よかよか写真&カメラ

 撮影できて良かった写真・楽しいカメラ達を記録していきたいと
思います。

EBC Xフジノン100mmF2.8

2013-12-14 23:37:09 | フジノン交換レンズでワンダフル

 EBC Xフジノン100mmF2.8


 中古のカメラには「デッドストック」という不思議なジャンルがあります。
良く言えば奇跡的に発見された貴重な新品在庫、悪くいえば売れ残り不良在庫です。
カメラの箱はそこそこ小さいですから積み重ねができるうえに、昔のフィルムカメラは少しぐらい古くなっても
デジカメみたいに市場価値が暴落てのはあんまりなかったのでしょう、けっこう古~いカメラやレンズが棚ズレして
生き残っていることも珍しくないのですね(^^)。

今回なんとその「デッドストック」のXマウントフジノン100mmF2.8をゲトしてしまいました(^^)ゞ。
なにしろ一応は「新品」なのですが、実際モノは30年も前の製造なのですから中身がカビカビでないか不安でした。
普段から「未使用新品」や「デッドストック」ものが大好きな友人が購入のたびに
「またなんちゃって新品や~」とか、「未使用ちゅうのは出品者が未使用なだけの中古やった~!」などと
叫んでいるのを聞いているので現物が到着するまではドキドキでした。

幸い到着したレンズは前玉が少しく汚れていたものの、軽く磨くと「EBCコーティング」のほどこされた
フジノンレンズが30年の眠りから目覚めました!前縁をせっせと拭きすぎてせっかくのEBCFUJINONの
ロゴが薄くなってきたのには焦りましたが(^^;)。


 フジカSTX-1 100mmF2.8 1/60 F4 ベルビア50

 フジの誇る「EBC:エクストラ・ビーム・コーティング」を試すべくいつもの明石海峡の夕陽を狙ってみました。
明石海峡大橋の細部って真面目に見たことがなかったのですが橋は二本ずつのワイヤーで吊ってあったんですね。
さすがはEBCコーティングです。夕陽でもびくともしない解像感です(^^)。
 

 フジカSTX-1 100mmF2.8 1/60 F5.6 ベルビア50

 EBCコーティングう!とフジノンレンズの広告には必ず謳われているのでどんなに美しいコーティングかと
思っていたのですが、ごくごく普通の地味なアンバーのコーティングでした。ツァイスやロッコールのような
静謐な泉の奥をのぞき見るような美しいヒスイ色・・・を期待していたのですが(^^;)。

描写力はすばらしく、何よりベルビア50のようなクセの強いフィルムを見事に手なずけています。
これがツァイスならうそくそ・・あわわ、ビビッドなイメージカラーで記憶をつきぬけた発色になるところですが
紅葉の美しさもほぼ見た目どおりに撮影できました。さすがはフジフィルム&フジカレンズの純正組み合わせですね(^^)。

 

 フジカSTX-1 100mmF2.8 1/250 開放 ベルビア50 

 中望遠ですから開放からの描写もばっちりです。冬毛のニャンコのあたたかそうな質感がよく撮れました。
ボケ味もなかなかの感じで二線にもならずロッコールなみにボカして使ってみたくなりますね。

想像以上のヒット率で私の100mmコレクションの中でも上位に位置するレンズです。
ひょっとしたらフジクロームを使う限りは最強かもですね(^^)。
コメント (5)
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エルマー50mm F2.8

2013-12-01 00:12:59 | ライカ交換レンズでワンダフル

エルマー50mm F2.8


 いまさらながらですが、ライカ様がえらいのは大正時代からの歴史の記録者としての実績というところでしょう。
そして標準レンズエルマー様の高性能がその位置を不動のものにしたのだと思います。

戦前から桑原甲子雄さんが2.26事件戒厳令下の皇居前を撮影されていたり
木村伊兵衛さんも海軍ポスター用の陸奥を撮ったり・・・。
歴史上有名な写真もエルマーで撮影されたものが無数にあるであろうことは、よりエルマーを使う楽しさを倍増してくれます。

今回はそのエルマーの中でも新しい?タイプのF2.8のバージョンです。
エルマーの特徴であるレンズのすぐ後ろにある絞りが目をひきますが、なんと16枚もの羽が!
見かけはまったくゲゲゲの鬼太郎の目玉親父ですねえ(^^)。

5枚や6枚の絞り羽でも充分仕事はできるのになんともすごいこだわりです。
ほとんどパラノイアな真円へのこだわりですが、エルマーというレンズのキャラクターからして
少し絞った時のボケ味云々・・ではない気がしますけどね(^^;)。


 ライカM3 エルマー50mm F2.8 開放 1/30 ベルビア50 

 まずは「エルマーの開放描写」をみたくてがんばって撮影してみました。なかなか油絵みたいな不思議な写真になりました。
ピントは真ん中の枝で合わせてます。実際見た目はもっと暗く、本来よりオーバー目の露出のはずなんですけど・・・
普通の露出になっちゃいました。これがうわさのエルマーマジックでなのでしょうか(^^)。



 ライカM3 エルマー50mm F2.8 F11 1/60 ベルビア50 

 開放でもへもふした描写はクラシックライカレンズの定番で、いくらでも紹介されていますので
絞り込んでパンフォーカス狙いの撮影もしてみました。もともとテッサータイプですから被写界深度は深いのです。
手前の岩から海峡を通過する自動車運搬船までを写しこんでやろうという欲張り構図です(^^;)。



 私はあまり部分拡大してほにゃらら・・と言うのは好きではないのですが、今回はエルマー様を讃えたくて
記事にしてみます。真ん中の自動車運搬船をスキャン取り込みの原寸表示してみました。
なんとフネの横に書かれた「WALLENIUS WILHELMSEN」の字が読めちゃいますね!。
明石海峡大橋の上のワイヤーや照明も解像してるであります(^^)。

これがピントは無限大ではなく手前の岩に合わせての結果ですから、エルマー様の被写界深度の深さと解像感が
いかに素晴らしいかがわかろうというものです。エルマーの作例は、開放でのもへもふした街撮りなんかが多いのですが
風景写真や山岳写真にも素敵な描写をしてくれそうですね。

かつてのライカのコンセプトであった「小さなネガから大きなプリント」を実現するための
初期のエルマーには引き伸ばしレンズとしての用途も加味されていたことも考えると絞り羽の多さや
まったく省略感のない描写にも納得です。道具としての素晴らしい完成度を持つエルマー様にはぜひこれからも
活躍し続けていただかねばなりませんね(^^)。
コメント (2)
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