ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

パヤタス一日体験学習のお知らせ

2008年11月25日 | ごみ処分場の子どもたち
まい@まにら。

マニラ事務所では、このたび会員になってくださった方に、パヤタス1日体験学習を企画しております。以下、お知らせです。

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NGO活動、ボランティア活動に関心のある方
フィリピンの人々の生活の現状にもっと触れてみたいという方
開発事業の現場に関心のある方
企業の社会貢献(CSR)に関心のある方へ


ICAN(アイキャン)では、1998年よりこのパヤタス地域で医療・生計向上の事業を行ってきました。現在、人びとの「がんばり」をともに支えていただくこの事業の会員を大募集しております。

6000円(約3000ペソ)の年会費で10歳以下の小児結核の子ども一人を完治させることができます。会員の方には年4回の会報をお届けいたします。

このたびパヤタス会員になっていただいた方、あるいはすでに会員の方を対象に、以下のとおりパヤタス1日研修を企画しております。地域の人びととの交流や、医療事業の視察、またCSRの取り組み紹介などを盛り込んでいます。是非、この機会にご参加ください。
より豊かな社会作りへ向けて、みなさまのサポート・コミットメントをお待ちしております。


日時:2008年12月6日(土)10時集合 3時半解散
集合・解散場所: スルーホテル ロビー(ケソン市)
活動内容: 診療活動見学、家庭訪問、地域のヘルスボランティアとの交流、フェアトレ商品の生産者グループとの交流、子どもたちとの交流(昼食付)


日時:2008年12月16日(火)10時集合 1時半解散
集合・解散場所: スルーホテル ロビー(ケソン市)
活動内容: 診療活動見学、家庭訪問、栄養改善活動に参加する母親との交流、フェアトレ商品の生産者グループとの交流 (昼食付)



参加申し込み、詳細についてのお問い合わせは、ICANマニラ事務所までご連絡ください。 
電話:02-433-8626(野村・森崎)
Eメール:manila-info@ican.or.jp


「自分」を意識化するワークショップ③ ~人生で一番怖いこと~

2008年11月18日 | ジェネラルサントスの子どもたち
まい@まにら

最後のアクティビティは、自分達が人生で一番怖いこと、恐れていること。もしくは、自分を最も脅しているもの」のシェアリングでした。自分がこれまで心の内にためていた「恐れ」を初めて他の人に打ち明けた子もいました。

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母親について

『人生で一番怖いのは母親です。母親からいつも学校が終わったら定時に帰宅するように言われていて、放課後に宿題やリサーチをしていても信じてもらえないの。お母さんが決めたことはすぐに従わないと怒られる上に、すぐに「早くオトコを作って結婚してしまうんじゃないか」と言われる。私は母からいつも言われている「早婚」なんて望んでもいないのに・・・』




『母親が一番怖い。夜遅くに帰宅するとよく叱られる。また、両親はしょっちゅうお金のことで喧嘩をしている。この前の夏休みには、家の修理をするための経費を稼ぐために僕が漁港で働くことになった。』

両親
『両親が怖いです。両親によってしょっちゅう体罰を与えられるから。両親の間で何か問題が起きても私が叩かれるの。ひどいときは私の存在が両親の人生に「不運」をもたらしていると言われるのよ。』

父親
『父親が怖い。言いつけにすぐに従わなければ叩かれるんだ・・・。』

『父親のきょうだいである伯母は、父親は仕事もないのに子どもが多いために、貧しいんだと怒っています。いつも食べるものに困っていて、おいしいものも食べられないと、しょっちゅういやみを言われます。

自分も父親がいないほうがいいと思う。仕事をしないだけでなく、タバコや酒も良く飲む上にしょっちゅう暴力を振るうの。そのせいで母親は病弱で無理をして働かないとしないといけない。

私も、自分達の生活の貧しさは父親にあると思うわ。貧しくて食べていけないのにきょうだいばかりが増えるの。(発表では話さなかったが、スタッフと講師にいとこからレイプにあったことを告白。父親に言ったがなにもしてくれなかったことが、実は父への怒りの最大要因となっている。)』

