日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

雫井脩介著「つばさものがたり」

2013-02-05 | 読書
昨晩読み終えた文庫本
雫井脩介著「つばさものがたり」角川文庫



今年に入ってミステリーが続き(いつもミステリーだが)
ココロが殺伐とした気がしてきた。
この本は軽いミステリーと思いつつと読み進むが
ミステリーではなかった。
どちらかと言うとファンタジー
作者はミステリー一辺倒の作家ではなかった。

パティシエとして修行をしてきた小麦ちゃん
夢のケーキ屋さんを実家の近くで開いた。
変わり者の甥っ子が「この店は流行らない」と言う
母がレジ打ち、義姉と気の良いおばさまと3人でケーキづくりをする。

頑張って独自色を出して順調な滑り出しだったが
客足が途絶えて、体調を崩し店を閉める。

甥っ子だけに見える天使の助ける兄
スポーツジムのインストラクターだが
家族思いの素敵な兄

みんなでちゃかし合い、助け合い、家族をいたわり合う。

そんなこんなで、心機一転持ち直したケーキ屋さんだが
小麦ちゃんは・・・

読み進むうちに物語にどっぷり、
涙したりホッとしたり
なによりも悪人が出て来ないのがいい
暴力沙汰にならないのがいい

近所にあった家族全員で働く小さなパン屋さん
何年かで閉めてしまったが、思い出しながら読んでいた。

ココロが疲れた時、ギクシャクした時
小さな灯をともしてくれる一冊です。

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