三流読書人

毎日の新聞 書物 など主に活字メディアを読んだ感想意見など書いておきたい

ドングリ小屋住人 

春の七草

2007年01月07日 11時06分03秒 | 教育 
 七種(七草)
 
 七草や似つかぬ草も打まじり     松藤夏山
 
 五指をもて七草の菜の七数え     木内彰志

 おもひ出はあたたかに古り七日粥   石原舟月

 今年も七草粥を食べることが出来ました。といっても、七草すべてをとってきてというわけではありません。
 新撰俳句歳時記(明治書院)によると、「正月七日の粥に七草菜、すなわち芹、薺(なずな)、五行(母子草)はこべら、仏の座、すずな(唐菜)、すずしろ(大根)の七草を入れて祝う風習は万病を除くとされて全国に普及している。この日を七種(七草)といい、またこの行事を七草と呼んでいる。地方によっては雑炊であり、雑煮にするところもあり、二薺といって芹と薺の二種の菜を用いるところもある。東北ではたらの芽を入れる。」とある。
 青菜であれば何でもいいんでしょう。今日は配偶者が暗い畑で何種類か摘んできて雑炊でした。優しい食べものです。
 

度胸

2007年01月06日 20時23分53秒 | 教育 

『毎日新聞』1月6日付 コラム「発信箱」 
 「度胸」 渡辺 悟氏(論説室) 

 度胸
 主要120社アンケート(4日)を読んだ。多くの企業が07年も景気回復基調は続くとみているものの、好業績を雇用拡大や賃上げに結びつける動きは弱いという。
 それで後藤清一・三洋電機相談役(故人)に聞いた松下幸之助さんの思い出が浮かんだ。後藤さんは創業間もないころから26年松下さんに仕えた。聞いたのは次のような話だ。
 「おまえ自分で商売したがってるんと違うかと大将に聞かれたので、いいやと答えると、おまえの目は独立したがっている。けどな、自分の財布から給料を払う度胸があるか。それがなければ独立なんか出来へんでと言われてな」
 あの神様にして給料を払うには度胸が必要だったのかと妙に感心したものだが、むろん松下さんの度胸は「給料」にとどまらなかった。産業界のトップを切って週休2日を実施したのは1964年代。さらに65歳定年を目指す熟年ライフプランを打ち出し、ついには週休3日社会を夢見る。発想の中心に人間があり、社会があり、そこから経営が編み出された。
 120社アンケートからは過剰な雇用、設備、負債に苦しんできた企業がなお慎重に構えている姿が浮かび上がる。理解できるが、なんとももどかしい。業績回復と引き替えに多くの非正規労働者が生まれ、生きるのがやっとのいわゆるワーキングプアが層をなし始めた。個々の企業が社会の矛盾と無縁であり得ない以上「新卒採用を増やす」22%、「賃金水準を改善する」17%はいかにもさみし過ぎないか。
 もう一段の度胸、を期待したい。

 申し訳ないが、またも「発信箱}の拝借である。
 このコラムの表現は控えめであるし、「松下電器」の労務管理、労務政策をもろ手をあげて賛成することはできない。が、渡辺氏がいうように「発想の中心に人間があり、社会があり」というところに強く引かれる。
 今の政府、大企業の労働法制改悪の企みや、労働者に対する処遇をみるとき、人間も社会もなく、労働者はかねもうけの道具にすぎず、社会全体をも搾取の対象としか見ていないようだ。
 我々は闘う手段を持っている。憲法に保障されている。それを機能させなければならない。
 そこに憲法を変えたい人間たちとの闘いがある。。

※主要120社アンケート…07年の日本経済の見通しを探るため、『毎日新聞』が昨年末に国内主要企業120社を対象にアンケートを実施した。 

 


「見られる」日本人

2007年01月05日 11時08分40秒 | 教育 
『毎日新聞』1月4日付 コラム『発信箱』 飯田和郎(中国総局)

