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一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

二十三たび大野教室に行く(前編)・誕生日に将棋教室へ行く

2012-03-21 00:25:46 | 大野教室
18日(日)は私の誕生日だった。誕生日が日曜なのは5~6年に1回だから、今年は珍しい。本当ならきょうは大和証券に行き、女流最強戦決勝で中井広恵女流六段の戦いを見る予定だったのだが、中井女流六段は準決勝で敗退し、それは叶わなかった。
そこで予定を変更し、いい機会でもあるので、お墓参りに行った。
帰宅してブログを更新し、川口市にある「大野教室」に向かう。しかし、誕生日なのに将棋とは…。ほかにすることがないのかと思う。
京浜東北線の車内で、女流最強戦を見る。序盤からむずかしい戦いだったが、中盤で清水市代女流六段が▲3六金、と打ったのが、清水流の手厚い金だった。
将棋を見て、それが誰のものか分かるなら、指した棋士としては本望だろう。清水女流六段自身も、それを望んでいるところがある。▲3六金は、清水女流六段にしか打てない金だった。
部屋に入ると、講師の大野八一雄七段が、His氏、Sai氏、Akiちゃん、Hanaちゃん、Ho君、Ma君に指導を行っていた。常勤スタッフのW氏はパソコンの前。ほかにMinamiちゃんが所在なげにしていた。きょうは植山悦行七段の姿はなし。
生徒ヒトケタは久しぶりである。最近こそ土・日とも生徒が多いが、ちょっと前までは土曜が満員、日曜が少なめ、がふつうだった。よってこれが本来の姿ともいえる。
と、大野七段が
「きょうは大沢さんの誕生日だから中井先生を呼びますよ」
といって、中井女流六段にケータイで連絡を取ってくれた。
私は恐縮しながら、まずはMinamiちゃんと指す。そこへ奨励会のM君が現れた。もう少し来るのが早ければ、彼に教わるところだったのに。
M君はW氏と指すことになった。W氏が将棋を指すとは珍しい。
私はMinamiちゃんに緩めてもらい、大野七段に教えていただく。その最中の4時25分、中井女流六段が見えた。きょうも素敵ないでたちだ。中井女流六段にお会いするのはあの日以来で、妙にドキドキしてしまう。
教室には植山七段も見えていて、M-W戦の感想戦に付き合っていたのだが、いついらしたのか記憶にない。よほど私は、中井女流六段のことばかり考えていたのだろう。
大野七段との将棋は、私が矢倉に組んで十分と見ていたのだが、△7二飛と寄られて▲7五の歩取りが受けにくくなった。
私は▲9七角と覗いたが、ここからの指し手が明暗を分けた。ではその局面を記す。

上手・大野七段(角落ち):1一香、1四歩、2二銀、2三歩、3二玉、3三桂、3四歩、4三金、4四歩、5三銀、5四歩、6四金、7二飛、8一桂、8四歩、9一香、9四歩 持駒:歩2
下手・一公:1六歩、1九香、2八飛、2九桂、3六歩、4七歩、5六歩、5七銀、6六歩、6七金、6九玉、7五歩、7六銀、7七桂、7八金、8七歩、9六歩、9七角、9九香 持駒:歩

ここからの指し手。△9五歩▲7四歩△9六歩▲7三歩成△同飛▲6五桂△同金▲5三角成△同飛▲6五銀△6三歩▲7四銀△6二桂…以下、大野七段の勝ち。

大野七段の△9五歩に、私は▲7四歩から暴れたが、▲6五銀に△6三歩、▲7四銀にも「ちょっと筋がわるいけど…」と△6二桂と受けられ、攻めが頓挫してしまった。
このあとは△7四桂と活用され、△8六歩と取りこまれて勝負アリ。またも惨敗となった。
感想戦で私は、
「▲8四金と飛車取りに打った手がダサかったですか」
と悔やんだがそれは的外れで、
「いえいえ、また大沢さん好みの展開になっちゃったと思いましたよ」
と大野七段がいう。聞くとそれが▲9七角の局面だったらしい。
「でも歩損が確定しちゃうので動かざるを得なくて…」
「いやいや歩損にはなりませんよ」
「ええ? そうですか?」
大野七段が局面を戻す。△9五歩に私は▲7四歩としたが、これが早計。▲6五歩と突くところだったらしい。
これに△9六歩は▲6四歩△9七歩成▲6三歩成があるので上手は△6三金だが、▲8六角△9六歩に▲9五歩!が好手。これで次に▲9六香や▲6六銀などを見て、下手が十分だったという。
「そうか…。いや、私は▲9五歩が全然見えませんでした。仮にこの局面に進んだとしても、私は▲9八歩と打ってました」
「では(これを機に)憶えてください」
香車が走っては威力が半減するので、▲9五歩とフタをしてから後で取りに行く手は考えなかった。まだまだ将棋には、勉強になる手筋がいっぱいある。
奥の部屋では、中井女流六段が3面指しの最中だ。しばらく待っていると、そのうちの1局が終わったので、私は教えてもらうべく、中井女流六段の正面に座った。
(つづく)
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植山悦行からの挑戦状!・解答編(感想戦の大切さ)

