その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

野山の錦

2007年11月12日 | Weblog

 

野山の錦

 

***

 

君から届いた手紙の文字は

 

鳶の翼のつややかな色

 

何気ない言葉を綴る

 

便箋に

 

楓の葉を一枚

 

挟んで

 

そっちは今年も

 

紅葉なんだね

 

その優しさも

 

変わっていないね

・・・

 

***

 

 

野山の錦

秋も半ばを過ぎると

木々の葉の色が 

緑から燃えるような赤や黄色に変わってきます

秋の紅葉は昔から

春の桜と同じくらい

待ちわびる存在でした

したがって

紅葉(もみじ)をさす言葉も多く

「野山の錦」もそうですが

うっすらと色づいて来たのは

「薄紅葉」

夕方のもやの中にかすむのは

「夕紅葉」

照り映えているのは

「照葉(てりは)」

銀杏などが黄色くなるのを

「黄葉(もみじ)」

ほかにも「山紅葉」「谷紅葉」「庭紅葉」

樹木の名を入れて

「柿紅葉」「桜紅葉」「蔦紅葉」などなど

山が紅葉に彩られることを

「山粧う(やまよそう)」といいます

秋の一時期

燃えるような赤や黄色の錦の衣を

まとった山を見ると

まるで山が自分を

美しく粧っているかのようだという意味で

宋代の画人郭熈(かくき)の「山水訓」にある

「秋山明浄にして粧ふがごとし」から来た言葉です