【 発信箱「見られる日本人」
 
 関西国際空港に到着した北京発の中国国際航空便。
 道中一緒だった30人の中国人ツアー客も降り立った。入国審査に向かうエスカレーター前で、中国人添乗員が彼らに声ををかける。
 「右側にたち、左側を空けましょう」。機内でのあのやかましさはどこへやら、神妙に聴き入る顔が並ぶ。
 入国審査でも添乗員は呼びかける。「1人ずつ順番に。待つ間はラインを越えてはいけません」。一時帰国で遭遇した光景である。
 すっかりお金持ちになった中国人は今やどんどん外国へ出かける。東南アジアに飽きれば、日本観光を目指す。
 もっとも、海外での行儀の悪さが彼らの行動に足かせをはめる。中国紙によると、他の外国人客に迷惑になると中国人専用の食堂を設けたホテルや、機内部品を持ち帰らないようにと中国語のアナウンスを繰り返す外国航空会社もある。
 日中関係の好転も後押ししてか、中国で日本はマナー先進国として見習うべき存在になった。大げさに言えば、日本は学習の場であり、彼らは国家のイメージを背負い、やってくる。
 くだんの添乗員はベルトコンベヤーで回る託送荷物を指して言った。「どのスーツケースも、持ち主が運びやすいように取っ手を外向きに載せているでしょ。これも気配りなのです」。一行がうなずいた。
 税関検査を抜ければ、彼らはいよいよ日本を体験する。増え続ける中国の団体さんに今年、街中で数多く出会うはずだ。手本にされる日本人のマナーはどうだろう。「見られること」に敏感でいたいと思う。  】

 昨日(1月4日)の「発信箱」である。
 ごく最近までは日本人もそうであった(今も、か)。発展途上国へ行くと、横柄になるし、欧米へ行けば卑屈になるといった光景はよく見られた。交流を通して何を学ぶかは、形式ではなく心だろう。


具体化し始めた労働法制改悪

2006年12月28日 14時16分38秒 | 教育 
 残業代払たれへんで
 労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)労働条件分科会は27日、労働側委員が強く反対するにもかかわらず、残業代なしで何時間でも働かせる「ホワイトカラーエグゼンプション」」(労働時間規制の除外)の導入など、労働法制の大改悪をもりこんだ労働時間と労働契約に関する報告をまとめ、柳沢伯夫厚労相に答申した。これを受けて厚労省は、来年の通常国会に労働法改悪法案の提出を企んでいる。
 その他労働法制の改悪は、労働時間規制除外制度「管理職一歩手前」の労働者、政省令で定めるとしているが、日経連は年収400万円を主張している。
 「裁量労働制」(あらかじめ決めた時間だけ働いたとみなす制度)は対象業務の拡大(中小企業の場合)や労基署にだす労働時間の定期報告の廃止。新たにつくる労働契約法では賃下げなど労働条件の切り下げを就業規則できると規定。労働者が反対しても企業に都合の良い契約を多しつけられることになる。
 一方、労働側が求めていた長時間労働是正のための時間外労働割増賃金の引き上げは、一定時間を超える場合にのみ限定。パートなど有期雇用労働者の正社員化
や均等待遇はもりこまれず。
 
 教育基本法の改悪は子どもを競争主義に追いやり「愛国心」をたたき込まれ、卒業すれば不安定雇用、長時間労働、低賃金などで奴隷的労働の現場がまっている。やがては日本国憲法を改悪し、戦争をする国へ。
 
 殺されるのは誰か。


冬景色

2006年12月21日 16時27分47秒 | 教育 

冬景色    作詞作曲不詳 文部省唱歌(今は何というのか)

さ霧消ゆる湊江の
舟に白し、朝の霜。
ただ水鳥の声はして
いまだ覚めず、岸の家。

烏啼きて木に高く、
人は畑に麦を踏む。
げに小春日ののどけしや。
かえり咲の花も見ゆ。

嵐吹きて雲は落ち、
時雨降りて日は暮れぬ。
若し燈火の漏れ来ずば、
それと分かじ、野辺の里。


 何という美しい言葉、冬のイメージ、だろうと思って、載せたくて、
 写真に撮れる風景を探しますが、ありません。
 雪国ならずともそれなりに冬景色はあったと思うのですが。


懲りない和歌山県民

2006年12月19日 10時30分08秒 | 教育 
  

  懲りない和歌山県民
 和歌山県民はまたも自民党、公明党推薦の天下り官僚を知事として選んだ。
 全く懲りない県民である。
 自民・公明と200の団体の推薦を受けていたそうだ。
 過去の知事の選出と全く同じパターンを踏襲してのことである。
 和歌山県民の、利権・たかり・談合を容認する体質は変わらない。
 県民性というようなものがあるのか。
 知事が代わっても、県民が代わらなければ良くなるはずもない。
 絶望的なようでもある。
 しかし、過去最低となった投票率35.1%のなかで、
 共産党推薦、市民団体代表候補泉氏が得票数をのばしている。 
 仁坂吉伸  195719
 泉 敏孝   90680
 この差大きいと見るか。
 市民団体「つくる会」代表候補としては過去最高という。
 和歌山県民目覚め始めたかも知れない。



