方に寄っていく。

   おばさんが老人の横に止まると、老人は堂々とおばさんのスカートの中に手を差し入れた。

注、子供も周りを行き交う人々もその行為が見えてないかのように素知らぬ顔で通り過ぎてゆく。

   それを見てギョッとし、
神屋(えっ!?・・・)

   老人の指が、おばさんの下着の股の中に差し入れられる。

   老人に膣をこねくられるおばさんは陶然と目を閉じ、されるがままになって何やら「ブツブツ」唱えている。

   呆気に取られてその光景を見て、
神屋(なんかブツブツ呟いてるが念仏でも唱えてるのか?・・・)

   おばさんが、うっと呻くように身震いして昇りつめる。

   それを見て驚愕し、
神屋(な、なんとイったのか?!・・・)

神屋(・・・わずか30秒たらずでイカせるなんて魔法の指か・・・?)

   老人が、おばさんの股から指を抜いて素知らぬ顔で去ってゆく。

   老人の後ろ姿をぼう然と見てる神屋の横を、おばさんが満ち足りた表情で通り過ぎてゆく。

   そのおばさんの後姿を呆気にとられて眺め、
神屋(神がかってると言うか、もしかしてあのお爺さんは仙人か?風貌もそれっぽいし・・・)

   神屋が振り返ると道の端を歩く老人の向こうから裕福そうな綺麗な婦人(40)が歩いてくる。

注、夫人の服装はノースリーブに膝丈のフレアースカート、ヒール。

   夫人が吸い寄せられるように老人に歩み寄ってゆくのを見て驚愕し、
神屋(ま、まさか・・・)

   夫人が魅入られたような目をして老人の前に立ち止まる。

   老人はまたもや無表情で夫人の胸を揉みながらスカートの中に手を入れる。

   老人がレースの下着の股部から指を入れて膣をこねくるのを下から煽って見た絵。

   夫人は陶然と目を閉じ、されるがままに何やら「ブツブツ」唱えている。

注、二人の側を行き交う者は老人と夫人が見えぬかのように通り過ぎてゆく。

   夫人が、うっと呻くように身震いして昇りつめる。

   それを見て更に驚愕し、
神屋(ええーーっ!またイった?!・・・)

   感嘆して二人を眺め、
神屋(もはや疑う余地なし・・・)

神屋(ぜったい仙人だ、でなきゃ、こんな現実離れしたことができるはずない・・・)

   老人が夫人から離れて去ると、夫人は満ち足りた表情で胸元を直しながら神屋の横を通り過ぎてゆく。

   夫人の後ろ姿をあ然と見て、
神屋(それにしてもなぜみんなされるがままになってるんだ・・・?)

神屋(あまりにも堂々と触られて拒めないのか、或いは催眠術にかかってるのか?・・・)

   前方に振り返った時にはもう老人の姿はなく、神屋が、えっという顔をした絵にN『振り返った時にはもう老人の姿がかき消えていたーー』

   歩きながら不可解げに、
神屋(あんな事をして捕まらないのなら・・・私もしたい・・・)

   突然後ろから肩を叩かれて神屋が八ッと驚く。

   振り向くとポロシャツ、半ズボンで自転車にまたがったポン引き(70)が、
ポン「お父さん、娘さんいるかね?」

   まじまじ相手を見て、
神屋(短パンに自転車・・・この人が掲示板で有名なポンのおっさんか・・・)

神屋(女がほしいときはみんなこの人を探すらしいが・・・)

ポン「若い娘さん安いよ。ちょっと高いはモデル級もいるね」

神屋「(興味をもち)いくらですか?」

ポン「2時間、3000元。チップやらなくていいです」

   思案し、
神屋(約15,000円か、なんとも悩ましいが・・・)

神屋「今日はいいです。またお願いします」

   名刺を渡し、
ポン「娘さんほしいはここに電話するね」

ポン「娘さんすぐお父さんのホテルいく。チェンジ何度でもオッケーよ」

神屋「(名刺を見ながら)わかりました」

   歩きながら、
神屋(なぜ日本人ってわかったんだろ。そんなにスケベオーラを発散してるかな・・・)


○「星光時按摩」店

   全面ガラス張りの按摩屋の入り口で腕組みして開け放ったドアにもたれて立ってる受付嬢が、道を挟んだ向こうから店内を伺う神屋を挑発的な目で見つめ返している。

注、受付嬢は25歳。タンクトップ、超短パンで男好きのする顔。

   受付嬢をながめ、
神屋(くずれた感じがいかにもだが、なんかこの手の女にも惹かれるんだよな・・・)

神屋(どんなシステムか知らないがチャレンジしてみるか・・・)

   神屋が店に入ると受付嬢がカウンターの内側に回り、
受付嬢「いらっせませー。日本人ですか?」

注、カウンターから少し離れた所に三人掛けのソファーがある。

   戸惑いながら頷き、
神屋「そうです」

受付嬢「マッサージ2時間で1,500元です。部屋でまったら女の子いきます」

   戸惑い、
神屋(え?この子が相手してくれるんじゃないのか・・・)

   同、室内

注、三畳位の狭い部屋にマッサージ用のベッドと戸を開け放ったシャワー室があるのみで、店内には同じ部屋が十室ある。

   不安げにベッドに腰掛け、
神屋(はたしてどんな子がくるか、美人ならいいんだが)

   天井の絵に神屋の呟き、
  (なんて期待はすまい。そこそこならよしとしなきゃ)N『と自戒するものの、どうしても期待が膨らむのであった』

   ドアがノックされ、神屋がドアに期待の目を向ける。

   ドアを開けたら超絶ぶさいくな女(40)が立ってて、ふてぶてしい顔で神屋を見つめる。

注、女は160㎝。タンクトップに短パン、サンダル姿。

   女を愕然と見つめ、
神屋「・・・・・」(按摩屋にチェンジがあるかどうか知らんが・・・)

神屋「ち、チェンジ・・・」(ほ、程ってものがあるだろうが・・・)

