よかよか写真&カメラ

 撮影できて良かった写真・楽しいカメラ達を記録していきたいと
思います。

ズイコー21mmF2

2012-12-23 23:24:20 | オリンパス交換レンズでワンダフル

 ズイコー21mmF2


 かつてOMシステムが全盛のころは広角レンズが非常に充実していました。
21mm・24mm・28mm・35mmまでボディにマッチする小型軽量のF2.8~3.5クラスの
通常タイプとF2で統一された大口径タイプが両方ラインナップされていました。

OMのすごいところはフィルター径の統一と小口径化に執念を燃やしていたところで
通常タイプはΦ49mmでF2シリーズはΦ55mmです。この21mmF2も55mmフィルターですごいこだわりです。
28mmにいたってはF2も49mmだったりします。ケンコーやマルミさんのようなフィルター屋さんには
嫌われてしまいそうですがユーザーにとってはありがたいおはなしですね(^^)。

21mmでF2というハイスピードレンズでしかも小型軽量ですから(たったの250g!)パワーウエイトレシオ的にも
OMボディとのマッチングも最強です。こういうメーカーのイメージリーダー的レンズは持ってるだけで嬉しくなってしまいます。
ので、持っているだけで満足してしまい旅に持参してもなかなか使わずあいかわらず40mmでほとんど撮影してしまいます(^^;)。

じっさいこの21mmF2は「使いこなしの難しいレンズ」と定評があります。カメラ雑誌でもいろいろな
人がそう書いてますからその通りといえばその通りですが、普通に撮影するぶんにはファインダーも明るく
ピントの切れも良いので別に使い方が難しいわけではありません(^^)。
21mmの超広角の画角を生かし、なおかつF2の明るさや被写界深度の浅さを利用した絵造りが難しいというわけです。


 OM-1N ズイコー21mmF2 開放 1秒 ベルビア50

 どれだけ難しいかと思って撮影を始めましたが・・やっぱり難しいです(^^;)。
だいたい21mmという広角ですから「狭い空間をあまさず写しこむ」か「広い空間をダイナミックに強調する」
のが定番なのですが、それを「F2の開放のボケや浅い被写界深度を生かす」となると
私にとっては逆立ちしてラーメンを食べるがごときです。

まあ、もともと広角が得意でないのでさっさとあきらめて普通に写るんです感覚で使うことにします。
なんだか彼女とデートをするために2シータースポーツカーを無理して買ったのに車を買ったとたん
振られてしまったのを思いだしてしまいました。
それならOM40にでも装着してプログラムで撮影するのが一番有意義かもしれませんね(^^)。

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ズイコーマクロ50mmF2

2012-12-14 22:15:05 | オリンパス交換レンズでワンダフル
 
 ズイコーマクロ50mmF2


 OMシステムはオリンパスが顕微鏡屋さんなこともあり、マクロフォトグループが充実しています。
顕微鏡アダプタやTTLダイレクト測光を生かしたリングフラッシュ・オートエクステンションチューブなど・・・。
が、そんなマクロ専用システムを駆使して写真撮影をしているのはほんの一部の研究者やネイチャーフォトグラファー
の方だけでほとんどの人はマクロレンズだけで済ましてしまうのではないでしょうか(^^)?

ズイコーの中でも名玉の誉れ高いマクロ50mmF2です。学生時代当時勤めていたバイト先のカメラ屋さんの中古コーナーに
出ていました。そこの中古コーナーは「安く買い取りして安く販売する」がコンセプトだったので
良い出物があると目ざとい常連さんはもちろんのこと、店のスタッフまでが速攻で買ってしまうので争奪戦になるのです。

当時すでにOMの標準レンズは40mmを持っていたのですが・・40mmの最短距離30cm開放で
撮影すると周辺落ちとリングボケでつらい描写ですから接写できるマクロレンズが欲しいと思っていました。
マクロ50mmがピカピカの状態で鎮座ましている姿をみるともはや猶予はなりません。
社員さんに頼みこんで大急ぎでキープしてしまいました。こういうことがあると
「カメラ屋さんで働いていてよかったなあ。」としみじみ思うのでした(^^)ゞ。

さっそくボディに付けてみるとレンズがどかんと太くボディからはみだしてしまいます。三脚につければ
ピントリングが雲台のベースにひっかかってピント合わせができなくなったりするのがご愛嬌です。
ただファットな鏡胴は伊達ではなく、ピント合わせが軽くキレも良くピシピシきまります。
普通フォーカシングは艦砲射撃みたいに「遠3→近2→峡弾→命中!」という感じなのですが
キレが素晴らしいのでいきなり「テーッ!初弾命中!」という鋭いレンズです。