    

子どもを取り戻す

2006年12月17日 17時02分52秒 | 教育 
 昨夜は悔しくて眠れない夜を過ごした人も多かったでしょう。
 教育基本法を投げ捨て、「改悪教育基本法」を成立させた政府与党は、これから日本の子どもたちをどう育てようとしているのか。
 というようなことを思うより、我々国民は、子どもたちを一切国に預けてはならない。
 教育条件の整備のみ厳しく要求し続けよう。
 我々は有権者である。そのことを忘れてはならない。
 この一連の教育基本法改悪の動きと新しい法律は国際的な批判に耐えうるのか。
 例えば、フィンランドは、日本の教育基本法(本来の)に学び、日本に追いつき、追い越し、子どもたちの学力は世界一となった。
 重ね重ね訴えたい。我々は有権者である。
 日本の子どもたちが壊され、教育が壊され、日本が崩壊して行く。
 座視できるか。
 現場の教師とスクラム組んで、まともに育てよう。



 

愛国心 哀国心?

2006年12月10日 09時17分00秒 | 教育 
12月9日付『毎日新聞』 コラム「発信箱」より 松井宏員氏

 【「愛国心」
 「日本人の口にする愛国心は田舎者のお国自慢に異ならず。その短所欠点はゆめゆめ口外すまじきことなり(中略)此国に生まれしからは嘘でかためて決して真情を吐露すべからず」
 永井荷風が昭和18年7月5日の日記「断腸亭日乗」に記した文章だ。「永井荷風という生き方」(集英社新書)からの孫引きだが……。
 NIE(教育に新聞を)授業で教育基本法改正案を学んだ中学生たちが、自主的に首相あてに反対の意見を送ったところ、ネットや学校で担任が攻撃される騒ぎになった。荷風先生が戦時中の風潮を皮肉交じりに嘆いたように「短所欠点は口外せず、決して真情を吐露すべからず」世の中になっているのだとしたら、そんな国を愛せるものか。
 大体、国が愛国心なんて言い出すと、ろくなことはない。
 荷風先生は昭和18年の大みそか、軍のファッショを批判してこう書いている。 「親は四十五才にて先祖伝来の稼業を失ひて職工となり、其子は十六才より学業を捨て職工より兵卒となりて戦地に死し、母は食物なく幼子の養育に苦しむ。国を挙げて各人皆重税の負担に堪えざらむとす」
 今の世を荷風先生風に書くと、こんな具合か。
 「親はリストラで職を失い、その子は学業を捨ていじめを苦に自ら死し、母は子育ての意欲なく幼子を虐待し苦しめる」
 改革の名のもとに重税を強い、格差社会という名の差別社会を生んだ責任は政府にある。そんな日本にしておいて「国を愛せ」とはどの口が言えるのか。愛せる国をつくるのが先ではないか。  (社会部)  】

 全く同感である。他に言うことは無い。
 社会部の記者がここまで率直に言うかという感想、腹に据えかねているらしい。頑張ってもらいたい。



狂った金銭感覚

2006年11月29日 08時40分05秒 | 教育 
11月19日付『毎日新聞』 経済欄コラム「経済観測」から

【 景気拡大がいざなぎ景気を超えたことで、両者の比較が論じられている。いろいろな相違点があるが、最も違うのは所得格差の有無だろう。それを象徴的に物語る言葉がある。
 いざなぎ景気のころ、日本社会の格差は小さかった。東証一部上場会社で、部長と新入社員の給料の格差はせいぜい数倍止まりだった。このころ使われていた言葉に「個人円と法人円」というのがある。企業の交際費が多く社用族だけが恵まれている、という意味。確かに料亭や高級クラブなどは交際費抜きでは考えられない存在で、個人では手が届かない世界だった。とはいえ、社会全体の健全さをゆがめるようなものではなかった。
 現在の金銭感覚を考えるならば「あぶく円と地獄円」になるのではなかろうか。
58ヶ月の景気拡大の間にお金の価値が異常に軽くなった世界がある。ITバブルに浴した分野やスポーツ界。その代表が西部の松坂大輔投手の移籍金だ。何と60億円。ソフトバンクが旧ダイエーを買収した代金40億円よりも高い。西部球団はドラフトで松坂を引き当てた幸運だけでこれといった努力なしで巨額の移籍金を手に入れたのだから「軽さも軽し」ではないか。「あぶく銭」という言葉があったがこれの上をいく「あぶく円」と言わざるを得ない。
 これに反し、借金の方は今まで以上に重くなっている。財政破たんした北海道夕張市の再建案は13000人の市民にものすごい負担増を強いるもので「去るも地獄、残るも地獄」の状況になっている。さしずめ「地獄円」の世界だ。だがその負債総額はおよそ360億円。松坂を6人移籍させればすむ金額なのだ。
 格差を驚いてばかりはいられない。まともな金銭感覚を取り戻さなければ、私たちの生活が狂ってしまう。   (邦) 】

