先週読んだ一冊
桐野夏生著「路上のX」
どんなに夢中で読んでいても
途中で息が詰まりそうになって、読み進めるのが苦しくなる。
こんなひどい親がいるのか!
こんな悲惨な女子高生がいるのか?
こんな目を背けたくなる男達がいるのか!
ニュース番組で居場所のない女の人をサポートする
NPOを知ってはいたが、リアルな小説(?)になると
悲惨さが身に迫ってくる。
咲きはじめたホトケノザ
住むところがなく、親の家には苦しくていられない
せっかく見つけた貧しい祖母の家もあっけなく無くなり
みしらぬ男達に、畜生以下の扱いをされ
それでも生きていく女子高校生達
桐野夏生は取材を重ね、路上のどこにでも(?)ある
ありうべからず事を小説にした。
それでも少女達は、希望の見えない渋谷で日々を過ごす、
そんなひどい男達を告発すべく警察に行き
行方不明だった母親と連絡をとり
親や男達に頼らない生活を手に入れられそうになる。
どんなに虐待されようが、どんなに酷い目に遭おうが
お互いの優しさを忘れす、優しさを受け止める少女達。
お金さえ払えば少女に何をしても良い
少女達の気持ちのことなどなんんとも思わない男達
(ほんのひと握りかと思うが)
電車の中の痴漢がいまだに蔓延っている事
この延長線に少女達の悲しみが続き
さらに先にはモリ氏の発言が繋がっている。
先進国だったはずの日本
気づけばIT化に乗り遅れ、SDGsにも今更ながり気づき
男女共同参画にはしんがりを行っている。
その上、子供達(女の子達)街に蔓延する女性の被害は
世界をあっと驚かせる事だろう。
おぎゃ〜〜と生まれた時から
男というだけで優位に思い、女と見るだけで一段低く感じる。
この瞬間からやり直さなくては
この国の劣勢は取り返せないのだと思う。
だけどひどい親のもとに生まれるのは女の子だけではない
同じ境遇の男の子達はどうしているのだろうか?
いつか街でトイレスリッパでいる子を見かけたら
声をかけたいと思う。
路上のXは絵空事ではない、
長文の解説で当事者だった仁藤夢乃さんが
「これは私たちの物語だ」で綴っている。
是非とも読んでいただきたい!