2012-03-20 00:22:17 | 大野教室
3月10日の当ブログ「植山悦行からの挑戦状!」で掲示した、指導対局での一局面の正解手を記そう。

先手:1六歩、1九香、2二歩、2三竜、3四歩、5五歩、7六歩、7八金、8七歩、8八銀、8九玉、9六歩、9九香 持駒:角、金、銀、桂、歩3
後手:1三香、1四歩、3二歩、4二金、4三歩、4六角、4七成桂、6二玉、6四銀、6五歩、7四歩、8一飛、8五歩、9一香、9四歩 持駒:金、銀、桂2、歩
(△6四同銀まで)

正解:▲6三銀△7三玉▲7五桂△同歩▲7四金△8二玉▲7二角 まで、先手の勝ち。

本局は先手が植山七段、後手がSat氏だった(実戦は先後逆)。
▲6四歩△同銀の局面。先手玉は安泰だが、△6六桂が入ると、受けても一手一手になり、先手が負ける。ここは後手玉を寄せるしかない。
まず目に浮かぶのは7八に利かして打つ▲4五角だが、△5四歩と打ち捨てられ、▲同角△6三銀は後手が残していそうだ。
初めに戻って、▲6三金△同玉▲5四角△7三玉▲8一角成は有力だが、その局面が何と、後手玉が詰めろでない。以下△6六桂▲7二飛に△8四玉が「右玉の小部屋?」で、妙に詰まないのだ。
そこで、▲6三金を▲6三銀に代えて迫ってみる。今度△同玉では、▲5四角~▲8一角成が詰めろで先手勝ち。
よって後手は△7三玉とかわす。そこで歩頭に▲7五桂が妙手だ。△同銀は▲同歩で詰めろが続くので△同歩だが、▲7四金~▲7二角と、先手はどんどん持ち駒を打って、勝勢となる。この局面は必至ではなく、まだ後手に受ける手はあるが、いずれも詰めろが続き、先手が勝てる。
本譜は、遊んでいる▲2三竜を働かせようと、▲5四桂△7三玉▲4二桂成と迫ったが、やはり△8四玉と逃げる手が利いて、先手が一歩及ばなかった。
これにはさすがの植山七段も悔しがって、Sat氏が帰ったあとも検討を続けた。指導対局ではあるが、こんな薄い後手玉に寄りがないとは信じられない、何か勝ちがあるはずだ、という気持ちがそうさせたのだ。
そこへ私たちもお付き合いさせていただいた。そうして小1時間検討した結果が、▲6三銀以下▲7二角まで先手勝ち、というものであったわけだ。
ちなみにこの局面を食事会の席で大野八一雄七段に出題したところ、数秒で解いてしまった。
ただ植山七段の名誉のために書けば、▲6三銀~▲7五桂は、検討の序盤で、植山七段も指摘していた。
しかし、「▲7五桂だなんてひねり出した手でなくとも、ほかに明快な勝ち筋があるはずです」と私が拒絶反応を示したため、正解への到達が遅くなってしまったのだ。
▲6四歩と叩いて△同銀と上擦らせた局面は、ほとんど裸玉だ。さらに先手の持ち駒は角、金、銀、桂。これだけあって正解手順が一通りしかないとは、植山七段ならずとも驚くしかなかった。