   女、憮然と去る。

   がっかりしてベッドに掛け、
神屋(人生ではじめてチェンジした・・・)と呟いた時に再度ドアをノックされる。

   ドアに向かいながら、
神屋(つぎもブスだったら、さっきのポンに即電話だ)

   ガチャとドアを開けると、
受付嬢「いま混んでるので女の子が空くまで30分まちます。いいですか?」

   気落ちし、
神屋「いや、もういいよ」

   部屋を出る神屋に、
受付嬢「あ、ちょっとまって」と慌てて携帯をかけるが神屋は無視する。

   携帯を耳に当てたまま玄関のカウンターの前まで神屋を追いかけてきて、
受付嬢「お客さんオッケーです!」

受付嬢「すぐ綺麗な人きます」

   疑わしそうに、
神屋「ほんとにすぐ来るんだろうね?」

   ため息をついてカウンターの斜め前にあるソファーに腰を下ろし、
神屋(やれやれ出足からこれかあ、まさに暗雲たれこめるだな・・・)

   神屋、所在なげにぼーと待つ。

   漂ってきたいい匂いを嗅いで神屋が、ん?という表情をした絵にN『天女の様な得も言われぬいい匂い・・・』

   神屋、匂いがする方に振り向く。

   カウンターの前で受付嬢と話してる超美人の梅花を見て驚き、
神屋(女性客もくるとはきいてたが・・・)

注、梅花(30)の服装はタンクトップにジーンズの超短パン。

   梅花にぼう然と見惚れ、
神屋(こんな美人もくるのか・・・この人ならこっちが按摩してやりたいわ・・・)

   尚も梅花がカウンターの前で受付嬢と何やら話している。

   梅花の美しい横顔にうっとり見惚れ、
神屋(太陽のようなオーラを発散してるこんな魅力的な女性、はじめて見た・・・)

   梅花の短パンから尻の肉がはみ出てる艶めかしい絵にN『背が高く色白で太腿がみっしり張り詰めて、まさにドストライク!』

   羨望の眼差しで梅花の後姿を眺め、
神屋(きっと大金持ちに囲われて普段は人目に触れずにひっそりと暮らしてるんだろうな・・・)

   梅花がカウンターの前から、所在なげにしてる神屋の横顔を見て薄っすら頬を染める。

   ボーと下を向いてる神屋の前に立ち、
梅花「お客さん、まず足を洗いますね」

   驚いて梅花を見上げ、
神屋「あ、まだ係りの人がこないので・・・」

   ニコッと笑んで、
梅花「今回は私が担当ですよ」N『梅花(メイファ)。30歳。 170㎝』

神屋「え?」

梅花「え?」

   慌ててポケットからスマホを出し、
神屋「1枚だけ」

梅花「え?」といった顔を「カシャ」と写す。

   嬉々として液晶画面を確認している神屋を梅花が熱い眼差しで見つめる。

   同、室内

   片膝をついた梅花の短パンの股の隙間からパンツが見える絵。

注、神屋は半袖、短パンのサウナ着に着替え気恥ずかしそうにベッドに座っている。

   神屋の前に片膝をついて屈んだ梅花に洗面器で足を洗ってもらいながら彼女から漂う匂いを嗅ぎ、
神屋(なんていい匂いがする人だろう。ずっと嗅いでいたいわ・・・)

   乳房の半分ほどがはみ出てる梅花の胸を見下ろし、
神屋(胸の谷間からもいい香りが立ち昇ってくる・・・)

   前屈みになった梅花の腰の隙間から尻の割れ目が覗いてるのを見下ろして感激し、
神屋(おーっ、目の穢れが落ちそうな眺め。時間よ永遠に止まってくれ!)

   神屋の股間がモコッとなったのを見て恥じらい、
梅花「むふ、お元気ですね」

   照れて不思議そうに、
神屋「君のような美人が、なんでこんな仕事をしてるの?」

梅花「むふふ、ありがとう。私がこの店を開いたのよ」

神屋「えっ?」

梅花「え?」

神屋「経営者ってこと?」

梅花「うん」

神屋「ってことは・・・本番はありえない?」

梅花「え?」

神屋「え?」

   顔を赤めて恥じ入り、
神屋「すみません、今のは聞かなかったことに・・・」

   梅花、意味深な目で神屋を見あげる。

   ベッドにうつ伏せになった神屋の上にまたがって腰を揉み、
梅花「お客さんがつけてるのはなんていう香水ですか?」

神屋「アリュール・オムっていう香水です」

梅花「いい匂いですね。お客さんのセンス好きですよ」

神屋「(照れて)ありがとう。香水を褒められたのは初めてです」

梅花「ホテルは近くですか?」

神屋「ここからほど近い三啓飯店です」

   梅花の艶めかしい太腿の絵に神屋のN『こんな美人と肌を触れあいながらやれないとは・・・』

   梅花の生々しい股間の絵に神屋のN『ヘビの生殺しどころかもはや拷問だ・・・』

神屋(太ももにちょっと触るのもだめかな・・・)と恐る恐る手を後ろに回す。

   神屋の手が太ももに触れる。

   梅花、素知らぬ顔でマッサージを続けている。

神屋(え、セーフ?!・・・)

   ドキドキしつつ、
神屋(な、ならば・・・)

   短パンの股の縁から指を入れる。

   性器に触れ、クチュッと音がたつ。

   梅花、目を閉じ頬を染めてビクンと反応する。

神屋(ビチョビチョ?・・・こんなおじさん相手になんで・・・?)と驚く。

   膣をこねくられて喘ぎ、
梅花「ああ~ん、うちはセックス禁止だからダメですょ~」

   神屋、興奮して無我夢中でこねくる。

梅花「はぁ、はぁ」「だめですょ~」

   神屋、向かい合って梅花を腿の上に乗せ、乳房に顔を埋めて性器をこねくる。

   切なげに喘ぎ、
梅花「はぁ、はぁ」「まってください~」

   神屋に抱き着いて切なげに、
梅花「パンツが食い込んで痛いから脱ぎますぅ」

注、ここから二人は床に立っている。

   上半身裸でパンツを脱ぐ梅花を、神屋が素っ裸でつっ立って放心したように凝視している。

   素っ裸になって恥じらう梅花の大ゴマ。

   ぼう然と梅花の裸体を見つめる神屋の目尻に涙がジワッと盛り上がる。

   梅花、神屋の涙を見て驚く。

   嬉しそうに神屋の涙を指で拭ってやり、
梅花「うふ、そんなに?・・・」 
 
     つづく


【番外編】林森北路(3)

