ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

救援物資配布準備 ~オフィスにて~

2009年10月26日 | 路上の子どもたち
さえ@まにら

 災害発生後、日本とフィリピンの多くの方々から、衣類や文房具等の救援物資、そしてご寄付をお預かりしております。心より感謝しております。

 お預かりしました皆様からのカンパで、お米や魚の缶、インスタントラーメン等を大量に買うことができ、スタッフが事務所での仕分けと地域での配布を繰り返しています。


【お米は3キロ、魚の缶詰は6つ、麺は5つずつ仕分けをして行きます。】


【魚の缶詰】




【衣類も、平等に行き渡るように仕分けします。】




【最後に、衣類と食料を1家族分にまとめて袋詰めをして完成です。】

 厳しい状況に直面した時、人は敏感になりがちで、物資の配布は特に注意しておこなう必要があります。フィリピンでは、このような物資提供時に、被災者同士がケンカになったり、配給をしているNGOスタッフが刺殺されることも少なくありません。その為、物資を分けていく際も、「中立」「公平」というアイキャンの価値基準を何度も心に留めながら作業を行っています。

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物資、金銭のご寄付はこちらをご覧ください。
心より感謝いたします。
(認定NPOのため、5,000円以上の寄付は税制優遇の対象となります。)
http://www.ican.or.jp/disaster_in_manila09.html

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子どもたちの教育環境を向上させる「書き損じはがき」も募集中です。
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エコポイントをアイキャンに寄付することにより、「環境xフェアトレード」を盛り上げることができます。
*詳細:エコポイントカタログ⇒「環境活動を行っている団体への寄附」⇒「 b.リサイクル廃棄物対策」⇒「K35アイキャン」へ

その他、アイキャンに関する情報はアイキャンのHPへ
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水害の後にレプトスピラ病 

2009年10月24日 | ごみ処分場の子どもたち
ゆきよ@まにら

 アイキャンが現在JICA草の根事業を行っているパヤタスごみ処分場では、台風の発生時大洪水は起きたものの、直截的被害は最小限で納まっているとみられていました。しかし、最初の台風から1ヶ月弱が経った現在、被害が拡大してきています。

 パヤタスでは現在水害が原因でレプトスピラ病という細菌感染症が発生しており、先日また1人が亡くなりました。この男性は、当日屋根に取り残された近所の子どもたちの救助にあたっており、汚染されたごみ処分場の川の中で溺れている人を助けたときに、水を飲んでしまったそうです。29歳の男性は、二人の子どもを残してこの世を去りました。

 この病気は、ねずみなどの排泄物が口や傷口を通して体内に入ることによって発症する病気で、高熱、発疹、目の充血、黄疸、嘔吐などの症状があり、肝臓、腎臓、脳に障害を起こし死にいたることも少なくありません。フィリピンでは、都会の洪水の際に発生することは珍しくない病気でもあります。日本では家でねずみを見かけることは滅多にありませんが、フィリピンでは日常茶飯事にねずみが家や事務所の部屋の隅を走っています。先週だけでもマニラ首都圏の病院でレプトスピラ病で亡くなった人の数は、通常の十倍に膨れ上がっています。

 また相次いだ台風で100世帯ほどが避難をしたほか、水害により家財道具を失った家庭も出てきています。アイキャンでは、パヤタスでも通常の保健・医療活動を強化して、アウトリーチ(センター外診療)を地区内の被災者に対して行っているほか、救援物資の提供を行っています。






【水はこの家の1階の天井のところまできました。】

以下、住民の声です。

 「水が屋根まで来たあの日、私も溺れそうになりました。私たちはみんな近所の人たちと一緒に屋根の上をつたって、助け合いながら泳いで逃げました。教会に辿りついてようやくそこで寝ることができました。」

 「あの日、朝にはすでに腰まで水が上がってきていました。それでもこここまでひどいことになるとは思わなかったです。その後、背の高さよりもずっと上まで水が来て、私たちは屋根にあがって助けを待ちました。ご飯もずっと食べられませんでした。小学校に避難して食事できたのは、夜中でした。家財が水に流されて、たくさんなくなってしまいました。家族が欠けることなくみんな命が助かり、本当によかったです。」

