ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

ヤシの実の可能性

2010年03月20日 | 先住民ブラアンの子どもたち
たくや@ミンダナオ

 ジェネラルサントス市で開催されていたイベントの終了に伴い、『お母さんたちのお店が開店』でご紹介した店も無事閉店しました。

 閉店間際に、アイキャン生計向上活動に参加するカリンお母さんが、好評だったヤシの実商品の背景を話してくれました。


【接客中のカリンお母さん(右)】

カリンお母さん:
 「いつも私たちは木から落ちたヤシの実を振って、その音から中の状態を判別します。中には空っぽの実もあり、それらは不要なので今までは放置していました。やがてアリが穴を開け、中の果肉をゆっくり食べ、乾燥して殻だけとなった状態のヤシの実となります。これらを活用できないかとグループで話し合ってできたのがこの貯金箱です。あっと言う間に完売したのには驚きました。今では空っぽのヤシの実を見つけたら小さな穴を開け、アリが中を食べやすいようにしています。」


【アリとお母さんのコラボ商品「ヤシの実の貯金箱」】

カリンお母さん:
 「木から落ちた際に割れてたヤシの実の殻を加工し、竹の取っ手をツタで取り付けたのがこのしゃもじです。昔、祖母が実用していたのを思い出し、それを試行錯誤しながら形にしました。材料は全て庭先に有り余っているものばかりなので、道具以外の材料費を必要としない優れた商品です。これも完売しました。」


【天然資源100%「ヤシの実しゃもじ」】

 山に住む先住民族ブラアンは「貧しい」と町の人は言います。確かに現金収入は極端に限られ、経済的に厳しい状況に置かれていることは、確かです。しかし山で暮らす彼女達が、「貧しい」と一言で彼女たちが持つ「豊かさ」をも否定されるべき存在ではないことを、お母さんたちは教えてくれます。

 近代化の波により、貨幣経済に組み込まれてしまった先住民族ブラアンの家族は、教育や医療を受けるために現金が必要となり、現金収入を得るために町に移り住むケースが後を絶ちません。しかしその多くはまともな職に就くことが出来ず、結果、現金収入のみならず、ブラアンの人たちが持っている固有の豊かな資源をも失ってしまいます。ジェネラルサントス市内の路上生活者のほとんどは、先住民族の人々です。

最後にカリンお母さんに尋ねてみました。

たくや:「出店で得た収入はどうされるおつもりですか?」

カリンお母さん:「話合いの結果、グループ全体の売上げの10%を今後の材料費としてグループ貯金します。そして残りをメンバー内で分配します。私は生活に必要な塩や砂糖を購入し、残りはもしもの時のために貯えます。」

ブラアンの子どもたちが住み慣れた山での生活を持続できるよう、お母さん達とアイキャンは取り組み続けます。

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