四百字詰原稿用紙換算16枚

登場人物
神屋修三(50) 170㎝。白髪混じりで紳士然としてるが、ときに崩れた雰囲気も垣間見せる。

梅花(30) 170㎝。マッサージ店のオーナー。天真爛漫で天然風味の明るく人がよさそうなグラマーな美人。

散髪屋の女(20)悪ずれした顔。

クラブの女(20) 悪ずれした顔。

クラブのママ(30) 悪ずれした顔。



  
   ベッドに仰向けになった神屋の股間に、梅花が唇にゴムをはさんで顔を近づけてくる。

   神屋、頭を起こしてゴムを装着するのを興奮して見つめる。

   正常位で挿入した瞬間に驚嘆し、
神屋(うおっ、なんという締まり、ちぎれそう・・・)

   天井の絵にベッドが「ギシギシ」「ギシギシ」きしむ音とN『久々に女に接する私には、台湾製の分厚いコンドームが実にありがたかった・・・』

   焦り、
梅花「音で経理(受付)の子に感づかれますぅ~」

   射精寸前で逼迫し、
神屋「わ、わかった」(っか、もう限界!)

神屋「むうっ」と呻いて射精する。

   ベッドで一人仰向けで胸を喘がせ、
神屋(はぁ、はぁ、あまりにも締まりが良すぎて台湾製でもギリ1分・・・)

神屋(日本製だったら間違いなく三こすり半だった・・・)

   神屋、体を起こして戸を開け放したシャワー室に目をやる。

   こちらに背を向けた梅花がガニ股になって性器にシャワーをかけながら股を手で猛烈に擦ってるのを見て、
神屋(すごっ、デリケートなとこをあんなガーッとやって大丈夫なのか?・・・)N『事後に女がアソコを洗うのを初めて見た彼にはショッキングな光景であった』

   尚も股を手で猛烈に洗っているのを呆然と見て、
神屋 (ブスならげっそりする姿だが、彼女だと逆に神秘な色気を感じる・・・)

   梅花がタオルで股間を拭きながら振り向いた時、神屋と目が合う。

   神屋、恥ずかしそうに赤面する。

梅花「むふ・・・」と恥ずかしそうに笑む。

   使用後のシャワー室の絵。

注、ここから二人共服を着ている。

   短パンの尻ポケットから財布を出し、
神屋「料金はいくらですか?」

梅花「マッサージ料金だけ」

神屋「(驚き)え?」

   ほんのり頬を染めて笑み、
梅花「むふふ、エッチはサービスです」

梅花「経理の子には内緒ですよ」とウインクする。

   この機を逃すまいと焦り、
神屋「え、あの、よかったら名前をおしえてもらえませんか?」

   梅花、熱い眼差しで神屋を見つめる。

   優しい表情で、
梅花「梅花(メイファ)といいます。お客さんは?」

神屋「神屋といいます。あの・・・」

   首を斜めに傾げて次の言葉を期待するように見つめ、
梅花「え?」

神屋「(萎縮し)い、いや、いいです・・・」

   部屋から出る神屋の背を梅花がもの言いたげに見つめている。

   慈しむような表情の梅花の顔のアップ。

   按摩屋から出てきてスカッとした顔で息を吐き、
神屋(はーっ、下半身がいっぺんに軽くなった・・・)

   林森の通りを歩きながら、
神屋(メイファか、まさかあんな美人とやれるとは夢にも思わなかった。一生分の運を使い果たしたかも)

   頭に思い浮かべた梅花の裸体の絵に呟きN『また会いたいけど・・・』

   林森の通りの絵に神屋の呟き、
  (今日はたまたま人がいなかったからで、経営者が2度と客の相手をしてくれるはずがないよな・・・)


   空の絵に、
N『さすがに連チャンは自信がないので一旦ホテルに戻って仮眠し、再度林森に出てきた』



   肥前屋(鰻屋)の看板の絵にN『林森北路七条通りーー』『うなぎを喰って精力補給だ』

   人が行列した肥前屋の外観に、
N『一時間待ちは覚悟してたが一人だったので相席ですぐに入れた』

   満席の店内の絵に、
N『周りから聞こえてくるのは日本語ばかり』『こんなに日本人が押し寄せたら現地の人はさぞや迷惑だろうに』



   うな重のアップに神屋の声、
  「ほほー、肉厚でなんともうまそうだな」

   うな重を美味そうにほうばり、
神屋(うん、こりゃ美味い。行列ができるのも納得だわ)

   客がまだ行列してる店外に出てきて、
神屋(さて、腹ごしらえもすんだし)

   通りを見回しながら歩き、
神屋(つぎは散髪屋にアタックしてみるか。なんでも経験だ)


   怪しげな散髪屋の外観。

   神屋が散髪屋の外から店内の様子を伺っている。

   店内から女(20)がウィンドー越しに神屋に秋波を送ってる絵に、
N『散髪屋は主に台湾人が利用し、日本人は病気を恐れてあまり近寄らないらしい』

注、女の美人度は中の上。服装はタンクトップに超ミニ、サンダル。

   店に入る決心をし、
神屋(よし)

   狭い店内に入ると1台しかない散髪台にさっきの女がパンツが見えるように足を組んで座っており、
女「こんにちわ、散髪ですか」

女「それともエッチするですか?」

神屋「どんな子がいるの?」

女「私でダメだったらほかにもいます」

神屋「それでもダメだったら?」

   女、神屋を見つめて黙考。

女「ほかの店からヘルプ呼びます」

   神屋、女の太ももを厭らしい目つきで凝視する。

女「(照れて)お客さん、太ももが好きですか?」

神屋「うん。太腿がこの世のすべてってくらいチョー太腿フェチで」

   鼻の穴を広げて威張ったように、
神屋「胸なんか無くてもいいぐらいなんだよ」

   クスッと苦笑し、
女「日本人は胸の大きい子が好きなのに、お客さん、おもしろいひとね」

   店を見回し、
神屋(けど一体どこでやるんだ?・・・)

