迷歩録 モザイク

　　窓下に　　グラジオラスや　　満開に　　小雨に濡れて　　色輝かせ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ひのひら　　ろくべえ


　　　朝の曇天はいつの間にか小雨模様となり、本格的な雨となりそうな雰囲気の一日である。鶯も

　　朝は、高らかにホーホケキョと唄っていたが、今は静かである。声にモザイクでもかけたのか、

　　全く聞こえてこない。夕方になればまた、唄いだすのでああろう。昼休みという所かな？


　　　モザイクと言えばテレビ番組を思い浮かべる。やたらとモザイクを多用して視聴率を上げようと

　　たくらみが見え見えである。

　　　モザイクそのものは視聴者ファーストではなく、テレビ局ファーストである。視聴者にとっては

　　何のメリットもない、ただ単にイライラを増長させられるだけである。視聴者がイライラして見て

　　いることに気づかず、多用する。

　　クイズ番組やバライティー番組、結果的にはモザイクはコマーシャルの前だけなので意味をなさな

　　い、特に視聴者にとっては、コマーシャル後には、モザイクは消えるので、それまでの時間他の番

　　組を視聴すればいいだけの話である。

　　　ただ単に、テレビ局の都合で視聴者をイライラさせているに過ぎない。そのような番組は録画と

　　いう方法で視聴する。そうすればイライラするモザイクは飛ばして視聴することができる。モザイ

　　クが如何に無駄な手法であるか、テレビ局は知るべきであろう。

　　　テレビ局も視聴率を稼ぐために編み出した手法だろうが、視聴者あっての手法という事を忘れて

　　はならないのではないだろうか。バライティー番組だからこそ、ゆとりと楽しみを持って視聴して

　　もらいたいという、本筋を忘れてはならないのであろう。

　　　どのような職業でも、その本筋を忘れてしまうと、本末転倒となり、崩れることが多い。自分の

　　職業の本筋とは何なのかを、いつも考えていることが大切なのではないだろうか。