ハッピー&ラッキー

コレクターズとピロウズとANATAKIKOU、その他音楽やいろいろ。

いまさら新譜の話

2011-08-30 | コレクターズ
こんばんは。お久しぶりです。見てくださっているかたがどれだけいるんだか分かりませんが独り言的に更新してみますよ。7/23の名古屋クアトロはもちろん行ってきたし新譜も毎日聴いていますがなんとなく更新するタイミングを逃してしまった。そのうちにハーベストームーンの常連さんに池袋24で名古屋ライブのレポを先越されてしまうしまつ。リーダーの福田和子のモノマネ面白かったです。というかそれをさせるコータローさんが楽しかった。あとQちゃんの自由ぶり。ボケちゃって徘徊しながらもライブはやってくれそうなMCとか嬉しかったなあ、介護プレイだよそれじゃ! と言いながら、コレクターズが長く続くこと前提の話ににやにやでした。もちろんライブは最高にかっこよくてよかった! ラストでサマータイムブルースのカバーもあってすごく楽しかった。そして新譜「地球の歩き方」も好調なようで何よりです。この曲がすごいツボなのおおおおお! というのはないけれど、全体的にいい曲でいい演奏で常に一定のクオリティをいつも軽く超えてしまうコレクターズは本当に安心して聴けるいいバンドだなあと思うことしきり。「英雄と怪物」はいいね! シンプルな歌詞に込められた愛情が嬉しいです。震災をテーマにしたであろう今回のアルバムは、辛くて悲しくて涙しそうになる曲も多いのですが、この曲は純粋に苦境の中己を顧みずに戦ってくれた「英雄」に対する敬愛が伝わってきて安堵します。「GROOVE GLOBE」がかっこいいなあ、これ一曲目でもいい感じですね。あとやっぱり涙なしでは聴けない「遥かなるスタートライン」、リーダーのやるせなさや絶望、ひいてはそういう感情を震災を通して持ったその優しさがひしひしと伝わってくる名曲です。自分的には2065に匹敵する。ほんとうに絶望的な状況で、あまりにやるせなく無力であるその姿にそれでも「涙をぬぐおう 肩を組み歩こう」「いつかたどり着ける日が来るさ 歩いて行こう」と背中を押せる力強さが頼もしすぎる。

震災後いくつものチャリティソングが発表されて、それはそれで売り上げを寄付するという素晴らしい目的があるのだから立派な行為ではあったけど、純粋に曲として聴いた時にはぜんぜん自分の中ではいいものがなかったのですよ。もちろん目的が義捐金なら、たとえ無音のディスクを売ってもその売り上げが寄付されるならその曲には意味があると思うので別に、しかも全く被災していない私に認められなくても何の問題もないのですが、私の価値観の中ではどれもこれも「一人じゃないよ」「そばにいるよ」的なものばかりで(もしくはどうなんだと思うほど悪ふざけみたいな曲)ちっとも音楽として同意できるものがありませんでした。けどこの「遥かなるスタートライン」には、すべてを失った人にも「歩いて行こう」と優しく背中を押す力強さがすごく頼もしかった。辛いときに「一人じゃないよ」と慰める母親的優しさももちろん必要なのでしょうが、ひどい状況の中、それでもここで生きていかなければならない人たちに「歩いて行こう」と前を向かせる父親的優しさはなくてはならないものではないかと思います。

だいたい「一人じゃないよ」ってすごい傲慢な言葉じゃないかと思うのですが。震災で家族をすべてなくした少年少女がメディアで紹介されていたけれど、彼らの圧倒的な孤独の前に「君は一人じゃない」なんてセリフを私は絶対に口にできない。話はずれるけど「がんばれ」って言葉もずいぶん悪者になっちゃったなあ。「これ以上どうやってがんばれというの」と考える人はもう被災者以前に精神が病みはじめているから診療を受けたほうがいいと思う。私は「がんばれ」という言葉はいまの日本にも被災者にもかけてしかるべき言葉だと思っています。

コレクターズに話を戻しますが。そんな感じでこの時期にリーダーの大人の言葉が聞けて良かったなあと思うアルバムでした。刑事ボーカルの「マネー」もかっこいいし、「マナーモード」「ドミノ・トリップリング」もいまの若者の苦境を歌った、震災とは別の災害に遭っているような日本人をうまく表現していると思います。「ミッドナイトボートピープル」を思い出す。「サマー☆ビーチ☆パラソル」(この☆がバカさを際立たせてまたいいね)や「キミノカケラ」のラブソングもさすがロマンチック番長。「地球の歩き方」と「春鳥~」の頭とラストの二曲が、もうちょっとで自分的解釈で咀嚼できそう。もっとちゃんと歌詞と照らし合わせながら聴いてみたいです。

もうすぐ野音ですね。楽しみです。新幹線予約しないと! あとガムも久しぶりに作りたいな。