鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

歌‘門の上に座ってる’(その8):メナイ橋の防錆対策はワインの中での煮沸(GLASS8-36)

2010-12-13 21:12:50 | Weblog
 白の騎士の歌の第7連は老人がバターロール、蟹、二輪馬車の車輪を探しだし,それらを売るのが生業と述べた。次いで老人は騎士の健康を祝し乾杯する。歌の第8連が次のように続く。

私には彼の説明がそのとき聴こえた、理由はまさしく I heard him then, for I had just
私の計画の完結  Completed my design
つまりメナイ橋を防錆対策うるわしく  To keep the Menai bridge from rust
ワインの中で煮沸  By boiling it in wine.
 
 PS1:第8連前半は原文では‘just’と‘rust’、和訳では「まさしく」と「うるわしく」が脚韻。また原文では‘design’と‘wine’、和訳では「完結」と「煮沸」が脚韻。

 PS2:メナイ橋を防錆のためにワインの中で煮沸したところで効果があるわけない。馬鹿げた計画。ただし私の意識が計画に集中するのをやめれば、老人の言うことが聴こえるようになるのはその通り。

私は老人が説明してくれたことに謝意 I thanked him much for telling me
知らされたのは彼の稼ぎの按配 The way he got his wealth,
しかし何よりも感謝すべきは老人の厚意 But chiefly for his wish that he
目指されたのは私の健康を祝す乾杯 Might drink my noble health.

 PS3:第8連後半は原文では‘me’と‘ he’、和訳では「謝意」と「厚意」が脚韻。また原文では‘wealth’と‘health’、和訳では「按配」と「乾杯」が脚韻。

 PS4:騎士(私)が老人に感謝するのは当然。老人はわざわざ彼の生業について説明し、さらに私の健康を祝し乾杯してくれたのだから。