 OM-1N ズイコーマクロ50mmF2 開放 1/30 ベルビア50

 ズイコーの中でも見事な解像度をほこるレンズでF2からバシバシに使えます。
最近コシナのマクロプラナーF2が登場するまで唯一F2の明るさを持つ50mmマクロだったのはすごいですね。
F2という明るさですからOMにはあんまり似合わないものの普通のレンズとして使っても全然問題ありません。
本業のマクロ域は当然ですが、無限大も補正機構がばっちり働いてきちんと描写します。

色目はちょっと赤みが強いのですが先に解像度で目にきゅんときますのでかえって彩度アップになり
かえって好印象です。
マクロ撮影時はボケ味が気になりますが、ズイコーに多いコロッケのじゃがいもみたいな
どよっとしたボケではなくズミクロン的な立体感を残したボケをしてくれます。
標準マクロではもちろん最強玉ですが切り口こそちがうもののOMレンズ内でも最高の部類でしょう。

先述の40mmを酷評した反動か絶賛モードになってしまいましたが・・でも私はふだん40mmを使ってしまうんですよね。
なにしろ40mmのほうが軽くて小さくて便利なもので(^^)ゞ・・。


 
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オリンパスOM-1N ズイコー40mmF2

2012-12-02 08:29:28 | マイ カメラ オリンパス

 オリンパスOM-1N ズイコー40mmF2

 
 私がまだ大学生だったころのことです。バイト先の店長さんが天文ファンで天文撮影の
話をよく聞かせてくれました。1986年に来た前回のハレーすい星のときには南半球まで
行って撮影されたツワモノです。そのときに撮影されたハレー彗星や南十字星の写真は
初めてみたこともあり、写し取られた星たちの姿に素晴らしく感動してしまいました。

「すごいですね~。どうやったらこんな写真が撮れるんですか?」
「星を点に撮影するには赤道儀がいるけど、固定撮影なら三脚にカメラつけてバルブに
してシャッターひらいたら撮れるで。ちょうど50mmでオリオン座がきれいに入るよ」
「あ、そんなに簡単なんですか?」
「そのかわり街中では電燈の光でかぶるから、暗い夜空のとこに行かんとあかんで。
あとバルブ使うからメカニカルシャッターのボディがええなあ。」
「なるほどなるほど」

当時写真に興味をもちはじめたばかりの私はOM-10を使っていました。電子シャッターの
フタケタ機ですから機械シャッターのヒトケタ機たるOM-1なら購入の理由付けとしては十分です。
ちょうど心斎橋の大丸で中古カメラフェアをやっていたので行ってみることにしました。

おめあてのOM-1もたくさんでています。でもOM-1でも新型のOM-1Nが巻き上げレバーが
ゴム巻きになって指に優しいのは知っていましたのでOM-1Nをさがしました。
やっとこさ2台のボディを見つけました。片方はピカピカで27,000円。もう一台はのほうは接眼レンズにキズがあるのと
アクセサリーシューが少し傷んでいるので25,000円でした。
当時貧乏学生だった私は迷うことなく25,000円のほうにしました(^^)ゞ。


OMで重いなどと言ってはいけないのですが、プラスチッキーなOM-10と比べると真鍮のOM-1はずしりと重く感じ、いかにも
「ヒトケタOM」感があって頼もしく感じたのを思いだします。実際に触ってみるとなんとなくたよんない表示の露出計も
なかなかシビアな反応をしてくれて、ぽよぽよした動きのメーターもマニュアル露出の楽しさを味あわせてくれます。
シャッターダイヤルをマウント基部に追いやって鎮座している感度設定ダイヤルはちょっと菊の花みたいで
デザイン的にはOM-2のタイプのほうが好みだなあ。

OM-1がすごいと思うのはボディが小さいのにファインダー倍率が0.92倍と大きいかったり
巻き上げレバーなども大きいところで、特に一番すごいのは巻き戻しレバーがほかのどのカメラよりも大きく
やりやすいところです。巻き戻しレバーが大きく使いやすいところなど設計者の米谷さんがいかに普段から
撮影をこなしてフィルム巻き上げを迅速確実にやりたいかを考えていて具現したのかをうかがえて嬉しいですね(^^)。
私はOM-1の巻き戻しレバーが数あるカメラの中でも一番好きです。

ただ、小さいボディに1000mmでもミラー切れしないというどかんと大きなミラーボックスを
ねじこんでいるのはまことにすごいのですが、ミノルタみたいにしゃくりあげにしてないためにフランジバックが
46mmもあって他社の一眼レフとくらべると内面反射的に弱いようです。とくに浮遊物が多くて光が暴れる
五月ごろの「快晴やけどなんか白っぽいお天気と光やなあ」というときは要注意です。
ズイコーレンズはボディに合わせて小型軽量がウリなのでフードをつけないほうが小さくてカッコイイのですが
フードはぜひつけましょう。


 オリンパスOM-1N ズイコー40mmF2 1/125 F4 ベルビア50

 久しぶりに40mmでスナップです。画角がちょうど私にはぴったりで使いやすくて使いやすくて手放せないレンズです。
外国のかたが被写体だと作品的に見えるでしょ(^^)?