 コメントすることはない。至る所に露見する税金のむだ遣いを切歯扼腕しながら眺めているだけ。IT分野や、松坂をひきあいにだすまでもなく金銭感覚の麻痺した役人や東京都知事などがいる。腹が立つのはその金は私たちの血税であるということ。

 自殺したくなったら図書館に行こう。

2006年11月22日 09時11分50秒 | 教育 

11月22日付『毎日新聞』発信箱 元村有希子「いのち響く図書館」より

【 自殺したくなったら図書館に行こう。
 滋賀県東近江市の市立能登川図書館長、才津原哲広さん(60)は、こんな発信を続けている。住民一人当たりの年間貸出冊数12冊、全国平均の3倍という優良図書館。才津原さんは構想段階からかかわってきた。
 年間3万人以上が自ら命を絶つ時代だ。図書館に行って悩みが消えるものだろうか。才津原さん自身、九州から移り住んできて得た大切な人を自殺で失った。能登川のことを一から教えてくれた友人だった。無力感。だからこそ今がある。
「自殺を止めるのは難しいでも、もっと手前で生や死を考えたり、何かに出会える場所でありたいと思います」
 行き場がないお年寄りも、不登校の子どもも、姑と折り合いが悪いお嫁さんも、ここを居場所、かくれ場所にしてほしいという。
 図書館を訪ねた。天井が高い。木の香りがする。様々な椅子がある。窓際のソファに座って水車を眺めてもいい。畳敷きの小間もある。本を読みたくない人にも、本と出会いたい人にも優しい「休息の場」だ。
 開館から9年、いろんな出会いがあった。病気で通えなくなった女性利用者がいると聞き、毎月本を届けた。末期がんの妻と夫の「二人展」を、読書スペースを3日間だけつぶして開いたこともある。
 公立図書館は今、行政改革による正規職員の削減が進む。「図書館が『無料の貸本屋』になったらだめです」。図書館は地域文化の拠点、命の糧となる場であれ、と信じる才津原さんには、それがはがゆくてならない。 】

 地方の公立図書館が軽視され、手抜きを始めるともうだめです。図書館という地域の文化の拠点を、どんなに苦しくても守り抜くという行政の姿勢があれば、まだ再生の可能性はあると思う。
 巷間伝えられる税金のむだ遣いのことを考えれば、何ほどの負担になろうか。しかし、まずはこんなところから切り捨てて行くという発想はある。
 学校図書館もそうである。各地の学校図書館の実態を見てもらってはどうか。その貧しさには驚くはずだ。図書館教育、読書指導、司書・司書教諭の配置、蔵書など。この国の教育にかける熱意のほどは分かる。 


 


似て非なる「教育基本法」

2006年11月20日 17時32分40秒 | 教育 
教育基本法が改悪されようとしている。というより、現行教育基本法をなげすて、新しい法律をつくって国民を縛ろうとしている。
子どもの発達や、学校現場に山積する問題をまともに議論することなく、教育基本法を投げ捨てようとしている。
どんな人間をつくりたいのか。
政府が、こんな人間をつくりたいと思う発想こそ、神をも恐れぬ仕業というべきだろうが。

どうすれないいのか。

君よりも校長よりも親よりもまされる子等になぜに君が代 中村 浩爾  京都市
 
君が代を歌わずに来し教職を 誇りと語る人のまぶしき  安藤 明美  羽島市

                (『平和万葉集』労働旬報社刊 より)



