ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

ビアオ村に学校を建てよう(3)

2012年03月30日 | 先住民ブラアンの子どもたち
まい@ミンダナオ

ビアオ村に学校を建てよう(2)



ビアオ小学校の建築が始まって20日ほどで、校舎の土台はここまで出来上がりました。これから、屋根や外装、内装を整えていきます。

まずは屋根の作業です。地面に並べられた赤い棒のようなものは、天井の棟木として使われ、屋根を支える役目をします。

【これらを屋根まで上げて、「はり」を組んでいきます】


【細い足場も器用に渡っていく大工さん】


木の枠が運ばれてきました。こちらは、校舎の窓枠として使われるものです。もともと空いていた校舎の壁の穴に、この木枠をはめこんでいきます。

【穴に木枠がぴったりとはまっていきます】

はじめは80cmほどしかなかった浄化槽用の穴も、セメントで補強され、今では大人の男性がすっぽり頭まで入れるくらいになりました。


そして数日後には、このように、浄化槽の上にトイレを設置するための土台も出来上がりました。


着工から1カ月で、屋根のはり、窓やドアの枠、トイレの土台など、校舎の基礎となる部分がほぼ完成しました。これから、天井や電気の配線の工事などに移ります。



子どもたちも新しい校舎が気になる様子です。

******************************
●東日本大震災の活動
http://www.ican.or.jp/tohoku.html
●チャリティ英会話・タガログ語会話
http://www.ican.or.jp/smileticket/index.html
●平成22年度外務大臣表彰受賞
http://blogs.yahoo.co.jp/ngo_ican/archive/2010/08/29
●スタッフ・インターン・ボランティア募集
http://www.ican.or.jp/
●「書き損じはがき」を大募集中しています。
感謝を伝えるブログ「いっしょにご飯をたべよう」★
http://blog.goo.ne.jp/atsumeyou
●先住民ブラアンの子どもが幸せに成長できるように、会員になっていただける方を募集しています。
http://www.ican.or.jp/gensan_feeding.html
●ご寄附の受付はこちらとなります。
(認定NPOのため、2,000円以上の寄付は税制優遇の対象となります。)
http://www.ican.or.jp/members.html
●その他、アイキャンに関する情報はアイキャンのHPへ
http://www.ican.or.jp/

ビアオ村に学校を建てよう(2)

2012年03月24日 | 先住民ブラアンの子どもたち
まい@ミンダナオ

ビアオ村に学校を建てよう(1)

ジェネラルサントス市サンホセ地区では、ビアオ小学校の建設が着々と進んでいます。
早くも校舎の礎となる13本の柱が建ちました。


【支柱と骨組みが完成です】

そしてさらに5日間で、教室を仕切る壁の土台ができあがりました。鉄鋼の支柱に沿ってコンクリートブロックを積み重ね、さらにはりを埋め込んで、壁の強度を高めます。


【2つの教室の仕切りができました】

【日本の大工さんに比べると軽装なフィリピンの大工さんたち】

学校の裏手には、スコップで穴を掘っていきます。数日後、そこには縦1m×横80cm×深さ80cmほどの大きな四角い穴が2つできていました。この穴は「浄化槽」として使うためのものです。トイレの整備も学校建設ではとても重要な要素です。



【浄化処理槽として使われる穴】

工事が始まってから2週間で、校舎の壁がここまで出来上がりました。真ん中だけ欠けたようになっているのは、ドアや窓をはめるためのスペースです。1つの教室に、ドアが2カ所、窓が4カ所取り付けられます。


次は、校舎の床面を整えていきます。トラックで一気に床に砂を流し入れ、その上をコンクリートで固めて、平らな床を作っていきます。

【砂→コンクリートの順で流し込んでいきます】


建設中の校舎の壁はあっという間に子どもたちの身長を追い抜きました。

******************************
●東日本大震災の活動
http://www.ican.or.jp/tohoku.html
●チャリティ英会話・タガログ語会話
http://www.ican.or.jp/smileticket/index.html
●平成22年度外務大臣表彰受賞
http://blogs.yahoo.co.jp/ngo_ican/archive/2010/08/29
●スタッフ・インターン・ボランティア募集
http://www.ican.or.jp/
●「書き損じはがき」を大募集中しています。
感謝を伝えるブログ「いっしょにご飯をたべよう」★
http://blog.goo.ne.jp/atsumeyou
●先住民ブラアンの子どもが幸せに成長できるように、会員になっていただける方を募集しています。
http://www.ican.or.jp/gensan_feeding.html
●ご寄附の受付はこちらとなります。
(認定NPOのため、2,000円以上の寄付は税制優遇の対象となります。)
http://www.ican.or.jp/members.html
●その他、アイキャンに関する情報はアイキャンのHPへ
http://www.ican.or.jp/