昭和も最後の年だったでしょうか。それまでOM-10を買ったときについていた35~70mm一本だけでがんばっていた
のですがボディが二台となるともう一本標準レンズがないとなにかと不自由です。ただズームのF3.5~4.5という
ファインダーの暗さにも辟易していたので今度は明るい単焦点にしようときめていました。
当時から今までカメラの師匠の友人に当時も相談したのでした。
「今度標準レンズを買おうと思うんやけどどれがええやろ?」
「あ~オリンパスやね。やっぱり1.4かな。マクロて手もあるけど。」
「うーん。明るいのがええからマクロはF3.5やし・・1.4は高いねえ。」
「ほんなら40mmにしたら?ズイコーは40があるで。」
「40mm?それがええのん?」
「そうそう。ズイコーは40があるねん。うらやましい。」
「はあ。そうですか。」

友人はミノルタを使っていて40mmという画角がないのを残念がっているようです。
当時私はまったくのカメラ初心者でしたので40mmと50mmの違いさえまったくわからなかったのですが
カタログをみるとズイコーのラインナップの中でも50mmF1.8に次ぐ安さです。
「安いからこれがいいかな?今度店に行ったら聞いてみよう。」

ちょうどカメラ屋さんにアルバイトに行っていたときなのでオリンパスから来ていたヘルパーさんに尋ねてみました。
「こんど40mmを買おうと思っているんですがどうでしょう?」
「お、40mmですか。しぶいところ言いますね~。良いと思いますよ。」
どこが良いのかは教えてもらえませんでしたがとりあえず買ってしまっても大丈夫のようです(^^)。
お店の専務さんにお願いして定価の3割引きで購入することができました。

初めてボディに付けたときのファインダーの明るさは目にキラキラとまぶしく、いままでズームでピントを合わせるときは70mm側
で合わせて35mmに戻したりしていたことを考えるとピントのキレもよろしくフォーカスが楽しいです。

当時のOMカメラボディに同梱されていたレンズパンフレットには
「F2の明るさを実現するために、対象レンズにもかかわらず6群6枚構成というまったく新しいレンズ設計を採用。
そのうち4枚に高屈折率低分散ガラスを使用しています。像面湾曲が少なく、かつコントラストの高い描写性能を
示します。最近接撮影距離は、このクラスとしては画期的な30cmを達成。」と書かれています。
おお、まさに「性能は高く値段は安い」素晴らしいレンズのようです!

大喜びでそれからはなんでもかんでも40mmで撮影していました。ところがあるときポジを見て気づきました。
たまたま100mmレンズに換えて撮影したコマと色もコントラストもぜんぜん違います!。
当時はベルビアが発売されて間なしのころでしたがベルビアの解像度と発色の強さが私の眼にも
レンズによる描写の差をわからせてくれたのでした(^^;)。

よくよくみると100mmF2.8と比べて明らかに
・コントラストが低く
・線が太く
・ペタッとした発色
なのです。そうやって見出すとどんどん気になりだしました。それまで40mmで撮ったプリントを改めて見直すと
・喜んで最短30cmで撮影した背景はドハデに二線ボケ
・F2開放で撮影したコマは周辺落ちまくりの画面すみ流れまくり
・ズームもびっくりのたるたる収差

ああ、なぜ気づいてしまったのでしょう?この世の中には知らないで良いこともあるのに(TT)・・・。

でも、それからいままでもここぞというときは私のOMボディにはやはり40mmがついています。レンズの描写性能よりも
何が写っているかのほうが大事です。そうなればOMボディにはこの40mmが絶対的にマッチングベストの
レンズなのでした。結局私がOMで撮る写真の95パーセントは40mmのままです。

設計者の米谷さんもかつてアサヒカメラのインタビューで「思い入れのあるレンズ」としてあげられていて、
「社内の反対を押し切ってまでつくらせたレンズ」とおっしゃっていました。高価なガラスを4枚も使ったから
コスト的に見合わないと反対されたのでしょうか?昨今の理不尽なプレミアムな中古価格も少しは妥当性があるのかも
しれませんね。

でも今になって考えてみるとレンズパンフレットにやたら能書きを書いていたのは実は微妙な描写性能ということを
あいまいにしてしまうことをねらったのでは・・などとと勘ぐってしまうのでした(^^)。







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