草紅葉
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別れ際に
きみが見せた表情は
わたしの知る
どんな顔とも違ってた
淡淡とした哀しみが
金色の光を放つ
それは
去ってゆくものだけが持ってる輝き
・・・・
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野に広がる紅葉
秋も深まると
山の木々の紅葉が
野や里に下りてきます
同じころ
田の土手や畦などの草も
いっせいに色づいて
靴で踏むのも惜しいほど美しくなります
それが「草紅葉」「草の錦」といわれます
でも その美しさもほんのひとときで
霜が下りるととたんに枯れて
みすぼらしくなってしまうのが草紅葉のはかなさでしょう
紅葉する草の中でも
ほうき草は変わっていて
夏は緑色の細い茎を
秋になると濃いピンクになります
名前の通り
茎は乾かして箒にし
実は「とんぶり」といって
畑のキャビアといわれるほどおいしいものです