   厭らしい手つきで女の内腿を撫で、
神屋「いくらなの?」

女「台湾のお金で一時間、3,000元です」

神屋「(呆れ)高いわ。そりゃ日本人料金だろが」

神屋「(無表情で)2,000」

   女、下唇を噛んで考えこむ。

女「・・・それでいいです」と神屋の手を引く。

   奥行きも幅も狭い薄暗い通路に連れて行かれるのを後ろから見た絵。

   神屋の手を引いた女が一方の壁を押すと壁が反転する。

   同、室内

注、薄暗く怪しげな三畳の部屋には横になれる位のソファがあるのみ。

   回転した壁を見て感心し、
神屋「へー、まるで忍者屋敷だな・・・」

神屋(警察に踏み込まれたら一発でばれるのに、警察もお目こぼししてるんだろな・・・)

   立ったままパンツを脱ぎ、
女「時間ないからパンツだけ脱ぎますね」

   タンクトプの腋からブラを抜きながら、
女「胸さわってもOKですよ」

   共に服を着たまま、ソファに座った神屋の上に女がまたがって腰を動かしている。

女「好、好(ハオハオ)~」と眉尻を歪めて喘ぐ。

   女の喘ぎ顔を呆れたように見て、
神屋(・・・なんとも品のないあえぎ顔だな・・・)

   失望して、
神屋(ほかの女にすりゃよかった・・・)

   女、あれっという顔で結合部を見る。

女「(心配そうに)バイアグラ飲みますか?1000元だけど」

神屋「(気落ちし)いや、もう無理みたいだ・・・」

   おしぼりで性器を拭いてもらいながら愕然とした神屋の顔の絵にN『人生ではじめて中折れした・・・』

   深刻な顔で、
神屋(クセにならなきゃいいが・・・) 
 
   神屋、財布を尻ポケットにしまいながら散髪台がある店内に一人出てくる。

   ふとガラス越しに外を見たら、例のお爺さんが道の向こう側から神屋を凝視していた。

   神屋、はっと慌てて店外に出る。

   外に出たらお爺さんはすでに50m先を歩いてたので驚き、
神屋(いま目の前にいたのに瞬間移動でもしたのか・・・?)

   必死に走ってお爺さんをおいかけながらN『彼の正体を知りたかったし、あわよくば弟子にしてほしかった』

   50m先を歩くお爺さんを必死に追いかけ、
神屋「はぁ、はぁ」「こんな必死に走ってんのになぜ追いつかないんだ・・・」

   50m先をゆくお爺さんが車が入れない道幅の路地に曲がる。

   神屋が「はぁ、はぁ」喘いで路地に達すると、突き当りに小さな廟があって行きどまりになっており、お爺さんの姿はかき消えていた。

注、路地の奥行きは5mしかなく、両側には煉瓦の高い壁がそびえ立って抜け道はない。

   奥行きのない小さな廟の中に入ってあ然と見回し、
神屋(消えた・・・忍者じゃあるまいし・・・)

   廟の外に立ってあ然と周りを見て、
神屋(そんな馬鹿な・・・)



   夜。人通りがまばらな林森北路の通りの絵。

   あるクラブの外観。

   同、薄暗い店内

   ボックス席で横に女(20、感じのいい笑顔)をはべらせて飲んでる神屋のN『あれからキツネにつままれたような気分で
夜までの時間つぶしにあちこち散策して回ったがーー』

   女の太ももの奥にパンツがちらっと見える絵に、
N『大丈夫かどうか確かめたかったし、いい女を探したい一心でまた林森に繰り出してきた。その執念に我ながら呆れる』

   妖艶なママ(30)が隣に座ってきて、
ママ「もう、お餅の子は決まりましたか?」

神屋(また中折れしてもお餅なら朝までたっぷり時間があるからなんとかなるだろう)

   女の太ももに手を置き、
神屋「君に決めたら、明日も観光とちょっとした買い物につきあってくれるかい?」

   女、ニコッと微笑んでうなずく。

   ママに、
神屋「ユーチューブで見つけた【懐かしい台湾のメロディー】ってタイトルのCDが欲しいんだけど知ってる?」

神屋「昔、台湾ツアーのバスの車内でガイドさんがバイトで売ってたらしいんけど」

ママ「あ、それ昔お客さんに聞かれたことあります」

ママ「日本語の解説が入ってて王幸玲って歌手が歌ってるやつですよね?」

   目を輝かせ、
神屋「それそれ、雨夜花や阿里山の姑娘など大昔の曲が入ってるやつ」

神屋「独特の哀調を帯びたメロディーになんともいえない懐かしさを感じるんだ」

ママ「それなら夜店の屋台で売ってますよ」

女「(笑顔で)ママ、わたしお客さん案内できます」

   女の太腿にポンと手を置いてママに、
神屋「よし、この子に決定。いくら?」

ママ「飲み代とお餅と早上がりの罰金とで4万5千円です」

神屋「(呆れ)ほーう」N『台湾の女子社員の平均給与を考えるとずいぶんなぼったくりだが』

  ママに金を払いながら、
N『ま、仕方ないか・・・』



   三啓飯店の外観。

   同、室内

   ベッドの横のサイドテーブルの上に夜店で買ったCDが四枚と空の缶ビールが二本置いてある絵に「あん、あん~」と女の喘ぎ声。

   ベッドで神屋が正常位で性交している。

   神屋、あれっという顔をする。

   結合部を見て愕然とし、
神屋(・・・またか・・・)

   憎たらしい顔で不満げに、
女「どしたの?元気ないねー」

   むっとして、
神屋(なにーっ、ママの目が届かなくなったとたんに横柄な態度になりやがって)

