山茶花(さざんか)
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小春日和の散歩は気持ちよい
空を見上げたきみが
つぶやいた
天の川が壊れてゆく
えっ?
その指差すほうを見上げると
あれはねぇえ~と
言いかけてやめた
きみの見ている夢を
壊さないために
ほらぁあ~
あそこに花が・・
山茶花よ
きれいだね・・がハモッた
どうして
山茶花って言うの
ほらっ来た・・
きみの質問攻撃の
始まりだ・・
・・・
***
優しさの秘密
山茶花(さざんか)
漢字そのまま読めば
「さんさか」なのに「さざんか」?
これは 倒置現象と呼ばれるものです
「新しい」は
もともと
「あらたしい」でした
「舌鼓」は「したつづみ」と
間違えやすいですね
言いにくい言葉は変わってゆくのです
山茶花(さざんか)の場合
もうひとつ間違いが重なっています
中国では 山茶がつばき
茶梅がさざんかだったのです
いつのまにか山茶が
さざんかになってしまったのです
たしかに
椿とよく似ています
椿は 花ごと
ぽとりと落ちるのに対して
山茶花は
花びらが一枚ずつ
はらりはらりと散ってゆきます
椿が凛とした印象を与えるのに対して
山茶花が優しい印象なのは
散り際の違いなのかもしれません