最後の15頭

2012年03月17日 | 紛争地の子どもたち
こうじ@コタバト

ティヌトゥラン村の高校と小学校の先生たち18名が集まり、平和教育研修が行われました。

この事業は、平和教育が定着し、平和を実践していく子どもたちが育つ「平和の学校」を作っていくことを目指しています。ここでは、平和教育を担う先生たちの役割はとても大きいものがあります。参加した先生の中には、紛争による避難生活を体験したという人もいます。





研修の中で、1つのワークショップをしました。
「最後の15頭の牛」というワークショップです。参加者は、2つのグループに分けられ、お題が与えられました。「Aグループは、15頭分の革製品を作るための牛の皮が必要、Bグループは、15頭分の食用の肉が必要です。(しかし、お互いに必要としているものを知りません。)しかし、この村には、あと15頭しかいません。AグループとBグループで双方とも、15頭の牛が必要です。さて、どうしますか?」

最初は、グループ同士お互いに15頭が必要だと譲りませんでした。相手が譲歩しないことで感情的な対立も加わり、交渉はさらに困難になっていきます。しかし、話し合いを続けるうちに、お互いに必要なものが分かってきます。Aグループにとっては、皮であり、Bグループにとっては、肉が必要であることが発見でき、解決にいたりました。

このワークショップの学びは、お互いの主張に固執していると、相手のその主張の背景やニーズが見えなくなりますが、その裏の背景やニーズを知りうる対話が進めば、解決が見えてくる、ということでした。

研修に参加した先生たち

「対立する関係に適切に対応し、これをうまく解消していかないと暴力につながり、平和が壊されていくことがわかりました。」

「これまで、ミンダナオの紛争はフィリピン政府や軍隊が悪いのだと思ってきました。でも、問題を他人のせいにするのではなく、私たち自身が変わり、私たちが学校や家庭、そして地域を変える役割を担わなければ、平和はやってこないのだと思いました。」


先生たちの現実をもとに研修を組み立て行く研修担当スタッフのエミー(右から2人目)

******************************
●東日本大震災の活動
http://www.ican.or.jp/tohoku.html
●チャリティ英会話・タガログ語会話
http://www.ican.or.jp/smileticket/index.html
●平成22年度外務大臣表彰受賞
http://blogs.yahoo.co.jp/ngo_ican/archive/2010/08/29
●スタッフ・インターン・ボランティア募集
http://www.ican.or.jp/
●「書き損じはがき」を大募集中しています。
感謝を伝えるブログ「いっしょにご飯をたべよう」★
http://blog.goo.ne.jp/atsumeyou
●紛争地の子どもが幸せに成長できるように、会員になっていただける方を募集しています。
http://www.ican.or.jp/pikit.html
●ご寄附の受付はこちらとなります。
(認定NPOのため、2,000円以上の寄付は税制優遇の対象となります。)
http://www.ican.or.jp/members.html
●その他、アイキャンに関する情報はアイキャンのHPへ
http://www.ican.or.jp/
************************************


ビアオ村に学校を建てよう(1)

2012年03月14日 | 先住民ブラアンの子どもたち
まい@ミンダナオ

ミンダナオ島ジェネラルサントス市サンホセ村は人口約8,700人、先住民族ブラアンやティボリの人たちが多く住む村です。2月の初旬、サンホセ村の「ビアオ小学校」にて、小学校の建設がはじまりました。

この村では、子どもたちの増加に対し、校舎の建設が追いついていません。今回学校建設を行うビアオ小学校では、保育所として建てられた建物をしきりで区切り、教室として使用したり、また、写真のような竹でできた簡素な小屋も教室として使ってきました。


【教室として使われている竹の小屋】

しかし、生徒数はすでに200人を超え、今ある教室だけでは子どもたち1人1人に行き届いた教育を受けさせることができません。地域の教育省も、予算不足によりも十分に対応できていないのが現状です。

