日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

雫井脩介「犯罪小説家」

2011-06-07 | 読書
先週に読んだ本、雫井脩介著「犯罪小説家」双葉文庫刊

暗い幻想的なカバー



売れなかった作家が文学賞候補になり新橋のダイニングバーから始まるミステリー
編集担当者とぎこちない待ち時間を潰すパットしない性格(?)の作家
ダメか?と思い始めた頃に「おめでとうございます」電話が入る。
無事受賞を果たし、トントン拍子で映画化の話しが進む。

監督には話題のアーティストが主役と兼任し
気の乗らない作家に強引に取り付く。

小説とは離れた少し前の集団自殺を取り込みたい監督と
興味はあるものの引きずられて動く作家
更に監督に引きずり込まれるライター(可哀想な成り行き)
誰かが集団自殺の首謀者で生き残り

中盤以降はライターが真相を探りに動く

・・が、この本の主題は犯人探しではなく
集団自殺の内紛(?)の人間関係と
究極の事態に落ち入った時の「恐怖が振り切れた時の感覚」
恍惚に満ちた新鮮な感情の突出
多分、芸術家にしか見えない感覚だろう。

最後の最後で真相が分かった瞬間と
全てを解き放った終焉。

突出した出来の映画と順風万帆の作家とアーティスト
可哀想なのはライターです。

意味不明ばかりですが是非とも読んでみて下さいね。
何となく母が住んでいた多摩市の環境を思いつつ読んでいた。
コメント
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