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税金泥棒 早大松本教授

2006年08月06日 05時52分25秒 | 堪忍袋

 『毎日新聞』8月2日付コラム 「発信箱」 「業界の常識」 
 元村有希子氏
 《 科学には驚くような発見が潜んでいるが、別の意味でも驚かされることもある。早稲田大学の松本和子教授の論文を調べていた同僚が、ある発見をした。98年と99年に彼女が書いた文章が「ほとんど同じだ」いうのである。98年の文章は某学会の機関誌に掲載された、研究内容を紹介した「総説」。そして99年、ほぼ同じ内容を「論文」として同じ学会の学術誌に投稿していた。題名こそ違うが、構成から「てにおは」にいたるまで、9割方は同じ文章だった。
 驚いて学会に確かめたら「それはよくあること」という。2本とも論文なら二重投稿で問題だが今回は違う。しかも論文で大切なのは「中身」であり、表現が過去のものと同じでも関係ないという。 
 私は賛同しかねる。同じ題材でも、切り口や表現をそのつど考えるのが常識ではないのか。 
 「捏造・改ざん・剽窃(盗用)」、これらは論文の不正行為の代表格だ。発覚すると研究生命にかかわる。
 クローン研究で捏造論文を発表した黄禹錫(ファン ウ ソン)・ソウル大元教授は、公的研究費の詐欺罪に問われた。 
 賢い研究者は、不正がいけないことぐらいわかっているだろう。ただ学問の徒としての倫理観を、日本の大学ではきちんと教えているか。 
 別の大学で論文不正が起きた。大学の対応は悪くなかったが、責任者が学内に配った「不正行為を戒める」文書を入手したら、大部分は、
私が以前書いた同じ趣旨の記事の引き写しだった。いや、文末の「である」が「です」に直されていた。研究以前の問題だと思う。》

 ここでは研究費の不正流用について元村氏は触れていないが、学者、研究者としての姿勢、倫理観を問うている。学問の世界がこれほど退廃しているとは。

 松本和子教授による研究費の不正受給と流用は、 国から支給された約3億6000万円の研究費のうち1472万円を不正に受け取っていたのだ。 そのうち900万円は投資信託で運用していたという。
このお金はすべて税金です。
 最初から私的に流用する意図があり、虚偽の理由などを提示して獲得したのなら詐欺、いったん振り込まれたカネを後に私的に流用したなら横領です。
...
松本 和子 ( まつもと かずこ ) 氏. 1977 年, 東京 大学 理学 系 研究科 化学 専攻 博士 課程 中退 理学博士 東京 大学 理学部 助手. 1984 年, 早稲田 大学 理 工学部 助教授. 1989 年, 早稲田 大学 理 工学部 教授 。すごい経歴です。こういう人を勝ち組と言うんでしょうか。

 国の方針が、大学に対し、成果主義を持ち込んだ。大学の研究に性急に成果を求めるということをやりはじめた。
 時流に乗ったはやりの研究には金をつぎ込む。それを「研究者」は私用に用いる。末世である。
 研究というものは、20年、30年というスパンで見なければまともなことはできないのではないか。そして、基礎研究の学者に対して金をケチる。おそらくは学生も集まらない。

 かくて日本の学問は衰退の一途をたどる。


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