日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

柳広司著「虎と月」

2014-02-19 | 読書
書店で見かけて読んだ一冊
柳広司著「虎と月」文春文庫刊



中島敦「山月記」に仕組まれた“謎”を推理で解き明かす・・帯の文字
うすらボンヤリと記憶しているタイトル
面白そうと買った。
その前に中島敦「山月記」 原作を読む
破天荒な筋立てより以前に
「人虎」伝説がインドから中国の一帯にあり
聞き取り取材の上小説にしたようだ。
ウイキペディア「山月記」

中国の博学才穎の李徴は猛勉強し、若くして官吏となった。
官吏を続けるより詩作で名をなしたいと思い
妻子を伴い実家に帰るが
名をなす事はかなわず、家族の為に地方官吏となる。
仕事で旅に出た途中、発狂し森に消えた。

原作は、一緒に官吏となった友人が人食い虎が出る山道を行き
虎の李徴と遭遇
一晩語り合い、漢詩を託されて家族に渡し
又森え消えてゆく・・と言う物語

それを、柳広司著で分かり易く、ミステリー仕立てにし直した。

主人公は李徴の息子
父の友人を捜し、ついでに父の虎を見た場所に赴く

中嶋敦の文章が一気にくだけて、肩すかしのところはあるが
なるほど・・
漢詩の一語が違い、父の思いが伝わる。
原作の「山月虎」と「虎と月」とも
最後は月に吠える虎

意外さと共通の最後がとても洒落ている。
コメント
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