そこで思い出したエピソードがある。
あれはLPSA駒込金曜サロン時代のことだからだいぶ前の話になるが、私とTan氏が将棋を指して、私が惜敗したことがあった。
短めの感想戦が終わるやO氏が来て、ここは私に勝ちがあるはずと、再び感想戦が始まった。
その結果、私に勝ちがあることが判明した。
感想戦なんて、負けた側がウサ晴らしをするためにあるのではと思うのだが、検討で勝敗が入れ替わってしまうのでは、事情が変わってくる。終盤の真実が分かるという意味で、局後の感想戦は大事なのだと痛感したものだった。
本局の植山七段も、真実が分かって、スッキリしたことだろう。
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四たび大野カウンセリング教室に行く

2012-03-19 21:11:19 | プライベート
17日(土)の午後2時半ごろだったか、W氏から電話が入った。きょうは大野教室に来ないの? という問いだ。私は大野教室の常連ではないので、行ったり行かなかったりなのだが、W氏は、きょうはKaz氏も来てるから、と熱心だ。ほう、Kaz氏が参加しているとは珍しい。
現在私は、半ばゴミ屋敷と化した自室の整理中で、前日も午前4時半に就寝したため、ちょっと頭が朦朧としている。しかし友人の誘いは断らないのが私流である。いやメールなら断ったかもしれぬが、電話では断りにくいものである。
とにかく友人の少ない私には、ありがたいお誘いである。いろいろ書いたが、私はよろこんで、行くことにした。といっても出向くのは夜になってから。すなわち今回は「大野カウンセリング教室」である。
同教室は、主宰の大野八一雄先生と食事をともにしながら大いに笑い、大いに語り、ストレスを解消して、あすからの日々を快活に過ごすことを目的とするものである。
雨のなか6時40分ごろに入室すると、何人かの生徒が将棋を指していた。大野先生は将棋の専門家でもあり、カウンセリング教室の前に、将棋教室も開いているのである。
奥の部屋を覗くと、将棋の植山悦行七段が、Kaz氏らに指導対局を行っていた。同教室は5時までなのだが、生徒が熱心なので、毎回延長しているのだ。むろん超過料金はない。
きょう行われた棋王戦第4局は、郷田真隆九段が勝ち、久保利明棋王からタイトルを奪取した。久保棋王、ついに初の「久保九段」になる。憔悴しているW氏を、まともに見られない。
Minamiちゃんが扇子を見せてくれた。中井広恵女流六段の直筆で、「右往左往」としたためられている。「右往左往」は、Minamiちゃんの座右の銘なのだ。
そのあとは、Hon氏-Minamiちゃんの将棋などを観戦しながら、時間の経つのを待つ。
と、7時50分すぎ、対局を終えたKaz氏が退室してしまった。Kaz氏、カウンセリング教室には参加しないようだ。妻帯者は、休日が真の休日にならない。しかし何にしろ、奥さんがいるのは羨ましいことである。

8時すぎ、いよいよ食事に出る。これがカウンセリング教室となる。
参加者は、大野先生、植山七段、W氏、Hon氏、Minamiちゃん、奨励会員M君、Ishi君、私の8人。
Ishi君は初めて見たが、元奨励会員だそう。今回は、彼が某進学高校に受かったので、その報告に訪れたらしい。奨励会を離れても、師匠と弟子の関係は継続する。素晴らしいことである。
彼、Ishi君は将棋より進学の道を採ったわけだが、学業の道に進んでも、将棋はできる。アマ名人やアマ竜王になればプロの公式戦にも出場できるし、そこで活躍すれば、編入試験の道もある。昔と違い奨励会を辞めても、プロへの道は開かれているのだ。
中華料理屋へ入る。4人掛けのテーブル×2で、私のテーブルには大野先生、M君、Ishi君。Ishi君は、3時休みに配られた詰将棋を解き始めた。
食事が終わると、今度は詰将棋集を開いて取り組む。彼は本気で、アマ名人を目指しているようだ。その意気やよし。
ここでM君、Ishi君とはお別れ。私たちはガストへ向かう。
店に入ると、W氏が数枚のスクラッチカードを取りだした。現在ジョナサンではスクラッチキャンペーンを実施中だが、ガストでも同様のキャンペーンを行っているらしい。各人1枚ずつ頂戴し、デザートを頼む。
しばらくすると、
「きょう大沢さんを呼んだのは、合宿とかの日程を決めたかったんだよ」
とW氏がいった。
私たちジョナ研メンバーと大野教室では、春から夏にかけていくつかのイベントを計画している。しかし日程、参加者、一部の宿などが確定しておらず、この先どうなるか分からない。
で、その話を詰めるのかと思いきや、私たちはどうでもいい話で爆笑する。大した内容ではないのだが、なぜか可笑しい。
散会は11時40分ごろ。結局きょうは、イベント関連の話はしなかった。私は何をしに行ったのか分からぬが、大いに笑ったので、健康になった気がした。
駅までのクルマの中でそんなことをいうと、
「笑うと血液が浄化されるっていいますからね」
と大野先生はいった。これぞ大野カウンセリング教室の真髄というべきだろう。
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我が誕生日に思うこと