「私の家は、つぎはぎだらけの壁なので、家のものはみんな流されたり、濡れたりして、使い物にならなくなってしまいました。テレビや子どもたちの教科書もです。夜には教会に避難して寝ましたが、みんな持ち物をほとんど失ってしまって、悲しい気持ちでした。」

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パヤタスゴミ処分場周辺に生きる子どもの健やかな成長を応援してください。
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~被災地バゴンシラガン村~食糧配給活動

2009年10月19日 | 路上の子どもたち


バゴンシラガンについて(前回のブログ

 バランガイ・バゴンシラガンで、川沿いに住む洪水被災住民150世帯への食糧救援物資の配給を行いました。この日は大雨にも関わらず、お昼頃から住民や地域の教会ボランティアチーム約250名ほどが教会に集まりました。







 まずは、災害直後からの調査を通して作成した「被災家庭リスト」を元に、150世帯の世帯主一人一人に、番号札を配っていきます。教会のメンバーもそうではない人も、この地域の出身でみんな顔見知りです。教会の方からのお話があったあと、食糧パックの配給です。

 番号札の順に各世帯主が前に出てきて、リストに受け取りを認める署名を記します。もちろん妊婦さんや高齢の方が優先です。













 会場となったこの教会は、アイキャンの会計総務担当スタッフが毎週日曜日に通う教会でもあります。

 この台風による洪水で、彼の家も、屋根まですっぽり泥水に沈み、着替えや家財道具などの生活用品一切を一瞬にして失った「被災者」の一人です。それ以来彼は、電気も水もない中で、腰まで泥に浸かりながら、朝と夜は自宅で家財道具を整理し、昼は仕事をほとんど休みなく通常通りこなし、休日には地域の被災地域の救援活動に参加し汗を流してきました。





 彼の被災のひどさに私自身はショックだったのですが、彼が暗い顔をしていたのは当日だけで、翌日からは短パンとサンダルで事務所に現れ、笑顔でいつもの鼻歌を歌いながら会計業務に向き合っていました。彼は日本人の私よりも細かく生真面目でなのですが、それでもやはりフィリピン人。芯の強さと人生の苦難を「悲劇」としない姿勢には脱帽です。

 配給中、彼のところに、配給されたお米の袋に穴があいてしまったおばちゃんがやってきました。彼はその袋を2重にしてあげながら、「ダメになったモノはまた長い時間かけて取り戻す事が出来る。生きてこそいればね。」と声をかけていました。私はその時の彼とそのおばあちゃんの笑顔が忘れられません。

 アイキャンのスタッフも何人も被災しました。でもそれを「この世の終わり」とふさぎ込み、笑顔を失った人は誰ひとりとしていませんでした。地域で救援物資の配給に列を作る住民と同じ被害を経験しながらも、NGOスタッフとして、それ以前に人間としてすべきことをして、その中に喜びを見出しているスタッフとともに働けて、とても幸せに思いました。

 バゴンシラガン村でこの日までに亡くなられた方59名、行方不明者は100名以上のまま、捜索活動は打ち切られました。改めて、災害で命を落とされた方々のご冥福をお祈りいたします。

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~被災地バゴンシラガン村~

2009年10月15日 | 路上の子どもたち
ゆきも@まにら

台風16号の発生から約3週間近くたった今も、被災地の住民は元の生活を取り戻すために、必死です。アイキャンは多くの皆様からのご寄附をもとに、マニラ各地で緊急支援物資の提供をおこなっており、その1つのケソン市バゴンシラガン町の様子をお伝えいたします。


【泥水がなかなか引かない住宅地】


【屋根まで水に浸かったのよ、と手で示してくれる。】


【岸に立つ木にはごみがぶら下がったまま。水位の高さを物語っている。】


【このブロックでできた家は屋根まですっぽりと水に浸かった。】

人々は、坂の上から流れてくる水と、川が溢れて下からあがってくる泥流がぶつかる所で、濁流に巻き込まれ一旦身動きが取れなくなりました。とにかく水の少ない場所に向けて脱出をと、男たちはハンマーを持ちブロック塀を崩しフェンスに穴を開け、母親や子どもたちを一人一人救出しました。