『パパが怖い。ある日、パパが他の女の人と浮気をしているところを見つけたの。パパは家に50ペソしか渡してないの。ママは毎日そのお金で家計をやりくりをしているのよ。私、怒りのあまりにパパを罵倒して、金づちで殴りかかったの。その後、パパへの嫌悪感と、暴力を振るってしまった自分自身に対する自己嫌悪のあまり、自分もお酒を飲むようになり、友達と夜遊びをするようになったの。

でも今はそのような行動に走ってしまった自分に後悔しているわ。どんなに許しがたい、悪い行いをしても、私にとってパパはパパなの。なにか家で問題が起きたときや助けが必要なときに、やはり一番頼りになるのは「パパ」でもあるし。

実際、私が病気になったときも薬を買ってきてくれて、看病をしてくれたのもパパだったわ。私自身、自分がパパに行ったことをどんなに後悔しても、未だにパパに面と向かって謝ることができないの。』

(彼女は発表中に号泣しており、聞いていた子ども達の中にも「何があっても家族はたった一つしかない家族なんだ」ということに気がついた子もいました。結局、ワークショップの後、彼女は迎えに来た父親と仲直りしました。)




きょうだい
『兄が怖い。怒るとすぐにきょうだいに対して暴力を振るう。僕もしょっちゅう怒られ、殴られる。』

その他
『自分達を育ててくれている母親がいなくなってしまうことが一番怖い。』

『愛している人がいなくなったり、死んだりすることが怖い。特に、お母さんは病気がちなので、早く死んでしまうのではないかと思うと怖い。』

『うちはクリスマスや正月、誕生日など家族の行事には、兄たちが家に帰省しみんなで集まるのだけど、酒が回ってくるとけんかが始まり、時には殴りあいにまで発展することがあるだ。一度、兄達が喧嘩をしているところで、止めに入った母までも殴られてしまい、体が弱い母はショックのあまり息ができなくなってしまったんだ。幸い一命をとりとめたけど、末っ子の自分はこのとき母親のために何かしてあげたかったが、何もしてあげることができなかった。』




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当たり前となっている毎日の生活。参加者たちはその中で傷ついたり、悲しんだりしたことを改めて言葉にして見つめなおしていました。このワークショップを通して、自分で解決への道を見つけた子もいます。シェアリングなどを通して自分や自分の抱える問題を意識化・表現することが彼・彼女たちの今後の一歩につながりますように。

「自分」を意識化するワークショップ ② ~自分はどんなところに住んでいる?~

2008年11月17日 | ジェネラルサントスの子どもたち
まい@まにら

前回のジェネラルサントスのICANキッズのワークショップの続きです。
2日目最初のアクティビティは、「自分の周りの環境、地域にいるのは誰?何?」というテーマでした。このアクティビティを通して、自分たちの住んでいる環境、コミュニティについて改めて意識化することを目的としています。

以下、子どもたちの発表内容をご紹介します。

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グループ1
紙の真ん中にモスクの絵です。モスクの右横にはトイレがあります。(参拝者は教会に入る前にトイレで身を清めるため) 左横にはカトリック教会を書きました。

犬にかまれた子どもが病院に運ばれている絵も書きました。病院ではたくさんの病人が治療を受けています。あと、学校の絵には、色んな種族の子どもたちの絵を書きました。この子どもたちは国旗の前に整列し、胸に片手を添えて国歌を歌っています。



グループ2
大きな病院と看護師の絵を書きました。医師と看護師が素晴らしい仕事をするところが病院です。また、医師、看護師は自分たちの憧れでもあり、病院は「安全な」場所の象徴でもあります。看護師は患者を診るのと同時に、医者の仕事を助けるとても素晴らしい職業だと思います。看護師さんはやさしく、寛大で、仕事をこなすためにとても熱心だと思います。看護師は緊急事態が発生したとき、私達を助けてくれ、患者にも善いと思ったことを行ってくれます。



グループ3
学校、教会、スーパーマーケット、病院、市場、木、太陽、車、会社(オフィス)の絵を書きました。会社は、大学を卒業した人、勉強を終えた人が働く場所です。また、このような人たちの仕事は体力的にきつい仕事ではなく、会社にはエアコンが効いています。スーパーマーケットでは、経済的に余裕がある人たちが日用品の買い物をしています。でも、私たち(ワークショップ参加者)の家庭のように貧しい人たちは必要な食物などは市場で買います。学校については、私立の学校は本や授業で使う機材なども全て揃っていますが、公立の学校では授業で使う機材、教材が足りていません。