この小学校で、アイキャンは、2教室の校舎を作ります。


【図面の最終確認をする学校関係者、建設業者、アイキャンスタッフ】


着工式では、工事の無事を祈願し、地域の伝統に従って鶏が捧げられました。

そして作業がはじまり、何もなかった野原に、次々と杭が打たれ、教室の土台ができていきます。



【手際良く作業を進めていく大工さんたち】


【どんな教室ができるのかな?】

下校途中の子どもたちも興味たっぷりで工事を見守っていました。

******************************
●東日本大震災の活動
http://www.ican.or.jp/tohoku.html
●チャリティ英会話・タガログ語会話
http://www.ican.or.jp/smileticket/index.html
●平成22年度外務大臣表彰受賞
http://blogs.yahoo.co.jp/ngo_ican/archive/2010/08/29
●スタッフ・インターン・ボランティア募集
http://www.ican.or.jp/
●「書き損じはがき」を大募集中しています。
感謝を伝えるブログ「いっしょにご飯をたべよう」★
http://blog.goo.ne.jp/atsumeyou
●先住民ブラアンの子どもが幸せに成長できるように、会員になっていただける方を募集しています。
http://www.ican.or.jp/gensan_feeding.html
●ご寄附の受付はこちらとなります。
(認定NPOのため、2,000円以上の寄付は税制優遇の対象となります。)
http://www.ican.or.jp/members.html
●その他、アイキャンに関する情報はアイキャンのHPへ
http://www.ican.or.jp/

路上の子どもたちとの対話

2012年03月08日 | 路上の子どもたち
さえ@まにら

アイキャンの路上事業では、日本で言う町役場であるバランガイ(フィリピン政府最小単位)と一緒になり、地域の「子どもを守る委員会(BCPC : Barangay Council for Protection of Children)」を作っています。

ケソン市の5つのバランガイの「子どもを守る委員会」に参加する人たちと、路上の子どもたちが集い、対話をする機会を持ちました。子どもを守る委員会の人たちに、子どもたちの状況を知ってもらい、どのような委員会を作っていくか考えてもらうためです。また、路上の子どもたちにとっては、バランガイに「子どもを守る委員会」があるということを理解してもらう機会でもありました。路上の子どもがバランガイの役人に自分たちの置かれた状況を伝えることは、フィリピンではおそらく初めての取り組みとなります。

トニー(仮名、路上の子)「僕たちが、話すことを聞いて怒らないでくださいね。でも本当に起こったことなんだ。僕たちは、いつもジープ置き場で寝ています。そこで、エンジンが盗まれる事件が先週ありました。バランガイの酔っぱらった役員は、僕たちを疑い、バランガイに連れていかれいろいろな傷つけられることを言われました。今日は、ぼくたちの言葉が、みなさんに届くといいなと思います。」

路上の子どもたちにとって、バランガイの役人とは、普段追いかけられ、暴力を振るわれる最も恐れる相手の1つとも言えます。そんなバランガイの人たちを前に、子どもたちは勇気を振り絞ります。

ワークショップが始まりました。
まずは、お互いをどう思っているか知るため、お互いをの印象を書きました。

 

バランガイの人から見た⇒路上の子どもの印象
‐いつも空腹を抱えている子どもたち
‐暴力や虐待を受けている子どもたち
‐愛情を求めている子どもたち
‐生活が厳しく、学校に行けない子どもたち
‐家庭が経済的に厳しく、家族のためにお金を稼がないといけない子どもたち
‐タバコやシンナー盗みなどをする子どもたち
‐貧しさのシンボルであり、食べ物や愛情、つながりから離れた被害者である

路上の子どもたちから見た⇒バランガイの人の印象
‐虐待をした子どもたちを助ける人達
‐うそつき
‐横柄な
‐路上の子どもを汚いもののように見て、私たちは傷つく
‐警察のよう
‐僕たちを傷つけることもあるし、役に立ってくれることもある

 

マイケル(仮名、路上の子)が言いました。
「僕たちのこと、きちんと理解してくれていることに驚きました。」

バランガイの人が言いました。
「正直な思いを言ってくれたこと、とても嬉しく思いました。でも悲しくも思いました。私たちと同じようにバランガイで働く人たちが、君たちを傷つけているのですね。しかし、経済的な貧しさは、成功しない理由にはなりません。自分たちが経験してきたことを糧とし、自分自身のために、勉強し続けて欲しいと思います。」

少し、お互いの距離が近づきました。



******************************
●東日本大震災の活動
http://www.ican.or.jp/tohoku.html
●平成22年度外務大臣表彰受賞
http://blogs.yahoo.co.jp/ngo_ican/archive/2010/08/29
●スタッフ・インターン・ボランティア募集
http://www.ican.or.jp/
●「書き損じはがき」を大募集中しています。
感謝を伝えるブログ「いっしょにご飯をたべよう」★
http://blog.goo.ne.jp/atsumeyou
●路上の子どもが幸せに成長できるように、会員になっていただける方を募集しています。
http://www.ican.or.jp/street.html
●ご寄附の受付はこちらとなります。
(認定NPOのため、2,000円以上の寄付は税制優遇の対象となります。)
http://www.ican.or.jp/members.html
●その他、アイキャンに関する情報はアイキャンのHPへ
http://www.ican.or.jp/