2012-03-18 14:50:02 | プライベート
きょう平成24年3月18日は、私の46歳の誕生日である。
「46歳」というと世間ではオッサンで、私が若かったころはピンと来なかったが、改めてこの数字を目にすると、もう初老の域に達してしまった、という事実に愕然とする。
肉体的には、年齢以上にガタがきている。もう、だましだまし仕事をする毎日だ。その代わり精神的には全然成長しておらず、自己嫌悪に苛まれる毎日だ。
私の人生設計は誤算だらけだったが、その最たるものは独身だったことだろう。10代のころは、いくら何でもこの歳になれば結婚して、子供のひとりやふたりはいると思った。
これは知人に話す定番の笑い話なのだが、私が新卒で入社したとき、他社のサラリーマンと合コンをしたことがあった。
その中に、33歳で東大卒、34歳で早大卒の独身男がいた。
私はその自己紹介を聞いたとき、腹を抱えて大笑いした。アンタ、その高学歴でその歳まで独身なんて、何をやってたの? と思ったわけだ。
ところがいまとなっては、そのときの彼らを笑えない。彼らの歳を10歳以上も上回ったのに、まだ私はひとりだからである。ヒドイ話だ。
まあ結婚はいいとしても、こんなに収入が少ないとも思わなかった。というか、こんなに転職を繰り返すとは思わなかった。
だが、46歳にして、志半ばで没してしまった友人がいるように、私がこの歳まで大過なく生きてこられたのは、それだけで十分幸せなことなのかもしれない。世間を恨むのは筋違いというものである。
そして将来のことを考えてみるに、近い将来私は、無職になる可能性が高い。これは5手の読みをすれば容易に分かることで、修正も利かないようである。
そこまで分かってるなら破滅を回避すべく努力をしろ、ということになるのだが、それができないのが私の怠惰なところなのである。
結局、そのときさえ楽しければいいという、刹那的な生き方しかできないのだ。だから私は人間のクズなのだ。
まあ、毎日を精一杯生きていくしかない。

ところできょうは日付が変わってすぐ、私のスマホに、ある女性から「おめでとうメッセージ」をいただいた。女性からお祝いのメッセージをもらうなんて、我が人生で初めて。最近はいたずらメールが多いから着信の確認が遅れ、夜中の3時ごろにそのメールを見たときは、大いに感激して、うるうるしてしまった。
私もまだ捨てたものではないらしい。ありがたいことである。
さて、これから将棋を指しに行こう。
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生え抜きのジョナ研(後編)・これがジョナ研だ!

2012-03-17 00:26:17 | ジョナ研
(15日のつづき)
時刻は午後10時を過ぎている。消化不良のKaz氏、今度は私に挑む。振り駒でKaz氏の先手で、▲7六歩△3四歩▲6六歩△8四歩▲6八銀…の出だしから、相矢倉になった。
ジョナサンでの前2局では、いずれも私の横歩取らせ△2三歩~△2五角だったので、Kaz氏が変化したようだ。
Kaz氏は▲4六銀。私は△5三角で構えたが、これがよかったかどうか。△6四歩と突いていないので、▲5八飛と廻られる手がイヤだった。▲5八飛に△4五歩はあるが、▲同銀△2六角▲3五歩△同角▲同角△同歩▲5五歩、の進行は後手おもしろくない。
本譜は▲3七桂。
「負けるわけにはいかない…」
とKaz氏がつぶやく。ジョナ研でこれだけ熱くなれるなら、LPSA芝浦サロンで指導対局を受ける必要もないわけだ。
数手進み、△6七歩成(アキ王手)▲5五金(と角を取る)△7八と▲同玉△5五歩で、角と金2枚の交換になったが、先手を握られたので、苦しいと感じていた。
以下▲4三歩成△同金右▲同銀成△同金▲4四歩△4二金…の局面を記す。