   裸でうつ伏せになってテレビを観て「はははは」と笑ってる女を、頭の後ろに手を組んでヘッドボードにもたれて不機嫌に見つめ、
神屋(男に元気ないねは禁句だろうが) (おまえの無神経な一言がトラウマになったらどうしてくれるんだ)

神屋(くそ、完全に女を選びそこなったわ・・・)

   突然「カタカタカタ」と隣室のヘッドボードが壁に当たる音がしたので神屋が驚いて壁に振り向く。

   「カタカタカタ、あん、あ~ん、カタカタカタ」と隣室の声が筒抜けの壁を情けなさそうに見て、
神屋(隣とベッドが向き合ってるのか・・・)

   尚も「カタカタカタ」と音が筒抜けの壁を羨ましそうに見て、
神屋(中折れとは無縁のものすごい迫力だな、マシンガンみたい・・・)

   神屋、おっ、という顔で勃起しかけた我が一物を見る。

神屋(ねじこんだらなんとか入るかも・・・)と焦って女の後ろから挿入しようとする。

   テレビに釘付けになったまま邪険に尻を横に振って逃れ、
女「だめ、チップくれないからもういや」

   怒り心頭に達し、
神屋(なっ!このクソ女、蹴ったろか)

神屋「もう帰れ!」

   怯えた顔で神屋に振り向き、
女「え、いま帰ったらママに怒られるよー」

   服を着た女の腕を掴んでドアの外に追い出し、
神屋「おまえの事情なんか知るかっ、再見(ツアィチェン)!」

       つづく


【番外編】林森北路(4) 最終話 

四百字詰原稿用紙換算17枚

登場人物
神屋修三(50) 170㎝。白髪混じりで紳士然としてるが、ときに崩れた雰囲気も垣間見せる。

梅花(30) 170㎝。マッサージ店のオーナー。天真爛漫で天然風味の明るく人がよさそうなグラマーな美人。

令子(35) 170㎝。神屋の元愛人。蠱惑的な美人。

謎の老人(70)165㎝。肩まで届きそうな白髪の髪を後ろで束ねた仙人のような風貌。




   快晴の空の絵。

   三啓飯店の外観。

   同、室内

   ベッドの横のサイドテーブルの上に夜店で買ったCD四枚と飲みかけのミネラルウォーターが置いてある絵に神屋のN『あれから5日間の間にクラブやサウナの女8人と試したが』

   ベッドの上でヘッドボードにもたれてボーとテレビを観てる神屋の絵にN『ことごとく途中で中折れしてしまった・・・』

   スマホで撮った梅花の顔のアップに神屋のN『最初に梅花と出会ったのが幸か不幸か・・・』

   愛しげに液晶画面を見つめ、
N『梅花と比べると、どの女も品がなく性悪に見えて萎えてしまうのだ』

   液晶画面を見ながら、
N『一度上等な菓子を食ったら、まずい菓子は二度と食えないってことか・・・』

   室内天井の絵にN『今さら遅かりしだが、私はそもそも人柄に魅力を感じない相手とはダメなのだ・・・』

   ため息をつき、
N『もうこれ以上台湾にいる理由はなくなった。明日、忠烈祠と故宮を観光したら日本に帰ろう』

   「コンコン」とノックされ、ドアの方を見る。

   うんざりし、
神屋(やれやれ、またボーイのアルバイトか・・・)

   ドアノブに手をかけ、
神屋(もうウンザリだ。不能になったら尚更腹がたってきた)

   ガチャッとドアを開けたら梅花が顔を上気させて立っていたので驚く。

注、梅花の服装はノースリーブに超ミニ。紙の手提げ袋を持っている。

梅花「(頬を染め)もう日本に帰ったかとドキドキしてきました」

   神屋、ぼう然と梅花を見つめる。

   神屋の目に涙がジワッと盛り上がる。

   嬉しそうに頬を染め、
梅花「むふ、そんなにー?」

   神屋に放心したように見つめられて梅花が恥ずかしそうにうつむく。

   手提げ袋を渡し、
梅花「これ台湾名物のパイナップルケーキです。この店のはすごくおいしいよ」

神屋「あ、ありがとう」(たった一度会っただけなのに・・・?)

神屋(まさか私に好意を?いや、そんな事があるわけがない・・・)

   神屋、魅入られたように梅花を見つめる。

   梅花、上目遣いで首を少しかしげて神屋を見つめる。

   神屋が突然梅花を壁に押し付けたので、
梅花「きゃ」と声を漏らす。

   神屋、キスしながらスカートの中に手を入れる。

   梅花の持ち上げた一方の脚からパンツを脱がせる。

注、最後まで共に服を着たままである。

   壁にもたれてガニ股で立つ梅花の前に屈んで貪るように性器をなめ、
神屋(なんて欲情をかきたてる淫靡な匂い。この匂いだけで出そう・・・)

   壁に手をついて尻を突き出した梅花に後ろから挿入し、
神屋「はぁ、はあ」(ギンギンだぜ。やっぱり私は梅花でなきゃだめなんだ・・・)

   梅花、快感に眉尻を歪めてゆさゆさ揺れる。

   神屋が「むうっ」と呻いて射精したと同時に、梅花のポケットの携帯が鳴る。

   片手でパンツを履きながら携帯を耳に当て、
梅花「喂(ウェイ)?」

   梅花が深刻そうに話してるのを神屋がぼうぜんと見ている。

   逼迫した様子で神屋に、
梅花「ごめんなさい、お店でトラブルだからいかないと」

   残念でならぬ様に、
神屋「わ、わかった・・・」

   部屋から慌てて出てゆく梅花をぼう然と見て、
神屋(電話番号を聞く間すらなかった・・・)

   自嘲し、
神屋(ま、聞いても教えてくれるはずもないが・・・)

   意気消沈してベッドに掛け、
神屋(彼女は私の手の届かない台湾に住む一国一城の主で、私は通りすがりの単なる客にしかすぎないのだ・・・)