【フェンスを破って逃げた後も残っている。】

この川沿い一帯の家々は、この42年ぶりと言われる洪水により、泥流に一瞬にして飲み込まれました。徐々に水が引き始めると同時に、逃げ遅れた人々の遺体が次々と流れ着きました。ここでは、30人近い方が亡くなり、この町の集会所に隣接するバスケットボール場が、遺体安置所と避難所を兼ねています。



現在、台風16号に続いてやってきた17号の影響で、各政府機関の活動はルソン島北部(パンガシナンやバギオ市等)に移行しつつあります。このため、マニラ首都圏では活動が途絶えかけており、このような状況だからこそ、長年マニラに事務所を構えるNGOとして、マニラ各地のNGOや住民組織、教会に協力して活動する必要があると感じています。

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強制立ち退き

2009年10月12日 | 路上の子どもたち
さえ@まにら

 橋の下で生活していたときも、被災後も、人々は同じ問題に直面しています。

 被災前、橋の下で生活していた約60の家族は、常につきまとう「強制立ち退き」の危機に対して、住民組織をつくり、政府と粘り強く交渉してきました。マリお母さん(仮名)は、この組織の副代表をしています。

 ICANのお母さんたちへのセッション(路上の子どもたちの親に対する生計向上の活動)が中盤まで差し掛かったころ、マリお母さんがとても疲れた様子でやってきました。話を聞くと、「すぐにでも政府による立ち退きが行われる」という情報を得たと、私に泣きながら話してくれました。「もしかしたら、今日の夜かもしれないし、明日かもしれない。」

 近く幼い子どもを含め家族がみな住む場所が奪われるという恐怖は、計り知れません。立ち退きにあった場合には、強制的にルソン島の南、マニラから半日かけて移動しなければならない所に再定住地が与えられるとのことでした。そこでは、仕事もなく、ただ土地が与えられるだけで、とても生きては行けないでしょう。

 住民にとっての頼みの綱は、今暮す場所からすぐ近くの教会が土地を提供してくれるという話です。多くの住民はその場所に移ることを希望していますが、そのためには1家族10,000ペソ(約20,000円)を用意しなければなりません。1日の収入が、50ペソ~150ペソ(約100円~300円)の住民にとって、とても大きな額です。

 ICANのセッション後、緊急に住民集会が行われました。マリお母さんは、今の状況を説明し、みなに再度結束を求めました。みんなの前では、涙は見せません。むしろ、みなをまとめる迫力に、私は圧倒されてしまいました。最後に「がんばろう!」とみなで声を合わせ、ともにに協力しあうことを約束して集会は終わりました。

 しかし、具体的な解決策は見出せないままです。





【台風直後より、大分家らしくなりました。】

 台風という自然の力により家を奪われ、今度は人の手によって住む場所を奪われようとしています。

 「危険な場所」だから「立ち退き」をする。それはもっともな理由かもしれません。では、「危険」から「誰を」まもるために、「立ち退き」をするのでしょうか。

 車がビュンビュン走る道路の中央分離帯で誰が生活をしたいと思うでしょう。その危険は、住民が身を持って知っています。幼い子どもたちが1歩でも家からでれば交通事故にあいかねない道路です。お母さんたちは、子どもから一時も目が離せずいっぱいいっぱいになっています。

 それでも、強制的に遠く離れた再定住地に連れて行かれることを断固として拒否する住民を前に、私は「住民」を「危険」からまもるために、最後まで自分ができることは何かを、考えざるを得ませんでした。

 Relocation of Poverty、問題を首都の中央から山奥の人目に付かないところに移すだけでは、人々が、そして現代社会が直面する解決策にはなりません。

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マリお母さん ~洪水前、橋の下での生活~

2009年10月08日 | 路上の子どもたち
さえ@まにら

 マリお母さんは、16歳で田舎から出てきて、マニラでの暮しを始めました。高校卒業後、大学で助産師の勉強を1年間しました。結婚し夫の実家で暮していましたが、家庭内のいざこざから、知り合いの暮す橋の下に移り住み、そこから約20年間の橋の下での生活が始まりました。また、最初に結婚した夫から家庭内暴力を受け、離婚。3人の子どもたちは、夫の実家で育てられることになり、離れて生活することになってしまいました。

