浅田信一の新譜「モアベタースマイル」がすごいいい出来なんですよ旦那。スマイル時代の曲をリアレンジしたものなのですが、とにかく楽曲がいい。私はスマイルのころ全然聴いていなかったのでそれを踏まえての感想は書けませんのでご了承下さい。全部新曲気分で聴いたのですが、ほんとにいいアルバム。
クラゲ(arranged by 奥野真哉)
いきなりキャッチーだしメロディアスだし世界観は美しいし何これ。このアルバムで一番好きな曲かもしれません。これが聴きたくて何度もリピートしてしまう。タイトルもいいセンスしてるなー。ロッキンオンだか何かのインタビューでライターが、「昔の財産を出して来るような真似をしたことに失望しかけたが、一度聴けばそんな反応は吹き飛ばせるとの自信があったのだろう」的なことを書いていましたが(立ち読みにつきうろ覚え)そういう意味でもこれが一曲目ってのは大成功では。素晴らしいです。
LOSER(arranged by カーネーション)
これもいい歌だ…。Bメロからサビに入るあたりがもう神業。ライブで「思い入れがある曲なので、新しくアレンジするの本当はいやだったんですけど」とかサラッと言って、カーネーションのメンバーに「嫌だったんだ…」とショックを与えたという話(でもいいアレンジになったので良かったとフォローは付いてたそうですが)を聞いて爆笑。非常に気持ちのいいメロディ進行です。
明日の行方(arranged by 宮川弾)
これも好きだ…とか言うとあまりに節操のない感想になってしまうのですが、本当に好きなのだから仕方ないのです。「ブルドーザーの僕は過ちをひとつまたひとつ積み上げる」とかいい歌詞だ。アコースティックアレンジが、自然描写の美しさとマッチした名曲ですね。
MAGIC CARPET RIDE(arranged by 石井マサユキ)
基本的にこのアルバムに関してだけ語っていますが、この曲は元のアレンジをちょっと知りたくなる変わった曲調ですね。不思議なテンポに浅田くんのウイスパーボイスがいい雰囲気を出しています。
闇を貫いて(arranged by 奥野真哉)
ゴメン、やっぱりこの曲が一番好きかも…私奥野さんのアレンジに弱いのかな。ソウルフラワーユニオン聴いてみるべきかな。曲がドラマチックでかっこいいのは置いておいて、歌詞がいいなあ。「君にウソをついて傷つけたことで 胸に穴が開いてた」なのに、「闇を切り裂いて そして光をともして 新しい嘘を君にあげる」ですよ。「君」に嘘をついたから胸に穴が開いたのではなく、傷つけたから胸に穴が開いてたので、だから「新しい嘘を君にあげる」わけですよ。うわーかっこいい。男らしい。大好きな曲です。
流れ星と月の石(arranged by カーネーション)
カーネーションの直江さんとのツインボーカル、意外に声質に違和感がないです。ボーカルを前面に出して、歌だけで勝負と言った感のある曲。しかし浅田くんの歌詞は男前だなあ。
IN EVERY PLACE(arranged by 沖祐市)
クリスマスソングってどうして、歌詞もちゃんと把握せず流して聴いただけでもクリスマスソングって分かるつくりになっているんだろう。そういうコード進行でもあるんでしょうか。ケミストリーの堂珍とのデュエット。一曲前はツインボーカルで、これがデュエットと表記されていますが、どういう違いがあるのでしょうか。教えて松浦さん。きれいなピアノに合わせ、丁寧に歌い上げたとても雰囲気のいい曲です。
ラブレター(arranged by 石崎光)
片思いの曲かと思いきややっぱり男らしい歌詞。なんか頼もしい世界観の持ち主です浅田くん。この曲も好きだ…。非常にポップで可愛らしい曲ですが、軽薄でない明るさも魅力的。
STEREO TYPE(arranged by 奥野真哉)
古市コータロー兄貴がギターを弾いてる、珍しく激しいロックアレンジの曲。こう言っちゃなんですが浅田くんは結構定番のアレンジやフレーズ好きだな。悪く言えば古いものが。でも流行に乗ったものが好きじゃないのはこの曲でよく分かりました。両方の意味で。青臭い若造の言葉が、嬉しいような恥ずかしいような複雑な気分になる歌詞です。35でこれが歌えるのっていいことだ。
昨日の少年(arranged by 白井良明)
原風景を言葉にすることが自分の作曲であると本人が言っていましたが、この曲はまさにそれに当てはまるのではないでしょうか。ノスタルジックで優しい歌詞に、アコギのみの演奏とボーカルが非常にいい世界を作っています。
