鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

歌‘門の上に座ってる’(その9):老人を思い出させる3つのケース(GLASS8-37)

2010-12-20 21:48:34 | Weblog
 白の騎士の歌の第8連は、私(騎士)がメナイ橋の防錆の計画に熱中し老人の説明が聴こえないこと、しかし計画を立て終わり老人の生業の説明が今や聴こえること、そして老人に私が感謝すると歌った。歌の第9連が続く。

さて今やもし私が偶然投入 And now, if e'er by chance I put
私の指をニカワの液中 My fingers into glue, 
または激しく夢中に右足挿入 Or madly squeeze a right-hand foot
左足の靴の内部中  Into a left-hand shoe,  
 
 PS1:第9連前半は原文では‘put’と‘foot’、和訳では「投入」と「挿入」が脚韻。また原文では‘glue’と‘shoe’、和訳では「液中」と「内部中」が脚韻。

 PS2:私が指をニカワに入れたらこれはベタベタして驚く、または激しく夢中に右足を左足用の靴に入れたらこれも確かに驚く。

または私が落とす爪先上に Or if I drop upon my toe
ひどく重たい錘 A very heavy weight,
私を泣かせるのは、それらが意識上に I weep, for it reminds me so, 
思い出させる私が知ったあの年寄り Of that old man I used to know― 

 PS3:第9連後半は原文では‘toe’と‘so’、和訳では「爪先上に」と「意識上に」が脚韻。また原文では‘weight’と‘used’、和訳では「錘」と「年寄り」が脚韻。この後に続く原文で to know― は次の第10連への接続の語句と位置づけ、脚韻を踏む対象から除く。

 PS4:私が爪先上にひどく重たい錘を落とせばこれも私を驚かせる。3つのケースのいずれであれそれらは私を驚かせ、あの老人のことを思い出させて、懐かしさに私を泣かせる。