○日本

  夜空の絵。

   明かりがついた神屋宅をベランダの外から見た絵にN『台湾から帰ってきて四ヵ月。女探しが不発におわり、もう生ける屍状態・・・』

   同、リビング

   綺麗に片付いた台所の絵に神屋の呟きN『考えまいとするのにーー』

注、テーブルの上には梅花が「え?」といった時の顔の写真が入った写真立てと閉じたパソコンが置いてある。

   テーブルの椅子に掛けた神屋が思いつめたように梅花の写真を見つめN『梅花のアソコの匂いを思い出すと毎日気が狂い
そうになる。つくづく私の性欲は匂いと太腿に支配されてるのを思い知らされた・・・』

   写真立ての梅花の顔のアップにN『なんとしても、もう一度会いたい・・・』

   尚も梅花の顔のアップにN『たとえ門前払いされようと、一歩でも彼女の側に近づけたら・・・』

   リビングの天井の絵にN『彼女が住む台湾の地を踏めさえしたらそれだけで本望だ・・・』

神屋「よし!」と決意してPCを開く。

   PCのエバー航空の予約画面の絵。

   PCを操作しながら、
神屋(メイファ、決心したぞ。明日会いにゆくからな)と呟いた時に「ピンポーン」とチャイムが鳴る。

   訝しそうにドアの方を見て、
神屋(こんな時間にいったい・・・)

   ガチャとドアを開けると令子が気まずそうに立っていた。

注、玲子の服装は腋ぐりが大きいノースリーブに膝丈のパツパツのタイトスカートである。

   腋ぐりの大きいノースリーブの腋から豊かな乳房の麓が見える絵。

   神屋、無言で令子を見つめる。

令子「(気まずげに)いまさらどのツラさげてと言われそうだけど・・・」

   令子が会社の非常階段の踊り場でスカートをまくって課長とバックでやってる所を社員に目撃され双方が驚いてる絵に令子の声、
  「社内不倫がばれて課長が北海道に飛ばされちゃったの・・・」

   神屋、尚も無言で令子を見つめる。

   媚を浮かべ、おもねるように、
令子「不自由してるんでしょ?」

   パツパツに張り詰めた尻にTバック気味の下着の線が透けてる絵に玲子の声、
  「できたら・・・」 

玲子「(言いにくそうに)もう一度ヨリを・・・」

   冷たい目で、
神屋「ジ・エンド!」と言い放ってドアを閉める。

   令子、呆気に取られてぼう然と立ち尽くす。

   神屋、リビングに戻ってきて憮然と椅子に掛ける。

   ウイスキーを手にPCを見てる神屋を後ろから見た絵。

   また「ピンポーン」とチャイムが鳴ったので憮然と玄関の方を見て、
神屋「チっ」(俺をそんな甘ちゃんだと思ってんのか。一度裏切った女は決して許さんぞ)

   憮然としてドアを開け、
神屋「ジ・エンドって言っただろ!」

梅花「(きょとんとして)え?」

注、梅花の服装はノースリーブの清楚な膝丈のワンピースに踵の低いパンプス。横にキャリーケースあり。

神屋「(驚愕し)え?・・・」

   頬を染め、こぼれるような笑顔で、
梅花「かみやさん、来ただよー」

   神屋、ぼう然と梅花を見つめる。

   目に涙を盛り上げ、
神屋「・・・思いが届いてた・・・?」

梅花「(驚き)・・・わたしのも届いてた・・・?」

   顔をくしゃくしゃにして半泣きで、
神屋「会いたくて会いたくて、気が狂いそうで」

神屋「明日メイファに会いにゆくつもりだったんだ」

   梅花、神屋の涙を指で拭ってやりながら嬉しそうに、うんうんと頷く。

   目尻を拭いながら不思議そうに、
神屋「けど、どうやって家が分かったの?」

梅花「神屋さんが泊まってたホテルでパスポートの住所聞いて死ぬほどドキドキしてきたよ」

   歓喜して梅花の手を取り、もう一方の手で尻を「むぎゅ」と厭らしく握り、
神屋「とにかく入って。疲れただろ?おなかはすいてない?それとも先に風呂に入る?」

   嬉しそうに笑んで、
梅花「むふ、空港で食べてきたから大丈夫だよ。お風呂はあとでね」

   玄関内に神屋のスニーカーと梅花のパンプスがドアの方に向けて揃えられ、廊下の上り口にキャリーバッグが置いてある絵。

   梅花、リビングに入って来てテーブルの上の写真立てに気付く。

   写真立てを手に取り目尻を拭って嬉しそうに見入る。

   梅花を後ろからそっと抱きしめてワンピースの上から股間を触り、
神屋「気が狂いそうなほど梅花としたかった・・・」

   手を後ろに回してズボンの上から股間に触れ、
梅花「(頬を染め)むふ、私も神屋さんとすごくしたかったよ」

   興奮して梅花の股間を触りながら、
神屋「はぁ、はぁ」「話はあとにして、とりあえずやらせてくれないか」

   首を後ろに捻じ曲げてキスしながら、
梅花「はぁ、はぁ」「いいよ・・・」

   同、寝室

注、八畳の寝室にはダブルベッドがあるのみで実にスカッとしている。

   ベッドの横の床に梅花のパンツとブラとワンピースが脱いである絵。

   ベッドで熱烈にキスしながら正常位で性交している(無音)。

   快感を感じる梅花の顔のアップ。

   梅花が顎をのけ反らせて「うぅぐ・・・」と呻いて昇りつめる絵。

   事後、共に裸のままひじ枕で向かい合って楽しそうに話している絵にN『梅花は驚くほど楽観的な性格に天然風味も加わ
ってて、そんなところにたまらなく惹かれ涙が出るほど愛しい・・・』

   ふと思い出したように、
神屋「そういえば」

   不思議そうに、
神屋「林森で仙人みたいなお爺さんにアソコを触られても怒らない女性を見て驚いたんだけど」

   したり顔で頷き、
梅花「あの人は林森の仙人と呼ばれてて知らない人がいないくらい有名なのよ」

   寝室のシーリングライトの絵に梅花の声、
  「仙人にアソコを触られながら想う人の名前を唱えたら恋愛が成就するから皆仙人を探しに林森に来るのよ」

   思い当たった様に、
神屋「彼女らがブツブツ言ってたのは愛する人の名前を唱えてたのか・・・」

梅花「けど本気で恋の成就を願う人にしか仙人の姿は見えないのよ」

梅花「私も神屋さんとホテルで会った帰りに仙人に触られたのよ」と肘枕して話す梅花の裸身を背後から見た絵。

神屋「えっ!」(ってことはあのときすでに私を思ってくれてたのか・・・?)

