記憶情報は歪曲される
記憶力とは話が反対の方向を向くことになりますが、ここで、記憶情報の歪曲の話をしておきます。
D.シャクターによると、それには次の5種類があるとされています。
○調和的歪曲
現在の自分の考えや感情と調和するように変ってしまう。
○変化歪曲
自分が変化した方向にふさわしいように変ってしまう。
○後智恵歪曲
結果がわかってしまった今にふさわしいように過去の記憶情 報が変ってしまう。
○利己的歪曲
自分に都合のいいように変ってしまう。
○ステレオタイプ的歪曲
世間一般の考えに合わせて変わってしまう。
たとえば、目撃者証言で発生する記憶の歪曲は、犯人がわかってしまったことによる「後智恵歪曲」のリスクがつきまといます。
夫婦間の言った言わないは、「利己的歪曲」のぶつかりあいになります。
その他の例については、自分で考えてみてください。
ここで、注意してほしいことがあります。
それは、「変わってしまう」という表現です。自分から意識的に変えるのではなく、いろいろの情報に触れているうちに、意識せずに、このような歪曲が起こってしまうのです。
こうした記憶情報の困った「歪曲」は、しかし、次に述べるような記憶情報の変容が持っているプラス面によって補われることになります。
ここにも柿ピー置いてあります。←歪曲なし