SUN ON THE MOON(arranged by 石井マサユキ)
どこへ向かっていくのだろう、とは自分の音楽をやる上だけでなく、人生のテーマと言っていた浅田くん。(実は結構性格悪いと見てるけど)誠実であるがゆえに傷つきながらその答えを探しているさまを見ると、やっぱり応援したくなってしまいます。それだけではなく、優れたコンポーザーでありライターであるその才能に期待も大きいのですが。
(2分16秒の)待ちぼうけ
おまけ的に入っているアコースティックの弾き語り。「ばっちりでしょう!」が自信家なところを証明しててニヤニヤします。適当に作ったっぽい短い曲ですが、それでもメロディラインの良さはさすがです。
浅田くんはスマイル時代に、ファーストを15万枚売るという、普段聴いているバンドの数字に慣れている者からすれば、ひれ伏してしまうような偉業を成し遂げているわけですが、そんなスマイルですらレコード会社から突然の契約打ち切りを食らい、解散してしまったわけですよ。まあそのときのレコード会社がソニーだったというのも、そんな酷な結果を生んだ原因だと思いますが。その後ソロとなって、現在に至るわけですが、かつての数字を思うと、もっと評価されてもおかしくないと憤ってしまうミュージシャンの一人ですね。私の持論として「バンドは生き物」というのがあるのですがこれは、メンバーチェンジをしたり、それすらしなくても、成長するに従い生き物なので変化していって変わってしまうのも当然だという意味です。なので、もちろんスマイルと浅田くんは、たとえスマイルの曲をすべて浅田くんが書いていたとしても、別物だという人がいるのは充分理解しています。スマイルのほうが、今の浅田くんのソロワークよりも下手だと(言っちゃった)しても、あのバンドメンバーで、スマイルというグルーヴでなければだめだという人がいても不思議はありません。
でも、浅田信一のソロは本当に素晴らしいんですよ。スマイルが好きであるがゆえに抵抗のある人もいるとは思いますが、そういう人にこそぜひ聴いていただきたいアルバムだと思いました。多くの人が愛して、今はいなくなってしまったスマイルは、ここに生きているのです。
スマイル時代を知らないくせに、えらそうなこと書いてしまいましたが、去年の解散ライブ見に行ってつくづく感じたことでもあります。もちろん、私のように、スマイルのファンではなかった人間にも充分満足いくアルバムでした。激しくお奨めです。
クラゲ(arranged by 奥野真哉)
いきなりキャッチーだしメロディアスだし世界観は美しいし何これ。このアルバムで一番好きな曲かもしれません。これが聴きたくて何度もリピートしてしまう。タイトルもいいセンスしてるなー。ロッキンオンだか何かのインタビューでライターが、「昔の財産を出して来るような真似をしたことに失望しかけたが、一度聴けばそんな反応は吹き飛ばせるとの自信があったのだろう」的なことを書いていましたが(立ち読みにつきうろ覚え)そういう意味でもこれが一曲目ってのは大成功では。素晴らしいです。
LOSER(arranged by カーネーション)
これもいい歌だ…。Bメロからサビに入るあたりがもう神業。ライブで「思い入れがある曲なので、新しくアレンジするの本当はいやだったんですけど」とかサラッと言って、カーネーションのメンバーに「嫌だったんだ…」とショックを与えたという話(でもいいアレンジになったので良かったとフォローは付いてたそうですが)を聞いて爆笑。非常に気持ちのいいメロディ進行です。
明日の行方(arranged by 宮川弾)
これも好きだ…とか言うとあまりに節操のない感想になってしまうのですが、本当に好きなのだから仕方ないのです。「ブルドーザーの僕は過ちをひとつまたひとつ積み上げる」とかいい歌詞だ。アコースティックアレンジが、自然描写の美しさとマッチした名曲ですね。
MAGIC CARPET RIDE(arranged by 石井マサユキ)
基本的にこのアルバムに関してだけ語っていますが、この曲は元のアレンジをちょっと知りたくなる変わった曲調ですね。不思議なテンポに浅田くんのウイスパーボイスがいい雰囲気を出しています。
闇を貫いて(arranged by 奥野真哉)
ゴメン、やっぱりこの曲が一番好きかも…私奥野さんのアレンジに弱いのかな。ソウルフラワーユニオン聴いてみるべきかな。曲がドラマチックでかっこいいのは置いておいて、歌詞がいいなあ。「君にウソをついて傷つけたことで 胸に穴が開いてた」なのに、「闇を切り裂いて そして光をともして 新しい嘘を君にあげる」ですよ。「君」に嘘をついたから胸に穴が開いたのではなく、傷つけたから胸に穴が開いてたので、だから「新しい嘘を君にあげる」わけですよ。うわーかっこいい。男らしい。大好きな曲です。