梅花「(赤面し)アソコに指を入れた瞬間に今やったばかりだなって言われてチョー恥ずかしかったよ」

   嫉妬してゴクッと唾を飲み込んで、
神屋「イッた?」

   赤面して頷き、
梅花「あっという間にね」

梅花「あのとき仙人に魔法の粉を振りかけられたから二人の赤い糸が結ばれたのよ」

   うんうんと言うように頷き、
神屋「でなきゃ、こんな奇跡ありえないものな」

   ふと梅花の腹を見て、
神屋「すこし肉がついた?毎日美味い台湾料理を食ってるもんな」

   笑顔で腹を擦って、あっけらかんと、
梅花「むふ、あなたの赤ちゃんがいるからね」

神屋「え?!・・・」

神屋「(取り乱し)なんて言った?もう一度言って!」

   屈託のない笑顔で、
梅花「むふ、あなたの赤ちゃんが入ってるのよ」

   台湾のホテルで梅花と立ったままバックで性交している絵に、
N『そういえば、あのときはナマでやらせてくれたんだった・・・』

   驚愕して梅花を見つめる神屋にあっけらかんと、
梅花「心配いらないよ。台湾で私が一人で育てるから」

   慈しむように神屋を見つめ、
梅花「ただあなたに会いたくて来ただけだから」

   神屋、梅花を厳しい表情で見つめて黙考する。

   突然梅花の手をとり、
神屋「おいで、妻に紹介する」

梅花「え?!・・・」

注、ここから二人は寝室の床に立っている。

   神屋に手を引かれるが必死に抗って後退りし、
梅花「ええーーー?!奥さんがいたのー?」

   神屋が強引に梅花の手を引いて隣室の仏壇の前に連れてくる。

   神屋が仏前で正座し、梅花は遺影を見てあ然としながら正座する。

   手を合わせた神屋を見て梅花も手を合わせる。

神屋「優子、梅花を紹介するよ」といったので梅花が驚いて神屋を見る。

神屋「君に似て・・・」(ふふ、特に締まりが抜群のところがね・・・)

神屋「すごく気だてのいい人で一目ぼれしたんだ」と言う神屋の横顔を梅花があ然と見る。

   遺影を見つめ、
神屋「今からプロポーズするから断られないように君も力を貸しておくれ」

   梅花、呆気に取られて神屋の横顔を見て涙を浮かべる。

   神屋に抱きつき、
梅花「断るわけないよー、私は神屋さんが大好きだからー」

   抱きつかれた勢いで倒れて抱き合ったままキスする。

   神屋、仏壇に目をやって「はっ」とする。

   立ち上がって梅花の手を取り、
神屋「妻の前ではまずい。ベッドにいこう」

   涙を無造作に拭い無垢な子供のような表情で頷いて、
梅花「うん」

   遺影の優子が頬を染め慈愛に満ちた表情で微笑んでいる。


〇台湾

   夜の林森北路の通りを人がまばらに歩いている中に仙人の後姿が見え、その前方から歩いてくるホステスと思しき美人が仙人の方に吸い寄せられてゆく。

   仙人に性器を触られてホステスが陶然とし、側を行き交う人達は二人が見えぬかのように通り過ぎてゆく絵にN『林森北路。ここは男が一夜のロマンをもとめてさまよう街。この街で梅花という真っ白い心をもった伴侶と出会えたーー』

         完

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愛がイク(270)  真昼の情事

2024-04-08 12:12:55 | 漫画のシナリオ
(270)真昼の情事

四百字詰原稿用紙換算9枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ちあがるように書いてあり季節は常に真夏である。

登場人物
リン・正雄(70)
170㎝。日台のハーフ。全白髪に近い、まだら白髪で口髭をたくわえた紳士然とした男前。

梅花(メイファ。50)
165㎝。リンの妻。髪をひっつめて後ろでお団子にした清楚な美人で二十五歳位に見える。

立原綾乃(35)
170㎝。寿司幸の女将だったが離婚。楚々とした美人で170話から登場。修一の会社「台湾公司」の一人だけの社員でネットで作業している。

綾乃の元夫(50)寿司職人で171話に登場。

N=ナレーション

   家電量販店のテレビ売り場の大型テレビにリン夫妻、綾乃、早苗、里香が高山茶を美味しそうに飲んでる映像が映ってる絵にN『修一の予想通り高山茶の動画をアップしたとたん大反響を呼び』

   尚も同様の絵にN『テレビでも取り上げられて注文が殺到し、リンは茶葉を確保するのに大わらわしていた』

   尚もテレビ画面に梅花がアップになってる絵にN『その一方で梅花の驚異的な若さと美貌が注目され、「梅花」が検索ワードの一位になるほど話題になっていた』

   1LDK高級マンション十階の角部屋をベランダの外から見た絵にN『綾乃宅――』

   同、リビング

   リビングの天井の絵に会話、
  「ねえ修ちゃん」

  「うん?」

注、事後。ノーパソに股間すれすれの丈のタンクトップを着た綾乃と裸にトランクスだけの修一がPCとグラスに入った冷茶を置いたテーブルに向かい合って掛けている。

   脚をやや開き気味にして掛けてる綾乃の陰毛が見える股間をテーブルの下から見た絵に彼女の声、
   「最近、小規模のネットショップから台湾公司の傘下に入りたいってメールがよくくるんだけど・・・」