 マリお母さんは、橋の下でいろいろな境遇の子どもたちを家に住まわせ育ててきました。本当の3人の子どもにしてあげられなかったことを、養子として育ててきた子どもたちにしてきたのだと言います。そのチャンスを神様からもらい、そして、それが今の私の幸せですと。

 また、助産の勉強も少ししていたので、橋の下で、赤ちゃんをとり上げるのもマリお母さんの役でした。この前のお産でも、夜の12時を過ぎていたので、私がやるしかないと思って、急いでカミソリとアルコールと買ってきたと話してくれました。そして最後に、「私は、どんなに苦しいことがあっても、ここで私を求める人と一緒にいます。」と話をしてくれました。

【橋の下に暮す子どもたち】




 いつもいろいろな人たちが自然と集まってくるマリお母さんの暖かい雰囲気に、私もいつもついつい横に座ってしまいます。そして、改めてお母さんの話しを聞き、どんなに苦しい時でも少しずつ前に進み、経済的に決して恵まれているとは言えない状況で、様々な状況の子どもたちを自分の子どものように育て守ってきた様に、ただただ頭が下がる思いでした。

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マリお母さん ~洪水、その時~

2009年10月07日 | 路上の子どもたち
さえ@まにら

洪水の時、いったんみんなを橋の上に避難させてから、もう一度家に戻ると一気に水かさが増えていて、もう家に戻っちゃ危険だと思った。家財道具が一気に流された時、すごく悲しくて、それから私の娘(養子として育ててきた子17歳)の姿が見えなくて、もう全てが終わりだと思って大泣きした。でも娘は、ちょっと出かけているだけだったの。本当にほっとしたわ。

洪水の時は、服もすべて流されてしまって、着ている服もびしょ濡れ。下着も濡れてしまって、一日中濡れたままだったわ。ICANが配ってくれた服を、少し大きい短パンだったけど、腰を縛って履いたわ。大きかったけど、それだって、ありがたかった。

今思い出しても、怖くて悲しくて、朝早く目が覚めて、泣く事もあるわ。でも、子どもたちが「お母さん、泣いていても仕方ないでしょ。受け入れるしかないでしょ」と言うの。と、マリお母さん(仮名)は、洪水の事を話してくれました。

【洪水の前】


【洪水の後、上の写真と同じ場所です】


ここで言う、子どもたちというのは、マリお母さんの本当の子どもたちではありません。マリお母さんは、橋の下で生活しながら、いろいろな境遇の子どもたちを住まわせ、自分の子どもとして育ててきました。「今まで、何人の子どもたちを育ててきたの?」と聞くと、子どもたちと一緒に「数えられないくらいたくさんだわ・・」と困った顔をします。「お米を一度に炊くと、6キロになることもあったの」と。その17歳の娘は、本当の両親が置いていってしまい、15年間橋の下で育てられてきました。そして、他のマリお母さんが息子のように育ててきた男性と結婚し、今3ヶ月の赤ちゃんがいます。

今は、マリお母さんと子どもたちそして孫たちも、中央分離帯に小屋を建てて暮しています。それでも、「みんなの無事を神様に感謝し、生きているうちは、前に進むしかないわ」と話してくれました。

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台風による被害 ICANの対応③

2009年10月05日 | 路上の子どもたち
さえ@まにら

 アイキャンのフェアトレード商品で作っているエコバッグは、ターポリンというビニール素材から作られています。ターポリンは、フィリピンや日本で横断幕として使われ、汚れに強く破れにくい素材です。

 *数か月前に山の手線電車内テレビでパナソニック株式会社様に取り上げていただいた時の映像
http://panasonic.jp/eco/train/
http://ch.panasonic.co.jp/index.html?contents=01715

