よかよか写真&カメラ

 撮影できて良かった写真・楽しいカメラ達を記録していきたいと
思います。

ニコンF4S ズームニッコールED 50~300mmF4.5S

2013-06-04 22:27:51 | マイ カメラ ニコン

 ニコンF4S ズームニッコールED 50~300mmF4.5S


 歴代ニコンフィルム一眼レフのフラッグシップの中で、もっともマニュアルフォーカスレンズに相性が良いといわれるF4です。
オートフォーカス機なのにマニュアルレンズのほうが使い勝手が良いといわれるのも妙な話ですが、Aisレンズでもマルチパターンで
測光できるのはAF機ではF4だけなんですね。AFスピードはもちろん継機のF5やF6にはかないませんが。

F4発売時私はちょうどカメラ屋さんで働いていました。当時は「ついにプロ用ヒトケタにも本格AF機登場!」ということで
お祭りさわぎでした。最初のころはモノがなく、ステイタス性に希少性も加わってまさに日本一の光を放っていました。

製造はF4Sが優先したのか、ノーマルのF4が待っても待っても入荷せずF4をあきらめてF4Sを買っていったお客さん。
特典のペーパークラフトに大喜びしていたおじいさん。知らないうちにグリップの形状が変わっていてお客さんに
「おたくの展示品は旧型だね~。」と笑われたこと。純正の速写?ケースがあまりにも巨大でマクラみたいだったこと。

○クザの若い衆が泣きそうな顔で「キズがついとるやないかい!どないしてくれるんじゃ!」と怒鳴り込んできて、
よくよくみるとパワースイッチに1ミリぐらいのスリキズがあり、「ああ、これですか」「これですかやあるかいや!」
「購入いただいて間なしなので交換しますよ」と言うと「お、おう。そうしてくれ」と心底ほっとした表情になったこと。
親分さんのカメラに誤ってキズでもつけてしまったのでしょうか(^^)?

まさしくあんなことこんなことあったでしょう♪なカメラでした。ただ、ニコンのヒトケタ機は当時は値段も値段なので
ぜんぜん萌えず、「大きくて重くてたいしたものじゃわい」という感想しかありませんでした。

ところが先日いつものジャンクめぐりをしていたところ、「ジャンク不動580円」で棚にでていたのです!。
「このF4みせてくださいっ」
「あ~、こちら動かないんですよね」

さわらせてもらうと25000番台の中期以降のシリアルで、梨地 の艶消し塗装もしっかり残っています。
ファインダーにはアイカップもついていてそれだけでも元はとれるとふみました(^^)。
裏蓋を開けてもフィルム圧板にスレもなく前オーナーはアマチュアユーザーに間違いなさそうです。
念のために、においもかいでみましたが潮っぽくもなく、水没品でもなさそうです。

「動かないけど良いですか?」
「良いです良いです。こんなのが好きなので♪」

店員さんの「こいつはなんでこんなものを買うんじゃろう?」のまなざしを感じつつ
るんるんでカメラ屋さんをあとにしました。

 家に帰ってもしやと思って電池を入れてみましたが・・・もちろん動きません。
F4Sは電池の入れ方が難しいのでもしや店員さんがどんくさくて電池を入れそこなっただけでは?
と期待したのですが大アマだったようです(^^;)。

こんなときにはニコンの修理エキスパートであるキートスさんにおすがりするしかありません。
さっそく送ってみてもらいました。二週間ほどしてキートスさんから見積もりの値段の電話です。

「え~おそくなってすいません。なんとかメドがついたのですが・・・」
「はいい。」
「巻き上げのパワートランジスターという部品を交換しますので・・あとオーバーホールしますので」
「じぇじぇ~。そんなにかかりますか!」
「部品代がけっこうしますので」
「これも縁ですから修理お願いします!」
「そ、そうですか。それではとりかからせていただきます」

キートスさんは見積もりを出した時点で拒否られると思っていらしたようですが、カメラおたくを標榜する私としては
「修理不能」ならともかく、せっかくメーカーでさえメンテナンスを放棄したF4がオーバーホールしてもらえるのですから
こんな素晴らしいことはありません。なにしろ20年落ちの超電子カメラなのですから(^^)神様仏様キートス様ですね。
値段は圧倒的にFのときよりも高かったですけれど(^^;)。


ニコンF4S ズームニッコールED 50~300mmF4.5S 1/250 開放 ベルビア100

 走っているフネが撮りたくてズームレンズにお世話になる機会が増えてきてしまいました。
単焦点派の私はどうしても歪曲が気になったりもするのですが、50mm~300mmのズームながら
どの焦点距離でも開放値F4.5固定というのはマニュアルで撮影する私には嬉しいスペックです。

またいかにも「EDニッコール!」という解像感あふれる描写は鉄でできたフネの質感描写にはピッタリです。
などといいつつフネ待ちのヒマな時間にクラゲさんなど撮ってしまいました(^^)。
アカクラゲらしいのですがけっこう能動的に泳いでいます。こんなのに海水浴中に追いかけられたら
間違いなくパニックですね。

なかなかに素晴らしいレンズですが、1,950gという重量や2.5mという最短撮影距離は
普段使いには無理があります。さらに50mm~100mmぐらいの間ではファインダーでピントが
全部合っているように見えるのに、F4のフォーカスエイドの合焦シグナルがピコピコ点いたり消えたりして
あまり精神衛生上良くありません。やはりこのレンズは無限大で使う海が好きレンズになりそうです(^^;)。