『毎日新聞』9月20日 コラム「経済観測」
《 小泉首相の退陣と合わせるかのように政府の月例経済報告からデフレの三文字が消えた。航海に例えると日本丸はデフレという低気圧で荒れた海をやっと乗り切ったと言えよう。しかし多くの乗客は安堵するより新しい進行方向が不透明でいらだちをおぼえている。
5年間にわたる小泉内閣による改革路線の点検はさまざまな方向で行われているがこと経済政策に関する限り、功罪は次の2点に絞られよう。
プラス面は①「国債発行30兆円」の公約を掲げ(結果的には守れなかったが)借金財政の悪化を防いだ。②公共事業の拡大による景気対策を放棄した。の2点。マイナス面は①所得格差の拡大②地方交付税、各種補助金などの削減による地方財政の弱体化ーーの2点である。
このように見てくると、新首相はプラス面を継承しながらマイナス面を是正していけば良い。ところが次期首相が確定的と言われる安倍晋三官房長官の発言を聞くと、とてもその方向に向かっているとは思えない。
例えば、格差是正策としてニート、フリーターの職業訓練など打ち出しているが、ごく小さな措置に過ぎない。本来行うべき税制の改革を通じた所得分配については全く論じられていない。消費税についても逃げの姿勢が目立っている。また、地方対策としては整備新幹線の着工や旧来型の公共投資の拡大などをにおわせている。
これを延長していくとどうなるか。国民の多くが切実な問題として捕らえている格差是正は形だけのものに終わり、小泉改革でプラス面と評価された財政再建への厳しさが緩み、再び財政出動による景気対策が実施されかねない。日本丸が元の海に逆行することを意味する。考えただけでぞっとする。 (邦) 》
小泉の「改革路線」というものの「プラス面」として揚げられている部分が、評価に耐える得るものかどうか私にはわからない。庶民にとっては「改革」はすべて「改悪」というふうにしかうつらない。
大企業は空前の利益を上げている。
株式を転がしてあぶく銭を儲ける人間を勝ち組とし、毎日労働に汗を流し、家族仲良くつつましく暮らすということが軽んぜられる風潮が定着した.。これにはマスコミが大きな役割をはたした。
全く経済には疎いが、デフレの状態がなくなると私たちはどうなるのだろう。金利ゼロで、なけなしの退職金や預金を我慢して使わずにきたけれど、今度、インフレになると目減りすることになるのではないかと心配するばかり。
しかし、どんな政府を選択するかは私たちの権利としてまだ生きている。これが教育基本法を変え、憲法を変えると危うくなる。
つきなみだけど、1票をどう使うか、で決まる。
もちろん場所はこのブログでもOKです。
彼にはこんな噂もあります。
http://blogs.yahoo.co.jp/super_dice130/1690621.html