 このターポリンを扱っている会社SPP株式会社(フィリピン法人)様より、ターポリンのご寄付を頂きました。台風で被災し、家がなくなってしまった家族は、現在、どこにも行くところがなく、中央分離帯のスペースに簡易の小屋を立てて、過ごしています。その小屋で屋根や壁として使えるようにと、ご寄付をいただきました。

SPP株式会社
http://www.ican.or.jp/csr.html













 今は、とりあえず雨風から身を守るスペースを確保することが大切ですが、これから「住宅」が一番の問題となってきます。マニラで被災された方の多くは川沿いに住んでおり、またそこに住む権利を持たない人々です。これらの人々が、再度川沿いに家を建てて住むことは再び危険が伴いますし、何より多くの被災者はトラウマのように今回の災害をとらえています。同時に、政府が現在もっている再定住地先は、もともと住んでいた場所から数時間かかり、そこには仕事がありません。またもちろん再定住に際して、毎月費用も必要になってきます。すべてを失った人が払うことは不可能です。大都市災害の難しい問題です。

 今回、被災した人々に対して、たくさんの方からお見舞いの言葉を頂き、とても心強く思っております。ICANは、たくさんの方に支えられ、その名の通り、ひとりひとりの「できること(ICAN)」を集めて、成り立っている団体だと改めて感じさせられます。皆様の気持ちを事業地をへときちんと届けていきます。

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台風による被害 ICANの対応②

2009年10月03日 | 路上の子どもたち


炊き出しを行うため、できるだけ多くの野菜やお肉などの材料を買い揃え、キッチン器具は、オフィスのものをかき集めて被災地に向かいます。

ICANのスタッフはマニラだけで7ヶ所で活動しているので、スタッフだけで大量の炊き出しをできるわけではありません。常日頃から人間関係ができているお母さんたちが自然と集まり、一緒に作り始めます。

コンロもここで使えるのでは、オフィスから持って行った電気コンロ1つだけ。これでは、時間も掛かりすぎてしまいます。キッチン器具だって、すべて洪水で流されてしまいました。でも、大丈夫です。なければ持っている人がどこからともなく現われ、貸してくれます。今までもずっとそうやって、人々は助けあいながら生きてきました。

災害の緊急支援と言うと、外から来た人が「被災者」に「与える」といったイメージがあるかもしれませんが、そのような活動はその瞬間で必ず終わります。既存の文化とか助け合いの習慣とか、そういうそこにあるものの上に活動することが、復興、そしてそのあと人々が自身の力で生活を良くしていくことにつながります。

結局1つだったコンロは、4つにまで増え、いつの間にか、その他の調理道具も整っていきます。


 
洪水後、道の端っこで石や薪を燃やして調理をしているお母さん達。みんなでたくさんの料理を作ることさえも、楽しんでくれているようでした。

もちろん子どもや家を失い悲しくないわけはありません。でも、このようにどんな状況でも希望を見失うことなく、たくましく生きていく力を人々は持っています。私たちの食料や衣服の提供、教育や保健医療の活動、収入を向上させる活動、そのすべてはこの「人々の力」の上にあり、「人々の力」を引き出すためにあるのだと、改めて実感します。「緊急支援」は、そのような力を考慮しない免罪符とはなりません。

Go to the People
http://blogs.yahoo.co.jp/icanmanilaoffice/32709198.html



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ご寄附の募集

2009年10月02日 | 路上の子どもたち
フィリピンでは新たな台風も近付いており、国家災害事態宣言が出されました。一部報道によると、新たに400人の死者が出る可能性もあるとのことです。

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn/20091002/20091002-00000063-jnn-int.html

マニラの被災地での活動、及び被害にあっている路上の子どもたちの活動に対して、物資、金銭でのご寄付を募っております。すでにご寄付をいただいている皆様に心より感謝するとともに、少しでも構いませんので、ご協力をお願いさせてください。よろしくお願いいたします。

HPの右上より今回のご寄附募集のページに進むことができます。
http://www.ican.or.jp/

【お振込先】
1、郵便振替
  NPO法人ICAN 00850-6-78233
2、三菱東京UFJ銀行 
  (旧UFJ、店番:221) 名古屋駅前支店 普通 
  2361021 特定非営利活動法人アジア日本相互交流センター