グループ4
山、草原、田んぼ、農民、水源、ニッパハウス、モスクの絵です。イスラム教では顔を隠すことによって「潔白で美しい」とされるため、スカーフで顔を隠して目だけ出してモスクに参拝するムスリムの女性たちも描きました。



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このアクティビティでは、子どもたちの間でイスラム教徒に対する意見の相違が出てきました。ムスリムは怖いなどのイメージを持つ子どもに対して、実際にモスリムの友達がいる子ども達が「そんなことない。偏見だよ。」というやりとりもみられました。

両者とも、生活の近くにモスクがあったり、イスラム教徒の人が生活しているため、自分達とは違うイスラム教徒の生活習慣や様式など、とてもよく知っていました。



クリスマスにはフェアトレードな贈り物を

2008年11月13日 | フェアトレード
                            

11月に入り、日もずいぶんの短くなり、寒い冬が近づいてきているのを日に日に感じられるようになってきました。冬といえば、クリスマス!街ではイルミネーションの点灯も始まり、寒くても外に出て街を歩くのが楽しみな季節ですね。

さて、NPO法人ICAN(アイキャン)では今年もサンタくまとクリスマスカードの販売をします!ICANのパートナーであるSPNPのお母さんたちが作ったサンタくまと、京都を拠点に活動しているACCE(アクセス)というNGOがサポートしている生産者グループMASIKAP(マシカップ)の女性たちが作ったカードをセットで販売します。

サンタくまキーホルダー+クリスマスカード1枚で900円!!限定15セットです!
サンタくまは茶色か白色をお選びいただけます。クリスマスカードは何が届くか、お楽しみに!
各色数に限りがございますので、お早めにご購入下さい。

【購入方法】
ICANホームページのフェアトレードのページ下「製品注文表」より(http://www.ican.or.jp/fairtrade3.html)「注文商品」の欄に「クリスマスセット」とご記入の上、ご希望の色、個数を添えてご注文下さい。

大切な人へのクリスマスプレゼントに、フェアトレードの贈り物はいかがですか?あげる人、もらう人、そして作った人みんなを幸せにしてくれる、そんなプレゼントをしてみませんか?

みなさまのご注文お待ちしております。

こどもの心に宿る憎しみと平和。

2008年11月12日 | 紛争地の子どもたち
ゆきも@まにら

http://blog.goo.ne.jp/icanmanilaoffice

今年8月初旬、MOA-ADの締結の行き詰まりに発端した比政府軍とMILF(モロ・イスラム解放戦線)の交戦舞台となったダレンガウェン村での、一人のこどもの話をご紹介します。

(「なぜ、紛争が絶えないのか」についてのグループシェアリングの中で)

子ども:「ぼくらの仲間の中には、心の中に‘平和(PEACE)’が宿っていない人がいるんだ。'憎しみ‘が胸の中を支配しているんだと思う。



自分や自分の仲間と、劇的な経験の因果関係をこのように考えるなんて・・・。
この世に生を受けてわずか10数年ほどしか経たない子どもが発したこの言葉に、はっとしてしまいました。

ダレンガウェン村は今回の紛争再燃の影響で、住民のほとんどが、夜中に武力衝突から逃れるために、暗闇を這うようにして村を離れました。避難所生活でも空腹で心細い日々を生き、ようやく、家や畑、モスクや学校が荒らされた村に帰ってきたところです。

自分の村が、紛争地になったり、元紛争地になったり、人生のほぼ大半を暴力にさらされて生きてきた子どもたち。「平和が訪れるのを阻止しようとする奴らのせいでぼくらが辛い想いをさせられているんだ!」と怒りだけをぶつけてもいいはずなのに・・・。

子どもの中には、涙が溢れ出すのを必至でこらえる子、泣きじゃくって言葉が出てこなくなる子、悔しさのせいかこぶしを握り締めて赤くなったまま固まってしまう子がいました。

感情をある程度吐き出したあと、再び子どもたちは笑顔を取り戻し、仲間やスタッフやコミュニティの大人たちに、絵画のプレゼンテーションを行いました。その様子は次回ご紹介しますね。