流れ星と月の石(arranged by カーネーション)
カーネーションの直江さんとのツインボーカル、意外に声質に違和感がないです。ボーカルを前面に出して、歌だけで勝負と言った感のある曲。しかし浅田くんの歌詞は男前だなあ。
IN EVERY PLACE(arranged by 沖祐市)
クリスマスソングってどうして、歌詞もちゃんと把握せず流して聴いただけでもクリスマスソングって分かるつくりになっているんだろう。そういうコード進行でもあるんでしょうか。ケミストリーの堂珍とのデュエット。一曲前はツインボーカルで、これがデュエットと表記されていますが、どういう違いがあるのでしょうか。教えて松浦さん。きれいなピアノに合わせ、丁寧に歌い上げたとても雰囲気のいい曲です。
ラブレター(arranged by 石崎光)
片思いの曲かと思いきややっぱり男らしい歌詞。なんか頼もしい世界観の持ち主です浅田くん。この曲も好きだ…。非常にポップで可愛らしい曲ですが、軽薄でない明るさも魅力的。
STEREO TYPE(arranged by 奥野真哉)
古市コータロー兄貴がギターを弾いてる、珍しく激しいロックアレンジの曲。こう言っちゃなんですが浅田くんは結構定番のアレンジやフレーズ好きだな。悪く言えば古いものが。でも流行に乗ったものが好きじゃないのはこの曲でよく分かりました。両方の意味で。青臭い若造の言葉が、嬉しいような恥ずかしいような複雑な気分になる歌詞です。35でこれが歌えるのっていいことだ。
昨日の少年(arranged by 白井良明)
原風景を言葉にすることが自分の作曲であると本人が言っていましたが、この曲はまさにそれに当てはまるのではないでしょうか。ノスタルジックで優しい歌詞に、アコギのみの演奏とボーカルが非常にいい世界を作っています。
SUN ON THE MOON(arranged by 石井マサユキ)
どこへ向かっていくのだろう、とは自分の音楽をやる上だけでなく、人生のテーマと言っていた浅田くん。(実は結構性格悪いと見てるけど)誠実であるがゆえに傷つきながらその答えを探しているさまを見ると、やっぱり応援したくなってしまいます。それだけではなく、優れたコンポーザーでありライターであるその才能に期待も大きいのですが。
(2分16秒の)待ちぼうけ
おまけ的に入っているアコースティックの弾き語り。「ばっちりでしょう!」が自信家なところを証明しててニヤニヤします。適当に作ったっぽい短い曲ですが、それでもメロディラインの良さはさすがです。
浅田くんはスマイル時代に、ファーストを15万枚売るという、普段聴いているバンドの数字に慣れている者からすれば、ひれ伏してしまうような偉業を成し遂げているわけですが、そんなスマイルですらレコード会社から突然の契約打ち切りを食らい、解散してしまったわけですよ。まあそのときのレコード会社がソニーだったというのも、そんな酷な結果を生んだ原因だと思いますが。その後ソロとなって、現在に至るわけですが、かつての数字を思うと、もっと評価されてもおかしくないと憤ってしまうミュージシャンの一人ですね。私の持論として「バンドは生き物」というのがあるのですがこれは、メンバーチェンジをしたり、それすらしなくても、成長するに従い生き物なので変化していって変わってしまうのも当然だという意味です。なので、もちろんスマイルと浅田くんは、たとえスマイルの曲をすべて浅田くんが書いていたとしても、別物だという人がいるのは充分理解しています。スマイルのほうが、今の浅田くんのソロワークよりも下手だと(言っちゃった)しても、あのバンドメンバーで、スマイルというグルーヴでなければだめだという人がいても不思議はありません。
でも、浅田信一のソロは本当に素晴らしいんですよ。スマイルが好きであるがゆえに抵抗のある人もいるとは思いますが、そういう人にこそぜひ聴いていただきたいアルバムだと思いました。多くの人が愛して、今はいなくなってしまったスマイルは、ここに生きているのです。
スマイル時代を知らないくせに、えらそうなこと書いてしまいましたが、去年の解散ライブ見に行ってつくづく感じたことでもあります。もちろん、私のように、スマイルのファンではなかった人間にも充分満足いくアルバムでした。激しくお奨めです。