【重要】
1、緊急支援(食糧提供等)のみに使用希望の場合
  通信欄への記載、又は事務局に「2009年マニラ災害」とご連絡ください。
2、緊急支援を含むマニラの路上の子ども事業全体に使用希望の場合
  通信欄への記載、又は事務局に「路上の子ども」とご連絡ください。
3、緊急支援を含むアイキャン全体に使用希望の場合
  通信欄への記載、又は事務局に「一般寄付」とご連絡ください。
 *銀行への振り込みの場合、通信欄がございませんので、ご連絡をお願いいたします。

【マニラでの寄付】
マニラでは上記の現金寄付に加え、以下の物資寄付を受け付けております。
    服、及び日用品全般
 *日本では物資寄付は輸送コストと輸送時間の問題から、受け付けておりません。

【問合先】
アイキャン日本事務局
1、電話番号:052-908-9314
2、メールアドレス:info@ican.or.jp(@を半角にしてください。)
 *マニラでの寄付もこちらにお問い合わせをお願いします。

寄付をしてくださった方には、活動の様子や子どものこえがいっぱい詰まったアイキャンの会報「こどものこえ」をお送りさせていただきます。

追悼

2009年10月01日 | 路上の子どもたち
さえ@まにら

 今回の土砂崩れで亡くなった子どもの1人、マイケル(仮名)は11歳の男の子でした。2つ年上のお兄ちゃんと今2才になる妹と、お母さん、そしてジープニーなどへの乗り物にお客さんを呼び込む仕事をするお父さんの5人で橋の下に暮していました。

 いつもICANのセッションに積極的に参加し、時にはイタズラもするけど、やさしい子でした。印象に残っているのは、路上教育のセッションの中で「100万ペソ(約200万円)あったら、何が欲しい?」と質問した時の答えです。

 マイケルは、「家族に家と車を買いたい。それから、もうお腹がすいたって思わなくていいように、たくさんの食べ物も家族のために買いたい」と答えていました。

 洪水のあった27日、マイケルは川のすぐ横にある、ジープニーやバスなどの乗り物を待つ場所、屋根がついており、コンクリートで固められた停留所で寝ていました。そこで寝ていたのは、亡くなった子ども2人を含めて、9人です。夜中の12時半ごろ、停留所横の木が倒れ、その停留所を巻き込み、川へと土砂崩れを起こしました。9人のうち、7人が一緒に川へと落ちましたが、5人は自力で上がることができました。しかし、亡くなったもう1人の子ジュンジュン(12歳)は川の中で、さらに体に岩と土砂が被さってしまいました。みんなで、助け出しますが、岩の下から助け出した時には、残念ながらすでに亡くなっていました。手を上げている格好で見つかり、「自分はここにいる!」と助けを呼んでいるようだったと言います。

 マイケルは、岩と砂、木材などが被さり、その時点では、発見されませんでした。28日の朝8時ごろ、マイケルのお父さんが彼を探していました。土砂が崩れているところを手で撫でるように少し土を払うと、そこに彼の手が見えました。お父さんは胸が裂けるような思いで、マイケルを直視することが出来ず、助けを求めに橋に上がったとのことです。



【解説:洪水前、ICANが実施しているTULAY PROJECT(トゥライプロジェクト)の一環で、子どもたちが自分の住んでいる地域を絵にし、紹介するというセッションをした時のものです。橋の下には、今はもうなくなってしまった多くの家、そして、橋を渡ったところ(右)には、マイケルがその日寝ていた停留所が描かれています。停留所は、大雨の中、橋の下にいるという選択肢がなくなった子どもたちにとって、限られた雨を避ける場所の一つでした。ここが崩壊しました。】

 子どもたちの最後を伝えることは、子どもたちの成長や嬉しかった事を伝えるのとは反対で、とても苦しい作業です。ですが、日本のみなさんにマイケルとジュンジュンのことを伝えることは、彼らの死を無駄にしないために、今私が出来ること、私がしなければならないことなのだと思っています。


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