ピキット・ダレンガウェン村 帰還民のこどもたちによる平和の再構築。

2008年11月11日 | 紛争地の子どもたち
ゆきも@まにら

先月から北コタバト州ピキットで行っている「紛争下の子どもたちによる平和スペースの再構築」は、紛争が子どもに与える心理的・物理的な負の影響を緩和させることを大きな目的としていますが、だからといって、「子ども=ただ無力な犠牲者」というわけでは決してありません。

先月11日から13日にダレンガウェン村で行われた活動で、13歳から17歳のグループは、「自分」の経験を、「自分たち」の経験に置き換えて理解を深め、紛争の解決策に向かって取り組める仲間を作りました。仲間は、宗教や部族ごとにより断絶されるものではなく、イスラム教やキリスト教、先住民族の土着の信仰をもつ子どもたちなど様々です。



参加者はまず、自分の経験を絵や身体や言葉で表現しながらグループでシェアリング(出来事や感情を共有すること)することで、「自分一人の経験だけではない」ことを実感します。子どもたちは、独自の経験を涙や笑いを交えて話し終えると、「なぜ今もなお紛争が終わらないのか。」「なにがそうさせているのか。」を疑問に思い、みんなで意見を出し合って、「子どもの自分たちにもできること」を考えます。

ダウェンガウェン村は、ピキットの南部の7集落の集合体のうちの1つです。この7集落は、2003年に平和宣言の式典を行い、軍部や地域の政治家、MILF、学校の先生や生徒、教育省などの関係者すべてが「この7集落内では、今後一切暴力行為が行われないように前者が一致団結して平和を守ろう!」と誓った地域です。

子どもたちのシェアリングの一部をご紹介します。



(なぜ、平和宣言後も武力衝突が続いているのか。)
子どもA:色々なことについて、誤解があるからだと思う。
子どもB:土地争いが原因だ。
子どもC:政府や、MILFの間で、そして、文化や言葉の相違によって、きっと誤解が生じてこじれているんだわ。
子どもD:それぞれの人間の基本的人権がなおざりにされているからだと思う。
子どもE:ムスリムの中には、自分たちがもともとミンダナオ島の所有者だって思ってる人もいるからね。

また子どもたちは、何度も行き詰まりながらも続いている政府とMILF間の和平交渉について、「和平交渉は、戦争を継続することとはイコールであってはならない」「平和のために兄弟のような関係を築くことだ」という意見を持ち、冷静に事の進捗と内容を観察していることが分かりました。

今回のピキットでの衝突では、避難所では、キリスト教、イスラム教徒が隔てられたスペースで生活を送っており、集落に帰還してもこれまで通り、tri-people(3つの人々という意味で、イスラム教徒・キリスト教徒・先住民族が共生する状態をさす)であった昔に戻ることは難しいのではないか、が関係者の間で大きな心配事でした。

しかし、子どもたちから出る、「unity(融合・団結)」という言葉を聞いてほっとしました。わたしたちが、子どもたちの言葉から学ぶべきことはたくさんあります。今後、子どもたちが、一緒に「できること」を持ち寄る仲間を増やして、暴力や非正義に口を閉ざさない大人になってほしいと強く望みながら、ICANとバライは活動を続けます。

ピキット帰還民の子どもたちによる平和の再構築活動はじまる。

2008年11月10日 | 紛争地の子どもたち
ゆきも@まにら

第1回アイキャン子ども議会では、ミンダナオ島北コタバト州ピキットからも3人の小学生が参加し、紛争下で生きる子どもたちを代表して、絵や歌、演劇を通してピキットでの経験を共有してくれました。

ピキットの子どもたちが、初めての首都マニラを経験し、31日に空港を後にしてから約10日も経たないうちに、9歳の子どもを含む6名の子どもたちがラガイェン村(同じくピキット)で殺される事件が起きています。運よく生き延びることが出来た子どもたちも、毎日学校に通ったり、友だちや兄弟姉妹と遊ぶという「子どもらしい生活」からは遠ざかってしまいます。