   綾乃を愛し気に見つめ、
修一「ほおう」N『綾乃はいつも事後は鼻にかかった甘え声になり一層愛しさが募るのであった・・・』

修一「いま世間の耳目を集めてるウチの傘下に入れば集客が見込めると思ったか?」

修一「で、なんて返事しちょるん?」

   修一の反応を伺うように、
綾乃「規模を大きくしたら人を雇わなきゃなんないし、私は一人で小さくコツコツやっていきたいの」

   おもねるような眼差しで修一の反応を伺い、
綾乃「それじゃダメ?」

   脇ぐりの大きいタンクトップの腋から乳房の麓が見える艶かしい絵のアップに綾乃のN『本当は人を雇ったら修ちゃんと真昼間からHできなくなるから嫌なの・・・』

   慈しむ様な優しい表情で頷き、
修一「綾乃の好きなようにすりゃあええよ」

   安堵の表情で、
綾乃「そう言ってくれると思った・・・」

修一「(優しい表情で)離婚で傷ついた綾乃の気をまぎらすために運営を任せたんで儲けるのが目的じゃないけんね」

   自慢そうに、
綾乃「とは言ってもお茶が爆売れして信じられないほど儲かってるんだけどね」N『ネットショップは薄利多売の商売だが高山茶は値が張る分、利も太いのだ』

   修一、綾乃の股間から漂ってくる匂いに気づく。

   綾乃の股間から淫靡な香りがもわっと漂い出てる絵にN『綾乃の秘部から漂ってくる事後の臭気を含んだ淫靡な香りを嗅
いで修一はまたヤリたくなったが・・・』

   首を屈めてテーブルの下から綾乃の股間を覗き、
修一「パンツを履かんと椅子に染みがつくぞ」N『これから用事があるので自制した』

   我が股間を見て頬を染め、
綾乃「あら大変。修ちゃんは量が多いから・・・」

   綾乃がこちらに背を向けてパンツを履きながら、目の前でズボンを履いてる修一に、
綾乃「今からリンさんの倉庫に行くの?今ごろ大わらわしてるわよ」

   Tシャツを着ながら、
修一「と思うが、お茶を確保できたか気になるけん様子を見に行ってくるわ」

   下着を履いた綾乃が玄関で修一と軽くキスし、
綾乃「気をつけてね。リンさんによろしく言っといて」

   綾乃の下着に手を入れて股間に触れ、
修一「了解でちゅ」

   陶酔した様に指先の匂いを嗅ぐ修一を恥ずかしそうに見て、
綾乃「またヤリたくなった?」

   子供の様に無邪気に頷き、
修一「うん。用事がすんだらまた戻ってくるけんヤラせてね」

   玄関ドアから出かける修一に、目を潤ませて投げキッスし、
綾乃「スカートを履かずにまってるわ」

   綾乃の元夫(50)が一階玄関の自動ドアの外に立って挙動不審げに中を伺っている。

   一階ロビーでエレベーターが開き、修一が出てくる。

   修一が自動ドアから出てきた横を元夫が何食わぬ顔ですり抜けて中に入る。

   同、綾乃宅のリビング

   綾乃がテーブルに座ってPC作業してると「ピンポーン」とチャイムが鳴る。

   歓喜の表情で玄関の方をふり見て、
綾乃(やっぱり我慢できずに戻ってきたのね)

   立って下着のゴムに手を掛け、
綾乃(気が急いてるだろうからすぐに入れられるように・・・)

   下着を脱ぐのを後ろから見たエロい絵。

   上機嫌でドアを開け、
綾乃「は~い・・・」と言いかけて元夫が立ってたのでハッと驚く。

   綾乃の股間を見て驚き、
元夫(げっ、なぜノーパンなんだ?・・・)

綾乃「(訝し気に)オートロックなのにどうやって入ったの?」

元夫「そんなの訳ないさ。半月前にお前をスーパーで見かけ、後をつけて家を突き止めたんだ」

元夫「立ち話もなんだし、とにかく中に入れてくれよ」と入りかける。

   必死にドアを押さえて嫌悪の表情で、
綾乃「ヤクザに触られた私を汚いものを見るような目で見て離婚したくせに、よくも今さら」

   ドアを押し返し、
綾乃「帰って!」

   靴をドアの隙間にねじ入れて押し返し、
元夫「あの時はすまなかった。謝るよ」

元夫「お前が出て行ってから商売あがったりで、家賃が払えないほど切羽詰まってるんだ」

元夫「客あしらいがうまい綾乃で店がもってたことをつくづく思い知らされたんだ」

   切々と訴えるように、
元夫「頼むから戻ってきて店を手伝ってくれないか、このままじゃ潰れちまうんだ」

   綾乃、冷ややかな目でフッと息を吐く。

綾乃「着のみ着のままで追い出された私がなぜこんな家賃の高い所に住めてるか思いがめぐらないの?」

元夫「え・・・?」

   思い当たった様に、
元夫「・・・もしかしたら、あの時のヤクザとできて囲われてるのか?」

彩乃「あの時のチンケな奴等、一人も店にこなくなったでしょ?」

   はっと思い当たり、
元夫「そういえば・・・」

彩乃「あいつらを全員始末した最強の人と一緒にいるのよ」

元夫「(驚き)始末って・・・殺したって事か?」

彩乃「それは詮索しないほうが身のためだし私に指一本でも触れたら殺されるわよ」

   慄き、
元夫(そんなヤバい男と一緒にいるのか・・・)

   悄然として綾乃の股間を見つめ、
元夫「どうあがいても、もう俺の手の届かないところにいってしまったんだな・・・」

   しみじみ綾乃を見つめ、
元夫「こんないい女を手放すなんて、あの時の俺はどうかしてたんだ・・・」

   突然、玄関内に押し入り両膝をついて綾乃の股間にむさぼりつき、
元夫「たのむ!一発でいい!だめなら先っぽだけでも入れさせてくれ!」

   陰毛にむさぼりつき、
元夫「何時間か前にやったんだろ?まだ毛がベタついてるぞ、その続きだとおもって、なっ」

   玄関の廊下に綾乃を押し倒してズボンのファスナーを降ろしながら、
元夫「最後にもう一回お前の膣(なか)の感触を味あわせてくれ」

   勃起を綾乃の股間に押し付け、
元夫「たのむっ」

   必死に抗い、
彩乃「や、やめてっ!」

        つづく


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