先手・Kaz氏:1五歩、1九香、2五桂、2六歩、3六飛、3八飛、6八角、7六歩、7八玉、8六銀、8七歩、8九桂、9七歩、9九香 持駒:角、金、歩2
後手・一公:1一香、1三歩、2一桂、2三歩、2四銀、3一玉、4二金、5五歩、6三銀、7四歩、8一飛、8四歩、8五桂、9一香、9五歩 持駒:金2、銀、歩3

以下の指し手。▲3四角△2五銀▲同歩△6六桂▲6七玉△4七銀 まで、一公の勝ち。

▲4四歩の叩きに△4二金と引かされた局面は、後手が悪いと思う。私が欲しい駒は桂で、△6六桂が狙いだ。
そこで盤上を見渡すと、▲2五に桂が落ちている。この桂を何とか取れないか、と考えているところに▲3四角が飛んできた。
私はよろこんで△2五銀。桂を取りつつ角取りだ。そうか…とKaz氏がつぶやいて▲同歩。
以下△6六桂▲6七玉△4七銀と飛車取り詰めよに打ったら、ここでKaz氏が投了してしまった。
これは早い投了だと思う。終局図では▲5七歩と打たれたらどうだったか。私は△3八銀不成の予定だったが、それは▲4三歩成で先手が勝つ。
感想戦では△3八銀不成に換えて△6五金が発見され、やはり後手が勝ちだった、という結論で終了したが、▲5七歩で▲5七金と打つ手はどうか。以下△5六金▲同金(▲同角は△同銀成▲同金△7八角以下詰み)△同銀成▲同角△同歩となる。これは△4七銀で△5六銀と打ち、▲同角△同歩と進んだのと同じ計算だ。
この局面、先手玉は詰めろではないが、▲4三歩成は後手玉が詰まないので、そこで先手玉に詰めろを掛ければ後手が勝てそうだ。しかし▲4三歩成以外にも候補手は山ほどあり、まだ一山も二山もある。いずれにしても投了する局面ではなかった。社団戦ならもっと粘っていたはずで、Kaz氏らしくなかった。
Kaz氏、これでは帰れないと、Kun氏を見る。いよいよKun氏の出番だ。
と、R氏が中村太地五段の著書を取り出し、序盤の変化の不明な点を検討し始めた。R氏もホントに熱心である。
それが終わるとR氏は、再び中村真梨花女流二段-R戦を並べる。私たちも、あーだこーだとつっつく。いつの間にか私も、将棋バカの仲間入りをしてしまっている。
Kun-Kaz戦は角換わりの力戦形に進んでいた。Kun氏は振り飛車党だが、どんな戦形も指しこなす。Kaz氏は顔面を紅潮させて、異様な「気」を発散させている。Kun氏の盤上に注ぐ視線も鋭い。これは完全に将棋道場の趣だ。私たちの研究も熱を帯び、食事を運んできたウエイトレスさんが戸惑っている。将棋バカによるバカ話と、真剣勝負に熱い検討。なんでもありのごった煮が、ジョナ研のいいところである。
Kun-Kaz戦はKaz氏の勝ち。途中、Kaz氏の▲2一銀の金取りにKun氏は△同金だったが、△3一金(引)はなかったか。それは▲3二歩がある、とのことだったが、それにも△4一金と寄って耐える。この手もあったと思う。
ここでHon氏が退席。いつもは10時ごろに退席するが、きょうは遅かった。
さらに20分ほど経って、Kun氏も退席。時刻は11時を過ぎていたが、大丈夫か。
さらに20分後、Kaz氏もジョナサンを後にした。大野教室の食事会ではみんな12時近くまで粘り、まとまって店を出るのだが、ジョナ研はひとり、またひとり…と、徐々に退席していくのだ。これがジョナ研流である。
残りはW氏、R氏、私。旧LPSA金曜サロンの3バカが残ってしまった。
結局11時50分に散会。私の最寄り駅までR氏と一緒である。R氏、X駅からはタクシーを使うというので、それなら何で電車のあるうちに店を出なかったのかと問うたら、
「みんなの話がおもしろくて、抜けられないんだ」
とR氏はいった。
この一言に、駒込ジョナ研のおもしろさが凝縮されている。
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