先の8月から続く政府軍とMILF(モロ・イスラム解放戦線)の間の戦闘で、北コタバト州だけで550名もの子どもが、途中で通学を断念している、とあります。集落での武力衝突が一旦落ち着いた後も、またいつ暴力が身にふりかかるか分からない恐怖や、通学を継続できるだけの衣食住がままならないなどの理由で、学校に戻って来られない子どもも多いのです。

(関連ニュース:MindaNews)
http://www.mindanews.com/index.php?option=com_content&task=view&id=5434&Itemid=190

現在ICANがピキットで行う「紛争下の子どもたちによる平和スペースの再構築」の事業では、特に戦闘がによる被害が大きかった集落出身の子どもたちが参加し、村への帰還後、再び安心して暮らせるコミュニティ作りの一歩を踏み出しました。以下は先月11日から13日までダレンガウェン村で行われた活動の様子です。

総勢300人以上の地域の子どもたちや大人が集まり、活動の準備や進行、ファシリテートも村のボランティアさんにより行われました。

0歳から6歳の学齢期に達していない子どもたちはボールや、スティック、カラフルなブロックなどの遊具で遊びます。恐怖心を抱かず自由に安全な場所で遊ぶことは、この年齢のこどもたちの健やかな発育には欠かせません。

戦闘からの避難、避難所での過酷な生活、村に戻ってきてからも、一日中泣きやまない子どもや、外に出られなくなってしまった子ども、大きな音を聞くとショックで固まってしまう子どもなど、紛争経験が乳幼児に与える影響は深刻なものです。まだ言葉を話せない年齢だからこそ、早い段階での心理的な応急処置が必要だといわれています。


【無心になってボールやスティックで遊ぶ子どもたち。安全管理は地域の大人たちや青少年が担当した。】


【一人で夢中になっている子どもも、ブロックを隣の子と交換したり、徐々に社会性を身につけていく。】

【外では少し年長のこどもたち7歳から12歳が元気に遊ぶ。】


【お父さんもこの日は一日中子どもと参加!】

明日は、13歳から17歳のグループの活動をご報告します。

ICAN子ども議会2008が無事終了 -届け!ちいさなこえ。 ぼくたちわたしたちの理想の世界へ。

2008年11月01日 | 子どもの参加
ゆきよ@まにら。

この月曜日10月27日からはじまった子ども議会が予定通りに29日、無事終了しました。テーマは、"Mga Munting Boses...Tungo sa Pangarap na Mundo" 「届け!ちいさなこえ。ぼくたちわたしたちの理想の世界へ」。マニラだけでなくブラカン、リサール、ミンダナオはジェネラルサントス、ピキットなどからも集まった30人の子どもたちが、自分を語り、コミュニティを語り、理想の世界を語りました。たった3日間だけだったのに、まるで昔からの友達だったかのように子どもたちは交流を深め、互いからパワーを得、励ましを得て、名残惜しそうに帰途へつきました。

「どうやって協力するか、団結するか教えてもらえてありがとう。たくさんの友達ができたことも感謝します。楽しかった。僕。」(ジェンサンのICAN奨学生。洗車で生計を助けている子ども)

「みんな僕たちを受け入れてくれてありがとう。またこんなアクティビティがあったらいいな。」(元路上にいた子ども。ブストスのICAN奨学生。)

子どもたちは最終日、「子ども宣言」を作成し、歌も2曲作詞作曲し、2つの絵も完成させました。これらも少しずつ報告していきたいと思います。今回の議会で、私たちは、ひとりひとりの子どもたちが本当に重い荷物を抱えていること、そして彼・彼女らは、その重みにも拘わらず強く生きようとしていること、そのために横のつながりが必要だということ、そして重い経験を抱えているからこそ、社会に向けて提言することができることを学びました。子どもたちの辛い体験に、ともに涙し、そして彼・彼女らの力のすばらしさに感動するばかりの3日間でした。

議会の翌日、ミンダナオの子どもたちはマニラ遠足を終え、昨日無事帰宅した報告が入りました。一番遠くのピキットの子どもは、乗り物酔いでぐったりしていたとのこと。ちょっと心配ですが、マニラに到着したときあまりの疲れに放心状態のようだった子が、翌日私に向かってけろりとした顔で「私たちを参加させてくれてありがとう!」と言っていたので、どんなに道中がつらかったとしても、今頃充実した思いでまわりにマニラでの議会体験を語っていてくれるだろうと思います。