文部官僚の号泣

2006年11月15日 08時09分07秒 | 教育 

11月14日付 『毎日新聞』 コラム「発信箱」 文部官僚の号泣  玉木 研二

 1947年3月18日、帝国議会衆議院「教育基本法案委員会」は熱気につつまれた。委員会設置目的である教育基本法案はすでに通過し、義務教育6・3制など新制度を定める学校教育法案が回ってきたのだ。
 資料によると、委員18人のほぼ全員が質疑にたち、校舎や学用品がそろうのかとただした。敗戦の傷跡なお深く、東京では赤子の死亡率10人に1人以上と新聞が報じているころである。
 当時の文部省学校教育教育局長が答弁に立った。
 「戦争を放棄した日本は文化国家建設のため教育の徹底的な刷新改革が必要で、次代を担う青少年への期待は誠に大きいが、現状では子どもたちに教科書もあたえられない…」このようなことを語りながら彼はあふれる涙を落とし始め、ついに言葉を失い、声をあげて泣いた。委員らも涙にくれ5分の間声を発する者がなかったという。
 実際、慌ただしく翌月に発足した新学制は混乱を極め、青空教室や無資格教員の中学の授業も各地で行われた。今に至る戦後の学校教育制度はこうして第一歩を踏み出したのである。
 いま国会で「教育再生」を旗印に教育基本法改正審議が進められている。何も声涙下る演説をというのではないが、つい思うのだ。なぜかくも「軽い」のか。攻めるも守るも切迫した空気を欠き、語りながら子どもたちの窮状に思いをめぐって詰まる声もない。
 局長の「熱涙」は帝国議会衆院本会議で審議経過に立った委員長がとくに付言して伝えた。議員の心を打ったらしい。途中2度の拍手が記録されている。(論説室)

 この「発信箱」読んでいて涙がこぼれた。しかし、「なぜかくも『軽い』のか攻めるも守るも切迫した空気を欠き」といわれると異論がある。
 軽いのは、提案した側にあるのではないか、まともな提案理由も示し得ず、数を頼んで変えてしまおうとする。憲法改悪のための外堀を埋めようという魂胆がありありと見える中で、ろくに論議もせず、タウンミーティングでやらせまでして押し切ってしまおうとする。子どもに対する思いなどどこにも感じない。

 教育基本法を守ろう、改悪は反対という運動は、すごい勢いで広がりつつある。この思いは軽くない。
 
 
 


「教育基本法改正案」まともな学者の意見

2006年11月13日 07時03分02秒 | 教育 
『毎日新聞』11月12日付 シリーズ「教育基本法改正を聞く」
今回は、神戸大 広木克行教授(臨床教育学部、同大発達科学部付属擁護学校長) 
以下『毎日新聞』とのやりとり

○教育基本法改正案に反対の理由は。
◇今回の改正案は根本的に違う新しい法律といってよいほど、現行の基本法と異質なものです。教育基本法は全文と1条の「教育の目的」で個人の尊厳を重んじて人格の完成を目指すことで憲法の理念を実現していくという考え方が示されています。改正案では、教育が国家の尊厳のために一定の「資質」をもった国民を育てるという「手段」に変わり、意味合いが逆立ちしています。改正でここまで内容を変えること自体が問題です。

○教育改革には改正が必要との声もあります。
◇改正より先に今起きている問題の検証こそすべきです。教育学の専門家は国の政策で生まれた矛盾の検証を日々続けています。そのデータを真剣に受け止め生かしてほしい。子ども批判ではなく、社会の中で変化し続ける子どもに対して「何が必要か」を考えることが大切です。それは「教育は子どもの発達にのみ奉仕する」という視点で進められるべきです。

○いわゆる愛国心表記についての考えは。
◇愛国心の押しつけはしてはならないことです。最終的に表記がなくても改正後は教育の構造が変わり、愛国心を強制する教育が可能になります。「国家のための教育」という構造の変化こそ深刻な問題です。

○改正されるとどうなるとお考えですか
◇改正案は、今起きている現場の問題を真正面から捕らえて解決していく視点に欠けています。結果的に権力を使った上からの秩序維持に頼らざるをえなくなる。また教師は直接国民に対して責任を負う立場だったが、改正後は国家に対して責任を負うことになります。目の前の子ども一人一人に応じた教育をやりたくても、独自の教育はやりにくい場面も出てくるでしょう。子どもにとっては悲劇です。(聞き手・吉永磨美)

八木氏の意見とどう違うか。
教育は誰のために、何のために行われるのか。
教師や学校は誰に直節責任を負うのか。
「教育は子どもの発達にのみ奉仕する」という視点の有無。